夫婦のセックスに関する専門家の意見やアドバイス
夫婦のセックスレスの主な原因
本文で夫婦のセックスレスやその原因について触れましたが、もっとも多い原因はなんでしょうか?『ずっとずっと愛し合いたい セックスしつづける男と女のルール』(宋 美玄)では、次のように解説しています。
「何が原因で夫とのセックスが途絶えたのか、理由を考えてみても明確な答えが出ない場合も多いものです。セックスレスの期間を聞かれて、『はっきりしない』『覚えていない』などと答える人の多くが、途絶えた理由も同じくらい曖昧です。厚生労働科学研究班が実施した『第5回男女の生活と意識に関する調査2010』によると、婚姻関係にある人がセックスに対して積極的になれない理由は、次のような結果となりました。
女性の第1位は『面倒くさい』(26.9%)で、次が『出産後なんとなく』(22.1%)です。 一方、男性は第1位が『仕事で疲れている』(19.7%)で第2位が『出産後なんとなく』(18.9%)。 出産後のことはのちほど詳しく述べることにして、ここで注目したいのは男性の『仕事で疲れている』と女性の『面倒くさい』です。 物理的に疲れている人をどうしたらその気にさせることができるか。そして、女性の『面倒くさい』という理由は、一見投げやりに思えるものの、その裏にある本音は『セックス自体が気持ちよくない』からだろうと思います。」
また同書では、「『疲れ』と『面倒くさい』は、ふたりのセックスの質を上げることでしか解決しません。疲れていてもやりたい、面倒くさいけれど、それを上回る快楽が あるからやりたい...そんなセックスにふたりでたどり着いていただきたいです。」と述べています。セックスレスは二人で一緒に乗り越える必要があるということですね。
セックスレスを解消するためのテクニック
『セックスが本当に気持ちよくなるLOVEもみ』(OliviA)では、セックスレス解消のためのさまざまなテクニックを紹介しています。
例えば、セックスを面倒くさいと感じることについては、「シャワーを浴びたり、ベッドの後片付けがめんどうなど、セックス前の準備、後片付けがめんどうになっている」とし、「工夫次第で頑張らないセックスが吉ともなる」とアドバイスしています。
さらに、おすすめのテクニックとして「お風呂でイチャイチャ」や「服を脱がない半脱ぎセックス」を紹介。「セックスはベッドですること が全てではないので、新鮮さを出すという意味も含めて、一緒にお風呂に入り、お互いのカラダを洗いあって気分を盛り上げられたらGOOD」「女性ならワンピース型パジャマ、男性なら下着1枚やガウンなどであれば、脱ぐという行動も簡素化でき、また、そのまま寝ることも可能!」としています。
同書には他にも、疲れているときやマンネリ気味のときなどにおすすめのテクニックも掲載されています。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
本当に問題なのはセックスのありなしではない?
セックスレス問題は、セックスをしないこと自体が問題なのではなく、本当の問題点は別にあるとの意見もあります。『誰にも言えない夫婦の悩み相談室』(小野美世)では、「『しない』ことが問題なのではない」として、次のように解説しています。
「女性たちからいただくご相談で一番多いテーマは、夫婦間のセックスレスです。『夫がセックスをしたがらない』『夫はまだ求めてくるけれど、私のほうがもうしたくない』というような内容です。しかし、夫婦がセックスをしないこと自体は、それほど深刻な問題ではありません。結婚して長い年月が経てば、セックスの頻度が減るのも自然なことです。
しなくてもお互いに納得できていれば、何の問題もありません。問題なのは、ふたりの『したい・したくない』の度合いが著しく違うことです。そして、そのことについて『会話』や『コミュニケーション』がないことが本当の問題なのです。」
セックスレスは、夫婦間で会話やコミュニケーションが取られていないことが問題とのこと。時間が合わないなどの一時のセックスレスではなく、さらに、どちらか一方が我慢を強いられている状況だとしたら、コミュニケーションの問題を解決する必要があるということですね。
セックス頻度が少ないのは夫婦だけではない?
そもそも、セックス頻度が少ないのは夫婦に限ったことなのでしょうか?『こんなに違うよ! 日本人・韓国人・中国人』(造事務所)では、「日本人は男女関係には消極的」として、カップルのセックス頻度について次のように解説しています。
「日本のカップルはセックスレス――実際に数字を見ると、1カ月の性交回数は、日本では男性が3.4回、女性が2.9回、中国で は男性が5.2回、女性が3.9回、韓国では男性が5.6回、女性が5回。たしかに少ない。 医学的な見地からは、セックスレスの原因はいくつか挙げられている。
まずは毎日の仕事などがいそがしいという事情。身体的な理由では、男性のED(勃起不全)や、女性の性交疼痛症(性交に身体的な不快や痛みがともなう)、膣痙、さらに精神的な理由では、性欲低下、性嫌悪症などだ。残念ながら日本の男女は、引っ込み思案であるか、我慢してセックスしたらイヤな思いをして、そのまま気が乗らなくなってしまう人が少なくないようだ。」
韓国や中国と比べてみて、日本人のカップルのセックス頻度は少なく、そして、理由としては身体的・精神的なものが挙げられるとのこと。夫婦になる以前からセックスが好きではなかったというケースもあるということですね。結婚してからカミングアウトすることのないように、二人でしっかりと話し合っておきたいですね。
<参考文献>
『ずっとずっと愛し合いたい セックスしつづける男と女のルール』(宋 美玄)
『セックスが本当に気持ちよくなるLOVEもみ』(OliviA)
『誰にも言えない夫婦の悩み相談室』(小野美世)
『こんなに違うよ! 日本人・韓国人・中国人』(造事務所)