「ゆとり世代」や「さとり世代」って一体何?
少し前までは新入社員にゆとり世代が多い状況でしたが、今ではある程度仕事を覚えて新入社員を指導する立場になっているゆとり世代の人たちも多くいるのです。つまりそれは、ゆとり世代と呼ばれる社会人の人口が少数ではなくなっていることを意味します。
そして、今後もある時期までは、ゆとり世代やさとり世代が新入社員として会社に入ってくるでしょう。指導する立場にあるもっと上の世代の先輩たちは、否が応でもゆとり世代やさとり世代と付き合っていくことになります。
そのため、ゆとり世代の考えていることや特徴を理解し、どのような教育法が良いのか知りたいという人もいるのではないでしょうか?この記事では、ゆとり世代の特徴や対応の仕方を解説していきます。
ゆとり世代は「ゆとり教育」を受けた世代
そもそも「ゆとり世代」とはどういう意味で、どの年齢の世代を指すのでしょうか。
ゆとり世代と呼ばれる世代は大まかな年齢層ではなく、1987年4月2日~2004年4月1日生まれの人だと明確に決まっています。
この世代がなぜ「ゆとり世代」と呼ばれるようになったかというと、単純に「ゆとり教育」を受けて育った世代だからです。
さとり世代は「脱ゆとり教育」を受けて育った
ゆとり世代とさとり世代の明確な線引きは難しく、年齢層が被っていることもあるのですが、基本的にさとり世代というのは、ゆとり世代の後の「脱ゆとり教育」を受けて育った世代のことを指します。
ゆとり世代とさとり世代はその特徴も似通っている部分が多いのですが、さとり世代はゆとり世代よりもドライで現実主義なイメージです。
出典:ウィキペディア『ゆとり世代』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%86%E3%81%A8%E3%82%8A%E4%B8%96%E4%BB%A3
「ゆとり世代」の特徴を大公開!
もちろんゆとり世代の中にも個人差はありますが、大まかにゆとり世代の部下や後輩の考え方や特徴を知りたいという人は、ぜひ参考にしてください。
楽をして成果を上げた人が多い
ゆとり世代が学生だった時代は、インターネットが普及しスマホも出てきていました。そのため、分からないことや調べものはワンタップで答えが分かるのが当たり前という感覚の人が多いのが特徴です。
苦労して時間をかけて何かを成し遂げるという経験をあまりしていないので、仕事などで成果を上げるために労力を使うことをとても面倒に感じるのでしょう。
指示を待つ「指示待ち人間」が多い
ゆとり世代の人は、自分で考えて動くのが苦手な人がとても多いといわれています。誰かに従って指示されたことだけをするなら、段取りや手順などを自分で考える必要がないので楽なのです。
また、指示されたことをやっていれば間違いやミスを起こさなくて済む、という考えの人もいます。このように、ゆとり世代は自主性があまりなく、指示がないと動けない人が多いのも特徴です。
ゆとり世代が仕事に慣れるまでは、少々面倒かもしれませんが、できるだけ指示を出してあげるようにしてください。その後、自主的に仕事をするようになってきた際には、ミスをしてもあまり怒りすぎないようにすると、ゆとり世代の自主性を育てられるでしょう。
仕事よりプライベート重視
ゆとり世代の特徴として、会社への忠誠心や帰属意識が低いことが挙げられます。会社や仕事関係の付き合いも、給与のために最低限でやるものだと認識しているのです。会社の先輩に個人的な食事に誘われても、「それは仕事ですか?」と聞く人もいるほど。
そのため、自分のプライベートの時間を仕事のために削るなんてあり得ないことだと考えている人がほとんどです。今のご時世、未来に安定や安心を感じられないので、家族や友達との時間を犠牲にしてまで会社に貢献することに意義を見出せないのでしょう。
怒られると逃げ出す
ゆとり世代は、親以外に怒られたり強く注意されることに慣れていません。他人に怒られた経験があるとしても、学校の先生に優しく注意された程度であることがほとんどです。
そのため、社会に出て突然目上の人たちに怒られたり注意されることが増えたゆとり世代は、とても委縮してしまいます。その結果、怖くなったり反発心が生まれたりネガティブな感情を持ってしまうのです。
そのようなことに耐えられず、翌日から会社に来なくなることも珍しくありません。怒られ慣れていないゆとり世代にとって、怒られたり強く注意されることはとても耐えがたいことなのです。
「ゆとり世代」の特徴を大公開!≪続き≫
答えや結果がすぐに出ないと続けられない
前の項目で解説しましたが、ゆとり世代は物心ついた時にはインターネットやスマホが身近にあったため、探し求めている答えがすぐに見つかるのが当たり前という感覚を持っています。
そのため、仕事でも答えや結果がすぐにでないと続けられないという人が多いのが特徴です。今やっていることが後々結果につながると言われても、それが数か月後ましてや数年後かもしれないとなると、今やることに活力が湧かず続けられないのです。
目標がない人が多い
ゆとり世代はバブルを知らない、不景気の真っ只中に生まれて育った世代です。そのため、将来に希望や夢を持っていない人が多くいます。
大きな目標や夢を持って生きるよりも、とりあえず今をどうにか生きていくことの方が現実的だと考えているのです。
物欲があまりない
高級なブランド品や高級車に乗ることがステータスであり、多くの人がそれに憧れていた時代もありましたが、ゆとり世代にはその感覚はあまりありません。
若いと言われる年齢でありながら、不景気しか知らないゆとり世代は、常に経済面に不安を感じています。そのため、不必要なものにお金を使おうと思わないのです。
仕事上の人付き合いを面倒くさがる
仕事でゆとり世代と呼ばれる年齢層の人と関わると、付き合いの悪さを感じるかもしれません。しかし、それは決して人付き合いが嫌いなわけではなく、仕事とプライベートを完全に分離して考えているからなのです。
就業時間以外は完全にプライベートであると考えている彼らにとって、仕事終わりに仕事関係の人間と飲みに行ったり食事に行ったりするのは、残業や義務のように感じます。プライベートの時間に仕事関係の人と付き合うことを、気を遣わないといけないから面倒だと思っているのも、ゆとり世代の特徴です。
「ゆとり世代」と似てる「さとり世代」とは?
さとり世代は、ゆとり世代後の「脱ゆとり教育」を受けて育った年齢層を指します。そのため、ゆとり世代と被っている年齢の人もいるようです。
ゆとり世代と特徴も似ているのですが、さとり世代のほうがドライで冷めているイメージですね。では、具体的にさとり世代とはどんな世代なのでしょうか。
ブランド物より実用性重視
この特徴はゆとり世代と全く同じで、さとり世代もブランド品や高級品にほとんど興味がありません。ゆとり世代と同じく不景気の中で育ったので、お金を派手に使うことに大きな抵抗を感じるのです。
そのため、お金に余裕がある場合でも、日ごろからブランド品をよ購入するという人はあまりいません。それよりも実用性の高いものにお金を使う方が合理的だと考えているのです。
好きなら惜しまずお金を使う
さとり世代の特徴は、かなりシビアな金銭感覚を持っているにもかかわらず、自分の好きなものにはとことんお金を使えるということ。
さとり世代が生きてきた時代は、アニメやゲームなど娯楽の分野が急激に発展した時代です。そのため好きなものや趣味が多く、それにお金を使うことにはあまり抵抗がありません。
恋愛や結婚にあまり興味がない
さとり世代は、恋愛や結婚にネガティブなイメージを持っている人が多いのが特徴です。特に、結婚はマイナスでしかないと感じている人もいます。
男女ともに結婚して良いことなんてないと考えている人が多く、経済面や将来への不安や心配が今より増えるだけだと思っているのです。
結婚に興味がないので恋愛にも意味を見出せず、お付き合いすることもただ面倒なだけだと感じ、そもそも恋愛をしないという人もいます。
スマホやネットに依存気味
ゆとり世代の特徴でもあったのですが、同じようにさとり世代もインターネットやスマホに囲まれて育った世代なので、すぐにスマホに頼ってしまいがちです。
常に手の届く範囲にスマホがないと落ち着かないという人も珍しくありません。インターネットが繋がっていない環境で生活なんてできないという人も多くいます。
ゆとり世代がモノやお金に執着しない訳
ブランド品や高級品にお金を使うことを無駄だと感じ、お金を稼ぐことにあまり興味がありません。ゆとり世代はまだ若いにもかかわらず、なぜそのような感覚をもっているのでしょうか。
生まれながら不景気
ゆとり世代が生まれたのは、バブルが崩壊した後の不景気の時代です。幼いころからあまり贅沢というものを知らずに育ち、物心ついても世間は不景気だ不景気だとずっといわれていました。つまり、景気の良い状態を経験したことがないのです。そのため、ゆとり世代は金銭感覚がとてもシビアな傾向にあります。
さらに、バブルがいとも簡単に崩壊したように、今現在お金や財産を持っていたところで、この先もそれが続くわけがないと考えているので、モノやお金への執着心が薄いのです。
就活時にも不景気
ゆとり世代は就活でも不景気の影響を大きく受けています。ひと昔前は、就職活動をするにあたって何十社も不合格になるということはあまりありませんでしたが、今では1社からも内定をもらえないことも珍しくありません。
無事に就職できても、ゆとり世代は不景気が原因のリストラなどを多く見てきているので、会社への信頼が薄く、就職した会社で定年まで安泰に働けるとは思っていません。
そのため、自分で収入を得られるようになっても、好景気を知らないゆとり世代は、消費することにもお金を稼ぐことにも無頓着な人が多いのです。
「ゆとり世代」や「さとり世代」への教育方法
しかし、今ではゆとり世代やさとり世代が少数ではなくなり、今後もある時期まではその世代が増えていきます。つまり、上の世代の考え方を押し付けるようなやり方では絶対に解決しないのです。
では、ゆとり世代やさとり世代と上手くやっていくにはどうしたら良いのでしょうか。ここからは、ゆとり世代やさとり世代の特徴に合わせた教育方法を紹介していきます。どのように教育したら良いか分からず悩んでいるという人は、ぜひ参考にしてみてください。
仕事が出来ないわけではない
「ゆとり世代は仕事ができない」とよく言われていることを、ゆとり世代はもちろん知っています。しかし、「ゆとり世代だから仕事ができない」ということはありません。
ゆとり世代でもそうでなくても、仕事の速い遅いはありますよね。新入社員が仕事をすぐに覚えられなかったり、先輩達のようにこなせないのは仕方のないことです。
それを「ゆとりだから」という風に考えてはいけません。そう思われていることを感じ取ったら、やる気のある人でも一気にやる気を失くしてしまいます。
注意をする時は優しく促す
ゆとり世代に注意をする時は、頭ごなしに怒ってはいけません。怒られ慣れていないゆとり世代は、強く注意されると反発したり無気力になってしまったりと逆効果です。
ゆとり世代に何か注意をしなければいけない時は、怒るのではなく優しく促すように伝えることを心がけましょう。言い方を少し意識するだけで、相手の感じ方がだいぶ変わりますよ。
「何のために」という部分を明確に説明する
ゆとり世代は、自分が今やっていることが何につながっているのか、何のためにやっているのかという部分が分からないと、テキパキと動いてはくれません。
ゆとり世代に仕事の指示をする際には、何のためにこうするのか、こうするのは何が目的なのかという部分を明確に伝える必要があります。ゆとり世代やさとり世代は、目的や理由が明確でないと意欲的に動けないのです。
論理的な指導をする
ゆとり世代は精神論を受け付けない傾向にあります。「熱意や気持ちでどうにかなる」という考えや「やろうという気持ちが大事」という精神に、ゆとり世代は共感してくれません。では、どのように指導したら良いのでしょうか。
ゆとり世代に指導する時は、論理的に説明することが大事です。ゆとり世代は体育会系のノリや熱意を重視した指導の仕方を嫌うので、論理的に話すほうが理解を示してくれます。
ゆとり世代以外にも!〇〇世代について
ここからは、ゆとり世代やさとり世代以外の「〇〇世代」といわれる世代をいくつか紹介していきます。自分や周囲の人がどの世代なのか当てはめながら見てみてくださいね。
団塊の世代
1947年~1949年の間に生まれた世代を「団塊の世代」と呼びます。団塊の世代は、戦後の日本が発展していく上で中心となった世代です。
高度経済成長期に社会に大きく貢献した団塊の世代は、今の情報化社会も経験していて、戦後の日本社会の移り変わりを一番見てきた世代といえます。
亭主関白や「女性が三歩下がって歩く」など、今では古いと言われる考え方を持っている人が多いのもこの世代の人たちです。
しらけ世代
1950年~1964年に生まれた世代は「しらけ世代」と呼ばれていて、無気力・無関心・無責任の「三無主義」が特徴の世代です。
上の世代が学生運動などをしているのを見ていた世代なので、逆に冷めた考え方を持つ人が増えたのではないかといわれています。
バブル世代
誰しも聞いたことがあるであろう「バブル世代」と呼ばれている世代は、1965年~1970年生まれの人のことを指します。
バブル世代は高度経済成長期の真っ只中に生まれ、社会人として社会に出るころには「バブル」といわれる時代でした。
就職氷河期世代
1970年~1982年に生まれた世代を「就職氷河期世代」「ロストジェネレーション世代」と呼びます。「ロスジェネ」とも呼ばれるこの世代は、バブルが崩壊した後の就職氷河期に社会人になった世代です。
正規雇用で入社することが困難で、金銭的にも不安がある生活を経験しているので、浪費癖がある人はあまりおらず、堅実な人が多いのも特徴です。
ゆとり世代の特徴に合わせた教育法を選ぼう
ゆとり世代への教育で大事なのは、ゆとり世代の性格的な特徴や基本的な考え方を知り、ゆとり世代が理解してくれるような方法で指導するよう心がけることです。
ゆとり世代やさとり世代は、若者にしてはドライで、人付き合いの仕方に関しても上の世代とは価値観がかなり違います。しかし、決して人間味がないわけではありません。彼らの特徴を知り、上手く付き合っていきましょう。
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