滋賀弁(近江弁)を徹底解説!滋賀の可愛い方言&面白い表現も紹介

滋賀弁(近江弁)を徹底解説!滋賀の可愛い方言&面白い表現も紹介

関西圏で話されているのは、すべて大阪弁や京都弁だと思っていませんか?実際は県によって微妙に違っていて、それぞれの魅力があります。滋賀県では、滋賀弁または近江弁と呼ばれる方言が使われており、大阪弁や京都弁とはまた別の魅力があるんです。今回は、そんな「滋賀弁」の魅力を徹底解説します。


滋賀県の方言は大阪弁とは少し違う!

滋賀県の方言と聞いて、皆さんはどのようなイメージを持ちますか?大阪や京都に近いので、関西弁と同じだろうと思っている方もいるのではないでしょうか。イントネーション等は共通するところもありますが、実際は同じ関西圏でも大阪弁や京都弁とはやや異なる部分があります。

滋賀県の方言は、一般的に近江弁または滋賀弁などと呼ばれています。歴史上、上方と呼ばれる京都や大阪と東日本を結ぶ交通の要衝であった経緯から、周辺の言語からの影響が強いのが特徴です。

特に、京都と大阪からの影響は強く、共通する部分もありますが、同時に独特の表現もたくさんあります。今回は、そんな近江弁の特徴や、近江弁ならではの可愛い表現などを見ていきましょう。

滋賀弁(近江弁)の特徴

滋賀弁(近江弁)の特徴とは、どういったものなのでしょうか?まずは、滋賀弁(近江弁)の特徴と、ほかの関西弁との共通点や違いについて見ていきましょう。

地区ごとに若干異なり4つの種類がある


ご存じのように、滋賀県は琵琶湖で有名ですよね。琵琶湖は県の中心に位置し、県の面積の6割を占めている日本最大の湖です。滋賀県はこの琵琶湖を中心に湖東、湖西、湖南、湖北の4つの地域に分けられています。

そして滋賀弁は、それぞれ湖東方言、湖西方言、湖南方言、湖北方言と、地域ごとに若干異なっています。この違いは、前述の歴史的な経緯により、それぞれ隣接した地域の方言が影響しているために生じたものとのこと。

京都に隣接している湖南は京都弁の影響が強く、湖南方言には京都弁と共通する部分がたくさんあります。京都から最も離れた湖北は京都弁の影響が薄く、湖北、湖東では美濃弁、湖西では若狭弁の影響が色濃く反映されているようです。

基本のアクセント等は大阪弁とほぼ同じ


大阪弁や京都弁の影響を大きく受けている滋賀弁のアクセントは、基本的には他の関西弁とほぼ同様で、一般的に京阪式アクセントにカテゴライズされます。

関西弁に慣れている方であれば割と自然に聞き取れるでしょうし、それ以外の方であれば関西弁と勘違いするかもしれません。滋賀弁が関西弁と同じと思われるのは、アクセントがほぼ同じであることが主な理由の一つ。

ただ、滋賀弁の場合は前述のように地域で違いがあり、アクセントにおいても若干異なっています。特に、美濃弁の影響が強い湖北方言では、京都弁の影響が薄れているためアクセントが微妙に違うようです。

滋賀弁も活用法は関西弁とほぼ同じ


動詞などの活用は、ほかの関西弁とほぼ同じです。例えば「言った」「買った」などは、それぞれ「言うた」「買うた(こうた)」と変化します。また、「思った」「笑った」は、「おもた」「わろた」と変化します。

さらに、「~でしょ?」は「~やろ?」と表現されますが、このような言い回しは関西弁と同じですので、聞き慣れているのではないでしょうか。その他にも、「無い」「良い」が「無うて(のうて)」「良うて(ようて)」のように使われます。

滋賀弁は音が変わる


母音や子音が変わることがあるのも、滋賀弁の興味深い特徴の一つです。例えば「寒い(さむい)」が「さぶい」になったり、「冷たい(つめたい)」が「つべたい・ちべたい」になるなど、音そのものが変わることがあります。

更に「ひ」と「し」が入れ替わることがあります。例えば「質(しち)」が「ひち」になったり、「人(ひと)」が「しと」になる等です。

また、湖北方言では形容詞「~い」が「~ぇ」に変化するという特徴があり、例えば「赤い」が「赤ぇ(あけぇ)」「白い」が「白ぇ(しれぇ)」と変化することがあるようです。

滋賀弁(近江弁)を代表する方言11選

滋賀弁を代表する方言をご紹介します。ここでは、滋賀弁を理解するのに役立つ11選をピックアップ!是非覚えてみてはいかがでしょうか。

~やんす


京都弁の影響が色濃くでている滋賀弁の一つで、京都弁の「~やす」が変化したもの。現代では「~ます」の意味で使用されます。

例としては、「昨日、神戸に行ってきやんした(行ってきました)」「本を読んでやんす(読んでます)」のように使います。「拙者でやんす」のような使い方はしませんので、気を付けましょう。

ほかす


大阪弁でもよく聞く「ほかす」は、滋賀弁でも同様に「捨てる」という意味で使われます。「放下す」という言葉が変化したもので、大阪弁や滋賀弁だけでなく、関西、西日本の広い地域で使用されます。

例として「それほかしといてー(それ捨てといてー)」等があります。西日本の方なら馴染み深い表現ですね。

~しはる、~しやる


これも関西弁の影響が出ている滋賀弁の一つで、「~される」という意味で使われます。大阪や京都でも使われ、関西弁の代表的な表現なので誰でも知っているのではないでしょうか。

滋賀弁ではこれに加え、「~しはった」と同じ意味の「~しらった」という表現も頻繁に使われるようです。例でいうと「帰らった(帰った)」「お電話しらった(お電話された)」となります。

お~やす


関西弁、特に京都弁でお馴染みのフレーズ「おいでやす」は、滋賀弁でも使われ、最も上品な敬語として有名です。滋賀県の観光名所等にもこの「おいでやす」はよく使われていますね。

冒頭に「お」、語尾に「やす」を付けることで、上品な関西弁の敬語になります。「お読みやす(およみください)」「おかえりやす(おかえりなさい)」のように使用します。湖東、湖北では冒頭の「お」を省略する場合もあるようです。

えがむ


「歪む」は関西圏では「いがむ」と読むことがありますが、それがさらに変化して滋賀弁、特に湖東で、「えがむ」と読まれることがあります。「この壁、めっちゃえがんどるわぁ(この壁凄く歪んでる)」のように使用するのが一般的です。

ちなみに「めっちゃ」は、皆さんご存じのように「とても」「非常に」という意味です。こういった表現は関西圏では共通ですね。

~をなぶる


「なぶる」は滋賀弁で「触れる」の意味です。「ペンキ塗り立てやからなぶったらあかんでぇ(ペンキ塗り立てだから触っちゃだめだよ)」のように使います。

他にも「いじる」「手を入れる」「修理する」の意味もあります。「ちょっとこの車なぶったほうがええんちゃう?(ちょっとこの車修理した方が良いんじゃない?)」のように使えますね。

滋賀弁(近江弁)を代表する方言11選《続き》

ほたえる


神戸や京都など、関西圏共通の方言である「ほたえる」は、「騒ぐ」「ふざける」の意味です。滋賀弁でも同様に使用される言葉です。「ほたえてばっかで話ぜんぜん聞いてくれへん(ふざけてばかりで話をぜんぜん聞いてくれない)」のように使います

~をよんで


「ごはんに呼んでもろた(ご飯に呼んでもらった、ご馳走になった)」という意味の滋賀弁で、文字通り「呼んで」が語源ですが、そこから派生して「食べる」「ご馳走になる」の丁寧語として用いられます。

「今日は夜はよんでもろてるわ」ですと、「今日の夜はご馳走になる」という意味になります。また、「水よんでもらえる?」だと「水ちょうだい」になります。関西圏以外の人だと「水を呼ぶってどういう意味??」と思ってしまいますね。

せんど


滋賀弁で「今日もおせんどさん」と言われたら「おせんどさん」と返してあげてください。「せんど」は「千度」から来ており、「何度も」「さんざん」「長い間」という意味です。そこから転じて「せんどする」で「(長い仕事で)くたびれる」と意味になります。

つまり「おせんどさん」は「お疲れ様」という意味になります。同じ労いや挨拶の言葉でも、方言で言われると疲れがより癒される感じがしますね。

えらい


「えらい」は標準語の「偉い」という意味ではなく、「とんでもない、とても、大変」という意味で、滋賀弁のみならず、西日本の大部分で使われる方言です。「えらいこっちゃ(とんでもないこと=大変だ)」は有名なフレーズですね。西日本出身の方であればだれでもわかる馴染み深い方言で、全国共通語と言っても過言ではないのかもしれません。

滋賀弁では他にも「つらい、疲れる」の意味があり、「風邪ひいてもうてえらいわ(風邪ひいてしまってつらいよ)」のようにも使われます。

かなん


関西圏を中心に滋賀弁でも使用される「かなん」は「かなわん=かなわない」という意味で、「嫌だ」「困る」「勘弁してほしい」というニュアンスの表現です。

よく関西弁で「あんたにはかなんわぁ(あなたにはかなわない)」と言っているのを聞きますよね。他にも「渋滞10キロやて!かなんわぁ(渋滞10キロだって!勘弁してよー)」というふうに使います。

女性に言われたい!可愛い滋賀弁のフレーズ

地方を訪れたときなどに地元の女性から方言で話しかけられると、ちょっとほんわかした気持ちになることがありますよね。そんな女性に言われたい可愛い滋賀弁のフレーズをエピソードを交えてご紹介します。近江弁を使える女性のみなさんは、男性の前でさりげなく披露してみてはいかがでしょうか。

ほっこりする


「滋賀県出身の友人が『LINEめっちゃ来やるから、ほっこりするわぁ』と言っていたのを聞いて、嬉しいってことかなと思ったら全く逆の意味だった」(19歳/男性/大学生)

「ほっこりする」とは、滋賀弁では「疲れる」「うんざりする」という意味。もとは京言葉で「仕事などが終わって一息つく」「安堵する」等の意味で使われていましたが、滋賀弁ではむしろ逆の意味になるのがなんとも興味深いところです。むしろ「可愛いけど言われたくないフレーズ」かもしれませんね。

ちゅんちゅん


「女友達が友達カップルを見て『ホンマちゅんちゅんやなー』と言っている姿になぜか萌えました」(23歳/男性/営業職)

スズメの鳴き声のようなこの滋賀弁は、お湯等が沸いている様子を表す擬態語です。「もうお風呂ちゅんちゅんやでー(もうお風呂沸いてるよー)」というように使われます。

「ちゅんちゅん」という響きがすごく可愛いですよね。「ちゅんちゅん」はお湯が熱く沸くことから転じて「熱々」という意味にもなります。

だんない


「少し風邪気味だった時に『えらい咳しとったけど、だんない?』と聞かれて、ものすごく癒されました」(32歳/男性/自営業)

富山県等でも使われる「だんない」は滋賀弁で「大丈夫」という意味で、元の「大事無い」から転じて「だんない」になったようです。他に「だじない」「だしない」とも言いいます。

方言で心配や慰めの言葉をかけられると「なんだか癒される」という男性は多いようです。方言ならではの暖かみを感じますよね。

よこんちょ


「『ちょっとよこんちょ来てぇな』と言われたら抵抗できません」(33歳/男性/クリエイター職)

何となく意味は想像できるのではないでしょうか?「よこんちょ」は横側という意味で、主に湖東、湖南東部で使われている滋賀弁です。

「よこんちょ」は意味も分かりやすい方言ですし、響きもキャッチーですね。「よこんちょに来て」と可愛く言われたら、大抵の男性は逆らえないでしょう!

へんねし


「飲み屋のお姉さんから『へんねしわぁ』と言われたので、ドリンクの注文をしてしまいました」(29歳/男性/営業職)

一聴するとお酒の名前の「ヘネシー」と勘違いしてしまいそうですが、「へんねし」は滋賀弁で「嫉妬」という意味です。

同じ嫉妬なのに「へんねし」と言われるとどこか可愛さを感じてしまいますね。「へんねしはジェラシー」と覚えておきましょう。

しまえる


「滋賀県出身の同僚の女性に『あかん、コピー用紙しまえとる』と言われたので、『どこに?』と聞き返したら、『ちゃうちゃう。無い言うてんねん』と言われました」(24歳/男性/内勤)

「しまえる」は「収納する」という意味ではなく、滋賀弁の場合は「終わる」「無くなる」という意味で使われます。「仕舞う」が転じたものなので、「収納する」と語源は一緒です。滋賀弁だけでなく博多等の西日本で広く使われる方言です。

方言には同じ言葉なのに意味が違う場合があるのが興味深いところです。西日本では「しまう」を「なおす」と表現する地域がある等、同じ言葉なのに意味が違うケースは他にも沢山あります。

女性に言われたい!可愛い滋賀弁のフレーズ《続き》

ちょか


「基本的に関西弁、特に京都寄りの関西弁が柔らくて好きです。『このちょかすけ』と可愛く言われると萌えます」(38歳/男性/金融系)

「ちょか」とは滋賀弁で「お調子者」や、軽率で慌てたり調子に乗った行動のことを指します。標準語の「おっちょこちょい」と同じ意味で音もすこし似てますよね。

関西弁が好きという男性は多く、中には「関西弁フェチ」という方もいるようです。そんな方にとって滋賀弁はかなり通好みなようですよ。

ねき


「人ごみの中で滋賀出身の彼女に『もっとうちのねき寄って』と言われたときに思わず抱きしめたくなった」(25歳/男性/飲食業)

主に湖北、湖東、湖南で使われる滋賀弁で、「側」「近く」という意味です。方言であまえられると、どんな男性でもついつい顔がほころんでしまうというものです。

よけのまい


「『よけのまいなこと言わんといて』と軽く怒っていた女性の同僚がちょっと可愛かった」(33歳/男性/営業職)

滋賀弁を知らない人なら演舞の種類かと勘違いしてしまうかもしれませんが、「よけのまい」とは「余計な事」という意味で、「よけまい」とも言います。湖北、湖東で主に使われる滋賀弁で「余計の米」が語源だそう。

同じ怒っている女性でも、標準語と方言では、何故か方言の方は怒り方が柔らかく感じることもあるのではないでしょうか?むしろ怒っている姿に萌えるという男性もいるとのこと。

ももける


「彼女が『あかん、このニットももけてきた』と言うのを聞いた後、なぜか笑いが…。その後は『ももける』がマイブームになりました」(24歳/男性/アルバイト)

「ももける」とはセーターなどに毛玉が出来ることを指します。滋賀弁を含む関西圏で広く使われる方言です。

かわいい方言って一度聞いたら頭から離れませんよね。ついつい自分も使ってしまい、方言がうつってしまうこともよくあるようです。

~や(あ)る


「品のある京都弁の『~しはる』も良いけど、滋賀弁の『~やある』も可愛い」(35歳/男性/IT系)

「~しはる」と同じ意味の敬語で、滋賀弁では「~や(あ)る」を使う場合も多いようです。京都弁が好きな男性は非常に多いです。その京都弁の影響を受けている滋賀弁は、また少し京都弁とは違った素朴な魅力がありますよね。

近江弁女子はモテる?男性の本音は

滋賀弁(近江弁)を話す女性はモテるのでしょうか?実際のところ、男性は滋賀弁やその他方言をしゃべる女性に対してどう思っているのか、男性の本音をエピソードを交えて紹介します。

ちょっときつめな言い方と中身のギャップが良い


「普段『何言うてんの?』『あかんわー』とか結構きつめな言い方するくせに、『何でLINEしてくれへんの?』とか可愛らしく言う時のギャップに萌える」(27歳/男性/金融系)

標準語に慣れている人からすると、関西弁は標準語よりもきつめな印象がありますよね。その印象が、逆に女性らしい姿を見せられた時に大きなギャップになるようです。

関西弁の女の子はみんな可愛い!


「関西弁の女性は自分の事を『うち』とかというので、みんな可愛く見えてしまいます」(22歳/男性/学生)

「とにかく関西弁フェチ」「関西弁の女子が好き」という男性は多いようです。関西の女性は関西圏外に出た方が実はもてるかも!?

上品


「京都に出張に行ったときにリアル『おおきに』が聞けた!居酒屋の女性でしたが一瞬で惚れました」(35歳/男性/営業職)

特に京都弁やその影響の強い滋賀弁の敬語は上品で、奥ゆかしさを感じつつ、それでいて可愛く聞こえるというメリットがあります。大人っぽい女性を求める男性には、上品な関西弁をしゃべるだけでも魅力的に映るようです。

Mの男性にモテる


「自分はどちらかというと草食系なので、グイグイ来てくれる関西弁ネイティブの女性が好みです」(30歳/男性/製造業)

男っぽいタイプの女性が関西弁を話すと、余計に強く見えるようです。草食系男子が多くなっている昨今は肉食な女性が求められるのかもしれません。

面白い滋賀弁のフレーズ

代表的な滋賀弁を紹介してきましたが、ここでは、その中でも特に表現が面白い滋賀弁をいくつかご紹介します。

やーんぺ!


「やめた」という意味で、特に子供が使う言葉です。遊んでいる時など「暗くなったからやーんぺ(暗くなったから止めよう)」のように使います。

さいぜん


滋賀弁で「それやったら、さいぜんそこにあったでー」と言われたら、「お賽銭がそこにあった」ではなく「それはさっきまでそこにあった」という意味です。「さいぜん」とは「つい先程」「今し方」という意味で使われます。

おっさん


この「おっさん」はオジサンの事ではなく「和尚さん」「お坊さん」の事です。

頭の「お」にアクセントが付くので、滋賀県民は他県の人から「おっさんの発音が違う」と指摘されがちですが、本人は「和尚さん」と言っているのです。関西圏ではオジサンを指す「おっさん」は「おっちゃん」と呼ぶことが多いです。

どぼどぼ


水がドボドボこぼれる…と思いがちですが、滋賀弁で「びしょびしょ」「びしょ濡れ」という意味です。「急に雨降ってきてどぼどぼや(急に雨が降ってきてびしょ濡れだ)」のように使います。

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