傷つきたくないのはどうして?傷つきたくない人の心理や特徴を解説

傷つきたくないのはどうして?傷つきたくない人の心理や特徴を解説

「傷つきたくない」という気持ちは、多くの人が持つ自然な気持ちといえます。しかし傷つきたくない気持ちが強すぎると、生きづらさにつながってしまうこともあるのです。今回の記事では、傷つきたくない人の心理や特徴、傷つきやすさの克服方法などについてお伝えしていきます。


「傷つきたくない」と思うのは当然のこと!

ショックなことがあると、人は多かれ少なかれ「傷ついた」と感じるものです。何かつらいことがあったときに、「傷ついた」と感じることは大切ですし、「傷ついてなんかいない」と無理をしてしまうと気持ちがつらくなってしまうことも。

心が傷つくと、色々なことが楽しいと感じられなくなるし、仕事の効率も落ちてしまいます。マイナスなことが多いので、「傷つきたくない」と思うのは当然のことでしょう。

しかし、傷つきたくないと思う程度は、人によってバラバラ。中には傷つくことを極端に恐れて避ける人もいます。このような人はなぜ傷つくことをより避けようとするのでしょうか。

以下の章では、人よりも傷つきたくないと思う人の心理や、その特徴、また傷ついたときの克服方法などについてお伝えしていきます。

「傷つきたくない」と感じる人は多い

価値観が多様化し、人間関係が複雑になっている現代の社会では、「傷つきたくない」と感じる人が多いです。ここでは、傷つきたくないと感じてしまう人の気持ちについて、男女の意見を踏まえてご紹介していきます。

傷つくのが嫌で仕事のミスを隠してしまう


「私の職場はミスをすると上司が人格否定も含めてネチネチとお説教をするんです。一度ネチネチ言われると、けっこう引きずってしまって、最近は小さなミスを隠すようになってしまいました」(20代/女性/事務職)

小さなミスをしただけで人格否定も含めてしつこくお説教されたら、心理的ダメージは相当なものでしょう。ミスを隠したくなる気持ちもわかりますよね。

恋愛してるときはずっと気にしてる…


「前の恋愛もその前の恋愛も彼氏から振られて終わっているので、今の彼氏といても、いつ振られるんだろう…と不安になります。また振られて傷つきたくないので、いつも彼氏の顔色を気にしてしまって…」(20代/女性/営業職)

つらい恋愛経験があると、次の恋愛では傷つきたくないと思うのは当然のこと。でもそのせいで彼氏の顔色ばかり見ていると、せっかくの恋愛を楽しむ余裕がなくなってしまうかもしれません。

傷つきたくないからいつも周りに流される


「自分の意見を言って、馬鹿にされたり否定されたりしたら傷ついてしまうので、あまり自己主張ができません。周囲に否定されないように、空気を読んで合わせてばかりです」(30代/男性/経理)

周囲から浮いてしまうのを恐れて、自分の意見が言えないのはよくあることです。しかし、周りに合わせてばかりいると、自分の気持ちがわからなくなることも。ときには自己主張をしてみると気持ちがスッキリするかもしれません。

傷つくと心の回復が遅いから


「一回傷つくと、かなり長い期間引きずってしまって、私生活にも影響が出ます。なので最初から傷つかないように、傷つきそうな状況をなるべく避けるようにしていますね」(30代/女性/技術職)

傷ついた後の回復の過程や期間は人によってさまざま。無理に回復を早くしようとすると、ますます傷が癒えにくくなることもあります。自分が傷つかない状況に近づかないという方法も、傷つきやすい人には有効です。

「傷つきたくない」と感じる心理

「傷つきたくない」と感じるときの心理には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、傷つきたくないという心理について具体的にお伝えしていきます。

前に受けた傷がずっと癒えない


傷つきやすい人、傷つきたくない人の中には、傷の回復がゆっくりという人もいます。傷ついた心がどれぐらいのペースで回復していくかは、人それぞれ異なるのです。

傷ついた状態を早く回復させようとして無理をすると、余計に心の傷の回復が遅れてしまうことも。心の傷の回復が遅い人は、一度傷ついてしまうとなかなか癒えないので、傷つくこと自体を避けるという方法を取っています。

ネガティブな考えしかできない


ネガティブに考えてしまう癖がある人は、少しの出来事からさまざまな心配をします。不安感が強いため、つねに周囲の状況に注意していないと落ち着きません。

こういった人は油断をしないので、迫ってくる危機にうまく対応することができます。一方でマイナスの側面を考えすぎて、ネガティブな気分になってしまうこともよくあるのです。

そんなネガティブな気持ちが強くなっていくと、自分に自信が持てない状態になり、より「傷つきたくない」と感じやすくなります。

他の人よりも繊細


感受性が強くて、他の人よりも他人の気持ちを敏感に察知してしまう人がいます。そういった人たちは、周囲の人が気が付かないくらいのささいな表情の変化から、自分に対する感情をすぐに察してしまうのです。

自分を嫌っている人の気持ちは特にすぐ察知できるので、理由もあやふやなまま傷つきやすくなっている状態でしょう。こういった人はセンサーが鋭敏に働くぶん、ぼんやりと集団にいるとすぐに気持ちが疲れてしまいます。

どんなに鈍感になろうとしても、気を抜くとすぐに人の気持ちを察してしまうので、自分の気持ちを強く持つ、集団には近づかないなどの対策を立てる必要があるでしょう。

自分の価値観を持っていない


傷つきたくないという気持ちが強い人は、自分なりの価値観が十分に育っていない可能性もあります。「自分はこう思う」という確固たる意思がなく、いつも周囲に合わせてしまいがちです。

また、例え自分の意見を持ったとしても、周囲から「違う」と言われれば、すぐに考えを変えてしまうでしょう。社会生活を営んでいる以上、周囲に合わせなければいけないシーンもありますが、そうでない場合でも、傷つきやすい人は自分の意見を自信を持って主張することができません。

もしもまわりの人に否定されたら途端に自信がなくなり傷ついてしまうので、自分の意見を主張できないのでしょう。

常に完璧でいたい


傷つきたくないという心理が強い人の中には、いつも自分は完璧でいなくてはいけないと思い込んでいる人もいます。全方向から見ていつも完璧でいたいので、少しでも周囲から非難されるとすぐに傷ついてしまうのです。

否定されることにも弱く、自分を否定した人に対して、傷つけられた報復として執拗な攻撃をしかけることも。価値観が定まっていない人に比べて、「自分はこうでなくてはいけない」という基準のが強くあるかわりに、完璧な自分を傷つけられることをとても嫌います。

このタイプの人の傷つき方は攻撃的なので、一見傷ついたようには見えないかもしれません。彼らは傷つけられると、傷つけた相手に攻撃するという形で自分の傷を癒そうとします。

傷つきやすい人の特徴とは?

傷つきやすい人というのは、どのような特徴がある人なのでしょうか。ここでは、傷つきやすい人の特徴をお伝えしていきます。

繊細な感覚の持ち主


傷つきやすい人は、そうでない人よりも繊細な感覚を持っています。物心がついたときにはすでに感覚が繊細だった人もいれば、人生経験を積むにつれて感覚が繊細になっていった人もいるでしょう。

いろいろなことが気になる人は、さまざまな出来事に影響を受けやすく、周囲の人の気持ちを察知してしまい、その中に自分が傷つく要素があるとすぐに傷ついてしまうのです。

また、繊細であるがゆえに、考えすぎて余計に傷つきやすくなるという悪循環に陥っていることもあるでしょう。

以前は自信を持っていた


傷つきやすい人、傷つきたくない人の中には、以前は自信満々だったのに、今は自信がなくなってしまったという人も。こういった人は過去に何か自信をなくすような出来事があり、劣等感や敗北感などを抱えています。

劣等感や敗北感から、なんらかのきっかけで立ち直ることができれば、傷つきやすさはやわらぐかもしれません。しかし、まだ過去の出来事で受けた傷が影響しているうちは、傷つきやすい状態を抜け出すのは難しいでしょう。

完璧主義


何もかもを完璧にやらないといけない、と思っている人も傷つきやすくなります。何かを完璧にするのは、人によって基準が違うこともあり、大変難しいことです。

難しいことに挑んでいる時点で、完璧を求める気持ちはなかなか報われず、敗北感などマイナスな感情にさいなまれることになります。その過程で自分の人格や能力を否定してしまい、傷つきやすさにつながっていくのです。

完璧にしたいがあまり生きづらくなっている人は、完璧の基準を見直すことも必要かもしれません。

あるべき姿にこだわる


傷つきやすい人の中には、「自分はこうあるべきなのに、実際はそうではない」と思っている人も。あるべき自分の姿を絶対視しすぎて、そうでない自分を垣間見たときに簡単に傷ついてしまいます。

またこういった「あるべき自分」にこだわる人は、人の目を気にすることも多く、CMや雑誌などで目にした理想のモデルや服装、持ち物などにこだわるという特徴もあります。

あるべき姿になれずに傷ついている場合は、あるべき姿は本当に自分がなりたい姿なのかを見直してみると良いでしょう。

馬鹿にされるのが怖い


傷つきたくないと感じている人は、自分に自信がないこともしばしばです。自分に自信がないので、少しでも人に馬鹿にされるととても傷ついてしまいます。

傷つきやすい人自身も、周囲に馬鹿にされないように頑張っていますが、ベースに自分に対する自信のなさがあるのでなかなか克服できません。周囲の否定を跳ね返す力が弱いので、傷つきやすいのです。

周囲の価値観に合わせすぎる


傷つきやすい、傷つきたくないということは、自分の考えや態度、見た目などに自信を持っていないということです。つまり周囲が良しとするものの方が、自分がいいと感じるものよりも上だと思ってしまっているということ。

自分よりも上である周囲に合わせることで、否定されないように傷つかないようにしているのです。周囲と服装や雰囲気を合わせるのは、TPOを考えると必要なこともありますよね。しかし、傷つきやすい人は、ときに必要以上に周囲と自分を合わせようとします。

傷つきたくない気持ちの克服法|前編

傷つきたくないという気持ちは誰もが持っているものですが、それが行き過ぎている場合は、克服した方が生きやすさにつながります。ここでは前後編に分けて、傷つきたくない気持ちの克服方法をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

傷つきたくない気持ちを受け入れる


傷つきたくないという気持ちは、特定の人だけが持つものではなく、多くの人が抱えている気持ちです。また嫌なことがありそうな場合、傷つきたくないと思うのは当然でしょう。

傷つきたくないという気持ちを否定してしまうと、心がより傷ついてしまうことも。受ける傷を浅くするには、まずは傷つきたくないという気持ち受け入れることが大切です。「傷つきたくない」という気持ちはあって当然で、そう感じても良いのです。

「傷つきたくない」と感じたら、そのままの自分の状態をまず受け入れてみてください。

自分の気持ちを声に出す


傷つきたくない気持ちがどうしても消えないときは、自分の気持ちを声に出してみるのも良いでしょう。傷つきたくないという気持ちを言葉にして友人や知人などに話すことで、気持ちが整理できるはずです。

自分の気持ちを人に聞いてもらい、どんな気持ちなのかを受け止めてもらうことで、「傷つきたくない」という気持ちがやわらぐことがあります。信用できる知人がいない場合は、相性の良いカウンセラーを探して言葉にしてみるのもおすすめです。

自分を責めない


傷つきやすい人、傷つきたくないという人の中には、原因が自分にあると感じて自分を責めてしまう人もいます。冷静に考えると責められるようなことはしていなくても、つい自分にも原因があるのではないかと不安になってしまうのです。

自分に悪いところがなかったかを考えるのは、良識的で美点でもありますが、行き過ぎると生きづらさにつながってしまいます。反省することも大切ですが、自分を責めすぎないことも大切です。

完璧を目指すのをやめる


完璧主義の人も、傷つきやすい人、傷つきたくない人が多いです。完璧主義の人は、「こうでないといけない」という理想の形があるため、それに合わないことがあると自分を責めてしまうことも。

完璧かどうかというのは、人によって違いがあります。自分にとっての完璧は人にとっては完璧ではないかもしれません。自分では完璧だと思っても、人から見ると見当違いのものになってしまっているということもあるでしょう。

完璧を目指すこと自体が意味のあることかどうかを見直したうえで、完璧主義にかたよりすぎない心がけも必要です。

傷つきたくない気持ちの克服法|後編

傷つきたくない気持ちを克服するには、どうしたら良いのでしょうか。ここでは、心が傷つきにくくなるような克服方法をいくつかご紹介していきます。

「自分は自分」という考えを持つ


人と自分を比べて傷ついてしまう人は、「自分は自分」という考えを持つと、傷つきたくないという気持ちを克服できるでしょう。人と自分は違う人間であり、環境や能力も違うので、同じような基準で測ることができないものです。

傷つきやすい人は自分の考えに自信が持てないことも多いので、自分の考えや価値観に自信を持つよう心がけると、今よりも傷つきにくくなります。

自信を無くして傷ついたときは、自分の持っている価値を見直してみると「傷つく必要などなかった」と気づくこともあるでしょう。

モヤモヤをノートに書く


なぜかははっきりわからないけれど、なんとなく自分が傷ついたというときは、モヤモヤしている気持ちをノートに書きだしてみるとスッキリします。ノートにそのときの状況や自分の気持ち、相手の気持ちなどを書いていくと状況を客観的に把握できるので、やってみてください。

「なんとなく」で片付けていたところがクリアになると、「自分のせいではなかった」という事実も浮かび上がってくるかもしれません。自分の気持ちも整理できるので、どういうポイントで嫌な思いをしているのかもしっかり把握することができます。

原因や状況が認識できれば、傷ついた原因を突き止めて今後の対策に役立てることが可能です。そして、傷つきたくない気持ちも徐々になくなっていくでしょう。

自分がどうしたいかを大切に


「相手の期待に応えたのに、どうして報われないのだろう」と考えてしまって、傷つくことがあります。これは自分のやりたいことを押しのけてまで周囲の希望に合わせたのに、良い結果が得られなかったときに感じる思いです。

このことで傷ついた人は、「自分がやりたいことをできなかった」「なのに周囲はそれほど評価してくれなかった」という2つのことにダメージを受けています。自分がやりたいことを優先していれば、周囲に評価されなくても傷つくことはありません。

社会で生きていくうえで、周囲の期待に応えることも大切ですが、自分がやりたいことを通すことも大切です。バランスを取りながら心が傷つかない妥協点を探し、傷つきたくない気持ちを克服してきましょう。

状況を冷静に見つめる


心が傷ついていて苦痛を感じているときは、周囲の状況を冷静に見ることは難しいです。しかし、一旦落ち着いた状態で状況を整理すると、「自分が傷つかなくても良かった」と思えることもあるでしょう。

心が痛くてつらいときは傷ついた状況を思い出すのもつらいものですが、どうしてそんな状況に陥ったのかを考えることも、後々傷つかないようにするために必要なことです。

「自分が悪いんだ」という思い込みがある場合は、その認識も少し変えていきましょう。自分を責める以外にも、状況を良くしたり、傷つく状況を避ける手段が見つかるかもしれません。

傷つきたくない人は傷つかないよう対策を

傷つきたくないという気持ちは、誰しもが持っているものです。傷つきたくないという思いを持ってしまっても、特に恥じることではありません。

ただし、極端に傷つきやすく、生きづらさを感じてしまうほどなら、克服するなどの対策が必要になってくるでしょう。

傷つきやすい人には、幼い頃から繊細な人、後から様々な原因で傷つきやすくなった人など、いろいろなタイプがいます。それぞれの原因や対策があるので、自分の置かれた状況を整理して、適切な方法で傷つきやすさを克服していってください。

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