「癇癪持ち」に関する専門家の意見やアドバイス
イライラを自分でコントロールする思考法とは?
癇癪持ちだと自覚している場合は、自分がイライラしてしまう原因を探り、爆発する前に気持ちを鎮めたいところです。『すぐに怒鳴る人、すぐに怒る人に怯えない技術』(江波戸武士)には、以下のような記述があります。
「(前略)イライラするのは、『自分の思い通りにいかないことが多い』と感じているからです。毎日イライラしているのは、うまくいっていないことばかりにフォーカスしてるからです。自分が失敗したことや、自分の弱点や欠点ばかりを見ていたら、精神状態が悪くなってしまうのです。
ということは、イライラから解放されるためには、現状の良いところに目を向ける必要があるということです。しっかりと現状を見つめれば、良いところはたくさんあるはずです。普段、当たり前だと思っていることの中に、素晴らしいことはたくさんあるのです。毎日働くことができるのも素晴らしいことだし、自分のことを大切に思ってくれる人がいるのも素晴らしいことなのです。毎日イライラを感じるのは、『もっと良いところに目を向けなさい』と伝えてくれるメッセージになるのです。
ものごとには必ず、ポジティブな側面とネガティブな側面があります。毎日イライラするということは、ものの見方がネガティブに偏っているのかもしれません。だから、『最近怒りっぽいな~』と感じたら、『ものごとの良いところが見えていないのか?』と考えることが大切です。
たとえば、『すべてが自分の思い通りにいかなくてはいけない』という考えにとらわれていたら、何かに失敗したとき、怒りがわき上がってきます。
そして、失敗した自分を許すことができなければ、いつまでたっても、『なんで、失敗してしまったんだ』と、後悔することになってしまうのです。
逆に、『失敗することもある』『すべてがうまくいくはずがない』と思っていれば、『この失敗から何か学べることはないか?』と、ポジティブな側面を探すことができます。すると、今までうまくやってきたから、『うまくいくのが当たり前だ』と、傲慢になっていた自分に気づくことができるかもしれません。そして、失敗をしても、『またやり直すことができる』ということに感謝できるようになるかもしれません。」
このように、現状のいい側面に注意を向けるようにすると、思い通りにならない苛立ちからは解放されるはずです。癇癪持ちを直したい人は、うまくいかないことからも何かを学び取るくらいのポジティブ思考を心掛けましょう。
癇癪持ちの人への接し方
身近に癇癪持ちの人がいたら、神経をすり減らしてしまうもの。お互いにストレスを感じることなく過ごすためには、どのような工夫をするといいのでしょうか。『子育てコーチングの教科書』(あべまさい)には、以下のような記述があります。
「ペーシングのスペルはpacing、直訳すると『相手とペースを合わせる』という意味です。ペースを合わせるというと、主体性のないへいこらした人物像が浮かんでしまいます。これもまた違います。
ペーシングとは、相手の言うことや気持ちを受けとめる、もしそれが自分にとっては都合の悪いことであったとしておm、できるだけの忍耐と思いやりを動員してしっかり受けとめる、そういうスキルです。
(中略)
ペーシングは、自分が誰かにこのスキルを使ってもらえると、その素晴らしさが分かります。私のコーチも、自分の持てる誠意を総動員して私の気持ちを受けとめてくれているなと思うことがあります。
たとえば、私が誰かのことを殴りたい、と思ったとします。あくまでも例として、です(こうやってわざわざ断るところがなおさら怪しい)。殴りたいー、という気持ちが内側にあるとします。
もしそれを誰かに話して、言い終わるか終わらないかのうちに否定されたり、正論を言われたりしたら、瞬時にその気持ちを押し殺したとしても、それは減ったりなくなったりすることはありません。でも、もし誰かが、『そうか、そういう気持ちなんだねえ』と私の気持ちを、気持ちのグラム数そのままの重さで、同じように感じて理解してくれたとしたら、どんなに救われるでしょう。
そのちょっとカビの生えたような気持ちに太陽の光が当たります。そうか、そこにいたんだね、と認められ声がかかったら、その気持ち自体が軽くなり、どこかに行ってしまうような気がします。
殴りたいという気持ちと、実際に殴るという行為の間には大きな開きがあります。実際に殴ったりはしないけれど、人はいろいろなことを頭の中で思うものです。思ったことを持ち続けるのが重いとき、誰かに話して受けとめてもらうことで初めて、正しい判断、中立的な判断に自分から戻っていけるのだと思います。
もちろんペーシングは『そうだね、殴ろう、殴ろう!』とけしかけるものではありません。ペーシングはどんな行為にも賛成する太鼓持ちのスキルではありません。あくまでも焦点はその人の気持ちです。その人がまさにそう思っている、その思いや気持ちを受けとめるスキルです。
しっかりと受けとめたあとでなら、自分の意見を伝えるなり、どうしてそんなふうに思ったのかを聞いてみたり、正論をちょっと言ってみたり……そんなふうに関わってもだいじょうぶなゆとりが相手に生まれていることと思います。」
このように、癇癪持ちの人の話は、さえぎらずに最後までしっかり聞いてあげたほうがいいようです。そうすることで、相手も自分が受け入れられたと考え、素直に耳を傾ける余裕が生まれるに違いありません。
<参考文献>
『すぐに怒鳴る人、すぐに怒る人に怯えない技術』(江波戸武士)
『子育てコーチングの教科書』(あべまさい)
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