「愛憎」はとても複雑な感情…
この愛憎という言葉は、実はとても複雑な感情を表しているのです。
今回は、愛憎の意味や、愛憎を抱く人の心理、愛情と愛憎の違いなど、色々な観点から愛憎について見ていきます。自分が他人に愛憎という感情を抱いてしまった時の対処法も一緒に紹介しているので、複雑な感情を抱えた人は特に必見です。
愛憎の意味について
「愛憎」とは、漢字の意味通り、愛することと憎むことです。2つの言葉は正反対の意味を持つように感じられますが、どちらの感情も入り混じっているような状態のことを「愛憎」と言います。
「強く相手を思う」という点ではどちらも同じです。むしろ、強い思いがないと愛しさも憎しみも生まれず、無関心になるはずです。
心が揺れ動かされるほど相手を愛し、しかし強く思いすぎてしまうあまり、自分の思っていた通りに相手が行動してくれないと憎しみを感じてしまうようになるんです。
「愛憎」が花言葉の花もある?
花にはそれぞれ花言葉があります。花の品種や色、本数によっても花言葉は違うのですが、「愛憎」という花言葉はないようです。しかし、愛憎と似たような意味を持つ花言葉はいくつかあります。
例えば、黒薔薇です。ミステリアスな雰囲気を醸し出しているような美しさがありますが、その花言葉は「憎しみ」「恨み」「決して滅びることのない愛」等。愛と憎しみのどちらもを意味する、愛憎とよく似ていますね。
さらに、ムスカリの花言葉は「明るい未来」「寛大な愛」等のポジティブなものと同時に「絶望」「失意」というネガティブなものがあります。愛に関する言葉で、正反対の意味を持つという面から、愛憎に近いと言えるでしょう。
出典:goo辞書『愛憎(あいぞう) の意味』
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%84%9B%E6%86%8E/
愛憎を抱いてしまう人の心理とは?
ここでは、愛憎を抱いてしまう人の心理についてご紹介していきますよ。
独り占めしたい
相手を思う気持ちが強いと、「独り占めしたい」「束縛したい」等の気持ちも強くなります。恋人に対しては自然と抱いてしまうような気持ちではありますが、度が過ぎると愛憎へと変化していくのでしょう。
スマホを盗み見て浮気していないかチェックしたり、決まった時間に連絡をさせたり。どこで、誰と、何をしているのか、常に把握したがることもあります。
「他の誰かに取られるんじゃないか」という不安が強くなった結果、独り占めするような行動ばかり取ってしまうんです。相手としては、面倒だと感じたり、息苦しさを感じたりすることもあるかもしれません。
相手を逃したくない
恋人ができると、常に一緒にいたがり、どんな時も行動を共にしていたいと思うタイプの人が、あなたの周りにもいるのではないでしょうか。これは、相手を独り占めしたい気持ちと共に、逃したくない気持ちも含まれているからこその行動です。
そして、相手を逃したくない気持ちはどれだけ一緒にいても変わることはありません。それだけ愛する気持ちが強い分、相手が少しでも自分から離れようとすると一気に愛憎を抱くようになります。
「あの人じゃないとダメなの」と相手を特別視しすぎているからこそ、愛憎を抱いてしまうのでしょう。
自分の気持ちを分かってほしい
共通点が多かったり、長い間連れ添っていたりすると、言葉を発しなくてもお互いのことが分かるような感覚があるでしょう。愛憎を抱きやすい人は、特にその感覚が強いです。
そのため、自分がしたいように行動を起こした上で「どうして私の気持ちを分かってくれないの?」と怒り出すことも稀にあります。
最初はその行動に合わせて動いてくれていた相手も、だんだん疲れてきて次第に心が離れてしまうかもしれません。そこで、これまでお互いの気持ちを通じあわせていた相手に裏切られたと感じ、愛憎を抱いてしまうんです。
好きなのに嫌われている
好きという気持ちがどんどん大きくなっていき、一方的に相手に好意を押し付けている場合もあるでしょう。これは主に付き合っていない間柄で起こることが多く、愛憎が大きくなりすぎるとストーカーへと発展する場合もある、とても危険なものです。
「わたしはこんなに好きなのに、あなたはどうして応えてくれないの?」という愛憎が胸の中で渦巻きます。
しかし、相手からどれだけ嫌われようとも、「本当は好きなんでしょ?」「他の人に邪魔されているから、あえて冷たくしているんだよね」と解釈しがちなのが、少し面倒なところ。最悪の場合、愛する相手に何か危害を加える可能性も考えられます。
愛憎と愛情の違いが知りたい!
ここでは、そんな愛憎と愛情の違いについて見ていきましょう。
「大切にしたい」と思うのが愛情
愛情には「相手にそそぐ愛の気持ち」「愛する心」という意味があります。そして、見返りを求めること無く、一心に相手を思い、大切にしたいと思えるのが愛情です。
困っていたら助けてあげたい、あの人の笑顔を守りたい等、相手を思いやる行動が自然とできるのは愛情がある証拠とも言えます。見返りを求めて何か行動を起こすのは、本当の愛情とは言いづらいです。
相手の幸せを願い、ただただ大切にしてあげたいという思いがあるのであれば、それは純粋な愛情と言えるでしょう。
「大切にされたい」と願うのが愛憎
一方で愛憎は、「大切にしたい」という思いよりも「大切にされたい」という思いの方が強いです。もし大切にされなかった場合は、さらに愛憎の感情が増したり、相手に危害を加えたりすることもあるでしょう。
愛憎を抱きやすい人は、自分に自信がなかったり、無意識に人に甘えてしまったりする傾向があります。そのため、「相手のために〇〇したい」ではなく「自分のために〇〇してほしい」と思ってしまうんです。
大切にされることで、自分の価値を感じているのかもしれませんね。
相手の事を考えると楽しくなるのが愛情
「いま相手は何をしているのかな?」「あの日のデート、楽しかったなぁ」等、恋をしたことのある人なら一度は考えたことがあるのではないでしょうか。胸が高鳴り、相手の事を考えると思わず「ふふっ」と頬がゆるんでしまうなら、その気持ちはまさしく愛情です。
異性との交流が多い相手であれば、不安な気持ちで押しつぶされそうになることもあるでしょう。しかし、全体的に見れば幸せな気持ちを感じることの方が多いはずです。
良い恋愛をしている人は、お互いに愛情を持って接しているからこそ関係が長続きすると言えますよ。
相手の事を考えると不安になるのが愛憎
相手の事を考える度に不安になったり、自分から相手が離れてしまう被害妄想を過度にしてしまったりするのは愛憎です。一文字違うだけですが、愛情とは全く別物であることがよく分かりますね。
基本的に、愛憎を抱く人は相手の気持ちが常に自分に向いていてほしいと感じています。自分に気持ちが向いていると固く信じ、非常識な行動を取ってしまっている場合もあるでしょう。
深く相手を思っていると同時に、マイナスな気持ちも秘めている。それこそが愛憎です。
愛憎を抱かれやすい人ってどんな人?
愛憎を抱かれる人には、一体どんな共通点があるのでしょうか?
人に親身に寄り添う人
人に親身に寄り添い、相手の世話をよく焼いてしまうような人は愛憎を抱かれやすいです。これは恋愛関係だけでなく、家族や友人などの関係でも当てはまります。
よく相談に乗ってあげたり、話を親身に聞いたりすることで、寄り添われた側の人間はどんどん依存していきます。精神的に支えてもらっている部分が大きくなるので、いざ相手が離れようとすると見捨てられた気持ちになり、愛憎を抱くことでしょう。
誰かに寄り添ってあげるのはとても良いことですが、寄り添いすぎるのは少し危険。もし危ない出来事に巻き込まれてしまった場合は、早めに専門家や警察に相談してくださいね。
誰にでも優しい
「優しい」は、その人の魅力の一つです。しかし、誰にでも優しくしている人は嫉妬心や愛憎を抱かれやすいと言えますよ。
愛憎を抱きやすい人には、「相手を独り占めしたい」「逃したくない」という心理が働いています。誰にでも優しい人は、特定の人物だけでなく他の人達に対しても優しいので、独り占めしたい気持ちをさらに強めてしまい、愛憎を抱かれてしまうんです。
また、自分の意思をしっかり持っていて優しい人は、男女関係なく人気があります。そのことも、「わたしから離れていかないで」という不安を増幅させるきっかけになるでしょう。
相手の全てを受け入れがちな人
性格や価値観などを知った上で「この人はこういう人なんだな」と素直に受け入れがちなのは、愛憎を抱かれやすい人の特徴の一つです。
「そういうところが嫌い」と否定したり拒否するのではなく、丸ごと受け入れることで、「この人は自分のことを理解してくれる人だ」と思われます。振り回されたり、わざと身勝手な行動をして試されたりすることもあるでしょう。
相手が「何でも理解してくれる」という気持ちをどんどん高めているのに、それ以上相手を丸ごと受け入れられなくなったとき、「どうして理解してくれないの?」と愛憎の念を抱かれてしまいやすいんです。
恋人や片思いの相手
恋愛関係にある相手は、愛憎を一番抱かれやすいと言えます。べったり依存し、「恋人なんだから〇〇すべき」という固定観念がある場合もあるため、お別れする時に愛憎を抱かれてしまうケースが多いです。
恋人以外の人と関係を持った、交際していた相手を振った、復縁を迫られてトラブルになったなど、愛憎を抱かれるシーンは色々あります。最後まで誠意を持った対応が必要とされるでしょう。
また、片思いされていた場合も愛憎を抱かれやすいですよ。恋人ができたり、その相手をフッて他の人を選んだりした時に、相手の気持ちが愛情から愛憎へと変わりやすいです。
愛憎を抱いてしまった人のエピソード
とても好きだった人にフラれて…
「人生の中で一番というくらい好きだった人にフラれた時は、愛憎を抱いてしまいました。告白するまで物凄く仲が良かったし、二人で出かけることも多かったから、余計愛憎の念を抱いてしまったのかも」(23歳/男性)
「特にケンカもなく、このままずっと一緒にいるのかな~と感じていた彼氏にフラれた時は、悲しみというより愛憎の感情でいっぱいになりました。良い経験だったとも思うけど、あの時は本当に色々な感情がぐるぐると渦巻いてましたね」(29歳/女性)
好きな気持ちを裏切られたような感覚になり、愛憎を抱いてしまったようですね。相手に依存していた部分も大きかったのでしょう。
両親から褒められてばかりいる兄に…
「僕の家庭は躾が厳しく、褒められることはほとんどありませんでした。しかし、成績優秀でスポーツも得意な兄はよく褒められていて、僕は愛憎の念を抱いていました。同じ兄弟なのに、接し方が違うことがとても寂しかった」(25歳/男性)
「私はちょっとヤンチャな学生時代を過ごしていたけど、兄はとても優秀な大学に通っていました。だから兄ばかり褒められるのは当然といえば当然かもしれないけど、愛憎を抱かざるを得なかった。家にいるのが嫌で、学校を卒業してすぐ家を出ました」(24歳/女性)
誰かが極端に愛され、もう片方にどんどん愛憎の念が溜まっていく。兄弟間のエピソードではこのパターンがとても多かったです。
親友が他の人とも仲良くしていた時に…
「小さい頃からの付き合いの親友がいるんですけど、その親友が他の人とも仲良くしていた時はなんだかイライラしました。恋愛感情というわけでもないし、僕も親友以外に仲の良い友人がいたけど、親友と仲良くしている人達がとても憎らしかった」(26歳/男性)
「依存体質な私は、親友にも依存していました。親友が他の人と仲良くしているのを見る度に愛憎を抱いてしまって、当時はとても辛かったです。今はそこまで愛憎を抱かなくなったけど、たまにモヤモヤしてしまいます」(22歳/女性)
学生時代にこのような経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。仲の良い人が自分だけではない、そんな寂しい気持ちも込められているのでしょう。
私はあんなに愛していたのに…
「数年前、両思いかも!と感じていた女性がいました。でも、僕が知らない間にその女性には彼氏ができていたんです。その時、あんなに愛していたのにどうして…と裏切られたような気分になりました。面倒な男だなーと自分でも思います」(30歳/男性)
「一時期、好きな人に対してストーカーチックなことをしていました。彼は私のことを嫌いじゃない、という謎の自信があったこともあり、気持ちに応えてもらえないのがとてもむず痒かったです。愛憎ってこういうことなんだなってその時学びました」(25歳/女性)
少し重ためなエピソードではありますが、愛憎という気持ちはそれほど複雑なものなのでしょう。
愛憎を抱いてしまったら…!正しい対処法
これからの人生を生きやすくするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
自分自身と向き合って原因をつきとめる
一番シンプルな方法は、まずはきちんと自分自身と向き合ってみることです。そして、愛憎を抱いてしまう原因をつきとめれば、少しずつ良い方向へと向かえるようになります。
なぜ愛憎を抱いてしまうのか、相手に期待しすぎていたのか、それとも自分の執着心や依存心が強いのか。自分自身としっかり向き合うために、一度相手から離れる期間を作るのも良いでしょう。
明確な原因が分かれば、対処法も自然と見えてきます。そうすることで、愛憎を抱かないためにはどうしていけばいいのか、という点についても理解できてきますよ。
夢中になれることを見つける
アニメや漫画、スポーツ、読書など、何か夢中になれることがあるならば、その夢中になれることに思い切り打ち込みましょう。夢中になれるものが何もない人は、この機会に夢中になれるものを探してみてください。
それほど難しく考えなくても大丈夫です。散歩するのが好きならちょっと遠くまで歩いてみたり、写真を見るのが好きなら写真展に出向いてみたりなど、自分が好きなことをもっと楽しむのが大切なんです。
夢中になれるものにしばらく打ち込んでいると、愛憎の感情が和らいだり、「相手が離れていっても別にいいや」と思えるようになるはずですよ。
交友関係を広げる
交友関係を広げ、新しい人間関係を築くのも一つの方法です。普段は行かないようなコミュニティに顔を出し、色々な人の価値観や考え方に触れるのも良いでしょう。
愛憎を抱いてしまう人は、「自分にはその人しかいない」という考えを持っている場合があります。しかし、そのように考えてしまう人のほとんどは、交友関係が狭く人付き合いが苦手です。
交友関係を広げることで、特定の人への愛憎が薄れていきます。たった一人で新たなコミュニティに顔を出す勇気がなければ、友人に手伝ってもらって少しずつ交友関係を広げていくのもおすすめです。
自分に自信を持てるよう努力してみる
自分に自信がなく、人と自分を比べて劣等感を抱いてしまう人は、愛憎を抱きやすい傾向にあります。そこで、自分に自信が持てるよう努力すると、自己肯定感がアップし、愛憎を抱かない人間に生まれ変われるでしょう。
身だしなみを整える、ダイエットを頑張る等、まずは自分ができることから始めてみてください。外見だけでなく内面も磨くと、中身のある魅力的な人になれます。
自信を持てるようになると、相手の行動ひとつで自分の気持ちが揺らぐことも少なくなりますよ。相手を振り回すことも、相手に振り回されることもなくなるため、生きやすい人生を送りたい人にはぴったりの方法です。
愛憎という感情を手放して豊かな人生を送ろう!
しかし、愛憎を抱くことはいけないことなのかというと、その解釈は少し違います。大切なのは、愛憎と上手に付き合うこと、愛憎を抱いてしまった時にうまく対処していくことです。愛憎という感情を手放せた時、あなたは人として成長できるでしょう。
豊かな人生を送るためにも、周りの人を傷つけないためにも、愛憎ではなく愛情を抱けるような人を目指してみてくださいね。
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