「電話が怖い」に関する専門家の意見やアドバイス
電話が怖い理由とは?
スマートフォンが普及し、プライベートの連絡はSNSで済ませることが一般的になってきました。電話に苦手意識を持つ人が増えた背景には、そうしたことが影響しているのかもしれません。『ゼロから教えて電話応対』(大部美知子)には、以下のような記述があります。
「電話でのやりとりは苦手という人が増えています。それはなぜでしょうか?
アメリカの心理学者アルバート・メラビアンは、人が自分の思いを伝えようとするとき、聴き手は話し手のどの部分に影響されるかという実験をしました。その結果、次のような数値が出ました。
目から入る情報 55%(表情、態度)
耳からの情報 38%(声のトーン、スピード、言葉づかい)
言葉 7%
これを、『メラビアンの法則』といいます。
つまり、電話応対の場合は、耳からの情報だけでコミュニケーションをとっているため、45%(7%の言葉と38%の耳からの情報)の部分だけで判断されてしまうということです。
そのため、言葉づかいや声のトーンなどに、細心の注意をはらう必要があるのです。」
こちらの結果からもわかるように、情報の受け手は、耳から入る情報よりも目から入る情報のほうに影響されることが多いようです。耳からの情報だけでコミュニケーションを取る「電話」の場合、視覚に頼ることができないだけに、SNSなどに比べて神経をすり減らしてしまうのは当然なのかもしれません。
「電話が怖い」を克服しよう
「電話」に関する感覚は、一人一台スマートフォンを持ち歩く現代と、固定電話しか存在しなかった時代では異なるでしょう。電話を怖いと感じてしまう原因の一つに通信手段の変化が挙げられるかもしれません。『電話恐怖症のあなたへ。ビジネス電話克服マニュアル。これで、もう怖くない。(5分で読めるシリーズ)』(武田りお)には、以下のような記述があります。
「昭和生まれの人にとって、電話とは『誰からかかってくるか、分からない』ものでした。もっと言えば『一家に一台』でした。
だから友達に電話をかけると、その家のお父さんが出て根掘り葉掘り関係を聞かれてなんていうこともありました。
この世代は会社に入って『自宅の電話と会社の電話』の違いを習うところから始めました。
ところが平成時代は『携帯電話』が普通の世代です。自宅の電話はナンバーディスプレイ。携帯もナンバーディスプレイで『誰から』かかってきたのかわかります。
知らない人の電話は出なければいいし、知っている人なら普段話すように話せばいいのです。
そのため、入社後『電話をとれ』と言われると負担になります。
電話をとっても自分には解決できないことが分かっているのにどうして自分が取らなければいけないのか?
そもそも社内の人の名前も覚えていないのに自分が電話を取る意味が分からない。
電話をとれば『声が小さい』『早く電話をとれ』と言われる。
電話恐怖症になっている人も少なくありません。
それらを克服するには、いくつかの心がけが必要になります。
まず、あなたが認識しなければいけないのはあなたの知る『電話』と『ビジネス電話』は全く違ったものであるということです。
あなたの手元にある携帯電話やスマホとも違います。
主な違いは次の通りです。
○あなた以外の人にかかってくることもある。
○全く見当違いの要件でかかってくることもある
○電話応対一つで、扱いが変わることもある
○誰からかかってくるか分からない
これだけ違うのですから『ビジネス電話』は『あなたの知っている電話』と違うものだと納得できるはずです。
(中略)
自分では気をつけているつもりなのに、何かと注意を受けてしまう。言われることは常に同じことばかりなので、具体的にどうしていいかわからない。
そんなことがあります。
よく言われる注意とその対象法を挙げてみましょう。
■暗い・元気がない
声がくもぐっていることが考えられます。声のトーンが低いと顔も暗くなっていることがあります。電話のそばに鏡を置くか、自分の表情を確認できる状況を作りましょう。(中略)
■何を言っているかわからない
ビジネス電話初心者がいうべきことは大抵決まっています。会社名を名乗り、取り次ぐ相手の状態です。準備できるものが先にしておきましょう。
『お電話ありがとうございます。株式会社ジェコルレーヌ、吉村でございます』
これを電話のそばに貼っておくだけで機械的に読み上げることができます。
自分が引き継ぐべき相手に関しては、その人が今どこにいるかを確認しておきましょう。
電話も続けて取っていると、同じ人、企業から電話が繰り返しかかってくることがあります。それを自分用にマニュアルを作っておくといいでしょう。(中略)
■声が聞こえない
最近の電話は集音力が高く、かなり小さな声でも聞こえるようになっています。それにもかかわらず、声が小さいといわれるのは前述した『滑舌』の問題と声のトーンに問題があります。
これを克服するには、自分のスマホや携帯を使い一度録音してみましょう。自分の聞こえづらいといわれる部分がどこにあるのか第三者的な気分で聞いてみるといいでしょう。
■シャキッと話せ
シャキッと話せ、あるいは話し方が『だらしない』と言われる人の共通点は『語尾が伸びる』ということです。
『お世話になっておりまーす』
『ありがとうございまーす』
など語尾の伸びはだらしなく感じます。先輩はしていても、あなたは許されないということもありますので、企業内で『上司や先輩だってしている』からと言ってあなたがしていいということにはなりません。
まずは『語尾の伸び』を注意してみましょう。
■ぼわぼわとする雑音がひどい
これには三種類の原因があります。
一つは受話器の持ち方に問題があり、鼻息が受話器に入ってしまうということです。受話器の持ち方を工夫してみましょう。(中略)
二つ目は「ッス」というような口癖の人です。
当然意気を吐いているので音が受話器に伝わります。どちらにせよ『ッス』というようなしゃべり方はビジネス電話ではふさわしくありませんので使わないほうが無難でしょう。(中略)
三つめ、あなたのオフィスのエアコンの位置を確認してみましょう。空調に問題があることもあります。(略)」
携帯電話の普及により、通信機器がパーソナルなデバイスに変化したことで、「いつ、誰からかかってくるかわからない固定電話」というものに恐怖心を抱く人が増えたのは当然なのかもしれません。自分が普段使う電話と「ビジネス電話」は用途が異なるものだと認識することで、苦手意識を克服するしかないでしょう。
<参考文献>
『ゼロから教えて電話応対』(大部美知子)
『電話恐怖症のあなたへ。ビジネス電話克服マニュアル。これで、もう怖くない。(5分で読めるシリーズ)』(武田りお)
スゴレンは、「男女の恋愛の本音」を集めた恋愛アンケートに基づいて作成した女性向け恋愛コラムを提供しております。さまざまな恋愛シーンで活用できるコンテンツを配信中!