「苦労人」に関する専門家の意見やアドバイス
成功をつかむ「苦労人」とは?
失敗をバネにして「次こそは」と奮起できる人は、成功をつかみやすいはずです。『面白いほどよくわかる!「男」がわかる心理学』(齊藤勇)には、以下のような記述があります。
「(前略)
どんなに優秀な男性であっても、失敗はつきものです。むしろ失敗を成功に導くことができてこそ、できる男といえるのではないでしょうか。『最初に言い訳をする男は失敗を認めない』でも紹介しましたが、失敗や成功の原因をなにに求めるかを心理学では『原因帰属』と呼びます。『がんばっても仕事がうまくいかない』『成績があがらない』。このようなときに『なにがいけないのだろう』と原因を考えることをいいます。
原因帰属の研究で知られる、アメリカの心理学者、ワイナーは、成功と失敗にまつわる4つの原因を次のようにあげています。
(1)本人の能力(不変内的要因)
(2)本人の努力(変動内的要因)
(3)課題の難易性(不変外的要因)
(4)運(変動外的要因)
『そこまでのスキルがない』『がんばりが足りない』という、原因が『自分自身』にあるとみなすことを内的要因といい、『かなり難しい仕事だった』『タイミングが悪かった』という、原因が『自分以外』にあるとみなすことを外的要因といいます。『成功したい』という成功思考が強い男性は、失敗の原因帰属を(2)に求めます。しかし『成功しなくても失敗をしなければいい』という失敗回避の思考が強い男性は、失敗しても特に原因を特定せず、出来事のひとつという、運任せのようにしか捉えません。成功や失敗に、自分の努力が関係しているとは考えず、さらに『成功したい』という気持ちが希薄なため『努力すれば成功できる』という発想にはいたらないのです。
男性は、プライドの高さから、失敗を外的要因に求める人が多い傾向にありますが、失敗の原因を『自分の努力』(変動内的要因)と捉え、成功するための『方法』を考えられる男性こそが、失敗しても次の成功を手にすることができるといえるでしょう。」
このように、自分の失敗を外的要因に求める人は、成功をつかみにくいようです。苦労を厭わず、目標に向けて努力できる人には、おのずと道が拓かれるのかもしれません。
「苦労人」の言葉の重み
「苦労人」とは、様々な経験を重ね、世間や人情に通じている人を指します。『1秒で「気がきく人」がうまくいく』(松澤萬紀)には、以下のような記述があります。
「毎年、寒い時期になると、顔を出すおでん屋さんがあります。先日、顔なじみのご主人に、『どうやったら、おいしいおでんが簡単につくれますか?』と軽い気持ちで質問してみました。
すると、いつもは笑顔を絶やさないご主人が、このときは真剣な表情を見せて、私を諭すように言いました。
『萬紀ちゃん、この店では、簡単なものは出していないよ。おでんといったって、1日やそこらで覚えられるほど、簡単なものではないからね。3年あれば、ひと通り、料理のことは覚えることはできる。けれど、いつもと違う醤油を使っても、いつもと違う鍋を使っても『同じ味』のおでんをつくれるようになるには、10年はかかる。大事なのは、たくさん経験することだよ』
プロ意識を持つご主人に対し、思慮を欠く質問をした自分が恥ずかしくなりました。『一人前になりたければ、10年の経験が必要』というご主人の言葉に、『仕事への向き合い方』を教わった気がします。
(中略)
経験した時間は、『その人の歴史』です。
経験した時間は、『その人の評価』です。
経験した時間は、『その人の武器』です。
私自身のキャリアを振り返ってみても、プロとしての入り口に立つためには、『10年の経験』という時間が必要だったと思います。
(中略)
知識や技術は、個人の努力によっては、短期間で身につけることができるかもしれません。でも、『経験だけは、一人前になるのに『10年』という時間がかかります。それでも腐らずに、小さな努力を続けていくことが大切なのですね。
『10年もかかるのか!』と思うかもしれませんが、ひとつのことをやり続けて10年を過ぎたとき、きっとその意味が、体感覚的に理解できるはずです。」
このように、ひとつの道を究めるというのは、並大抵のことではありません。修行を積んで一人前になった人の言葉には、学ぶべきところが多いでしょう。。
<参考文献>
『面白いほどよくわかる!「男」がわかる心理学』(齊藤勇)
『1秒で「気がきく人」がうまくいく』(松澤萬紀)
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