MTFの出会いの場７選！トランスジェンダーを打ち明ける方法やタイミング

近年聞く機会が増えたMTFというワード。しかし、「そもそもMTFが何なのかわからない」という人はまだまだ多いのではないでしょうか。

そこで、MTFの出会いの場を探す前に、いくつかの異なる視点からMTFの意味をご紹介します。

体は男性だが、心は女性

MTFとは「Male to Female」の略で、直訳すると「男性（Male）から女性（Female）へ」という意味になります。持って生まれた身体の構造は男性であるものの、自分では女性だと感じていて、女性として生きたいと思っている人のことです。

MTFは、このあと説明するトランスジェンダーに含まれるのですが、一般的に外科的処置を望まないというスタンスです。そのため、身体は男性のまま、女性の格好をしている人が多いでしょう。けれど、心身共に女性になりたいと考え、身体適合手術を受ける人もいます。

同じMTFでも「女性としてふるまえるなら身体はそのままでいい」という人もいれば、「完全に女性になりたい」と望む人まで、考え方は人それぞれ。けれど、自分は女性だと認識しているという点は変わりありません。

トランスジェンダーのうちの1つ

トランスジェンダーとは、性自認と身体的な性が一致していない人のことを言います。性自認とは「自分の性をどのように認識しているか」で、身体的な性は「身体構造としての性、生物学的な性」を意味します。

つまりトランスジェンダーとは、男性として生まれたけれど自分では女性だと認識している、もしくは、身体構造は女性だけれど心は男性という人々です。

この考え方は後述する性同一性障害と同じですが、トランスジェンダーは基本的には外科的処置を求めず、ただ自分が認識する性で生きたいと考えます。

そのため、世間からは「男性が女性の格好をしている」、あるいは「女性なのに男性みたい」といった受け止め方をされるのが特徴です。

MTFの場合、体と心の性が一致していないという点がトランスジェンダーの概念と似ていることから、トランスジェンダー1つという捉え方がされています。

MTFだけじゃない！FTMとの違いとは？

男性として生まれながら、心は女性という認識を持つ人を「MTF」と呼ぶのに対して、女性として生まれながら、男性としての心を持つ人もいます。

こちらのケースは「FTM」と呼ばれます。「Female to Male」の略で、直訳すると「女性（Female）から男性（Male)へ」という意味。身体は女性だけれど男性の心を持つという点が、MTFとの違いです。

性同一性障害とは？

性同一性障害とは医学用語であり、性自認と身体的な性が一致していないために、外科的手術を望む状態です。

これまでは外科的処置を望むという観点から、性同一性障害は精神疾患であると捉えられてきましたが、2018年6月、WHOは正式に性同一性障害を疾患ではないと改訂しました。

このWHOの改定により、MTFも疾患ではないことが証明されたと言えます。

出典：OUT JAPAN『WHOの「国際疾病分類」が改訂され、性同一性障害が「精神疾患」から外れることになりました』
https://www.outjapan.co.jp/lgbtcolumn_news/news/2018/6/8.html

MTFの意味を多方面から知ることによって、MTFがどういう人を指すのかが理解できたのではないでしょうか。

では、ここからはMTFの出会いの場をご紹介します。いずれも新たな出会いが待っている可能性が高い場所ばかりです。さっそくご覧ください。

レインボーパレード

MTFの出会いの場として最適なのが、性的指向において少数派が多数集まる場所です。こうした場所には、いわゆるLGBTと称されるレズビアン、ゲイ、バイセクシュアルにトランスジェンダーといったさまざまな人たちが集まります。

特にレインボーパレードは、「差別や偏見にさらされず、前向きに生活できる社会の実現」をスローガンに掲げ、各地でパレードを行い、出会いを広げているのが特徴です。

日本では東京で大規模に開催されており、東京は「らしく、たのしく、ほこらしく」をモットーに開催しています。

また、東京以外でも行われていますので、積極的に出かけることがMTFの出会いにつながりますね。

歓楽街のミックスバー

歓楽街にはさまざまな形態のバーがあり、ゲイバーやレズビアンバーなどがあります。ゲイバーの場合、お客さんもスタッフもどちらもゲイであることが入店の条件になり、レズビアンバーも同様です。

こうした性的少数派でも楽しめるバーがたくさんある中に登場したのが、ミックスバーです。ミックスという名から推測できるように、性的指向に関係なく性的少数派が入れるバーとなっているのが特徴です。

さまざまな性的指向を持つ人が集う場所なら、MTFの人に適した出会いもきっとあるでしょう。

海外のデモ

日本に比べるとレズビアンやゲイを公表している人が多い海外では、性的少数派の人たちがしばしばデモを起こすことがあります。

一般的に、デモには何かに反対したり、抗議の意味で行われるイメージがありますが、トランスジェンダーの人たちのデモは華やかなデモになることが少なくありません。それぞれの性自認を個性として主張するため、華やかに着飾って参加するからです。

さらにはトランスジェンダー以外にも、ゲイやレズビアン、あるいはニューハーフなど、性的指向に特化したデモも数多く行われています。

思い切って海外に行ってこれらのデモに参加することによって、MTFに新たな出会いがあるかもしれません。

MTF向けのサークル

近年はさまざまな社会人サークルが人気で、スポーツをしたい人や読書好きな人、あるいはピアノや英会話レッスンができるサークルなどもあります。

この社会人サークルの中にMTFの人向けのものがあり、出会いの場としては最適です。MTFの人はもちろん、MTFに理解と関心がある人が参加すると考えられます。

MTFをはじめとするトランスジェンダー全般に理解がある人が集まる場なら、楽しい出会いになる可能性を秘めていますね。

出典：東京レインボープライド公式サイト
https://tokyorainbowpride.org/

最近は出会いのチャンスを掴むために実際に出かけて行くだけでなく、ネットで出会う機会がとても多くなりました。当然、MTFの出会いの場はネット上にも存在します。

続いては、ネット上でMTFの出会いが見つかる場所を見ていきましょう。

マッチングアプリ

今や男女が出会いを求める際に、ごく当たり前に利用するようになったのが、マッチングアプリです。

マッチングアプリの人気の理由は、目的に応じた相手探しができること。例えば恋人がほしい人もいれば、結婚相手を見つけたい人もいますよね。さらには、友達が欲しい人もいるでしょう。

マッチングアプリは、あらかじめどんな相手を求めるかによって利用するアプリを選ぶところから始めますので、目的にかなった相手を見つけやすくなります。

そのため、MTFの人が出会えるマッチングアプリを利用すれば、最初からMTFに関心のある人と出会うことができ、効率よく恋愛に結び付けられるでしょう。

SNSのコミュニティー

XやインスタグラムなどのSNSのコミュニティーを利用するのも、ネットで出会いを探す方法です。

近年の人気は写真や動画が簡単に投稿できるインスタグラムですので、ここでMTFの魅力を画像で発信するという手があります。

もしも画像は抵抗があるというのであれば、Xがおすすめです。Xは短文で呟く形式ですので、MTFの情報や気持ちを発信するのに適しています。

また、これらのSNSにはハッシュタグと呼ばれるキーワードが設定できますので、「＃MTF」などMTFを関連付けるハッシュタグをつけることで、MTFのコミュニティーへの参加が容易になるのも特徴です。

結婚相談所

MTFの出会いを求めるものの、アプリやSNSにそもそも不慣れという場合もあるでしょう。そんな時は、MTFをはじめとするLGBTの出会いを積極的にサポートする結婚相談所を活用するという方法がおすすめです。

周囲にMTFだと公言していないなどの理由で出会いがないMTFに対し、結婚相談所が適した人をお見合い相手として紹介してくれます。

利用の際はスマホでQRコードを読み取ったり、サイトから登録するので、アプリ系に抵抗がある人やSNSに不慣れな人に最適です。

こうした結婚相談所サイトも数多くありますので、MTFからの出会いの相談を受け付けているところを探しましょう。

MTFの人にとっては、MTFであることを早めに打ち明けるべきかどうかは大きな問題でしょう。最終的には自分自身の決断になるものの、できれば早めに打ち明けた方がよいとも言われます。

ここでは、MTFだと早めに打ち明けるべき理由を考えていきましょう。

出会いが増える

お酒が入った時などに下ネタ話をすることはあっても、性的指向の話題となると、そうそう気軽に口にできませんよね。

とはいうものの、出会いの機会を増やしたいのなら、MTFであることを公開した方がよい場合もあります。なぜなら、周囲に知ってもらうことで、人から人へと話が伝わるからです。

その結果、MTFとの出会いを探している人から接触があったり、思いがけない人から話しかけられることも考えられます。

共感してくれる人が見つかる

人の性的指向はさまざまで、男性が男性を好きになるゲイや、女性が女性を好きになるレズビアンも存在します。これらの人たちは数が少ないため、性的少数派と呼ばれるのが特徴です。

こうした性的少数派の人たちはどうしても、普通ではないと思われて好奇の目で見られやすくなります。そのため、MTFであることを隠している人も多いでしょうが、思い切って打ち明けることで、共感してくれる人が見つかる可能性があります。

MTFだと打ち明けた結果、辛い思いをすることもあるでしょう。けれど、打ち明けることによって誰か共感してくれる人を見つけられたなら、気持ちがうんと楽になるのではないでしょうか。

自分自身のモヤモヤを解消できる

MTFの考え方も人それぞれ異なり、中にははっきり女性とわかる格好をしていない人もいます。その理由は、周囲からは持って生まれた性の通りに男性だと思われていた方が、社会生活が上手くいくからです。

とはいえ、男性の格好をしている自分を鏡などで見るたびに「これは本当の自分じゃない」と感じるでしょう。いつもモヤモヤした葛藤を覚えるのであれば、早めに打ち明けた方がいいのではないでしょうか。

なぜなら、ことあるごとに「これは本当の自分じゃない」と感じると、ストレスが溜まっていくからです。いっそMTFだと打ち明けて女性の格好になった方が、心の中に抱えているモヤモヤを解消できる場合があります。

打ち明けるキッカケを逃すことも

MTFの人は身体は男性ですが、精神的性別は女性です。この状況に本人が悩むのはもちろんのこと、周囲もなぜそうした気持ちになるのか容易に理解できないのではないでしょうか。

そのため、自分がMTFであることをいつ、どうやって話そうかと悩んでいるうちに、打ち明けるキッカケを逃すことも考えられます。

けれど、打ち明けるキッカケを逃したばかりに、親から「早く結婚して孫の顔を見せてほしい」などと言われることが増えるのではないでしょうか。

こうなると、ますます打ち明けにくくなるのは必至。キッカケを逃すことで、どんどん話しにくくなってしまうため、早めに打ち明けたほうが良いとも言えるでしょう。

MTFという言葉自体がまだまだ理解されていないことからも分かるように、MTFの人はいわゆる少数派に該当します。そのため、MTFだと打ち明けても、正しく理解されない可能性が高いです。

相手にMTFだと打ち明けるには、どうしたらいいのでしょうか。ここでは、MTFを自然に打ち明ける方法をいくつかご紹介します。

ネット上のプロフィールに書く

ネットで出会いを探すのなら、気になる相手を見つける前にあらかじめMTFだと打ち明ける方法がおすすめ。「私はMTFです」と最初にキッパリ宣言してしまえば、後で打ち明ける必要もないからです。

各種SNSやアプリにはプロフィールを書くところがありますよね。プロフィールにMTFであると書いておけば、MTFに関心がない人はスルーするでしょうし、逆に関心がある人はアプローチしてくると考えられます。

2人きりの時に打ち明ける

好きな人ができて、その人にMTFだと打ち明けられていない場合は、2人きりのときに打ち明けるのが賢明です。

どのように打ち明けるかは、相手の性格によっても変わってくるでしょうが、性的指向に関する話はなかなか口にできるものではありませんよね。

また、打ち明けられる側も、大多数の人が驚くでしょう。好きになった人から、「実は自分は女性の心を持つ男性だ」と打ち明けられたら、驚くのも無理はありません。

そのため、2人きりで相手と真剣に向き合い、MTFだと打ち明けることが大事です。その結果どうなるかは相手の選択次第ですが、真剣に伝えれば相手もしっかり話を聞いてくれるでしょう。

雰囲気の良い時を見計らって切り出す

近年、「カミングアウト」という言葉がよく使われるようになりましたが、これは人に知られたくない事を公表することを意味する言葉です。さらに、トランスジェンダーの人たちが、自らの性自認を告白するという意味でも使われます。

MTFの場合、家族に「自分は男として生まれたけれど、女性の心を持っている。だから女性として生きたい」と告白することになるでしょう。

とはいえ大半の親が息子から「女性として生きたい」と言われても、そう簡単に理解できないはずです。そのため、雰囲気の良い時を見計らって切り出すことが重要となります。

雰囲気の良い時なら、家族も心にゆとりを持って聞いてくれるのではないでしょうか。

まずは受け入れてくれる人から話してみる

人は誰しも、家族や好きになった人に対しては、どんな自分も受け入れてほしいという思いを持っているでしょう。けれど、好きな人に打ち明けた結果、別れにつながる場合もあります。また、親からも厳しい言葉が返ってくることが少なくありません。

思い切って打ち明けた相手が、好きな人や大事な家族であれば、拒絶された時のショックはよりいっそう大きくなります。そのため、まずは受け入れてくれそうな人から話してみるのがいいでしょう。

例えば、仲の良い兄弟姉妹がいるのなら、親に打ち明ける前に言ってみるのです。世代が近いことによってMTFを理解し、「そうした生き方もアリ」と受け入れてくれる可能性があります。

MTFの人は世界中に存在しますが、どうしても少数派になりますよね。そんなMTFの恋愛を成就させるには、いくつかのポイントがあります。

ここでは、MTFの恋愛を成就させるためのポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

相手との距離をすぐに近づけすぎない

MTFであると分かった上でお付き合いが始まっても、すぐに相手との関係を近づけすぎないのが、恋愛成就に欠かせないポイントとなります。

それというのも、世の中の人の大半が、MTFとの恋愛は初めての経験になると考えられるからです。そのため、これまでの恋愛経験とは勝手が違うと感じることも多々あるでしょう。

そんな戸惑っている相手との距離を一気に詰めるような関係は、相手を困惑させてしまう可能性が大です。「徐々に自分を分かってくれればそれで十分」と考え、ゆっくり関係を近づけていくのがいいですね。

こまめに連絡を取るようにする

恋愛をすると、心がウキウキしたり胸がキュンとしたりと、さまざまな感情を味わうことになります。その中には、いい事ばかりではなく、時に不安を感じることもあるでしょう。

とりわけMTFとの恋愛は、相手にとって未知の世界のため、これまでの恋愛以上に不安な気持ちになる可能性があります。

そんな不安な気持ちを取り除くには、こまめに連絡を取るようにするのがポイントです。「今日はどんな一日だった？」とか、「新作のコンビニスイーツが絶品だったよ」など、たわいないメッセージを送るといいでしょう。

そんなやりとりを「楽しいな」と感じているうちに不安が払しょくされ、「やっぱりこの人が好き」と思ってくれるのではないでしょうか。

人として互いの信頼関係を作る

MTFとして恋愛を成就させるためには、まずは人として互いに信頼関係を構築するところから始めるといいでしょう。

というのも、一般的な男女のお付き合いであっても、相手を人として信頼できるか否かは、恋愛の成就を大きく左右するからです。どれだけイケメンや美女だとしても、人として信頼できない相手との恋愛関係はうまくいきませんよね。

そう考えると、「MTFとして恋愛を成就させるにはどうしたらいいか」を考えるより、まずは互いに信頼関係を作ることが重要です。

信頼関係が構築できれば、「人として信頼できる相手だから、MTFだろうとなかろうと関係ない」となり、恋愛関係になっても上手くいくことでしょう。

MTFと公言できる環境に身を置く

MTFの恋愛を成就させるには、MTFだと公言しておく方が有利でしょう。MTFを理解し、好きになってくれる人との出会いの確率が高まるからです。

そのためには、MTFだと公言できる環境に身を置くことも選択肢の一つとなります。昨今、「さまざまな考え方の人がいておかしくない」とする企業も増えてきていますので、トランスジェンダーに対して理解のある会社に転職するという選択もアリでしょう。

MTFを公言しても好奇の目で見られることなく、「それも一つの個性」と受け止めてくれる人たちの中での出会いなら、恋愛も自然に成就するのではないでしょうか。

世界ではさまざまな人たちがMTFだと公言し、活動しています。日本でもメディアなどで報道される機会が増え、認知度は高まっているといっていいでしょう。

とはいうものの、中には偏見の目で見る人も少なくありません。そのため、MTFは出会いの機会がそもそもないなど、恋愛する上で難しい要素がたくさんあります。

だからと言って、恋愛するのを諦めるのはもったいないですよね。出会いが少ないなら、積極的に出会いを求めて行動しましょう。

そうすれば素敵な出会いが見つかり、さらに幸せな恋愛に発展する可能性が出てきます。ぜひ一期一会の出会いを大切にし、素敵な恋愛に育てていってくださいね。