卑屈な人の心理や原因とは？卑屈な性格を治す方法も徹底解説します！

「卑屈な人」「卑屈な態度」と表現することがありますが、そもそも「卑屈」とはどんな意味なのでしょうか？嫌な印象を持つ言葉ではありますが、その意味を改めて説明しようとしてもあやふやになってしまうものです。

まずは、卑屈の正しい意味をご紹介いたします。また、卑屈に似た言葉はいくつかあるので、類語や間違えやすい言葉にも触れながら解説しますのでぜひ参考にしてください。

「卑屈」の意味

「卑屈」とは、自分をいやしめて妥協をすること。「卑屈な人」と使う時は、自分に対して必要以上に自己評価を下げてしまう人のことを指します。

卑屈の「卑」は「いやしめる」とも読むことができ、他人よりも自分の地位を低くするという意味にも取れるでしょう。また、「屈」は「かがむ」と読むことができます。「卑」「屈」の二語から見てもネガティブな印象を受けますよね。

性格も態度も印象が悪く、いつもいじけているような意味が「卑屈」という言葉に込められていることがわかります。

「卑屈」の類語

「卑屈」の類語には、「自虐的」「卑下」「陰湿」「下劣」「自虐的」など。さらに「ズルい」「ガラの悪い」「根性がねじ曲がった」「いじけた」などもあります。

いずれも、印象が悪い態度や人物を思い浮かべててしまう言葉ばかりですよね。ちなみに「卑怯」という言葉がありますが、これは自分以外の人を下に見る意味を持つので類語ではありません。

「謙虚」との違い

自己評価が低いという意味で「謙虚」という言葉があります。しかし卑屈とは全く意味が変わり、謙虚の意味は「自分を偉い者とは思わず素直にほかに学ぶ気持ちがある」ということです。

つまり、謙虚な人は自分の良い所をアピールすることはなく素直な人。これに対して卑屈な人は、自分の弱みをアピールしてしまう嫌みな人。卑屈と謙虚はまさに正反対の言葉です。

出典：goo辞書『卑屈（ひくつ） の意味』
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%8D%91%E5%B1%88/#jn-184017

あなたは「卑屈な人」と聞いてどんな人を思い浮かべますか？いい印象ではないことがわかりますが、具体的にはどんな人物なのでしょうか。ここでは、みんなが思っている卑屈な人の印象をいくつかご紹介いたします。

人生楽しいのかな？って思ってしまう…

「卑屈な人を見ると、この人は人生楽しいのかな？って思ってしまいます。私から見てとても楽しそうには見えません。」（24歳/女性/アパレル系勤務）

卑屈な人はいつもネガティブで、あまり笑顔を見せることも少ないかもしれません。こちらの女性が言う通り、人生を楽しんでいるようには見えないですよね。むしろ落ち込んでいるように見えてしまうものです。

相手にする方も大変だと気付いて欲しい！

「何かと卑屈な態度を取る友達がいて正直ウンザリ…。相手する方の苦労にも気づいてほしい！」（28歳/男性/営業部）

身近に卑屈なタイプが1人いるだけで気が重くなってしまう…この意見にはとても共感できますよね。卑屈な態度ばかり取られると一緒にいても全く楽しくない上に、言葉を選んで話さなければならなかったり…正直ウンザリと言いたくなってしまうのも納得です。

ダメな自分をアピールしているように見える

「卑屈な人を見てると、『私にはムリ』とか『私は何やってもダメ』みたいな発言ばかり。逆にダメな自分をアピールしているように見えるんです。」（30歳/女性/販売員）

何を言っても自分を見下げた発言ばかりする卑屈な人を見ていると、「わざわざダメな自分をアピールしているように見えてしまう」というこちらの意見にも共感できます。「私なんか」という口ぐせによって、周囲の視線を集めているのかもしれません。

他人と自分を比べて落ち込んでばかり

「同僚に卑屈な態度ばかり取る人がいるのですが、いつも周りと自分を見比べて落ち込んでいるんですよね。見ているだけでこっちも疲れてしまいます。」（27歳/男性/IT系勤務）

勝手に他人と自分を比較して落ち込んでしまう人もいますよね。卑屈な人は、わざわざ自分を貶めるような態度をよく取ります。そんなネガティブな話しばかり聞かされていれば、こちらもぐったりと疲れてしまいまいます。

実はプライドが高そう

「何かと文句ばかり言う卑屈な人って実はプライドが高そう。他人に口出しばかりして、自分のことを守っているようにも見えます。」（32歳/女性/飲食店勤務）

卑屈な人の中には嫌みばかり言う人もいますよね。でも、他人のことばかり口出しする人は自分のことをあまり言いません。それは実はプライドが高い自分を守るための自己防衛なのでは？というこちらの女性の意見も、どこか納得できます。

何かと嫌みばかり言ってきてウザい

「私の姑がとても卑屈な人で困ってます。何をやっても嫌みばかり言ってくるのでウザいです！」（29歳/女性/主婦）

嫁いびりをする姑の姿はまさに、卑屈な人そのものですね。何かと嫁に嫌みばかり言う姿は簡単に想像できますが、身内に卑屈な態度を取る人がいると気苦労が多いはずです。全てに対して否定的な態度を取られてしまうと、何が正解なのかもわからなくなりますよね。

なぜ卑屈な人は、どこかねじ曲がった性格をしているのでしょうか。卑屈な態度を取ってしまう時に働いている心理や、斜めに構えてしまうようになった原因を知ることで理解できることがあるかもしれません。

また、卑屈な自分のことを知りたい、卑屈な態度を取る人に困っている人もぜひ参考にしてください。

周りの人に構ってほしい

卑屈な人がわざわざ自分の弱みをアピールするのは、周りの人に構ってほしいからです。また、卑屈な人が必要以上に自己評価を下げてしまうのは、そうしないと嫌われてしまうと思い込んでいる節もあります。

卑屈な人がどこか”かまってちゃん”に見えてくるのは、「構ってほしい」という心理が態度に表れているからでしょう。しかし、素直な態度を取ることができないので、どうしてもねじ曲がった性格に見えてしまうのです。

自信のなさから自己評価を下げてしまったことが主な原因ですが、その人にとって卑屈な態度が通常の状態になってしまっている可能性もあります。卑屈な態度が定着してしまい、変えることができなくなっているのかもしれません。

劣等感が強い

卑屈な人は、とにかく劣等感を強く感じてしまう所があります。「どうせ自分なんか」と言うのが口ぐせになってしまい、いつも他人と自分を比較する悪い癖も身に付いてしまっているのです。

子供の頃にいじめを受けた、何をやってもうまくいかなかった…といった過去のトラウマから劣等感が根付いてしまう人もたくさんいます。卑屈な人は、いつまでも失敗を引きずってしまいやすく、心の切り替えもうまくいかないものです。

他人に口出しばかりしたり、文句ばかり出てしまうのは、自分の劣等感を隠したいからかもしれません。このような人と一緒にいると疲れてしまい、嫌がられる対象となってしまいます。

失敗するのが怖い

失敗するのが怖いのは誰もが持つ気持ちですが、卑屈な人は露骨に嫌がる態度を見せることがあります。ネガティブ思考で物事を捉えてしまうので、普通の人よりも失敗への恐怖が強まってしまうのです。

ポジティブな人なら「ダメだったら仕方ない」という考えが生まれるものですが、卑屈な心理を持っている人には生まれません。むしろ、失敗した時に恥をかいている自分のイメージばかりが生まれてしまいます。

他人の目ばかり気にしているので、失敗ばかりを恐れています。屈折した人にチャレンジ精神が欠けているのは、こうした心理があるからです。

完璧を求めている

ひとつ前の「失敗するのが怖い」にもつながりますが、屈折した考えばかり言う人は完璧を強く求めている所があります。言い方を変えれば、理想が高いということです。

自己評価が必要以上に低いのは理想が高すぎるからであって、決して悪くはないのに自分を見下げてしまうのです。一見謙虚な態度に見えるようでどこか違うのは、そんな気持ちをわざわざアピールしてくるからでしょう。

謙虚な人は「どうせ私なんか」と口にすることはありません。ここが卑屈な人が嫌がられる大きな原因でもあります。

すぐに諦めてしまう

なぜ卑屈な人は、世の中を斜めで見るような態度ばかり取るのか？といえば、何に対しても期待感が持てないからです。「どうせムリ」と言ってすぐに諦めてしまうのは、今まで成功した経験が少ないことも大きな原因です。

または、諦めることばかりを選んできた人生だったのかもしれません。こうした原因から、社会や恋愛など、あらゆることに対して諦めてしまう人もいます。屈折した人がいつも覇気がないのは、何ごとに対しても諦めてきた過去に原因がある可能性もあります。

自分のことが嫌い

屈折した人は、とにかく自分のことが嫌いです。むしろ、自分のことを好きになれないから屈折していると言った方が正しいのかもしれません。自分のことが好きな人は、自分の短所も素直に受け入れることができる人です。

どんな人も自己評価は低くしてしまうものですが、自分の弱点ばかり執着してしまうと心が歪んでしまいます。気持ちの切り替えができないまま過ごしてしまうと、どんな人も屈折した性格に行き着いてしまうでしょう。

自分の長所と短所をある程度受け入れていかないと、屈折した性格はいつまでも直すことはできません。

卑屈な人の性格にはとくに目立つ特徴がいくつかあります。この特徴が卑屈な人の性格を作り上げているので、身近に卑屈な人がいる人は照らし合わせてみてください。卑屈な人をより深く知るためにも、その特徴を知りましょう。

被害妄想が激しい

卑屈な人は基本的にネガティブ思考なので、被害妄想が激しい性格をしています。まるで自分が被害者のような口ぶりを見せたり、相手は何も悪くないのに「あなたのせいで」と攻撃することも…。

何かと「あの人のせいで」などと文句ばかり言う屈折した人には、何を言ってもムダだと感じてしまいますよね。被害妄想ばかり繰り広げている人と一緒にいても、いつか攻撃されるのでは？という不安を感じてしまいます。

自意識過剰

屈折している人の多くは自分のことが嫌いなものですが、自分の考えについては「正しい」と思っている節もあります。また、他人の意見を素直に受け入れられない自意識過剰な性格を持っている人も多いです。

何かと口出しをしてくるのは、自分の方が正しいと強く思っているからです。そして、自分を守りたい気持ちが強い性格がそこに表れています。

自慢話が多い

卑屈な人は見栄っ張りな所もあるので、何かと自慢話をしたがります。そして、他人からの評価をとても気にしています。みんなに凄いと言わせたい気持ちが強いため、自慢話をして自己評価を上げようとしてしまうのです。

しかし相手の気持ちを汲む考えまでは及ばないので、周囲がドン引きしていたとしても気づけません。反対に、周りが自慢したつもりはなくても、屈折した人は「自慢された」と受け止めてしまいます。

屈折した人との会話に疲れを感じてしまうのは、何かとマウントを取ってくるからかもしれません。

寂しがり屋

「自分なんか」ばかり言ってくるのは、寂しがり屋だからです。誰かに褒められたい、凄いと言われたい気持ちが人一倍強い性格の持ち主です。屈折した性格になってしまったのは、愛情不足のまま育ってしまった背景も関係しています。

いつも物足りない気持ちになったり、何をしても満たされないのも屈折した人の性格です。高い理想ばかり追い求めてしまい、目の前の幸せに気づけない人も多いです。寂しいと素直に言えない上、嫌みな態度を取ってしまう性格では一緒にいる人を傷つけてしまうでしょう。

トラウマを抱えている

常にネガティブ思考な屈折した人の多くが、大きな失敗やつらい経験を引きずっています。過去のトラウマにとらわれたまま大人になってしまうと、何かをするたびに「失敗するかも…」というネガティブなイメージが浮かんでしまうものです。

物事を素直に受け止められず、どうしてもプラスに考えることができません。新しいチャレンジに向かえないまま、そんな自分を見下げてしまっている所もあります。

自己防衛心が高い

卑屈な人が嫌みばかり言ったり、「どうせ自分なんか」とばかり言うのは自分を守りたいからでもあります。自己防衛心が高いから、自分より優れている人を目の前にするとわざわざ嫌みを口にしてしまうのです。

他人から言われるより、自分から弱みアピールした方が傷つかないという心理が働いているのでしょう。自分を守るために「私はムリ」とアピールをして、面倒なことから回避していることもあります。

「身近に卑屈な態度ばかり取る人がいて困っている」という人は、どう接していけばいいのかわからないですよね。ここでは、卑屈な性格の人とうまく付き合う方法についていくつか提案いたします。

一定の距離感を保つ

ひねくれた人とまともに向き合おうとしても、頑張るほど疲れてしまいます。卑屈な態度ばかり取る人とは、一定の距離感を保つのが無難です。

相手が友達や恋人なら、今後の付き合いも一度よく考えた方が良いでしょう。当人が自分の性格に気づかない限り、一緒にいる人は気苦労ばかり抱えてしまいます。

長所を褒めてあげる

ネガティブな考えばかり言う屈折した人というのは、他人から認められることを求めています。その人との会話をうまく乗り切るためにも、ほどよく褒めて乗り切ってみてください。

その人の長所を見つけて「ここがいい所だね」と褒めてあげるといいですね。その褒め言葉がその人の自信につながり、ひねくれた心を癒すことができるでしょう。

前向きな言葉をかける

「どうせ自分なんか」というネガティブな考えばかりを聞いていると、一緒にいる人もネガティブ思考に染まってしまうので要注意。ぜひ前向きな言葉をかけて、少しずつ考え方を変えてあげてください。

屈折した人の性格を直すのはとても難しいことですが、いつもポジティブな言葉をかけて、これ以上ネガティブにさせないようにぜひ声掛けをしてみましょう。

アドバイスはしない

あまりにもひねくれた性格の人には、アドバイスも口出しもしないのが1番。屈折した性格の人に「こうした方がいいよ」と言った所で、「どうせ…」という返事しか来ません。

このような人に構っても、こちらが疲れてしまいます。適度な距離感を保って放っておきましょう。

嫌な印象ばかりの卑屈な性格の人には、当然のようですがデメリットがあります。もし自分自身で卑屈な性格に気づいている人は、早めに改めた方がいいかも。そうしないと、こんなデメリットを抱えてしまいます。

ストレスを人一倍感じやすくなる

卑屈な性格の人はネガティブ思考なので、人一倍ストレスを感じてしまいます。普通の人なら何とも思わないことも、「どうせダメだ」などと受け止めてしまえば気持ちは暗くなりますよね。

また、他人と自分を比べるのもやめましょう。人に見劣りを感じながら生きて行くのはとてもつらいものがあります。

周囲の人と信頼関係が築けない

卑屈な態度ばかり取る人は、どうしても信用しがたいものがあります。自己防衛のために自慢をしたり、嘘をついてしまえば信頼関係を築くことは難しくなるものです。

何かと信用してもらえない人は、自分の性格や態度を今一度見つめてみてください。まずは自分を受け止め、周囲の人のことも受け入れていきましょう。

重要な仕事を任せてもらえない

何かを任せるなら、自分に自信がある人を選びますよね。「どうせダメだ」という口ぐせの人には、重要な仕事を任せることはできません。

卑屈な態度はビジネス面で大きなマイナスになります。キャリアアップを目指すなら、自分の内面から見直すべきかもしれません。

異性からモテない

卑屈な態度ばかり取っていれば、当たり前ですが異性からモテません。恋愛で失敗した経験からネガティブ思考になったかもしれませんが、卑屈な性格のままではいつまでも変わらないでしょう。

異性からモテたいなら、根本的な性格を改善すべきです。自分の性格に気づいているなら、あとは治すだけです。

どうしても卑屈な態度を取ってしまう…という人は、次の方法を試してみてください。自分自身の性格に気づくことができている人は、客観的な視点を持っている人です。

そして「治したい」という気持ちさえあれば、必ず性格は改善できますよ。どれもちょっとした心がけでできることなので、ぜひ実践していきましょう。

周囲の人の意見を聞き入れる

どんな人にも大切なことですが、周囲の人や相手の意見を聞き入れましょう。目の前にいる人の話を途中で折ることはせず、最後まで聞くことです。

そして「そうなんだ」とその人の意見に共感をしてみましょう。屈折した性格の人に最も足りないのが「共感する気持ち」なので、ぜひ実践してください。

言い訳をしない

自分に非がある時にはつい言い訳したくなるものですが、そこで素直に「ごめんなさい」と謝ることが大事です。少し勇気が必要ですが、自分を認めることで卑屈な精神を追い払うことができますよ。

成功体験を積む

過去の失敗にとらわれている人は、小さなことでもいいので「できた！」という成功体験を積んでいきましょう。たとえば料理を作って完成させるといったことでもOKです。できた経験が積みあがっていけば、やがて大きな自信になるでしょう。

自分を好きになる

自分が嫌いだからつい卑屈な態度を取ってしまう…そんな人は、自分自身を受け入れることです。どんな人にも欠点はあるので、今の等身大の自分を素直に受け入れてあげましょう。

自分の嫌いな部分も含めて「自分」なのです。素直な気持ちになって、ねじ曲がった態度を取らないようにしていきたいものですね。

身近に卑屈な態度ばかり取る人がいるとイライラしたり、ストレスを感じてしまいますよね。でも、卑屈な性格になってしまった心理や原因を探っていくうちに、その人のことを少し受け入れられる部分もあるのではないでしょうか。

ほどほどな距離感を保つのが、卑屈な人と付き合うコツです。そして、自分自身の卑屈な性格に気づいている人はぜひ、少しづつ態度を改めましょう。弱みをアピールするよりも、相手の長所を気づいてあげられるような人を目指してくださいね。