「遠距離の彼と別れたい」に関する専門家の意見やアドバイス
「別れる理由」は実は後付け?
遠距離恋愛の場合、会えない寂しさからすれ違いが生じてしまい、別れを考え始めるケースが多いでしょう。そしてもっともらしい「別れの理由」を切り出すことになるわけですが、そこに至るまでには意外な心の動きがあるようです。『愛とためらいの哲学』(岸見一郎)には、以下のような記述があります。
「別れるという決心を後押ししたり、あるいは、自分の心変わりを説明したりするためには何か理由が必要になります。理由があった方が、相手を説得するのもたやすいでしょう。理由もなく別れてほしいといっても、相手は納得しないでしょうから。何か理由があって別れるのではありません。別れるために理由を探すのです。
別れる理由を探すにあたっては、かつては相手に惹かれた理由が、今度は別れるための理由になることがあります。優しい人が、優柔不断な人に、自分をリードしてくれる頼もしい人が、支配的な人に思えてきます。几帳面できちんとしている人が、細かいことにこだわるうるさい人に思えてくることもあるでしょう。
これは、相手が変わったからではありません。この人とは一緒にやっていけないと思ったから、別れる理由を見つけるために相手が違って見えてくるのです。どんなことでも、たとえ以前は長所だと思っていたことでも短所に見え、それを別れることの理由にするのです。」
このように、「〇〇だから別れたい」のではなく、別れたいという気持ちが先にあり、それらしい理由を探すというのが真相なのかもしれません。遠距離恋愛であれば、物理的に離れており、なかなか会えないことが理由とされやすいでしょう。
「遠距離」は障害になるのか?
なかなか会えない遠距離恋愛に悩む女性は多いようです。『恋愛で2度と失敗しないために知っておきたい男の本音32男の本音シリーズ』(田端裕司)には、以下のような記述があります。
「私は金沢在住の女、36です。先日、東京で開催された勉強会に参加しました。そこで、同い年の彼と知り合いました。同じグループに彼がいて、彼から声をかけてきました。
とても、ウマがあったので、夜ごはんを一緒に食べて、飲みにも行きました。LINEも交換して、最終日には、手もつなぎました。けれど、彼は東京で、私は金沢です。お互いにまた連絡するという話をして、私は金沢に帰りました。
家に帰った後、しばらくはLINEがしょっちゅうあったのですが、最近は、減ったような気がします。私は、彼のことが好きで、距離を縮めたいのですが、どうしたら、良いでしょうか?
LINEでは、距離を縮めることはできません。
女性は、LINEを本能的に待ってしまうものです。なぜなら、興味ある相手を安心させることが、女性のやり方です。常に連絡することが、愛の証だからです。
しかし、男性は違います。デートでかなり盛りあがったとしても、翌日に、LINEを相手にしない男もたくさんいます。なぜなら、個人差はありますが、男性は、本能的に好意をオープンにすることは恥ずかしいこととインプットされているからです。
このように連絡、LINEについて、男女の価値観は違います。だから、LINEを通じて仲良くなるのは、難しいんです。じゃあ、どうやって仲良くなったらいいの?と思いますよね。
それは、リアルです。リアルに会う回数を重ねることによって、仲良くなるしかありません。リアルでしたら、相手の表情も、声のトーンも分かります。お互いにふれあうこともできます。だから、口に出さなくても、気持ちは伝わります。つまり、距離が縮まるんです。
本題に戻ります。あなたが本気なら、彼が金沢に来てくれない以上、あなたが東京に行くしかありません。もちろん、交通費、宿泊費だってかかります。けれど、あなたが本気で彼のことを好きなら、そのくらいは当たり前だと思ってください。
どんな恋愛にも、何らかの障害があるものだからです。ただ、たとえ遠距離であっても、フィーリングが合う男性は大切にすべきです。」
このように、遠距離恋愛の相手とは、やはり心の距離を感じやすいもののようです。別れを回避したければ、直接会う回数を重ねるしかないのかもしれません。
やはり遠距離恋愛は続かない!?
遠距離恋愛には多くの困難が待ち受けているイメージがありますが、実際に「長続きしない」という調査結果があるそうです。『「なるほど!」とわかるマンガはじめての恋愛心理学「女子力アップシリーズ」』(ゆうきゆう)には、以下のような調査結果の記述があります。
「遠距離解消までに半分のカップルが別れる!
心理学者スタッフォードの調査では、遠距離恋愛をしているカップルのうち、半分は遠距離を解消して近くで生活するようになり、もう半分は距離的に離れたまま終わることが分かっています。
遠距離解消後も続くカップルは、そのうち3分の2!
遠距離が解消されたとしても、そのうち3分の1のカップルが3か月以内に別れてしまうそうです。2人の間に『遠距離』という障害がある状況では、気持ちが高まりやすく、また、遠距離で会えないうちは、相手を理想化しがち。簡単に会えるようになったとたん、相手のイヤなところが目について、一気に気持ちが冷めることも…。つまり、これらを総合すると、遠距離恋愛のカップルのうち、関係が続くのは全体の3分の1ということになります。」
このように、遠距離恋愛中のカップルは、半分が別れを選び、遠距離解消後にもそのうち3分の1のカップルが3カ月以内に別れてしまうという衝撃的なデータがあるようです。とはいえ、全体の3分の1のカップルは遠距離を乗り越えるということでもあるので、悲観する必要はないのかもしれません。
<参考文献>
『愛とためらいの哲学』(岸見一郎)
『続・恋愛で2度と失敗しないために知っておきたい男の本音32 男の本音シリーズ』(田端裕司)
『「なるほど!」とわかるマンガはじめての恋愛心理学「女子力アップシリーズ」』(ゆうきゆう)
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