「結婚する意味」に関する専門家の意見やアドバイス
結婚した方がいい?しなくてもいい?
「結婚する意味って何?」と感じた経験のある人は少なくないでしょう。『やっぱり結婚しなきゃ!と思ったら読む本:35歳からのナチュ婚のすすめ』(トイアンナ,金沢悦子,川崎貴子)には、以下のような記述があります。
「(前略)
さて、ここまで様々な数字を見てきましたが、みなさんが知りたいのは一点だと思います。それは『結婚したほうがいいのでしょうか、それともしないほうが幸せなんでしょうか?』ということでしょう。税制、法律、世間体、愛情など、まったく別ベクトルの要素が混ざり合うのが結婚です。このような複数の要素が絡む場合は、結婚に限らず『あなたにとって得があると感じるなら、動いたらいいんじゃない?』という結論になります。
(中略)
私は、これまで自分より年収が高い方とお付き合いした経験はありませんが(誤解されないように申し添えますと、私は別にお金持ちではありません)、結婚については賛成派です。というのも、夫婦という単位は賃貸契約を結ぶにしても、入院手続きをするにしても、何かとスムーズだからです。貴重品の受け取り、予約代行など『奥様ですか』『はい、そうです』で完結する手続きの多さに、これまで何度も驚かされてきました。
世間体に流されるといえばそれまでですが、『なんで結婚していないんですか』と質問をワンクッション、一生聞かれることが私には苦痛でたまらなかったのです。これをお読みになっている方の中にも、世間の『なぜ結婚していないんだろう』という視線にうんざりしている方が、いらっしゃるのではないでしょうか。わざわざ『趣味が忙しくて』『仕事に邁進していたらこの年になっちゃって』と、結婚しないそれっぽい言い訳を並べる自分にも、嫌悪感がつのりました。私と似た考えを持った経験がある方にとって、婚費や家事分担の一般的なリスクを知ってもなお結婚したいというのは、十分合理的だと思うのです。
とはいえ、結婚する相手を間違えると、不幸ばかりが増えてしまうのも事実。結婚は幸せを保証しませんが、自分を不幸にするパートナーを選べば、不幸は確約されたようなものでしょう。」
「なぜ結婚しないの?」という世間の視線を苦痛に思う人は少なくないようです。また、独身よりも「夫婦」で生きていくほうが何かと都合がいいという考え方もあるでしょう。結婚するというのは、ある意味、合理的な選択かもしれませんが、必ずしも幸せを約束するものではないことを覚えておきましょう。
「子供は欲しいけれど、結婚には意味がない」と考える女性もいる
子供が欲しいと願っている女性でも、結婚することに前向きになれない場合があるようです。『面白いほどよくわかる!「女」がわかる心理学』(齊藤勇)には、以下のような記述があります。
「一般的には、まず愛するパートナーがいて、その次にその人との子どもがほしいと思うものだと考えられています。しかし、最近は『パートナーはいらないけれど、子どもはほしい』という女性もめずらしくありません。その理由は、以下のような社会的背景が考えられます。
まず、女性が仕事をすることが当たり前になり、社会的地位が以前より高くなり、収入も多い女性が増えたことです。そのため、結婚対象となる男性への条件も厳しくなり『結婚はしたいけど、自分に見合う男性がいない』『妥協するくらいなら結婚しないほうが自由でいい』といった心理になるでしょう。このことから、パートナーを無理に求めない女性が増えつつあると考えられます。また、過去につき合った男性にひどい暴力を振るわれたり、ギャンブルや浮気などに苦しめられたりして男性を根本的に信じられなくなってしまった女性も、結婚には消極的になってしまいます。
しかし、一般的に女性は男性より親和欲求が強く、家族がほしいという気持ちはあるので、社会的に成功している女性や男性不信になっている女性が、結婚はせずにシングルマザーになるという道を選択するケースがあると考えられます。
また、男性と女性の夫婦に対する感覚の違いも理由のひとつに考えられます。
ある心理学の調査で、結婚している男女に『夫婦は他人だと思うか?』と聞いたところ、女性のほうが、夫婦は『他人』だと思う人が多いことがわかりました。一方、男性は結婚すれば夫婦は一心同体だと思う傾向にありました。
このことから、女性は結婚しても夫婦は別々の存在だと思っている人が多いのです。
自分で子どもを産み育てることができない男性に比べ、女性は自分で子どもを産み育てることができるので、必ずしもパートナーが必要だと思わないのかもしれません。」
社会的地位を得ていたり男性不信に陥った過去があったりすることから、結婚を望まない女性が増えているようです。こうした人の場合、自分で子供を産み育てることができれば、結婚するかどうかにさしたる意味はないと考えているのかもしれません。
<参考文献>
『やっぱり結婚しなきゃ!と思ったら読む本:35歳からのナチュ婚のすすめ』(トイアンナ,金沢悦子,川崎貴子)
『面白いほどよくわかる!「女」がわかる心理学』(齊藤勇)