「いきってる」に関する専門家の意見やアドバイス
ちょっと悪く見られたい男性の心理
「いきってる」は、「いきがっている」を略した言い回しで、もとは関西方面で使われていた言葉です。虚勢を張る人を揶揄するようなニュアンスがありますが、「いきってる男性」には、どのような心理が働いているのでしょうか。『面白いほどよくわかる!「男」がわかる心理学』(齊藤勇)には、以下のような記述があります。
「少年マンガやドラマには不良少年の抗争や、ヤンキー先生と生徒の友情を描いた作品など、数多くの『ワル』が登場します。そんな登場人物に憧れてか、『オレも昔ははワルいときがあった』と豪語する大人の男性もいます。いったいなぜ、男性はワルに憧れをもつのでしょうか?
アメリカの心理学者、エリクソンは、『自分とはなにか』『どんな職業に就くべきか』『社会のなかで自分なりにどのように生きるか』といった青年期の迷いから、『自分はこのような人間である』という自己意識を確立することを『アイデンティティの確立』と提唱しました。このアイデンティティを獲得するために社会的な義務は責任を猶予される期間を『モラトリアム』といいます。ただし、エリクソンは準備期間というよりは心のなかで葛藤する戦いの時間と捉えていたようです。多くの人はアイデンティティの確立に悩みながらも犯罪性のない大人として成長していきます。
(中略)
ところが、このアイデンティティの確立がうまくいかないと、自分のやるべき事がわからないまま日々を過ごし、自分が何者なのかわからないと『否定的アイデンティティ』を選択する場合もあるのです。たとえば、『いい学校に入ってほしい』という親の期待、『いい会社に勤めている夫』というような家族や身近な人が望む優秀な人間になることは難しいし、自信がない。やがてすべてに嫌悪が生じ、だったらいっそのことワルいヤツになったほうが楽だし、自立した人間に見えてかっこいいという、期待とは反対方向に進んでしまうのです。
男性は『立派な男であるべき』という社会通念から、女性以上にアイデンティティの確立までの葛藤やプレッシャーが強い傾向があります。
その逃げ出す手段として、かっこよく見える立派な『ワル』に憧れてしまうのです。大人になっても、多少は誰しもが持つ気持ちですが、気持ちが強すぎると犯罪に走る場合もあります。」
このように、青年期にアイデンティティを確立する過程のなかで、プレッシャーから逃げ出す手段として、斜に構えたワルに憧れを抱く男性は少なくないのかもしれません。過去のやんちゃエピソードなどを嬉々として語ると、「いきっちゃって、しょうがない人だな」と思われてしまう可能性があるので、ワル自慢はほどほどにしておきましょう。
女性が本当に魅力的だと感じるのは、男性のどういうところ?
いきってる男性は、女性にとって魅力的なのでしょうか?女性100人から聞き出した「魅力ある男」の条件:心が動かされるひと言、行動、しぐさ』(潮凪洋介)には、以下のような記述があります。
「真剣に仕事に集中しているときの男性の表情は、女性から見ると文句なしに魅力的である。
真剣に仕事に集中する表情や、眼差し、考え込んでいる真顔。横から見ても後ろ姿でも、それは男の『勝負顔』である。そんな男の表情は、女性から見ると無条件に魅力的に思える。
戦闘集中状態、ある意味、人からどう見られているか?といった観点からは、無防備ともいえる状態―その状態にこそ、女性は心を奪われるのである。
女性は本来、男性の能力を推し量り、その将来性を占い、そのDNAを授かるかどうかを判断する生き物である。そのことからもその理由は想像がつく。
メスは真剣に事に向き合い、事をなす気迫に満ちたオスにこそ魅力を感じるということである。
生き残る能力のあるDNAを持つ男性を見分ける―『男の勝負顔』はその重要な判断材料となるのである。
このことを裏づける、こんな女性の声がある。
『何かに集中している真剣な顔、眼差し、勝負顔に魅力を感じます。考え事をしているときも同じです。あるいはスポーツもそうですね。表情がキッ!と引き締まり、勝負モードになる。その瞬間、頼りがいや、自信など、様々な魅力、エネルギーを感じます』」
このように、男性がいきって調子に乗る姿よりも、仕事やスポーツなどに集中している真剣な様子のほうが、女性にとっては魅力的に映るようです。女性の前でいきってしまう癖がある人は、ただの軽い男と見られているかもしれません。
<参考文献>
『面白いほどよくわかる!「男」がわかる心理学』(齊藤勇)
『女性100人から聞き出した「魅力ある男」の条件:心が動かされるひと言、行動、しぐさ』(潮凪洋介)
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