「マンネリ」に関する専門家の意見やアドバイス
恋愛や日常生活のなかでマンネリが起きる理由
恋愛に限らず、日常生活のあらゆる場面が、知らず知らずのうちにマンネリ化していることがあります。自分を取り巻く状況がマンネリ化してしまう背景には、どんな事情があるのでしょうか。『男と女「好かれる」心理「嫌われる」心理』(伊東 明)には、以下のような記述があります。
「私は直美さん(二十六歳、会社員)のつきあい方に少し歯がゆさを感じていました。彼女には知り合って半年になる恋人がいます。私も彼を知っていますが、なかなかいい男だし、思いやりのあるやさしい人です。それなのに、直美さんはあまり幸せそうには見えません。具体的な言葉にはならないけれども、どことなく不満がありそうなのです。
最近はうまくいっているのかと尋ねると、『特別な不満があるわけではないけれど、かといって、とても幸せでうまくいっているとも言いがたい』という感じで煮えきりません。つまり、彼とつきあっていて、『幸せ』でもなければ、『不幸』でもない。最初のころみたいにときめかなくなってきた。かといって、別れたいわけでもない。正直なところ、これが直美さんの今の恋模様だと思いました。そして、今の彼とつきあう前も、同じような状態が二、三度あったことを私は知っています。
それほどいいとは思っていないのに、ズルズルと同じことを繰り返してしまうクセが人にはあります。たとえば、レストラン。それほどおいしいわけでも、それでも安いわけでもない。もっといいお店がすぐ近くにあるかもしれないのに、なぜかそこばかり……。
私たちはなぜ、マンネリのままズルズルとした関係を続けてしまうのでしょうか?答えは、『人間は変化を恐れる動物だから』です。新しいことをして危険を冒すよりは、多少不満があっても、今のままでいる方が安全だという深層心理があるのです。『自分が食べたいメニューはあるだろうか?おいしいだろうか?高くないだろうか?店員は親切だろうか?』―こんな心配をしてまで新しいお店に行くよりは、いつものお店の方が安心なのです。
恋愛も同じです。『今の相手にそれほど不満があるわけでもないし、別れたとして、もっといい人があらわれるという保証もない。だったら、とりあえず今のままでいいじゃないか。』これがズルズルとした関係を続ける心理です。」
安定を求める人や変化を求めない人、保守的な人ほど、マンネリに陥りやすいのかもしれません。マンネリから脱却するためには、環境を変えたり、新たなことにチャレンジしたりする勇気を持つ必要がありそうです。
マンネリ脱却には「初心忘るべからず」
相手のことを嫌いではないのに、関係がマンネリ化して新鮮味がなくなってきた場合、どんなことを心掛ければ良いでしょうか。『彼女といい関係を長続きさせるには?振られないコツ』(天野タスク)には、以下のような記述があります。
「恋人同士でも夫婦でも、破局の危機が訪れた時は初心を思い出すのです。初めてデートした場所で、あえてまたデートするのもいいでしょう。関係がうまくいっていない時、たいていカップルは初心を忘れています。相手のどこに魅力を感じて好きになったのか、恋心が絶頂に達した時のことを忘れています。初心を思い出せば、あの頃相手を好きになった感覚や、幸せで満たされた日々を思い出すでしょう。思い出したら、幸せな日々を過ごしてきた相手との関係を、そう簡単に切れなくなるはずです。
人間、時には初心を忘れることもあります。自分から大好きになって、猛烈にアタックして付き合ったあなた。にも関わらず、交際中にうまくいかないことが重なり、『なんで好きになったんだっけ?』と疑問を感じることもあるでしょう。
そういう時ほど、初めてデートした場所や思い出の地を巡ったほうがいいです。そうすれば、『僕は彼女のこういうところに惚れたんだ!』と、当時を思い出します。『そういえばあんな幸せなこともあったな~』と、素敵な思い出もたくさん蘇ってくるでしょう。その振り返りが大事です。
極端な話、カップルは初心を振り返ることで破局を避けられます。うまくいかないことが続き、『別れたい!』『もうダメかも…!』と思った時ほど、ぜひ初心を思い出してくださいね!」
相手を好きになった時の気持ちを思い出すこと、思い出を振り返ってみることで、今のままではいけないという想いが強くなるはず。マンネリ脱却には、「初心忘るべからず」がキーになるようです。
<参考文献>
『男と女「好かれる」心理「嫌われる」心理』(伊東 明)
『彼女といい関係を長続きさせるには?振られないコツ』(天野 タスク)