そもそも「自己卑下」とは?自己卑下してしまう人の特徴や心理を解説

そもそも「自己卑下」とは?自己卑下してしまう人の特徴や心理を解説

「自己卑下」という言葉をご存じですか。自己卑下は、自分のことをさげすんだり、低く評価したりすること。似たような言葉に「謙遜」がありますが、謙遜とは全く別物です。そこで今回は、「自己卑下」の意味や、自己卑下する人の特徴や心理、さらに自己卑下を直す方法もお伝えします!


そもそも「自己卑下」の意味とは?

口癖のように「できない」「そんなの無理」「どうせ私はダメだから」と言う人、あなたの周りにいませんか。もしかしたら、自分が言っているという場合もあるでしょう。

このように自分のことを下に見る発言をする人は、自己卑下するタイプである可能性があります。では、自己卑下とは一体何なのでしょうか。

そこで、今回は「自己卑下」の意味や、自己卑下する人の心理や特徴、直し方についてお伝えします。

「自己卑下」の意味


まずは、自己卑下の意味をお伝えします。「自己卑下」という言葉は、自己と卑下に分けて考えると分かりやすいかもしれません。

自己は、文字通り「自分」という意味ですよね。また、卑下には「いやしめる」「見下す」「さげすむ」といった意味があります。これらの意味から「自己卑下」は、自分のことをいやしめたりさげすんだり、軽蔑している状態を表しているのです。

「自己卑下」と「謙遜」の違い


「自己卑下」と似たような言葉に、「謙遜」があります。これらの言葉には、どのような違いがあるのでしょうか。

「自己卑下」の場合、自分の評価を低く見積もっている状態のこと。それに対し「謙遜」は、相手を立てるために、自分のことを低く評価しているように見せたり、相手よりも前に出ないように、控えめな態度でいたりするという意味です。

つまり、「自己卑下」は自分に価値を見出せず卑屈になっているのに対し、「謙遜」は、自分の才能や価値をあからさまに表現せずに控えめな態度でいる、という違いがあります。

自己卑下してしまう人の特徴

自己卑下は、自分を低く評価することだとお伝えしました。ですが、低く評価するというだけでは、謙遜している人と見極めが難しいと感じることもあるかもしれません。

もっと具体的に、自己卑下してしまう人の特徴を知ることができれば、分かりやすいですよね。そこで、自己卑下してしまう人の特徴を紹介します。

認めて欲しいという気持ちが強い


自己卑下するのは、誰かに認めてもらいたいという気持ちが強いからでしょう。自分を下に見せたり、できないことをアピールしたりして、相手に「心配いらないよ」「大丈夫だよ」と言って欲しいという気持ちがあると言えます。

周りの人に励ましてもらったり、褒められたりすることで、自分が認められたような感じがするのでしょう。そして、人から認められることで、自分にも価値があると言われているような気がして、嬉しくなるのかもしれませんね。

マイナス思考でネガティブ


マイナス思考でネガティブな心理が働いてしまうのも、自己卑下してしまう人の特徴でしょう。

どんな時でも何をしていても、「自分が間違っているような気がする」「誰かから責められているような感じがする」というように、何かと悪い方向へ考えを巡らせていると考えられます。

実際には、間違ってもいないし誰からも責められてもいないのに、ついついネガティブな発想をしてしまい、自分のことを卑下してしまうのでしょう。

自分に自信が持てない


自分に自信を持っている人は、コンプレックスや劣等感をバネにして頑張ろうと思えることが多いでしょう。

しかしながら、自己卑下してしまう人は、人より劣っていると思っているので、物事が上手くいっている場合でも「きっと失敗する」「自分はダメだから」と自信を持つことができません。そのため、自分のことを下げるような発言をしてしまうのでしょう。

つまり、自己卑下してしまう人の特徴として、自分に自信が持てないということが挙げられます。誰にでも、コンプレックスや周りの人に負けているなと思うところはあるはずですが、その部分ばかりに気を取られて、自己卑下につながってしまうのではないでしょうか。

人と比べる癖がある


何かと人と比べてしまう癖があるのも、自己卑下する人の特徴のひとつ。無意識かもしれませんが、人と比べて優劣を付けて、自分が劣っていると感じてしまうのでしょう。そして、相手に対して嫉妬したり、自分が惨めだと感じたりしてしまうのです。

特に、自己卑下してしまう人は、容姿の綺麗な人や勉強やビジネスで成績優秀な人など、何かに秀でていて目立つ人と比べてしまうことがあるでしょう。

その結果、自分との差をまざまざと見せつけられる形になるので、よりつらくなり「自分なんて」と卑下してしまうのかもしれませんね。

自己卑下してしまう人の心理とは?

自己卑下する人が、自分のことを「自分なんか…」と言うとき、どんな気持ちで言っているのでしょうか。そこで、自己卑下してしまう人の心理について紹介します。

自己肯定感が低い


自己卑下してしまう人には、自己評価の低さや、自分の存在価値を認められないという心理があるでしょう。この、自己評価や自分の存在価値を認める気持ちのことを「自己肯定感」と言います。

自己肯定感が高ければ、自分に自信を持って発言したり行動したりできるようになります。反対に自己肯定感が低いと、さまざまなことをネガティブに捉えてしまうため、自分に自信が持てず卑下してしまうことに繋がってしまうのでしょう。

完璧主義者


完璧主義者も自己卑下してしまいがちです。

たとえば、難しい物事に直面して1人ではやり遂げられなかったとき、完璧主義でない人は、自分の理想通りにできなくて悔しいと思っても、「できなくても仕方ないことがある」「次は上手くやれるように頑張ろう」と思うものです。

しかしながら何でも完璧にしないと気が済まない人は、少しのミスも許すことができません。そのため、思ったとおりにできない自分を「情けない」「力不足だ」と感じてしまい、ついつい自分のことを卑下してしまうようになるのです。

安心したい


多くの人は、自分よりできる人をライバル視したり、頼りになる人に責任ある仕事をお願いしたりしますよね。しかし、自己卑下する人は、周りの人よりも自分の方が下だと自ら伝え、その土俵から降りたいと考えていることがあります。

自分は相手より格下で頼りならないということを伝えれば、ライバル視されるリスクが減り、嫉まれる対象からも外れやすいでしょう。そして、自ら信頼度を下げることで、難しいことを頼まれずに済むようにしたいのかもしれません。

出世争いのようないざこざから外れ、大変な仕事をしなくていい環境の方が安心できる、と考えているのではないでしょうか。

期待されたくない


期待されたくないというのも、自己卑下してしまう人の心理のひとつと言えるでしょう。期待されるということは、それなりの成果を上げなければなりません。

自己卑下する人は、「自分では期待されている成果を上げられない」「期待されてもがっかりさせてしまう」と思っているので、初めから期待されないようにしたいと考えてしまうのでしょう。

初めから期待されなければ、相手をがっかりさせるようなこともないし、相手をがっかりさせて自分がつらくなることもありません。そのため、その方がお互いのためだと考えているのかもしれませんね。

自己卑下してしまうことのデメリット

「安心したい」「認められたい」といった理由から、自己卑下してしまうようですね。さらに、本人はこのままの状況でも良いと思って、自己卑下しているのかもしれません。

しかしながら、実際は自己卑下し続けると、自分にとっても周りの人にとっても状況は悪くなるのです。そこで、自己卑下してしまうとどのようなデメリットがあるのかをお伝えします。

自分では問題ないと思っている「自己卑下」にこんなデメリットがあると知ると、驚いてしまうかもしれませんよ。

友達が離れていくかもしれない


自己卑下し続けると、友達が離れていく可能性があります。これは、自分が卑下する立場ではなく、否定的な発言ばかり聞かされる立場になって考えてみると分かりやすいでしょう。

たとえば、友達が「どうしよう」「ダメかもしれない」と言っていたら、初めのうちは「大丈夫だよ」「心配いらないよ」と相手が安心できるように声をかけてあげるはずです。

しかし、いつも不安そうで否定的な言葉ばかり聞かされていると、「またか」「いい加減にして欲しい」と思うようになってしまいます。そして、自己卑下する友達とは距離を置きたいと考えるようになるでしょう。

このような理由から、自己卑下していると友達が離れていくかもしれないのです。

大切にされなくなる


自分のことを卑下していると、周りの人から大切に扱ってもらえなくなるかもしれません。

自分のことが嫌いで、自己卑下する人は少なくありませんよね。しかし、自分のことが嫌いだと、「友達や恋人も、いつか自分のことを嫌いになってしまうのではないか」と不安に感じてしまうもの。

そして、嫌われたくないという思いから、相手の気持ちを先読みするようになり、被害妄想に近い発言をすることもあるでしょう。また、「自分のこと、どう思う?」というように、試すようなことを言ってしまうこともあるはずです。

こんなことばかりしていると、友達や恋人から面倒くさいと思われるようになり、結果として人から大切にされなくなってしまうのです。

「自己卑下」はどんな印象を与える?周りの意見

本人は何気なく行っているであろう自己卑下ですが、周りの人がどのように感じているか知っていますか。そこで、自己卑下に対する周囲の人の意見をまとめました。

あまり好印象と言える内容ではないので、自己卑下している自覚がある人にとっては厳しい意見もあるかもしれません。しかし、それほど自己卑下は好まれないと知れば、改善しようという気になるのではないでしょうか。

それって嫌み?と思ってしまう


「すぐに『私できないから…』という同僚がいるんですけど、実際のところソツなく結構いろいろできるんですよ。謙遜なのか卑下なのか分かりませんけど、できるのにできないアピールが多すぎると、それって嫌み?って思っちゃいますね」(27歳/女性/事務)

周りの人からは「十分できてるよ」と思われているのに、自己卑下する本人だけが「できていない。迷惑を掛けている」と感じることがあるはずです。このような温度差を感じて、周囲は自己卑下を嫌みだと感じてしまうのでしょう。

また、「できない」「ダメだから」というアピールするわりに、言うほどできないわけではない場合、相手への当てつけとして受け取られてしまうこともありますよね。

基本的に否定的な言葉が多いよね…


「自己卑下する人って、『でも…』『だって…』『できないし』『自分じゃ無理』とか否定的なことばっかり言いますよね。何でですかね。否定ばかりしてたら何にもできないと思うんですけど。否定する言葉ばかり聞かされるこっちの身にもなって欲しいですよ」(25歳/男性/企画)

こちらの男性のように、否定的な言葉ばかり発することに嫌悪する人も少なくないでしょう。

何かする前に、少しだけネガティブなことを言ってしまうのは仕方がないかもしれませんが、いつも否定的な言葉ばかり聞かされていると、こちらのやる気にも影響してくる場合があります。やめて欲しいと思うのもうなずけます。

自己卑下する人は「かまってちゃん」みたい


「自己卑下する人って、かまってちゃんなんですかね。『できない』『どうしよう』とか言われたら、こっちは『大丈夫だよ』って言ってあげたくなるじゃないですか。時々ならいいんですけど、しょっちゅうだと、かまってほしくてわざとネガティブなこと言ってくるのか?と思っちゃうんですよね」(32歳/男性/営業)

こちらの男性のように、自己卑下する人は「かまってちゃん」なのかもしれない、と思っている人も少なくないでしょう。

誰だって、「できないかも」と不安を感じている人には「大丈夫だよ」と言ってあげたくなるものです。その心理を利用して気を引こうとしていると思われているので、「かまってちゃんかも」と言われてしまうのですね。

もっと自信を持っても良いのに


「自己卑下する人って、どうしてあんなに自分に自信がないんでしょうね。誰にだってできないことはあるけど、皆で足りないところを補いながらやっていけば問題ないと思うんです。完璧な人なんていないんだから、今のままで大丈夫って自信を持てば良いのに」(23歳/女性/接客)

こちらの女性のように、できないことがあっても、自分を卑下する必要はないと考える人もたくさんいるでしょう。

コンプレックスがあったりできないことがあったりしても、そのままの自分で十分価値がある存在なので、卑屈になって自分を卑下しなくても大丈夫だと知って欲しいですよね。

自己卑下する癖を直す方法とは?

自己卑下を直したいけど、直し方が分からないという人のために、自己卑下の直し方をお伝えします。自己卑下は、癖になってしまう場合もありますので、すぐに直せるとは限りません。長期戦でじっくり直すつもりで取り組んでください。

今回紹介する直し方は、常に意識していないと忘れてしまいそうなことばかりです。一度に全ての方法に挑戦するのは難しいかもしれませんので、取りかかりやすい方法から順に試して、自己卑下を直していってくださいね。

言葉の裏を読まないようにする


自己卑下を直したいなら、誰かが発した言葉の裏を読まないようにしましょう。

たとえば、周りの人が「すごいね」「こんなこともできるんだね」と言ってくれた時でも、自己卑下する人は素直に受け取ることができません。言葉の裏を勝手に想像して、「気を使って褒めてくれてるだけだ」「やっぱり自分はだめなんだ」と落ち込んでしまうのです。

そうならないために、まずは周りの人の気遣いや言葉の裏を読まないようにしましょう。そのまま素直に受け取れば、無駄に落ち込むこともありません。また、素直に受け取った褒め言葉は自信へと繋がり、卑下することが少なくなっていくはずです。

見栄を張らないようにする


自己卑下を直すためには、見栄を張らないようにすることも大切です。

たとえば、1人暮らしをしていて、掃除が行き届いて整頓された綺麗な部屋で過ごすのが理想だとしましょう。でも、実際は家事が苦手で、掃除も週末だけしかしていない場合、理想と現実の間にギャップができてしまいますよね。

そして、その理想を自分の本来の姿であるかのように見栄を張って周りの人に言ってしまったら、今度は「自分はだらしないから、最近は掃除ができてなくて…」というように、自分を卑下しなければならなくなります。初めから、自分にも周りにも見栄を張っていなければ、卑下する要因すら生まれなかったでしょう。

この例に限らず、実は、見栄を張らなければ卑下するきっかけが生まれないというパターンがあります。等身大の自分を受け入れる気持ちを大事にしましょう。

人と比べず自分を認めてあげる


人と比べないように意識することも、自己卑下しないようにする方法です。自己卑下する人の特徴として、人と比べて相手が「優」で自分が「劣」だと決めつけてしまうことが挙げられます。そのため、人と比べないようにすると良いでしょう。

「比べなければ劣ではない」「相対評価ではなく絶対評価をするなら、自分は素晴らしい存在だ」と思うことで、自分を認められるようになるはずです。

まずは人と比べないこと。そして自分はそのままで大丈夫だと認めてあげてくださいね。

自分のやりたいことをして自信を付ける


自己卑下を直す方法のひとつとして、自分のやりたいことをして自信を付けるという方法があります。

そもそも、自分の好きなことを、我慢していやいや行うという人は少ないでしょう。好きなことに対しては、少し大変だなと思うことがあっても頑張ろうと思えますよね。また、夢中になってやっているうちに、気が付いたらできていたということもあるはずです。

このように自分がやりたい好きなことをして、「できた!」という成功体験を積んでくと、それが自分の自信に繋がります。自分に自信が持てるようになると、自分のことを認められるようになり、自己卑下することも少なくなっていくことでしょう。

自分の価値を認めて自己卑下を克服しよう

自己卑下の特徴や心理からもわかるように、自己卑下してしまう人は、自分を守る武器として自分のことを低く評価する言葉を発しているのかもしれませんね。

しかしながら、誰でも苦手なことがあったりコンプレックスがあったりするものです。自己卑下する人だけが抱えている悩みではありません。まずは、そのままの自分を認めてあげて、自分のことをないがしろにせず大切にしてください。

そうすれば、自己卑下せずに「これは苦手だから上手くいくか分からないけど、やってみるね」と自信を持って言えるようになるはずですよ。

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