「旦那の浮気現場」に関する専門家の意見やアドバイス
なぜ男性は浮気するのか?
一般的に「浮気症」というと、女性よりも男性のほうを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。『面白いほどよくわかる! 「男」がわかる心理学』(齊藤勇)には、以下のような記述があります。
「『男性は浮気をする生き物』。そんなフレーズがあるほど、男性の浮気性は社会通念になっています。浮気がばれると社会的制裁を受けたり、経済的な負担を強いられることも多いのに、なぜ男性はそれでも浮気をするのでしょうか?
浮気をする心理的な要因はいくつかあります。ひとつには、異性をいかに落とすかという、狩りのようなイメージの『ゲーム感覚』。また、単純に『好奇心や冒険心』を満たすため、軽い気持ちで一度きりの浮気を繰り返す人もいます。
より根深いのは『特定のパートナーとの深い関係になるのを恐れる』場合です。心の奥で対人関係に恐怖を感じているとき、特定の相手と深い関係になるのを恐れ、浅くつき合う浮気を繰り返すことがあります。また、恋人ができても、結婚しても、もっといい相手がいるのではないかと理想の相手を探し求める『青い鳥症候群』と呼ばれるケースもあります。これは、期待と現実との差を認識できず、自己決定ができない、精神的に幼い男性に多く見られます。また、自分がいつか見捨てられてしまうのではという不安が先走り、捨てられる前に別の愛情を探して浮気してしまうというコンプレックスの強い人もいます。
(中略)
そして、最も根本的な部分で男性の『浮気』を誘引する原因と考えられるのが、『オスとしての種の保存の本能』です。進化心理学では、男性は本能的に『より多くの自分の子孫、遺伝子を後世に残したい』という欲求をもつと考えられています。つまり、より多くの女性と、より多くの性交渉をもちたいという欲求が強いため、リスクが高いことがわかっていても、本能に従って浮気をしてしまうのです。
また、男は女性とのセックスを達成すると、『この女は俺のものだ』という征服感や所有感を感じて高揚します。その征服感や所有感をより多く感じたいため、次の標的として、未知なる女性との出会いを求めるとも考えられます。」
このように、男性が浮気してしまう理由には、さまざまなことが考えられるようです。しかし、だからといって、「旦那の浮気」を容認できる女性は少ないでしょう。
旦那の浮気に気づいた妻のケース
夫の浮気を知った妻は、どのように行動するのが正解なのでしょうか。『男と女のアドラー心理学』(岩井俊憲)には、以下のような記述があります。
「和夫(仮名・38歳)と正子(仮名・35歳)は、結婚して10年、共働き。正子の言葉を借りれば、『結婚後、今が一番充実した関係』でした。子どもを産む予定も捨ててはいませんでしたが、気になるのは、夫婦の間がまるで友達か兄妹のような関係になって、セックスの回数が年に数えるほどになっていたことです。
そんな夫婦に突然、危機が訪れました。和夫がお風呂に入っているすきに、正子が和夫の携帯のメールを読んだら、ある女性からの『昨晩はとても激しかったわ』というような文面に出くわしたのです。
正子が和夫を問いつめると、あっさりと2人の関係を認めました。そして最後に『昨日で終わった関係だ』と付け加えました。和夫の説明は次のとおり。
和夫は、職場の派遣社員、理恵から『自分のフィアンセが日本を留守にしている間、2カ月だけ恋人になってほしい』と誘惑された。超美人の理恵から言い寄られた和夫は、狐につままれたようだった。お酒の勢いもあってか、『今、ここで返事して欲しい』とせがまれ、即答し、2人はその晩ベッドを共にした。以降、ほぼ週1の頻度で関係した。そして今日、フィアンセが帰国する。昨日は激しく燃え上がり、あらかじめ合意したとおり、その日を最後に、関係を清算するつもりだった。
話を聞いた正子は激高し、外へ駆け出して、結婚指輪をドブ川に放り投げました。
(中略)
離婚の条件について話し合ったのですが、肝心の正子がなかなか乗ってきません。それでいて、『私の気が治まらない』とよく口にするのです。私は尋ねました。
『あなたの「気持ち」というのをもう少し具体的に教えていただけますか?』
『私の気持ちは、夫ばかりいい思いをしているのが許せません。私には淡泊を装って、あの女とは会うたびに関係を持っていたんです。こんなこと、許せますか?私を女だとみてくれていなかったのです。しかも『終わったこと』で片づけようとするのです。私のなかでは、終わっていませんし事実は消えません。それに、約束したことを履行しようともしません。誠意がなさすぎます。』
つまり、正子の本心は、『自分を女として扱い、きちんと夫婦関係を持ってほしい。誠意を込めて謝罪してほしい。そして、補償をきちんとしてほしい』。こういうことだったのです。
言葉の背後に、微妙な感情や特有の意図が隠されていました。
(中略)
以来、2人の夫婦関係はというと、以前よりも高頻度で関係を持つようになったそうです。」
このように、旦那の浮気が発覚したからといって、必ずしも悪い方向に向かうわけではないようです。着地点を模索するのは難しいかもしれませんが、浮気が関係修復のきっかけになることもあるでしょう。
<参考文献>
『面白いほどよくわかる! 「男」がわかる心理学』(齊藤勇)
『男と女のアドラー心理学』(岩井俊憲)
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