電話が怖い…克服方法はある?
電話をかける機会が少なくなれば少なくなるほど、電話をかけることもかかってくる電話を受けることも怖いと思ってしまう傾向にあるようです。
今回はどのようなときに電話を怖いと思うのかを紹介しながら、そこに潜む心理や原因、克服方法や対処法を紹介していきます。
みんなはどんな時に電話が怖いと感じる?
そもそも連絡事項や意思疎通はSNSやLINEでほぼ事足りてしまうので、電話の必要性が薄くなっているという背景があります。
そこで、みんなはどんな時に電話を怖いと感じているのか調査してみました。
電話が非通知だと警戒してしまう
「非通知の電話だとドキっとしてしまいます。絶対に自分の親や友達じゃないし、非通知ってこと自体が気持ち悪い。留守電を残されても再生ボタンを押すのに勇気がいります」(20歳・女性)
連絡先を知っている人からの電話なら当然、誰からの電話なのか表示されますが、非通知では「いったい誰からの電話なのか」嫌な想像をしてしまいます。
ほとんどの人は非通知だと電話に出ないようですが、電話に出なくても「誰からだったんだろう…」という気持ち悪さは残りますよね。
留守電を残されようものなら「何か悪いことでもあったのか」とかえって不安になってしまうのです。
電話をかける・出るときの言葉が分からない
「普段ほとんど電話しないので、電話がくるとなんて言ったらいいのかわからない。LINEならスタンプ一個で済むのに。」(19歳・女性)
今や学校からの連絡もLINEで回ってくる時代。
そもそも電話を日ごろ多用していないため、いざ電話がかかってきたり電話をかけたりすると、最初の一言に何を言えばいいのか分からず戸惑ってしまうとの声は大変多いです。
自分が予想していた内容と違った
「久しぶりに友達から電話がきたから嬉しかったのに...保険のセールスをされたんですよね。嬉し気分から一転冷めちゃって...特に最近は電話をする習慣がないの、電話が鳴ってもあまりいい電話がかかってくると思えないです。」(26歳・男性)
電話をとる時にはある程度内容を予想して話し始めますから、その落差が激しいと裏切られた気分になってしまいますよね。
LINEですべて事足りてしまう今、わざわざ電話をしてくる裏にはなにかあるのかもしれない...と勘繰ってしまうのも無理はありません。
ノリ気のしない誘いが来るとき
「仕事の付き合いでお酒やゴルフに行くことも多いのですが、せっかくの休みでゆっくりしたいときに誘いの電話が来ると気分がどんよりします。誘いをOKするのも断るのも面倒くさいんですよね。」(30歳・男性)
仕事の付き合いが面倒くさいと感じるのはよくあることですが、それでも自分がゆっくりしたいと思っているときにお誘いの電話が来ると少々厄介です。
断るにしても仕事の影響を考えてしまいますし、誘いをOKするにしてもゆっくりしたかった自分の計画が台無しになってしまいます。
どちらにしても気乗りしないお誘い電話は、できればかかってほしくないというのが本音でしょう。
仕事の電話だったとき
「会社からの電話ってロクなことがないんですよね。クレーム対応とかシフト交代とか...だから会社とか同僚からの電話だとできれば出たくないと思っちゃいます」(23歳・女性)
普通の連絡事項であれば出勤したときやメールでもなんら問題ありませんよね?
会社からわざわざ電話が来るということは緊急性が高い場合が多く、良い内容であるケースはほとんどありません。仕事時間外に会社から電話がかかってくると嫌な予感がするのはある意味当然なことでしょう。
会社に電話しないといけないとき
「会社に休みますっていう電話をするのが怖いです。体調が悪くて仕方がないとしても、電話したときに嫌な空気になったり文句言われたりするんじゃないかと不安。どうしてメール連絡ではダメなのかなとつい思ってしまいます」(23歳・女性)
会社に電話連絡をするときといえば、遅刻や欠勤がほとんど。遅刻や欠勤の電話連絡だと、そもそも最初から電話を怖いと思う人にとってはもっとハードルが高くなります。
「電話口で怒鳴られたらどうしよう、怒られたらどうしよう..」.
そんな不安感は電話に対する恐怖を増幅させます。LINEで遅刻の連絡ができたら...そんな風に思ってしまうのは彼女一人ではないでしょう。
電話が怖い人のあるある心理
1つはそもそも電話に慣れていないため、どうしていいのか分からないというパターン。
そして1つは過去に電話で嫌な経験をしたために、軽いトラウマになっているというパターンです。
ここからはなぜ電話を怖いと思ってしまうのかその背後にある心理についてみていきましょう。
電話が鳴るだけで怖い
電話が怖い人は電話の着信音がなるだけで怖いと感じてしまいます。
まずなぜ電話がかかってくるのかその分からない怖さがありますし、着信音だけでは誰からの電話かもわかりません。
日ごろ電話がよくかかってくる人ならまだしも、あまり電話が鳴らない人ならイレギュラーなことに対する恐怖がそこにあるのです。
電話をかける・出るときの言葉が分からない
電話をかけるときや、電話に出るときの言葉が分からないという人もいます。
LINEのようなメッセージアプリで会話が成立してしまうことから、スマホの電話機能を使ったことがないという人も最近では多いのです。
携帯が普及してから家に固定電話がない人も増えたので、電話で話をするという行為自体がもはや特殊な事例になってきているのかもしれません。
慣れていない分、最初の一言に何を言ったらいいのか...
その緊張感が不安に変わり、途中で噛んでしまおうものなら一気に頭が真っ白になって、汗が噴き出るという人もいるようです。
電話が長くなりそうで怖い
電話が怖い人の中には、自分の時間を大切にしたいという人がいます。
自分の時間はだれにも邪魔されずに過ごしたいのに、電話が鳴るとその人との会話に時間がとられてしまいますよね?
メールやLINEなら、自分の気が向いたときに返信すればよいので負担はありません。でも電話は出てしまったが最後、ある程度の時間を拘束されることになります。
特に長電話になりそうな相手だと、電話が鳴った時点で怖いと思ってしまっても無理はありませんね。
電話されて迷惑じゃないかと不安になる
電話がかかってくるのを怖いと思う人は、自分から電話をかけることもやはり怖いと思ってしまいます。
電話がかかってくることを自分が嫌だと感じてしまうため、電話する相手に対しても、電話されて同じように迷惑に思われてしまうのではないか?と不安に思うのです。
不安に思ってしまうと電話すること自体ハードルが高くなるので、結果的に電話が怖いという心理が生まれるのですね。
言葉につまったときの無言な時間が怖い
電話に慣れていないと、会話の途中で言葉に詰まってしまったときの沈黙が怖いと思う人もいます。
普通の会話の時にも沈黙が流れてしまうと不安になることがありますが、電話では相手の顔が見えません。
つまらない人だと思われていないか、相手は嫌がっているのではないか...など、相手の顔を見られない状態では嫌な想像も頭に浮かんでしまいます。
LINEやメールでは返信するときに考える時間があるうえ、スタンプという便利な返信方法もあります。
でも、電話になると受け答えを考える間に会話が途切れてしまうので、その無言の時間が怖いと思ってしまうのも無理はありません。
電話が怖いと感じる原因
どうして電話を怖いと思うようになったのかその原因をみていきましょう。
そもそも電話に慣れていない
電話を怖いと思う原因には、そもそも電話に慣れていないということが考えられます。
携帯が普及して以来、固定電話を持たない人も増え、スマホ世代ではもはや電話機能さえ使ったことがないという人もいます。
SNSやメールにLINEですべて事足りてしまうので、わざわざ電話をする必要がないのです。
昔であれば電話をかけるときのマナーは小さいころからある程度親から学びますし、家に電話がかかってくることも多いため、生活の中で自然に電話を受けることに対して慣れていくものでした。
今はそこがごっそりと抜け落ちてしまっているので、電話という慣れない行為を怖いと思ってしまうのでしょう。
相手の表情が見えず、感情が読めない
電話を怖いと感じてしまう原因の一つに、会話する相手の表情が見えなくて不安になるということが考えられます。
LINEやメールでも確かに同じようなことがいえますが、LINEやメールでは相手の言葉に対して考える時間がありますよね。
どのように返信したら好感を持ってもらえるのか、クスっと笑ってもらえるのか、どんなスタンプを使おうかなどある程度考えられますから、相手の表情が見えなくても予測しながらチャットできますよね。
しかし電話では相手の表情は見えないうえに、考える時間も与えられないので、頭の中でリハーサルができません。
相手の気持ちを考えてしまうと空回ってしまったり、次の言葉が出なくなってしまったり、そんな経験が重なって電話が怖いと思ってしまうのです。
電話での言葉遣いが分からない
電話での言葉遣いが分からないために、どうしても電話になると緊張してしまうという原因もあります。
電話をする機会が減ってしまったため、「電話=友達と電話する」というよりも、お店や病院の予約、または会社に連絡するときのほうが多いのではないでしょうか。
そうすると困るのが言葉遣いです。特に学生や新社会人では、親や先生以外の大人と接する機会が少なくどんな話し方をすればよいのか、そこから不安に感じてしまいます。
電話でうまく伝えられないことや、敬語に困って噛んでしまったり、何度も言いなおしを繰り返したりすることで「どうしてこんなに面倒なのか」とトラウマになってしまうのです。
電話の聞き逃し・聞き間違いが怖い
電話を怖いと感じてしまう原因は、電話の聞き逃しや聞き間違いをした経験があるからだという場合もあります。
仕事での電話や手続きに関する電話などは、重要な情報がたくさん入ってきます。
しかし、うっかりしていると聞き逃してしまったり、聞き間違ったりして失敗や二度手間の原因につながります。
また元々コミュ障の人は、たとえ電話の内容が分かりにくかったとしても、聞き直すほうが恥ずかしいようで、聞かずに電話を終えてしまうことが多々あります。
そうすると電話をきちんと聞き取れなかった経験から「電話が怖い」と感じるようになるのです。
クレームの電話だと思ってしまう
お客様担当部署や電話受付を仕事にしている人は、電話そのものが仕事に直結するが故に、電話を怖いと感じることがあるようです。
特にテレフォンショッピングやクレーム対応など、常にお客様と電話を通じて仕事をしている場合、様々な言いがかりをつけられることもあるでしょう。
結果として、プライベートの電話でも電話が鳴るたびにビクっと過剰反応してしまうことがあります。
ある種の職業病ですが「怖い」と思う背景には、ある程度のトラウマが隠れていますから、休日は電話から解放されたいと思うのも無理はありません。
自分の時間を邪魔された気分になる
電話が怖いという気持ちの中には「自分の時間を邪魔されたくない」という強い気持ちが隠れている場合もあります。
たとえば純粋に自宅で好きな音楽を聴きながら、楽しみにしていた本をじっくり読んでいるときに電話がかかってくると、多かれ少なかれ自分の時間を邪魔された気分になるでしょう。
特にプライベートを一人で楽しみたい「おひとりさま族」にとって自分の時間を邪魔されることは避けたい事案です。
そのため電話がかかってくると、「自分の時間を邪魔される怖さ」から着信音さえも怖いと感じてしまうことがあるようです。
電話が怖い人の克服方法
電話が怖いと思う気持ちを克服するには、うまく電話で会話できたという経験を増やすことがなによりです。
では、どんなことに注意すれば電話での会話がうまくいくのか...ここでは電話が怖い人のために電話克服方法を紹介していきます。
社会人になると電話を使う機会が一気に増えますから、不安のある人はぜひ実践してみてください。
電話するときの時間を伝えておく
電話が怖いと思う人は、自分が電話を受けるときもかけるときもドキドキするものです。
もしも電話をする必要があるのなら、相手に「何時ごろ電話するね」と事前に伝えておきましょう。
事前に伝えてOKをもらっていることで「迷惑だったら」という気持ちもなくなりますし、相手の時間を邪魔しているかもという罪悪感も薄れます。
また、自分で電話をかけるときでも「確認してから折り返し...」といわれる時がありますよね?そんな時にもこちらから時間を指定してしまいましょう。
相手から折り返しといわれているので、自分の都合の良い時間帯にかけなおしてもらってもなんら問題はありません。それだけでずいぶん心の負担が減るはずです。
基本的な会話の言葉を決めておく
まず電話をする前に、あらかた基本的な会話の言葉を決めておきましょう。
肝心なのはやはり電話の出だしです。まず出だしでつまづいてしまうと妙にテンパってしまい「電話が嫌い、怖い」と思う気持ちが増幅してしまいます。そうなる前に相手が電話にでたときに何を言うか決めておきましょう。
そのうえで、会話の流れをある程度シミュレーションしておくのも良い方法です。聞きたい質問をまとめておいたり、質問にどう答えるのか考えて置いたりすると、電話での会話もスムーズに進みます。
聞き取れなかったことは聞き返す
電話でとても大切なことは、聞き取れなかったことをそのままにしておかないことです。
電話ですから周りの音や通話のボリューム、相手の声質や方言などでかなり聞き取りづらいことがあるはずです。
だからといって聞き返さず黙って聞いているだけでは何の意味もありません。
「あれ?今何を言われたんだろう?」と思いながら会話を続けていくと「あの時ちゃんと言ったじゃないか!」と後々トラブルになってしまいます。
電話を怖いと思う前に電話をきちんと聞き、確認するようにすれば、嫌な経験も減り怖いという気持ちも克服できるはずです。
分からないことは確認する
電話の中で分からないことがあったら、必ずその場で確認しましょう。これも聞き返すことと同じくらい大切です。
もしも相手の人から分からない質問をされたときは、プライベートなら普通に聞き返してOKですが、仕事の電話であれば分からないことは必ず上司に確認を。分からないままフワっと答えるのはNGです。
分からないことを上司に確認したからといって怒られることはありません。それよりも質問しに行くことが嫌で適当に答えるほうが、後で上司に叱られます。電話では分からないことをそのままにしないことが鉄則です。
電話をかける・出る際のポイント
新社会人になると、まず会社の研修で電話応対のマナーなどを学びますが、きちんとポイントさえ覚えておけば電話は怖いものではありません。
電話を怖いと思う気持ちを克服する最大のポイントは、電話での失敗を一つずつ無くしていくこと。そして電話応対のポイントさえ覚えておけば、怖いことなんて何もないのです。
電話をかける・出る前に考え過ぎない
電話を怖いと思う人のほとんどは電話をかける前、電話に出る前にすごく緊張しているようです。
しかしあまり考えすぎてしまうと空回りの原因になりますし、聞き間違いなどのミスも発生してしまいます。
電話をかけるときにはあまり考えすぎず、思いついたときにすぐ電話をすること。相手だってただの人間!怖い、嫌だと思っているとどんどん電話が苦手になっていきますから、考えすぎないことがポイントです。
聞き逃さないようにメモを取る
上手な電話応対のポイントは、聞き逃さないようにメモを取ることです。
どんなに記憶力のいい人でも、いっぺんに色々なことを言われてしまったら覚えるのは大変ですよね。また電話が終わった後に違う仕事を頼まれてしまうと、バタバタして忘れてしまうこともあるでしょう。
しかし電話をしながらメモをしていけば、会話内容を忘れることはありませんし「あれ?」と疑問に思うことも、メモしていくとあとで質問することを忘れずに済みます。
もしも電話がかかってきたときにメモをとる紙がなければ「少々お待ちください」と相手に待ってもらっても問題ありません。
事前に伝える事柄など表にしておく
自分から電話をかけるときに、伝えたい情報があればそれを優先順位順前に表にするなど、簡潔にわかりやすくまとめておきましょう。
そうすると電話中に伝えたことを自分でチェックマークして確認できるので、とても便利です。
また表にすると情報が整理されていて一目瞭然なので、電話中も「何を言うんだったっけ?」と焦らずに済みます。
相手になにをどんなふうに伝えるのか、相手の顔が見えない電話だからこそ、事前準備をしておけばトラブルになることもありません。
上手な相槌方法を覚えておく
上手な相槌方法を覚えておくのも、電話応対の一つのポイントです。
「そうですね」「なるほど」「ありがとうございます」など、会話の中で上手に相槌を使うと実はとても便利。
文章に対して文章を返すばかりでは、頭がなかなか追いつきません。特に電話を怖いと思う人は、そもそも緊張しているので空回りしがちですよね。
そんな時は、相槌を使って会話に間を持たせましょう。相手も「話を聞いてもらっている」と気分がよくなりますし、自分もその間頭の中で情報を整理したり、どのように返答するべきか考えたりする時間がもらえます。
相槌を上手にうちながら会話にテンポを作り、落ち着くことで電話の会話もスムーズに流れるはずです。
電話が怖い気持ちを克服しよう!
今回は「電話が怖い!」と思ってしまう人の心理や、なぜ電話が苦手になってしまったのか、その原因について探ってきました。
原因が分かれば、克服方法もおのずと浮かんでくるもの。電話応対が一度うまくいくと、少なからず自分の自身につながります。
電話応対にはちょっとしたコツがあるので、上手に電話する方法のポイントをしっかりと押さえ、少しずつ良い経験を積み上げれば、電話が怖い気持ちだって必ず克服できますよ!
「電話が怖い」に関する専門家の意見やアドバイス
電話が怖い理由とは?
スマートフォンが普及し、プライベートの連絡はSNSで済ませることが一般的になってきました。電話に苦手意識を持つ人が増えた背景には、そうしたことが影響しているのかもしれません。『ゼロから教えて電話応対』(大部美知子)には、以下のような記述があります。
「電話でのやりとりは苦手という人が増えています。それはなぜでしょうか?
アメリカの心理学者アルバート・メラビアンは、人が自分の思いを伝えようとするとき、聴き手は話し手のどの部分に影響されるかという実験をしました。その結果、次のような数値が出ました。
目から入る情報 55%(表情、態度)
耳からの情報 38%(声のトーン、スピード、言葉づかい)
言葉 7%
これを、『メラビアンの法則』といいます。
つまり、電話応対の場合は、耳からの情報だけでコミュニケーションをとっているため、45%(7%の言葉と38%の耳からの情報)の部分だけで判断されてしまうということです。
そのため、言葉づかいや声のトーンなどに、細心の注意をはらう必要があるのです。」
こちらの結果からもわかるように、情報の受け手は、耳から入る情報よりも目から入る情報のほうに影響されることが多いようです。耳からの情報だけでコミュニケーションを取る「電話」の場合、視覚に頼ることができないだけに、SNSなどに比べて神経をすり減らしてしまうのは当然なのかもしれません。
「電話が怖い」を克服しよう
「電話」に関する感覚は、一人一台スマートフォンを持ち歩く現代と、固定電話しか存在しなかった時代では異なるでしょう。電話を怖いと感じてしまう原因の一つに通信手段の変化が挙げられるかもしれません。『電話恐怖症のあなたへ。ビジネス電話克服マニュアル。これで、もう怖くない。(5分で読めるシリーズ)』(武田りお)には、以下のような記述があります。
「昭和生まれの人にとって、電話とは『誰からかかってくるか、分からない』ものでした。もっと言えば『一家に一台』でした。
だから友達に電話をかけると、その家のお父さんが出て根掘り葉掘り関係を聞かれてなんていうこともありました。
この世代は会社に入って『自宅の電話と会社の電話』の違いを習うところから始めました。
ところが平成時代は『携帯電話』が普通の世代です。自宅の電話はナンバーディスプレイ。携帯もナンバーディスプレイで『誰から』かかってきたのかわかります。
知らない人の電話は出なければいいし、知っている人なら普段話すように話せばいいのです。
そのため、入社後『電話をとれ』と言われると負担になります。
電話をとっても自分には解決できないことが分かっているのにどうして自分が取らなければいけないのか?
そもそも社内の人の名前も覚えていないのに自分が電話を取る意味が分からない。
電話をとれば『声が小さい』『早く電話をとれ』と言われる。
電話恐怖症になっている人も少なくありません。
それらを克服するには、いくつかの心がけが必要になります。
まず、あなたが認識しなければいけないのはあなたの知る『電話』と『ビジネス電話』は全く違ったものであるということです。
あなたの手元にある携帯電話やスマホとも違います。
主な違いは次の通りです。
○あなた以外の人にかかってくることもある。
○全く見当違いの要件でかかってくることもある
○電話応対一つで、扱いが変わることもある
○誰からかかってくるか分からない
これだけ違うのですから『ビジネス電話』は『あなたの知っている電話』と違うものだと納得できるはずです。
(中略)
自分では気をつけているつもりなのに、何かと注意を受けてしまう。言われることは常に同じことばかりなので、具体的にどうしていいかわからない。
そんなことがあります。
よく言われる注意とその対象法を挙げてみましょう。
■暗い・元気がない
声がくもぐっていることが考えられます。声のトーンが低いと顔も暗くなっていることがあります。電話のそばに鏡を置くか、自分の表情を確認できる状況を作りましょう。(中略)
■何を言っているかわからない
ビジネス電話初心者がいうべきことは大抵決まっています。会社名を名乗り、取り次ぐ相手の状態です。準備できるものが先にしておきましょう。
『お電話ありがとうございます。株式会社ジェコルレーヌ、吉村でございます』
これを電話のそばに貼っておくだけで機械的に読み上げることができます。
自分が引き継ぐべき相手に関しては、その人が今どこにいるかを確認しておきましょう。
電話も続けて取っていると、同じ人、企業から電話が繰り返しかかってくることがあります。それを自分用にマニュアルを作っておくといいでしょう。(中略)
■声が聞こえない
最近の電話は集音力が高く、かなり小さな声でも聞こえるようになっています。それにもかかわらず、声が小さいといわれるのは前述した『滑舌』の問題と声のトーンに問題があります。
これを克服するには、自分のスマホや携帯を使い一度録音してみましょう。自分の聞こえづらいといわれる部分がどこにあるのか第三者的な気分で聞いてみるといいでしょう。
■シャキッと話せ
シャキッと話せ、あるいは話し方が『だらしない』と言われる人の共通点は『語尾が伸びる』ということです。
『お世話になっておりまーす』
『ありがとうございまーす』
など語尾の伸びはだらしなく感じます。先輩はしていても、あなたは許されないということもありますので、企業内で『上司や先輩だってしている』からと言ってあなたがしていいということにはなりません。
まずは『語尾の伸び』を注意してみましょう。
■ぼわぼわとする雑音がひどい
これには三種類の原因があります。
一つは受話器の持ち方に問題があり、鼻息が受話器に入ってしまうということです。受話器の持ち方を工夫してみましょう。(中略)
二つ目は「ッス」というような口癖の人です。
当然意気を吐いているので音が受話器に伝わります。どちらにせよ『ッス』というようなしゃべり方はビジネス電話ではふさわしくありませんので使わないほうが無難でしょう。(中略)
三つめ、あなたのオフィスのエアコンの位置を確認してみましょう。空調に問題があることもあります。(略)」
携帯電話の普及により、通信機器がパーソナルなデバイスに変化したことで、「いつ、誰からかかってくるかわからない固定電話」というものに恐怖心を抱く人が増えたのは当然なのかもしれません。自分が普段使う電話と「ビジネス電話」は用途が異なるものだと認識することで、苦手意識を克服するしかないでしょう。
<参考文献>
『ゼロから教えて電話応対』(大部美知子)
『電話恐怖症のあなたへ。ビジネス電話克服マニュアル。これで、もう怖くない。(5分で読めるシリーズ)』(武田りお)
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