破滅願望を持つ人の性格&特徴を解説｜破滅願望を持った時の対処法も

そもそも「破滅願望」とは一体どんな願望のことなのか、まずは破滅願望という言葉が持つ意味から解説していきます。

破滅願望とは、何もかもどうでも良いと感じ、物事が破滅することを望むという意味です。つまり「どうにでもなってしまえ！」「全部終わってしまえばいいんだ」などと思うことを破滅願望と言います。

中には、状況や気分が落ちていくことを自分から求める自己破滅型タイプの人もいるようです。そうした人はそれほど多くありませんが、嫌なことがあった時や悩みを抱えた時に破滅願望を持つ人は少なくありません。あるいは解決に至らない問題が長期化して、投げやりな考え方になってしまう人もいます。

そんな破滅願望を人はなぜ持つのでしょうか。この記事では、破滅願望を持つ人の性格や特徴、原因を追究していきます。

出典：weblio国語辞典「実用日本語表現辞典/破滅願望」
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では早速、破滅願望を持つ原因をご紹介します。

「たびたび破滅願望を持ってしまう」という人は、こうした原因があるかもしれません。

失敗に対するトラウマがある

過去に失敗した時、トラウマができてしまったことで破滅願望を持つ人は少なくありません。失敗したことで周囲から批判を受け自分の立場が危うくなったり、悩んだ末に出した結論で失敗したという過去がある人は、再びそうした事態になることを恐れて破滅願望を持ちます。

その時は乗り越えたつもりでも、自身の中でトラウマとして残っていれば、問題やトラブルが起きた時に当時のことが蘇るはずです。それでいて当時失敗に終わっているわけですから、「またあんな思いをしたくない」「逃げ出したい」といった思いになってしまい、破滅願望を抱くのでしょう。

強いストレスを持っている

目の前の出来事に対してだけでなく、他の場面でもストレスを抱えているとしたら破滅願望を抱きやすいです。問題を知らず知らずのうちに溜め込んでいて、強いストレスを抱えている可能性があります。

例えば、しなければいけないことが重なり切羽詰まった状態になれば「どうにでもなってしまえ」と思ってしまうもの。

つまり、ストレスによって自身が押しつぶされそうになっている状態と言えます。それにより何から手を付ければ良いのか、あるいはどう対処すべきなのか思い悩んでしまった場合は、破滅願望を持ちやすいです。

自身がそうしたストレスに囲まれていないか確認する必要がありますね。

視野が狭くなっている

悩みや問題を抱えた時、あなたならどのように解決策を見出すでしょうか。きっと良い結末になるよう、結末から逆算した行動を取り入れる人が多いはずです。

ただそれしか方法がないとなれば、途中で失敗したり思い通りにならなかった場合つまずきます。そして「こうしておけば良かった」と後悔したり、「他に方法がない」と焦りを抱くでしょう。

そんな時に破滅願望を持つ人もいます。これは、自分の視野が狭くなっていることが原因です。それしか方法がない、その結末しか考えられないといった視野の狭さから、そういった考えに至ってしまったのでしょう。

幼少期の環境が原因になっていることも

幼少期の環境が原因で、破滅願望を持つケースもあります。

例えば、愛情を必要としている中両親に構ってもらえなかった、あるいは友人関係のトラブルがきっかけでいじめに発展してしまったといった経験がある場合です。このような環境の中で育った場合、自分に自信を持てないだけでなく、周りを頼ることができないため破滅願望を持ちます。

このタイプの人は、他者を信用することが難しいため、仮に破滅願望を持ったとしても素直に助けを求めることができません。また、幼少期に培った考え方や価値観が根付いているため、破滅願望への対処が上手くできないケースが多いです。

次は、破滅願望を持つ人の性格や特徴を見ていきます。

先述した原因を持っていない場合でも、自分の性格や特徴から破滅願望を持つことがあるもの。どんな人が破滅願望を持ちやすいのか、自身と照らし合わせながら見ていきましょう。

ネガティブ思考

破滅願望を持つ人は、何事もネガティブ思考な傾向にあります。何でも悪い方向に考え自分を追い込むからこそ、破滅願望を持つのでしょう。

初めのうちは「なんとかなるだろう」「こうしよう」と思っていても、ネガティブ思考だと、頭の中でどんどん自体が悪化していきます。そして、直面している問題が大きく感じるのです。

楽観視せず真面目に真摯に向き合っているとも言えますが、実際に起きていないことまでも悪く考えてしまえば精神的に追い込まれてしまいます。ポジティブに考えることは難しくても、せめて現実を見るようにすべきです。

不満不平が多い

破滅願望を持つ人は、「こうじゃなければ良いのに」とか「こんなはずじゃなかった」といった不平不満が多いのも特徴です。こうした人は客観的に他者と自分を比較し、他者に対して不満不平を持つ場面も多く見られます。

例えば「自分はこうなのにあの人はずるい」といった具合ですね。そうした思いから破滅願望を持つため、他者の不幸や失敗を願う傾向にあるのです。

このような人が身近にいると、自身に敵意を持たれる場合もあります。

ひねくれ者

ネガティブ思考な上、数多くの不平不満を持つ人であるゆえ、ひねくれ者と言うこともできるでしょう。物事や問題を人と違った角度から見たり、他者と自分を比較してデメリットになっているところを探し出すため、ひねくれた性格の持ち主になってしまうのです。

仮に皆が「大丈夫だよ」ということでも、ひねくれ者は捉え方に癖があるため「大丈夫」とは思えません。むしろ「そんなこと言うなんて無責任」といったように、相手を敵視することもあるほどです。

根付いた性格はなかなか改善が難しく、周囲が直そうとしても受け入れてもらえない可能性があります。

劣等感を感じやすい

劣等感を感じやすい人も、破滅願望を持ちやすいでしょう。自分が他者よりも劣っていると感じ、つい「負けた」「見下されている」と思ってしまうのです。その結果、相手に対して恨みに近い破滅願望を持ってしまうと言えます。

ただしこの劣等感は単なる思い込みのケースが少なくありません。元々ネガティブな思考を持っていると、たとえ人より勝っていても自信が持てず、劣等感を持ってしまう場合がありますよね。自分に自信を付けることが大切ですよ。

破滅願望を持つ人は、性格や特徴によって自身を追い詰めてしまっている背景がありますね。

続けて、破滅願望を持つ人の性格や特徴を見ていきましょう。

自分の限界を把握できていない

「何もかも嫌だ」「すべてが破壊されればいいんだ」と思ってしまうのは、自分が窮地に立たされているからです。つまり、精神的に追い込まれ身動きがとれなくなってしまった結果、破滅願望を持つと言えます。

本来なら自分で「ここまでは出来るけどこれ以上は無理」といったように、自身の限界を把握できている場合が多いです。しかし、破滅願望を持つ人は自分の限界を把握できていません。そのため、いつの間にか悩みや辛さが自分のキャパシティを超え破滅願望を抱くのです。

破滅願望を持たないようにするには、まず自分の限界を知る必要があるでしょう。

被害妄想が激しい

ネガティブ思考と似た特徴ですが、破滅願望を持つ人は被害妄想が激しいという特徴も見られます。被害妄想が激しいと人の感情や考えまで決めつけてしまうことがあるため、周りまで不快にさせてしまうことが多いです。

例えば、相手が「○○さんって明るいよね」と言ったとします。それを被害妄想が激しい人は、「何も考えていない人」「空気を読まない人」と言われたと受け止めてしまうのです。

このように、自身の被害妄想によって相手との関係がギクシャクすることもあるため、破滅願望を持つ人は人間関係に支障が出ていることも少なくありません。

頑固者

破滅願望を持つ人の中には頑固者も多く見られます。自分の意見を曲げない、あるいは一度思い込んだことを覆すことが難しいため、ネガティブ思考や不平不満、劣等感が強くなりがちです。

ですから、たとえ他者から「そんなことないよ」と否定されても素直に受け入れることができません。

破滅願望を持った時も、その願望を消滅させることは難しいでしょう。一度「どうにでもなれ」「めちゃくちゃになれ」と思ったその考えを変えることは困難です。

現実逃避することが多い

破滅願望を持つ時、精神的に追い込まれていたり向き合っている問題が大きくなっていたりと、自身の限界を迎えていることが多いです。そんな時は誰でも少なからず「楽になりたい」「逃げだしたい」と思うのではないでしょうか。

この場合、現実逃避したいと思うのは自分の身を守るためでもあります。そうした現実逃避が必要なケースもあるでしょう。ただ、現実逃避することが多く問題から逃げることが癖になってしまうと、次第に破滅願望を持つようになります。

つまり、逃げ癖がついてしまっているということですね。「向き合いたくない」「避けたい」と思うことが多い人は、破滅願望を抱きすべてを崩壊させたくなるものです。

ここで自身の破滅願望の強さをチェックしてみましょう。

次の診断項目に、あなたはいくつ当てはまりますか？当てはまる数がいくつかチェックし、自身の中にある破滅願望がどれくらいか確認してみてください。

・診断1.起きた不幸を自分のせいだと思い込む
・診断2.努力は報われないと思っている
・診断3.自分だけが不幸だと本気で考えている
・診断4.他人の幸せが憎い
・診断5.恋人に依存しやすい
・診断6.物事や人の発言を悪く考えてしまう
・診断7.自分への自信がない
・診断8.何かと他者と比較することが多い
・診断9.人のアドバイスを素直に受け入れられない
・診断10.ストレスの発散方法が分からない
・診断11.途中で諦める癖がある
・診断12.何かと文句を言うことが多い

以上12個中、あなたはいくつ当てはまりましたか？

破滅願望診断0～5個【危険度：低】

当てはまった数が5個以下だったあなたは、破滅願望はほとんど持っていません。問題や悩みをしっかりと解決することができ、上手くストレスも解消できていると言えます。

破滅願望診断6～9個【危険度：中】

6～9個当てはまった人は、やや破滅願望があると言えます。ストレスを抱えていながらも、自分の中に溜め込んでいるはずです。

また、ネガティブ思考な一面があります。起きていないことを被害妄想によって悪く考えたりせず、現実をありのままに受け止めるようにしてください。

破滅願望診断10個以上【危険度：高】

破滅願望診断で10個以上当てはまったあなたは、破滅願望が強いです。もうすでに「何もかも壊れてしまえ」「どうなってもいい」と、投げやりになっている人もいるでしょう。

ただ破滅願望がもたらす影響は、自分にも周囲にも大きいです。これからご紹介する対処法を上手く活用し、破滅願望を緩和させてみてくださいね。

では、破滅願望を持った時どう対処すれば良いのでしょうか。次は、破滅願望を持った時の対処法をご紹介します。

信頼できる人に辛い気持ちを打ち明ける

破滅願望を持つ人は、自分の中に負の感情を溜め込む傾向にあります。そして、それが結果的にストレスに変わり自分を苦しめる原因になっているため、負の感情を外に出すことが大切です。

あなたが信頼している友人、あるいは家族などにあなたが抱えている辛い気持ちを一度打ち明けてみてください。それだけでも気持ちが楽になり、ストレスも緩和されます。

いつまでも負の感情が解消されず自身が追い込まれてしまっては、破滅願望を抱いてしまうもの。こまめに辛い気持ちを吐き出し、溜め込まないことが大事です。

自分の立場を客観的に見る

破滅願望を持つ人にはネガティブ思考の人が多く見られることから、自分の立場を客観的に見ることを習慣づける必要があります。ポジティブに変換することができなくても、自分を客観的に見ることならできるのではないでしょうか。

自分が抱えている問題やトラブルを、自分の視点ではなく他人の視点で見てみてください。すると、「そんなに大したことじゃないな」「こういう解決策もあるな」と、また変わった捉え方ができるはずです。

悩みを抱えている時は視野が狭くなりがちですから、意識的に客観的な視野を取り入れる必要があります。

一度問題から離れてみる

問題を抱えている時、常にそのことばかり考えてしまうでしょう。やるべきことがあるのに抱えている問題が気になって手が付かない、なんて事態に陥る人もいます。ただその状態で考え続けても、視野が狭くなったり他者の意見を取り入れることができません。

ですから、抱えている問題から一度離れてみてください。可能なら、1日その問題から離れて自分の好きなことを優先させたり、プチ旅行などに行ってみると良いですね。それが自身のストレス解消になり、破滅願望も徐々に薄れていくはずです。

問題を早く解決しようと努力することは大事ですが、それによって自分をさらに追い込んでしまっている場合があります。自分の精神状態を保つためにも、息抜きは必要ですよ。

失敗にも価値を見出す

悩んで出した結論、あるいは選択した行動が、時に失敗に終わる場合もあるでしょう。そんな時「ああしていれば良かった」と後悔しながら、破滅願望を持ってしまいます。

ただ、その失敗は教訓にできますよね。「こんなケースもある」「こうしたらこうなる」ということをその失敗で学べるわけですから、決して無駄ではありません。

結果だけを見れば失敗かもしれませんが、それまでの経緯や工程から何かしら得られるものがあったはずです。そこに価値を見出すことができれば、破滅願望を持つことはなくなります。

では、あなたではなく相手が破滅願望を持っている場合はどう対応すれば良いのでしょうか。

破滅願望を持つ人の性格や特徴に合わせて上手に対処し、その人がこれから先に期待が持てるようにすると良いですよ。

承認欲求を満たしてあげる

ネガティブ思考の人、不平不満を持っている人には、承認欲求を満たしてあげると良いです。そうした人たちは考え方や他者との比較によって、自分への自信を失っています。「すごいね」「そんなこともできるの？」といったように、なるべく褒め言葉を増やして承認欲求を満たし自信を持たせてあげてください。

自分への自信が持てるようになれば、問題と直面した時に「乗り越えられる」「やればできそう」といった前向きな気持ちを持つことができます。そうした気持ちが持てれば、破滅願望を抱くことは少なくなるでしょう。

見下す・バカにする等の行為はNG

破滅願望を持つ人に喝を入れるために、「そんなこと思ってる暇があるなら早くして」とか「ただ逃げてるだけじゃん」といった発言をする人がいます。しかし、破滅願望がある人はひねくれた受け取り方をしてしまう人が多いため、それが喝であるとは捉えません。

むしろ「見下された」「バカにされた」と思う危険性があるため、そうした発言は控えるべきです。

自分にできることがないか聞いてみる

破滅願望を持つ人は、まさに今限界を迎えようとしている場合が多いです。自分が追い込まれて「これ以上耐えられない」といった限界に差し掛かっていると言えます。そうした時は、あなたに何かできることがないか聞いてみると良いですね。

例えば、「自分にできることがあるなら手伝うよ」とか「○○ならできるから代わりにやろうか？」と言ってあげてください。自分から助けを求められない人でも、相手からこう言われたら素直になりやすいです。

特にこれまでの環境が良くなく、周りに「困ってる」「手伝って」と言えない人には声を掛けてあげましょう。あなたのその一言で救われたような気になり、破滅願望が薄れていくはずです。

頼みごとをする前に確認する

自分の限界を把握できておらず、いつの間にか追い込まれてしまい破滅願望を持つタイプの人もいます。そうした人は、人から何か頼まれると「できるだろう」と思って引き受けてしまいがちです。でも実際はすでにキャパシティを超えている場合もあるため、お願いする時に相手の状態を確認してください。

例えば「この仕事お願い」と一方的に言うのではなく、「今抱えてる仕事は他にどのくらいある？」「○○日までできるかな？」と、相手の状態を確認します。そうすれば、相手も自分にできることかどうかを冷静に判断することができるため、無理なことまで引き受けずに済むでしょう。

破滅願望の多くは、ネガティブな感情や精神的に追い込まれた時に抱えるものです。よって、破滅願望を抱えた時は自分が限界を迎えている時と捉えることができるでしょう。

ただそうなってしまうのには、自身の性格や考え方が関係していることが多いです。仮に思い込みや被害妄想によって破滅願望を持ってしまうのであれば、それらを改善する必要があります。

そして、破滅願望を持たずに済むよう日頃からストレスや不満を外に出すことが大事です。自分の中に溜め込まず、信頼できる人に話したり問題から一時的に離れることも考えてみてください。

また、あなたに破滅願望がなくても、破滅願望を持つ人が周りにいるかもしれません。喝を入れるため、あるいは背中を押すためにと放った言葉が、相手を傷つけたり落ち込ませる可能性があります。破滅願望を持ちやすい性格や特徴を持ち合わせている人へは、特に自身の言動に気を配るようにしてくださいね。