女性の性欲に関する専門家の意見やアドバイス
女性の性欲に関係するホルモン
性欲には、体内で分泌されるホルモンが関わっているといわれています。男性の性欲には男性ホルモンの「テストステロン」が影響しているとされていますが、女性の性欲に影響を与えているホルモンにはどういったものがあるのでしょうか?『セックスしたがる男、愛を求める女』(アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ )では、以下のように解説しています。
「セックスしたい衝動を引き起こすテストステロンは、男性が女性より10~20倍も多い。男の性衝動が急激で強烈なのはそのせいだ。男が毛深くて、力が強く、攻撃的で、すぐ発情するのもテストステロンが原因である。
いっぽう女性に多いのはオキシトシンである。オキシトシンは『抱きしめホルモン』の異名をとっていて、性的に高まってきたときは男女ともにたくさん放出されている。ただし男性は勃起したとたんオキシトシン濃度が急激に下がってしまう。セックスのあと、女は抱きしめられるのが大好きだが、男がそそくさとベッドを出るのはそのためだ。」
女性に多く分泌されているホルモンは、抱きしめホルモンと呼ばれる「オキシトシン」とのこと。影響を与えるホルモンが異なるために、性欲やセックスに関して男女で違いが現れるということですね。両者でさまざまなすれ違いが起きてしまうのもうなずけます。
性欲に関係するホルモンは1つではない?
女性の性欲には、女性ホルモンの「エストロゲン」が関係しているとの意見もあります。『Tarzan特別編集 決定版 性学 SEX BOOK』(マガジンハウス)では、エストロゲンと性欲の関係について、次のように書かれています。
「国際性機能学会の最新の見解の中に、 女性の性欲は女性ホルモンのひとつ、エストロゲンの影響を受けているのではないかという説がある。 『すべての女性に当てはまるということではないらしいのですが、卵巣から分泌されるエストロゲンの量が増えると性欲が増すという説です』(獨協医科大学埼 玉医療センター・小堀善友さん)
性欲を支持するのは男性ホルモンのテストステロン。ただ女性の場合は、従来考えられていたような絶大な影響力をもたらすわけではない説もあるとか。 『エストロゲンの分泌量が最も増えるのは排卵期。ある研究では、排卵期の女性は無意識に挑発的な服装を好むという報告もあります』」
女性は、生理や妊娠などに関わる女性ホルモン「エストロゲン」も性欲に関わっている場合があるとのこと。また、男性ホルモンの「テストステロン」が女性に与える影響については、絶大なものではないとの意見もあるそうです。女性の性欲に関わるホルモンは1つではなく、様々な見解があって複雑ですね。性欲のピークに関してはホルモン以外の要因も関わっており、さらに複雑だといえるでしょう。
性欲が起こる仕組みも男性とは異なる?
女性に性欲が沸き起こる仕組み、そして女性がセックスに望んでいることも、男性とは大きく異なっています。『おとなの楽習 (22) 保健体育のおさらい 性教育』(早乙女 智子)では、次のように書かれています。
「性欲が起こるには性的刺激が必要で、それは男性の場合、おおまかには視覚的なもの、つまり性的対象が異性であれば、女性のからだを見たり、想像することが刺激になります。そして女性側は触覚刺激、つまり触れ合うことが性的刺激になることが多いようです。(中略)
挿入がすべてだと思いがちな男性には申し訳ありませんが、女性にとっては前戯と呼ばれるタッチングが本番で、挿入・射精はデザートに過ぎません。十分に身体も心も反応して初めて、挿入が愛おしく満たされる感じを味わえるのです。」
視覚的な刺激で性欲が起こる男性とは異なり、女性は触れ合うことで性欲が起こるとのこと。そして、女性にとってはその触れ合いがセックスのメインということですね。女性の性欲は40代がピークといわれる理由には、触れ合いを求めているということも関わっているのではないでしょうか。
セックスレスにはどう対処したらいい?
男性と女性では性欲に関して違いがあるということがわかりましたね。もし、男女のすれ違いによりセックスレスになってしまったら、どう対処すればよいのでしょうか?『男と女のアドラー心理学』(岩井 俊憲)では、セックスレスについて次のようにアドバイスしています。
「お勧めしたいのは、セックス行為そのものではなく、身体と身体が触れ合って、一緒に呼吸すること。照明をちょっと変えて、アロマを焚いて、おいしい紅茶を飲んで語り合うというのも、ある種、女性にとってはセックスの範囲なのですから。
(中略)相手への命令・要求はせず、ただお互いの肌を合わせて触れ合い、呼吸をするだけで十分、セックスと同じ満足感が得られます。」
上記の書籍でも触れられていましたが、女性にとっては触れ合うこともセックスということですね。挿入にこだわらず、パートナーとの触れ合いを楽しんでみてはいかがでしょう。
<参考文献>
『セックスしたがる男、愛を求める女』(アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ )
『Tarzan特別編集 決定版 性学 SEX BOOK』(マガジンハウス)
『おとなの楽習 (22) 保健体育のおさらい 性教育』(早乙女 智子)
『男と女のアドラー心理学』(岩井 俊憲)
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