「物に当たる」に関する専門家の意見やアドバイス
怒りをコントロールするには?
「怒る」ということ自体は自然な感情です。しかし人や物に当たりたくなるのは、決していいことではないでしょう。『[図解]アンガーマネジメント超入門 怒りが消える心のトレーニング』(安藤俊介)には、以下のような記述があります。
「アンガーマネジメントは怒ること自体を否定していません。怒りは自然な感情であり、モチベーションにすることもできると考えています。
問題は、怒りの攻撃性です。攻撃は(1)他人、(2)物、(3)自分の3方向に向かいます。
(1)他人を攻撃する
他人を攻撃すると人間関係を悪化させてしまいます。自分の立場や気持ちを伝えることは大切ですが、あまりに攻撃的になると、相手も自分も疲弊するばかりです。
(2)物に当たる
『物にあたるのは誰も傷つかないから問題ない』と感じるかもしれませんが、そうではありません。物にあたると怒りは心に定着してしまうからです。癖になるだけではなく、どんどんエスカレートしがちなので、おすすめできません。
(3)自分を攻撃する
失敗した自分を責めるのは攻撃を自分に向けているのと同じことです。罪悪感を募らせ、気持ちがふさぎ込んでしまいますから、これも避けるべきです。
◎特にアンガ―マネジメントを始めた当初は『他人を怒ってしまった』『やっぱり自分は怒りっぽい』と自分を責めてしまいがちです。しかし、怒りをコントロールしようとして、うまくいかずに怒っていては悪循環です。
怒ってしまった自分を否定するのではなく、怒りっぽい事実を認め、じっくりマネジメントしていきましょう。自分を受け入れるのもアンガ―マネジメントです。
アンガ―マネジメントでは怒ることを一概に悪いことと捉えません。むしろ、『怒るべえきことは怒ったほうがよい』という立場を取っています。
では、『怒るべきこと』はどう判断すればよいでしょうか。判断基準は『後悔するかどうか』です。怒ったほうがよいのは『怒らないと後悔すること』、怒るべきではないのは『怒ったら後悔すること』です。後で、『やっぱり言えばよかった』と後悔するなら、怒ったほうがよいと言えます。」
怒りという感情は、なかなか治まりにくいため、その矛先をどこに向けたらいいのか、とっさに判断するのは難しいでしょう。しかし、他人や自分、物に当たるのはやはりよくないことなので、上手な怒り方を身に付けられるよう、少しずつ訓練したいものです。
瞬間的な怒りを抑える方法
イライラが募り怒りが爆発しそうになるとき、物に当たったり、手が出そうになったりする人は多いようです。このような瞬間的な怒りを抑えるには、どうしたらいいのでしょうか。『怒りが溶ける!優しくなれる!アンガーマネジメント』(安藤俊介)には、以下のような記述があります。
「ふだんの生活で、イライラする場面が増えています。話す相手の態度や攻撃的な言葉に腹が立つことはあるでしょう。また、コロナ禍では休校や休園が相次いだり、テレワークになるなど、働き方や暮らしが激変したことも影響しています。
『イライラのあまり子どもに怒鳴ったり、手が出そうになる』『夫(妻)とのいさかいが増えた』など、日本アンガ―マネジメント協会には、多くの声が寄せられています。
こうしたときにまず大事なのは、怒ってしまう自分と、それをとりあえずいったん抑えようとする自分を認めることです。反対に自分を責めてしまうと、怒りの気持ちを増幅させるだけで、ひいては感情の爆発を招きかねません。
イライラの対処法として実践してほしいのが、『怒りを感じたら6秒待つ』という『6秒ルール』の徹底です。なぜなら、人は怒りが生まれてから6秒たてば、理性が働くからです。なので、気持ちが昂ったら、『1、2、3……』と数えている間に気持ちは少しずつ落ち着いていくはず。同じくらいの時間をかけて深呼吸しても構いませんし、好きな歌を思い浮かべるのもありでしょう。
やってはいけないのは、無意識や衝動的に反応することです。暴力はもってのほかですが、売り言葉に買い言葉だと、自分も相手もヒートアップし、言わなくてもいいことや余計なことを言ってしまうおそれがあります。結果、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。つまり、イラッとしたときに大切なのは、『反射的な行動をとらないこと』、これにつきます。
テクニックは他にも、『まあいいか』、『なんとかなる』といった、自分にとっての『魔法の言葉』を用意して、頭の中で唱える方法もあります。
それ以外にも、『いまのは5点』「など、目の前の怒りに対して10点満点で点数をつけることで冷静になるワザもあります。」
イライラした気持ちを抑えるのはなかなか難しいことですが、6秒待てば理性が働くようになるようです。感情的になりそうだと思ったら、ひとまず6秒数え、その後は、怒りに点数を付けたり、魔法の言葉を唱えたりするなどして、自分に合った方法でコントロールしたいものです。
<参考文献>
『[図解]アンガーマネジメント超入門 怒りが消える心のトレーニング』(安藤俊介)
『怒りが溶ける!優しくなれる!アンガーマネジメント』(安藤俊介)
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