そもそも「厄年」って一体なに?
古来から日本では「厄年」とされる年齢があります。厄年には結婚や就職など、人生を左右する大切なことを決めたり行ったりするのは避けた方が良いとされてきました。しかし、それにはどのような理由があるのでしょうか。
ここではまず、厄年の意味や由来、男性と女性の厄年の年齢について解説していきます。
「厄年」の意味
「厄年」とは、災難や病苦などの災いに遭いやすい年齢のことで、平安時代から存在していた習慣とされています。
令和元年の日本人の平均寿命は男女共に80代ですが、かつては「人生50年」などといわれるほど短命でした。そのため昔の人は就職、結婚、出産、退職といった人生の節目をとても大切にしていました。
しかし、そのような時期には予期せぬ災難や体調不良が増えやすくなります。そのため神社仏閣でお祓いをしてもらい、自重して慎重に行動したり病気や怪我に気をつけたりしていたのです。
その習慣は現在も残り、新年や節分などに厄除け祈願を行う人はたくさんいます。また、厄年の間は就職や転職、結婚、家の購入などを避ける人もいるようです。
厄年の数え方は?
厄年は満年齢ではなく「数え年」で数えます。「数え年」の年齢は母親のお腹に命が誕生した時から数えるため、生まれてきた年を1歳とし、その後、お正月を迎えるごとに年を重ねるように数えます。
つまり、「数え年」は誕生日前は満年齢に「2歳」を、誕生日が過ぎたら「1歳」を足した年齢となります。
ちなみに生まれた年を「0歳」とし、誕生日ごとに1歳ずつ増える年齢のことは「満年齢」と呼びます。
女性の「厄年」
一般的に「厄年」とは、「本厄」の年を指します。地域によって多少違うようですが、女性の本厄は19歳、33歳、37歳、61歳で、中でも33歳は災厄に遭いやすい「大厄」とされています。
19歳は進学や就職で環境が大きく変わりますから、大人としての変化が表れる年ですね。さらに33歳、37歳は仕事に結婚や出産、子育てなどが加わり、生活スタイルが大きく変わることでしょう。
37歳を厄年としない地域もありますが、30代で2回の本厄があるとして、本厄の前後を指す「前厄」「後厄」を含むと、女性の30代は半分以上の年が厄年となっています。
61歳は満年齢では還暦の年です。昔でいえば老人の仲間入りをする年ですから、仕事や家庭の環境だけでなく、心身共に大きな変化があっても不思議はありませんね。
男性の「厄年」
男性の本厄は25歳、42歳、61歳で、「大厄」は42歳です。25歳、42歳の男性といえば社会に出て仕事を任されたり、結婚して父親になったりと大人としての責任が増す一方で、身体的な変化が表れ始める年齢ですね。
男性の数え年の61歳も本厄の年です。満年齢では還暦を迎える年ですから、人生の節目の年と重なっています。仕事を退職して、第二の人生を迎える人もいることでしょう。
出典:
厚生労働省『令和元年簡易生命表の概況 主な年齢の平均余命』(2019年)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life19/dl/life19-02.pdf
神社本庁『厄払いについて』
https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/gyouji/yakubarai
「厄年」の種類について解説
また、すでに見てきたように、「本厄」の中にももっとも災いが発生しやすい「大厄」という年もあります。それぞれの違いをご紹介していきます。
前厄
「前厄」とは、「本厄」の前の1年を指します。「厄入り」ともいわれ、厄年が始まる前触れの年です。厄年を気にする人の中には、前厄の年から毎年3年間、厄除けや厄払いをする人も多いようです。
何歳を厄年とするかは地域によって多少の違いがありますが、前厄は男性なら数え年で24歳、41歳、60歳、女性は18歳、32歳、36歳、60歳に当たります。
本厄
「本厄」は、厄年の中でもっとも災厄に遭いやすいといわれる年です。思いもよらない災いが起きたり、怪我や病気など体調を崩しやすいとされています。
本厄は男性なら数え年で25歳、42歳、61歳、女性は19歳、33歳、37歳、61歳に当たります。
後厄
「後厄」は本厄の後の1年で、厄がだんだん薄れていくとされています。厄が終息する年なので「厄晴れ」と呼ばれることもあります。
後厄は男性なら数え年で26歳、43歳、62歳、女性は20歳、34歳、38歳、62歳に当たります。
大厄
「大厄」とは、本厄の年の中でももっとも大きな災いが起こりやすい年のこと。男性なら42歳、女性なら33歳が大厄に当たり、「万事慎むべき」とされている年です。
社会や職場でのポジションが重要になったり、家庭では出産や子育てをしたりと、人生における一つの曲がり角を迎える時期かもしれません。心身共に慌ただしくストレスを感じることが増えれば、失敗や事故、病気などを招きやすくなりますから慎重な決断や行動が求められるでしょう。
厄年の結婚ってどう思う?女性の意見
そうなると気になるのが厄年との関係です。いわゆる結婚適齢期と重なる女性の厄年は18〜20歳、32〜34歳、36〜38歳です。特に33歳は「大厄」ですから、人生の大きな変化となる結婚に向いていないのではないか、と気になる人もいるかもしれません。
ここからは、厄年の結婚についての女性の本音をご紹介します。
厄年だと知ってしまったら気になる
「自分が厄年だと知らなければ気にしないで結婚できるけど、知ってしまったらちょっと気にしてしまうと思います」(19歳/女性)
厄年には、結婚など大切な選択や行動は避けた方が良いといわれています。自分が厄年であることを知らなければ気にせず結婚できても、知ってしまうと気になるのも納得です。
気にしてたら結婚のタイミングを逃しちゃう!
「前厄から数えたら厄年は3年間。厄が明けるのを待っていたら、結婚のタイミングを逃してしまいます。たとえ結婚するのが厄年であっても、気にしていられません!」(30歳/女性)
女性の大厄は33歳、結婚適齢期としっかりかぶっていますね…。前述したように、特に30代は半分以上の年が厄年です。そんなに長い間厄が明けるのを待っていたら、結婚のタイミングを逃してしまうかもしれませんよね。
できれば避けて結婚したい
「厄年の結婚は、縁起悪く感じます。結婚はおめでたいことなので、不吉なことや後で不安になりそうなことはできるだけ避けたいです」(28歳/女性)
自分の一生の晴れ舞台となる結婚式。災いが降りかかるといわれる厄年は、できるだけ避けて行いたいですよね。
せっかくのおめでたいことなのに「厄年に結婚したから結婚生活がうまくいかないかも…」と後悔しないためにも、厄年を避けて結婚したいと思うのは賢明かもしれませんね。
厄払いをして結婚する
「厄年だからといって、結婚してはいけないということではないと思います。ちゃんと厄払いしてもらえば大丈夫なんじゃないでしょうか?」(20歳/女性)
かつての厄年には、人生の節目や行事は慎重に物事を運ぶようにという訓戒の意味が込められていましたが、当時から結婚などが禁止されていたわけではありません。そのため、きちんと厄払いしてもらい慎重に計画を立てて結婚する、という女性もいるようです。
出典:厚生労働省『人口動態統計(確定数)の概況 結果の概要』(2019年)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai19/dl/kekka.pdf
厄年に結婚するのが気になる時は≪前編≫
厄年に結婚するのが気になる時の対応をいくつかまとめてみました。「結婚はしたいけど厄年が気になる…」という人は、ぜひ一読してくださいね。
お寺・神社で厄除けをしてもらう
厄年だからといって結婚が禁止されているわけではありません。厄年に結婚する人も、実はたくさんいるようです。
厄年に結婚する人は、お寺や神社で厄除け、厄払いをしてもらって式を挙げる人が多いです。きちんと厄除けをしてから結婚すれば、厄にとらわれずに進むことができますよね。
家を建てるのは控える
結婚して夫婦で新生活を始めるには、一緒に住む場所が必要です。自分たちで新居を建てたいという人もいるのではないでしょうか。
しかし、厄年に家を建てたり購入したりするのは避けた方が良いとされています。そのため新居の計画は、厄が明けるのを待ってから行うと良いでしょう。
新婚旅行は厄が明けてから行く
厄年の期間は思わぬトラブルやケンカ、病気などが起こりやすいといわれています。旅行先でトラブルに巻き込まれたり、病気や大ケガをしたりしては、せっかくの新婚旅行が台無しですよね。
厄年が気になる人は、一生の思い出となる新婚旅行を楽しく過ごすためにも、厄が明けてから行く方が良さそうですね。
夫婦二人でゆっくりする時間をとる
新しい生活では、二人でいろいろなことに挑戦したり友達を家に招待したりと、やりたいことはたくさんあるでしょう。しかし厄年の間は、あまり手を広げすぎない方が良いかもしれません。
厄年はトラブルや災いが起こりやすい期間なので、夫婦でゆっくり過すことを心がけましょう。
厄年に結婚するのが気になる時は≪後編≫
ここからはその他の対処法を見ていきましょう。
結婚式は厄明けを待つ
厄年でないカップルでも、結婚式の規模や段取り、招待客の人数、引き出物などを決めていくうちに齟齬が生じ、ケンカになることがあります。厄年であれば、ケンカが大きくなりトラブルに発生する可能性も考えられますね。
そのため厄年中は入籍だけして、結婚式の計画や挙式は厄明けを待つのも良いかもしれません。
厄年は準備期間と考える
結婚するとなると、両家の顔合わせ、新居購入、引越し、場合によっては転職や出産など、新しいことが次々と重なり、疲労やストレスがたまりやすくなります。
厄年はただでさえ体調を崩したりケガをしたりしやすくなるため、新しいことは避けた方が良いといわれています。この期間は結婚の準備期間ととらえ、挙式や新婚生活の時期をずらすのも良いかもしれません。
体調管理に努め、リラックスした生活を送る
すでにご紹介した通り、厄年はちょうど就職や結婚、出産などの人生の節目や転換期に重なります。それらの時期は環境や生活が変わるため、身体や気持ちに変化が起こりやすくなります。
そのため、もし厄年期間中に結婚した場合は、いつも以上に疲労やストレスの蓄積に注意し、リラックスした生活を心がけましょう。
どうしても気になるなら結婚を延期する
結婚してもいつも楽しい時ばかりではありません。時にはケンカしたり意見が通らなかったりすることもあるでしょう。
うまくいかない時に「厄年に結婚したせいかもしれない…」とは思いたくないですよね。厄年の不安を抱えたままの結婚は、後悔する原因となる可能性もあります。
そのためどうしても厄年が気になる人は、思い切って結婚を延期するのも一つの方法かもしれませんよ。
結婚以外に厄年に注意した方が良いことは?
ここからは、厄年の人が結婚以外に注意したことが良いことをご紹介します。
就職・転職
就職や転職は、人生を変える可能性もある大きな転機です。かつての日本では、厄年の就職や転職は避けた方が良いとされていました。
しかし多くの女性が仕事を持つ現在、厄年だからといって、好きな仕事やキャリアを積むチャンスをフイにするのはもったいないですよね。厄年が気になる人は神社やお寺でしっかり厄除けをしてもらい、慎重に仕事を選ぶようにしましょう。
出産
厄年の変化は本来は避けた方が良いとされていますが、厄年の出産に関しては「厄を落とす」として、縁起が良いとする説があります。
また出産したのが男児であれば厄落とし、女児であれば母親の厄が赤ちゃんに移ると考える地域もあります。その場合、女の子が生まれたら道に赤ちゃんを置いて、人に拾い上げてもらうことで赤ちゃんの厄払いをするそうです。
新居の購入
新居の購入や新しく家を建てるのは、厄年から期間をあけた方が良いといわれています。厄年は仕事や家庭の疲れや体調不良などで、ネガティブな思考になりやすいためです。
家は住む人の健康や精神にも大きな影響を与えます。もし購入した家に不備があったら、夫婦や家族の仲にも悪い影響が出たり、後悔したりすることになってしまうでしょう。
心に余裕がない時は重大な決断は避けた方が無難ですね。
何かを新しく始める
厄年に生活スタイルを変えたり、新しく大きな買い物をしたりするのは控えた方が良いとされています。
新しいことを始めるのはメリットもありますが、リスクも付きもの。災いが起こりやすいとされる厄年の時期に始めるのは避けた方が良い、という考えのためです。
厄年に何かを始めたり大きな買い物をしたりする場合は、いつもよりもさらに慎重な行動や決断を心がけましょう。
トラブルと健康に注意して幸せな結婚生活を送ろう!
厄年の結婚が気になる人は、お寺や神社で厄除け祈願を受ければ、精神的な不安が軽くなります。そして、厄年はトラブルや体調不良が起きやすい時期と認識して、身体と心を健康でポジティブに保つようにすれば、きっと幸せな結婚生活が送れるでしょう。
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