「バタ臭い」は悪口?もはや死語?
今回は、その「バタ臭い」についてちょっと調べてみました。
「バタ臭い」ってどういう意味?
「バタ臭い」とは、西洋風の人や物、西洋かぶれした人のことを指していう言葉です。純日本人であるのに彫りが深い顔立ちであったり、英語を節々に使用してみたり、西洋文化を取り入れたり。
西洋人のように立ち振る舞う人や、日本人離れした顔立ちの人に良く言われていました。
後述のようにマイナスなイメージで使用されることが多々あった、少し複雑な背景を持つ言葉でもあります。しかし、使い方を少し気を付ければ、誉め言葉にもなり得る言葉です。
最近では簡単に海外旅行などに行くことができて、国際交流も深まり、昔ほど西洋を遠く感じなくなったこともありますし、実際にハーフのタレントさんなどが増えたことから、あまり聞かなくなった言葉です。
バタ臭いの由来・語源
昔から日本には、「うすしお顔」や「しょうゆ顔」、「ソース顔」などの表現があり、味と顔立ちを結びつける文化がありました。古くは浄瑠璃(じょうるり)などでも、「うすしお顔」などが使用されています。
「バタ臭い」とは、そのまま「バター臭い」という言葉の略になってます。
日本にまだ西洋文化が流れ込んできて間もないころ、当時のバターは、樽詰めで作られていたこともあり、今とは違ってかなり香りの強いものだったようです。
バターは西洋から伝わってきたものなので、「バターの臭いがする」 ということは、すなわち「西洋の匂いがする」ということになり、西洋風の人や物、西洋かぶれした人のことを「バタ臭い」と呼ぶようになりました。
バタ臭いは悪口として使われていた?
西洋の文化が大量に流れ込んできた昔の日本では、日本文化を重んずる、和風であることを美徳と考える人も多く、また西洋の文化を存分に吸収しようと考える人もおり、その双方がぶつかることも少なからずありました。
顔立ちのことだけではなく、西洋かぶれした人を指していうことから、「バタ臭い」という言葉を使う場合、軽い嫌悪感やあざ笑う意味を込めて使う人も中にはいます。「臭い」とつくのも悪口のニュアンスがあるように感じられますね。
和風であることを蔑み、欧米風に傾倒した人を指し、皮肉をいう意味合いで「ダサい」や「あか抜けない」といった意味合いで使っている人もいます。また、「取るに足らない人」を指して「バタ臭い」という人もいるようです。
「バタ臭い」の正しい使い方とは?
バタ臭いの使い方
ここで、「バタ臭い」という言葉の使い方の例を挙げてみましょう。
「バタ臭い顔が好み」
「あの女優さんはバタ臭い顔で憧れる」
「あの人、バタ臭い顔をしているけど、ハーフかな?」
「ルー大柴さんは、話し方がバタ臭い」
いかがでしょうか。誰しも一度は聞いたことがありますよね。
「バタ臭い」という言葉は、必ずしも悪口ではなく、憧れや好意をもって使われる場合も多く存在します。
ちなみに、「バタ臭い」という言葉を使った文章は、1917年の「東京三十年」という田山花袋の回顧集に「いやにバタ臭い文章だな」と使われたのが最古です。作中では、西洋かぶれした文章を指して、ややネガティブなイメージとして書かれています。
現代では褒め言葉!悪口で使っていたのは昔の話
現代ではバターは臭くありません。だからというわけではありませんが、国際交流が進んだ現代では、西洋かぶれという概念自体が希薄になりつつあります。
体が日本人離れしたスタイルであったり、西洋的な彫りの深い顔を指しても「バタ臭い」と表現しますが、若い女性などを中心にそういった顔立ちは非常に人気が高いので、この場合は誉め言葉にもなります。
現代では、マイナスな意味の「バタ臭い」より、憧れや誉め言葉としての「バタ臭い」の方が、使われる頻度が高くなりました。
しかしながら、前後の会話の流れで悪口にも誉め言葉にもなり得る言葉ですので、使い方には特に注意すべきといえます。
バタ臭い人の特徴《見た目編》
「言われてみれば確かにこんな人いる!」と身近な「バタ臭い」人に気付くことがあるかもしれません。
鼻が高い
「バタ臭い顔」と呼ばれる人々は、鼻が高い傾向にあります。私たちが西洋人を思い浮かべるとき、まず高い鼻が思い浮かびませんか?鼻筋は細く、下向きで目立たない穴は日本人でも憧れを抱く人はとても多いですよね。
特に鼻は顔の中心にあるので、顔の印象を決めるのに非常に重要な役割を担っています。
鼻の頂点から顎までを結んだラインの角度が、女性は110度・男性が90度で、その中に唇が収まっていることが望ましいとされていますが、「バタ臭い顔」だとその角度により近くなります。
アジア系の人々の鼻は基本的に鼻先が丸いので、西洋人とは少々違った印象になります。
そのため、メリハリのある美しい横顔、スラッと通った鼻筋は間違いなくバタ臭いと言われる要素でしょう。
肌が白い
西洋的な女性を思い浮かべるとき、私たちはたいてい、色の白い白人女性を思い浮かべるでしょう。
そのため、色白の肌をもつという点も、「バタ臭い」と思われがちな人の特徴です。
今でこそ美白が流行り、女性は肌の白さを極める人も増えてきましたが、元々アジア系の人々は黄色人種と呼ばれ、透き通るような白い肌を持った人は多くはありませんでした。それ故に、昔は色白なことは奇異な目で見られていました。
しかし現代では、一昔前の女子高生の間で流行した「ガングロ」とは対照的に、くすみ一つない美白肌が女性の美の象徴のようになっており、美しい透き通るような白い肌は憧れの的です。
彫りが深い
基本的にアジア系の人々の顔は凹凸の少ない、なだらかな顔立ちをしています。
反対に西洋の人々は目や眉周りの彫りが深く、骨格から違いが表れているので、彫りが深いだけで「バタ臭い」顔といった印象に。
なぜ西洋の人々が彫りが深い骨格なのかというと、高緯度ゆえに紫外線量が不足し、メラニン色素が減ったことで、日光に弱くなったことが原因と言われています。それが原因で金髪・碧眼の地域が増え、次第に黒くない目を日光から守るために彫りが深い骨格となったそうです。
場所によってそれぞれ理にかなった進化をした結果なのですが、彫りが深いと顔のパーツ一つ一つが強調されて見えるので、顔の造形が美しく見えやすいということになります。
髪の毛の色が薄い
現代では気軽に髪の毛の色を変えることができますが、昔はそうではありませんでした。
昔の日本では、現代より黒々とした豊かな髪の毛こそが日本人女性の美の象徴と考える人も少なくなかったので、髪の毛が金だったり薄い色だったりすると、「バタ臭い」と奇異な目で見られがちでした。
現在では手軽に髪の毛の色を脱色などができるので、西洋的な金髪や赤毛など、「バタ臭い」髪の毛に誰でもなれます。
瞳の色が薄い
今ではカラーコンタクトレンズを入れれば誰でも瞳の色を簡単に変えることができますが、元々の瞳の色素が薄い人は、「バタ臭い」印象を持たれやすいです。
カラーコンタクトレンズは、外国人風の顔になりたい現代の女性には必要不可欠なアイテムとなっていますよね。
瞳は顔を印象付けるうえで非常に重要な部分と言えますので、瞳の色が違うだけでその人のイメージはずいぶんと変わったものになります。
ちなみに、色の薄い瞳は彫りの深さと同じく、高緯度の紫外線量が少ない地域によく見られます。
濃い色の瞳と比べて日光に弱いので、瞳の色が薄い人が日差しの強い日に出歩く際は、サングラスが必須アイテムとなっています。
バタ臭い人の特徴《行動編》
こちらは行動編です。
英語を頻繁に使う
日本における日常会話で英語を使いたがる人は、他の人から「バタ臭い」と思われがちです。
単に英語を混ぜるとかっこいいからというのが理由なのですが、周りからはもしかしたら「バタ臭いなぁ」と思われていることもあるかもしれません。
一昔前にはルー大柴さんのように英語を大量に使って会話を成り立たせる「ルー語」が人気を集めました。ルー大柴さんの「バタ臭さ」を売りにする芸風がお茶の間に大うけし、一世を風靡しました。
最近では意識の高い人などがカタカナ語を連発してうんざりするといった話をよく耳にしますが、呼び方が違うだけで、これも立派な「バタ臭い」人ということになります。
海外の料理を真似してみる
日本人には海外の良いものを取り込もうとする性質があります。
今や大量に海外の文化が流入し、日本人の口に合うようにアレンジされた海外風の食べ物がたくさんあります。
しかし、あまりにも珍しい海外の料理ばかりを好んで食べる人は、「バタ臭い」と思われがちです。
ちなみに、一般的に西洋・欧米の食生活は、元々粗食気味の日本人には生活習慣病の原因となるおそれもあります。
バターとクリームをふんだんに使った西洋風の食事は、とても魅力的で素敵なものですが、健康に気を付けるなら和食もほどほどに取り入れるのが好ましいでしょう。
海外の風習を真似してみる
クリスマスやバレンタインはわりと昔から定着した風習ですが、最近はハロウィンやイースターなどを盛り上げようという動きが日本でも一般化しています。
しかし、ちゃんと調べてみると、日本における流行が、本来の意味とはかけ離れてしまっているものも存在します。
例えば、バレンタインは、もともと女性から男性へ思いを伝えるチョコを贈る行事ではなく、男性が女性へ日頃の感謝と愛を込めて花束を贈る行事だったりします。
渋谷などでは、こうしたイベントのたびに毎回大きな盛り上がりを見せ、少々行き過ぎた事態になることもあります。
外国の風習を積極的に取り込み、日本人が楽しいようにアレンジを加えて自分たちのものにしていくのも日本人の良いところですが、西洋文化に傾倒しすぎると「バタ臭い人」と思われてしまうかもしれません。
日本はダサいという
「バタ臭い」人の極端な例ですが、日本や日本文化をダサいといって蔑む人もいます。
西洋風の人が好き、西洋文化が好き、西洋の食べ物が好きといったふうに、西洋文化に憧れるあまり、日本は遅れている、日本は古臭いと嫌ってないがしろにし、西洋文化ばかりを好みます。
西洋文化が流れ込んできた当初、一部の日本人はこのような状態になりました。しかし現代でこのような人がいたら逆に滑稽かもしれません。
バタ臭い人と言われる芸能人《男性編》
まずは男性編です。
阿部寛
タレント好感度ランキングでも上位の常連の阿部寛さん、素敵です。阿部寛さんは色白ではないですが、非常に彫りが深く、日本人離れした顔立ちをしています。
映画でも古代ローマ人を演じるなど、ヨーロッパにいても違和感がないお顔なので、よくバタ臭いと表現されています。
高身長なのも相まって、ハーフ・クオーターではないかとの噂もささやかれていました。身長が高すぎるので、身長を低く申告して逆サバを読んだこともあったそうです。
奥様との思い出の詰まった古い車を修理を繰り返しずっと乗っているなど、その優しい暖かい人柄がうかがい知れるエピソードなども多く、好感度の非常に高い俳優さんです。
岡田 准一
アイドルグループV6のメンバー、岡田准一さんも、彫りの深さが際立つ顔立ちをしています。
デビュー当時からその「バタ臭い」日本人離れした顔立ちは非常に人気が高く、男性なのに可愛らしい岡田さんの魅力のとりこになった女性は大勢いました。
奥様は同じ業界の女優さん、宮崎あおいさんです。宮崎さんも非常に可愛らしい顔立ちなことから、美男美女カップルとして、二人のご結婚はとても祝福されました。
岡田さんは最近では大人気ドラマのリメイク版を見事に演じきるなど、俳優としての素晴らしい活躍に磨きがかかっています。40代を目前に、ますます魅力が光る岡田さんは注目の的です。
GACKT
GACKTさんは、沖縄県出身です。色白で彫りが深く造形の美しい、まさに「バタ臭い」顔立ちです。
沖縄出身のGACKTさんは3歳からピアノを始めるなど、幼いころから音楽とともに育ってきました。
ヴィジュアル系バンドの頂点を極めつつソロへ転向し、その後も常に非常に高い人気を維持していますね。2019年にはソロデビュー20周年という節目を迎え、ますます精力的に活動なさっています。
最近では本名を「大城ガクト」であると自身のブログで明かし、出生などの秘密もこれからすこしずつ明らかになっていくのではとファンの間で期待が高まっています。
武田真治
武田真治さんは、GACKTさんとは対照的に北海道出身です。しかしやはり日本人離れした顔立ちの持ち主で、女性から非常に人気の高い俳優さんですね。
愛称も下の名前のシンジを英名風にした「シンディ」と呼ばれ、得意の筋肉サックスでファンを魅了します。
デビューは高校時代に「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞したことに始まり、当時は「フェミ男」と呼ばれ人気を博しました。
25歳の頃に顎関節症になってしまったのをきっかけに、筋トレに目覚めたそうです。
最近では筋肉タレントとしても需要が高く、NHK総合で筋肉体操を披露すると、その筋肉美が話題を呼び、男女問わずますますファンを増やしています。
北村一輝
北村一輝さんは、大阪府出身の俳優さんです。一度見たら忘れないほどこってりと濃い顔立ちをしています。
幼少期から映画が好きで、19歳の時に役者を志し上京しますが、なかなか目が出ず、4年もの間海外を放浪したこともある苦労人ですが、俳優としての盤石の地位を築いてからは、素晴らしい演技に定評があります。
英会話にとても興味があり、数人の外国人とルームシェアをしているそうです。
また、長男との電話でも英語を使用することがあるそうです。
バタ臭い人と言われる芸能人《女性編》
スザンヌ
スザンヌさんは熊本出身のタレントさんです。本名は山本紗衣(やまもとさえ)さんです。
お母さんもかつてモデルをしていたとのことで、スザンヌさん自身もその日本人離れした顔立ちで14歳でモデルのスカウトを受け、CM出演などの活動をしていました。その後グラビアアイドルとして頭角を現し、たくさんの男性を魅了しました。
テレビでは「おバカタレント」としても人気を博し、失敗をしては「テヘヘ」と笑うキュートな笑顔に魅せられたファンも多かったのではないでしょうか。「バタ臭い」端正な顔立ちとは裏腹に、次々と繰り出される珍回答がお茶の間に大うけしました。
広瀬アリス
広瀬アリスさんは静岡県出身の女優・モデルさんです。下の名前の「アリス」は本名ではなく、その由来も不明とのことですが、妹の広瀬すずさんと供に「美人姉妹」として人気絶頂ですね。
小学6年生の頃にスカウトを受けており、やはり子供のころからその日本人離れした可愛らしい顔立ちに注目が集まっていたのでしょう。(しかしこの時は外遊びで日焼けした肌に髪の毛も短くカットしていて、男の子と間違えられてスカウトをされていたそうです)
以前は「広瀬すずの姉」としての知名度しかありませんでしたが、最近では素晴らしい演技力で女優として頭角を現し、主演ドラマはとても高い人気があります。
中村アン
中村アンさんは、東京都出身のモデル・タレントさんです。ご両親はどちらも土佐島出身の純日本人です。
高校から大学時代までチアリーディングをやっていたそうで、全国大会にも出場し、当時からその可愛さには定評がありました。大学3年生の時に就職活動中にオファーを受けていた現在の事務所に入り、デビューしました。
毒舌&不潔キャラでタレント活動をしていますが、それも日本人離れした美しい顔立ちとスタイルがあるから成り立つものだと言えますね。
その磨き抜かれたスタイルはクロスフィットによるものだそうで、実は太りやすい体質のアンさんは、人一倍努力してそのスタイルを維持しているそうです。
岸本セシル
岸本セシルさんは、沖縄県出身のモデルさんです。
本名は「岸本聖紫瑠」(読みは同じ)です。珍しい名前ですが、沖縄の西表島や石垣島に広く分布する花「聖紫花(セイシカ)」が由来となっているそうです。ご本人は、一時期「ヤンキーみたいな名前で嫌だった」と語っています。
高校生時代に新人モデル発掘コンテストでグランプリを獲得、以降はnon-noの専属モデルを務めており、その日本人離れした顔立ちは若い女性を中心に非常に高い人気をもっています。
また、はつらつとしたイメージがとても好印象なので、企業のイメージキャラクターやCMにも数多く出演し、その露出の機会はどんどん増えてきています。今後の活躍にも注目です。
現代の「バタ臭い」は可愛い&かっこいい!
偏った意味で使用していた方もいたのではないでしょうか。
最近はハーフのタレントさんなども数多く活躍されており、さして珍しくもなくなって死語のようになってしまった「バタ臭い」という言葉ですが、「バタ臭い」人や物はまだまだ身近に潜んでいるみたいですね。
ぜひ、西洋風で美しい人を見つけたときは誉め言葉になるように「バタ臭い」という言葉を使ってみてください。きっと楽しい話のきっかけになりますよ。
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