「別居の復縁率」に関する専門家の意見やアドバイス
すぐに離婚するのではなく、「プチ別居」で関係を見つめなおそう
とりあえず別居して様子を見てみて、その後の関係に変化が見られるようならやり直すなど、離婚を急ぐ前にできることはいろいろあるようです。『みんな「夫婦」で病んでいる』(本田りえ)には、以下のような記述があります。
「離婚以外に方法がないか迷っている人は、別居で一旦距離を置くのも一案です。戸籍上は婚姻関係のままでも、別々に暮らしている夫婦はたくさんいます。
一度は好きでいっしょになった相手ですから、簡単に切り捨てられないのは当然のことです。嫌なところもあれば、いいところもあるのが人間というもの。けれども、四六時中いっしょにいると、嫌なところばかりが目について、がまんがならなくなるのだとすれば、少し離れて生活することを試してみる価値はあるでしょう。
不仲な夫婦が物理的に離れることで、お互いに自分の気持ちと向き合いやすくなります。今にも切れそうだった堪忍袋の緒がゆるみ、ちょっと冷静に考えられるようになるでしょう。それをきっかけに関係が改善する場合もあれば、ずっと別居のままがいいと思う場合もあります。今の立場や生活レベル、世間体を壊したくないという思いから、こうした別居という形を取り入れることで、離婚を思いとどまる人もいます。
別居をどう切り出すか?というところですが、ストレートに『しばらく離れて暮らしましょう』と言える人は少ないと思います。しかし、言い出しにくいときには、一時的に離れるための”プチ別居法”がいくつかあります。
(中略)
短期から中長期を望むときの理由づけいろいろ
・転勤について行かない
・自分から転勤を願い出て、仕事を口実に家を離れる
・里帰り出産を名目にしばらく実家に帰る
・親の介護を名目に実家に帰る
・子どもの進学先、留学などについていく(ex.親子留学)
・資格取得やボランティアという名目で遠方または外国に行く
・田舎暮らしを計画、週末ステイから始めてみる
・子育てを助けるためという名目で子ども夫婦の家の近くにアパートを借りる」
このように、夫婦仲がこじれそうになったら、何らかの口実を掲げて「プチ別居」を試してみるのも一案のようです。離れてみて冷静に判断できることもあるので、すぐに離婚に踏み切らず、いろいろ試してみるうちに、復縁の可能性も高まるかもしれません。
別居後、調停にまでもつれこんだ夫との離婚を回避するには?
すでに別居中で、調停員までもつれこんでいる夫と復縁するためには、どんな作戦が有効なのでしょうか。『離婚回避・夫婦関係修復につなげる話し方の技術: 弁護士が語る離婚調停で失敗しないための「話し方」「行動」7つのポイント』(木下貴子)には、以下のような記述があります。
「(前略)あなたの『離婚したくない』後の希望が、夫ともう一度積極的に夫婦としてやり直したいというパターンです。
例えば、夫(妻)に対して今でも愛情がある、今は夫(妻)が家を出て別居しているけれど、子どもたちのために戻ってきてもらって一緒に生活したい、と考えているような場合です。
ステップ1でお伝えした通り、調停委員に『離婚したくない』というあなたの気持ちを理解、共感してもらうには、『離婚しないという選択』こそ、社会的に正しい、と伝えることが大切です。
しかし、少し想像してほしいのですが、もしあなたが相手の立場で、『よりを戻したい』と言われているとして、
『お前(あなた)の考え方は間違っている。やり直すという俺(私)の意見こそが正しいのだ』
と言われたら、どのように感じるでしょうか?
確かに私が間違いでした、よりを戻します、と思えそうでしょうか?
なかなか素直にそのような気持ちにはなれないと思います。
『間違っている』と責められれば責められるほど、反発し、自分を守りたくなるのが人間というもの、ではないでしょうか?
また、このような言葉を言われると、自分の非を全く認めない夫(妻)と暮らすのは無理……と強く感じるのではないでしょうか?
そのため、この類型の場合には、調停委員には、『社会的にあなたの選択が正しい』ことを伝えつつも、夫(妻)に対しては、あなたが『自分が正しい』という主張をしています、ということを伝えてもらうのではなく、あなたが『婚姻関係を継続・修復するための努力をしていること』『今後も努力するつもりがあること』を伝えてもらうよう、意識して、調停委員にはっきりと頼むことが重要です。
そうすることで、あなたが夫(妻)を非難しているように夫(妻)に伝わってしまうことを避け、感情を悪化させる可能性を下げられるでしょう。
この類型では、『離婚しないという選択こそ、社会的に正しい、離婚を認めるのは社会正義に反する』ということは、あなたの意見としてではなく、調停委員自身の意見として補足的にさらっと伝えてもらえるようにするのが理想的だと思います。」
すでに離婚調停に入っているのであれば、調停委員の意見として「離婚しないという選択が正しい」と述べてもらうのが無難かもしれません。
<参考文献>
『みんな「夫婦」で病んでいる』(本田りえ)
『離婚回避・夫婦関係修復につなげる話し方の技術: 弁護士が語る離婚調停で失敗しないための「話し方」「行動」7つのポイント』(木下貴子)
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