「亭主関白」に関する専門家の意見やアドバイス
「亭主関白」は絶滅危惧種!?
「草食系男子」や「癒し系男子」まで登場した昨今は、「亭主関白」など絶滅危惧種になっているのではないでしょうか。『面白いほどよくわかる!「男」がわかる心理学』(齊藤勇)には、以下のような記述があります。
「1960年代頃まで、『地震、雷、火事、親父』といった世の中の怖いものを並べた言葉がありました。また、日本では『家父長制度』があり、権威的な父親は、日本の家庭ではごく当たり前の存在でした。『亭主関白』とは、そんな家庭で育った男の子が、憧れやお手本として『男のあるべき姿』として描いた亭主像です。
ところが最近は、亭主関白という言葉は死語になりつつあるといえます。かつてとは逆で、母親のほうが権威的である家庭もめずらしくはなくなりました。その理由は、女性の社会進出により、男性の自信が喪失されたことにあるためと考えられています。
現在は、女性も男性と同等に活躍しています。男性より地位や立場が上になる女性も少なくありません。昔と違って、仕事も遊びも男顔負けで楽しむ女性も増えてきました。男性にとっては、職場で自分より上の立場が女性であることにストレスを覚え、自分よりも人生を謳歌している女性に引け目を感じる人もいることでしょう。こうして男性の女性に対する劣等感から弱い男性が数多く誕生していると考えられます。
また、女性が社会進出し、男性と同じ立場に立ってみると、今までに抱いていた『男は強くてたくましい』という男性観が崩壊し、強い男性と弱い男性をはっきり分けてしまったということも考えられます。
女性の社会進出とともに家庭内のイニシアチブの逆転も始まったとされています。最近では女性の希望に対して多くの男性が従う風潮が一般化したため『癒し系男子』や『草食系男子』と呼ばれる男性が増えてきたのだと思われます。
『癒し系男子』や『草食系男子』の登場で、『亭主関白』は、今や絶滅危惧種となっているのは間違いなさそうです。」
このように、「男性は外で働き、女性が家庭を守る」という考え方が一昔前のものとなった今、「亭主関白」を気取る男性は絶滅危惧種になってしまったのかもしれません。
「亭主関白」の夫の扱い方
亭主関白を気取る「モラハラ夫」には、どのように対処するといいのでしょうか。『私は負けない!:モラハラ系夫との家庭再建』(大脇秀一郎)には、以下のような記述があります。
「(前略)
『妻は我慢して、波風を立てないことが大切よね』
前にも言いましたが、自分を抑え込んだり、我慢したりするのはストレスになります。
でも、私は、無用な波風を立てないために、ある程度の我慢は必要だと思っています。
それは、家庭再建のためにも、社会で周囲の人たちと良好な人間関係を築くためにも大事です。
言いたいことだけ言っていたら、夫婦も人間関係もうまくいきませんからね。
ですから、自分を抑え込んだり、我慢したりするオン/オフのスイッチを上手に切り替えられるようにならなければなりません。
しかし、夫を甘やかしてワガママにしてしまう妻は、この切り替えが下手です。
多くの場合は我慢し過ぎます。
なぜ、そうなのでしょうか?
1つ目の理由は、前述のように罪悪感です。
自分が悪いと思い込みやすい傾向が、反射的に我慢のスイッチをオンにしやすくしているからです。
2つ目の理由は、自己主張することに対して抵抗感があることです。
その抵抗感は以下のような不安や怖れによって引き起こされています。
・夫を不機嫌にして怒られるかも
・ワガママと思われないかな
・ケンカになったらどうしよう
さらに、こういう人は、夫以外の他の人間関係においても以下のような不安や怖れを持つ傾向があります。
・嫌われたらどうしよう
・相手を傷つけたくない
・対立したらどうしよう
このような不安や怖れがあるために、波風を立てないようにして過剰に自分を抑え込んだり、我慢したりするようになるのです。
でも、あなただけが我慢して夫に気がねばかりしていると、自分の立場を弱くしてしまいます。
夫婦は心理的に上下の関係になってはいけません。
夫婦は対等な関係であるべきなのです。
ところが、夫が家計を支えているから、一家の大黒柱だから、昔は妻は夫に従うべきだから、などといって、妻は我慢するのが役目のように思う人がいます。
そこで人がいい妻は、夫の機嫌を取ろうとするあまりに、下手に出てしまう。
何か言われたら『自分が悪い』と反省してしまう。
それが、『ワガママな夫と召使いの妻』という関係を作ってしまうのです。
これは逆効果です。
なぜなら、そういう関係を作ってしまうと、『妻は自分の言うことをきいてくれるのが当たり前!』という甘えを夫に許してしまうからです。
不平等条約を結ばされてしまうのです。」
「亭主関白」といえば聞こえはいいですが、こちらが下手に出ることで、ますます夫を増長させる場合があるようです。「波風を立てないようにする」「夫の顔を立てる」といった考え方は、自分を不利益な方向に導くだけかもしれません。
<参考文献>
『面白いほどよくわかる!「男」がわかる心理学』(齊藤勇)
『私は負けない!:モラハラ系夫との家庭再建』(大脇秀一郎)
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