「大器晩成型の人」その意味とは?
若いうちに成功する人がいるのは事実ですが、今、あなたが30代や40代だからといって、今後成功することがないわけではありません。残りの人生に希望を持って生きたいと思っている人に、今回は「大器晩成」のお話をしていきましょう。人生をより良くするために、ぜひチェックしてみてください。
大器晩成の意味とは?
「大器晩成」という漢字を見ても分かるとおり「大きな器はできあがるまでに時間がかかる」という意味があります。偉大な人物でもすぐ成功することはほとんどなく、大きな業を成し遂げるまでに時間がかかるということですね。
本来は若者に向けて「大成するには時間がかかるよ」という意味で使われていたのですが、成果を早く求める現代では、若者ではなく晩年になってから成功した人に向けて使われることが多いと言えるでしょう。
また、才能があるのに四苦八苦している人に向けて慰めの意味で使われることもあります。まだ成功していない人に希望を与えてくれる言葉でもあるのですね。
大器晩成の由来
中国春秋時代に存在した哲学者、老子が残した書物「老子」の中の一節に「大器晩成」という言葉があり、これが大器晩成の由来と言われています。この言葉は、日本でも四字熟語として頻繁に使われるようになりました。
「大きな器ができあがるのには時間がかかる」という言葉を4つの漢字のみで表現しているところが、いかにも中国らしいですね。
大器晩成の対義語
成功するまでには時間がかかるという意味を持つ「大器晩成」には、まったく逆の意味の対義語があります。「栴檀双葉(せんだんのふたば)」がそれです。
栴檀とは、ビャクダン(白檀)のことを指し、芽生えたばかりの双葉の頃にすでに良い香りを放っていることから、「才能のある人間は幼少期からすでに素質を持っている」という意味を表現しています。
もともとは「栴檀は双葉より芳し」という言葉でしたが、現代では「栴檀双葉」と略されて使用されることの方が多いようです。
何歳で成功すると大器晩成型?
10代や20代で成功する人のことを「大器晩成」と表現することはありません。明確に「何歳からが大器晩成」というルールはないものの、一般的に40代後半から50代、60代など、中年から高齢にかけてやっと成功する人のことを「大器晩成」と表現することが多いようです。
3、4年で成功する人より、20年、30年という長期間努力し続け、やっと成功するタイプの人にピッタリの言葉だと言えるでしょう。
大器晩成型な人の特徴【行動編】
挫折に負けない我慢強さがある
あなたは、目標に向かってひたすら努力することができる人間でしょうか。また、長期間何かに挑戦した経験はあるでしょうか。大器晩成型の人は、何事にも「途中で投げ出さない」「挫折しても諦めない」という特徴があります。
すぐ成果を求めるタイプの人は、長く努力することができずに中途半端に投げ出してしまうため、大器晩成型の人間になる可能性はとても低いと言えるでしょう。
チャレンジ精神が旺盛
世の中には、与えられた仕事をひたすらこなす方が良いタイプと、新しい仕事に常にチャレンジしていきたい、チャレンジによって向上していきたいというタイプがいます。どちらかが劣っているというわけではありませんが、大器晩成型の人は明らかに後者の人が多いと言えるでしょう。
与えられた仕事をひたすらこなすだけだと、単調ではありますがリスクはほとんど伴いません。失敗も少なくて済みますが、向上していく可能性は少ないです。逆に、自分の人生をより良くするためにチャレンジすれば、向上していく可能性もあり、大器晩成型の人生になることが多いのです。
継続して努力している
大器晩成型の人が多いとされるノーベル賞受賞者を例にとって説明しましょう。
2019年のノーベル化学賞を受賞した日本人である吉野彰さんは、リチウムイオン電池の研究から製品化まで約10年かけて実現しました。これはリチウムイオン電池の開発だけの歳月であって、他の研究も入れると数十年研究に没頭していたことになります。
大器晩成型の人は、人生を振り返ると長期間努力を継続し、その道を極めていることが珍しくありません。
人の意見をきちんと聞く
人は一人で生きているわけではありません。また、完璧な人もいないのです。チャレンジ精神があったり、挫折に負けない精神力があっても、周囲の意見を聞かずにいれば、失敗も多くなってしまいます。これでは成功せずに終わってしまうかもしれません。
大器晩成型の人は、周囲の意見など情報をしっかり取り入れ「今するべき努力」を見極めているのです。今するべき努力を根気よく継続することで、成功の確率が高まるのですね。自分一人で何事も成し遂げられないということを理解しておきましょう。
大器晩成型な人の特徴【性格編】
マイペース
何かに挑戦する時に失敗が続くと「もうやめようかな」と思ってしまいそうになるものです。また、早く成果が出ないと「もういいや」とやめてしまうこともあるでしょう。これでは大器晩成型になることはありません。
大器晩成型の人は、一度目標を立てたら、途中でどんな困難があろうと、どれだけ時間がかかろうと、マイペースを貫くことができるのです。自分のペースを崩さず、諦めずに努力を続けるため、大器晩成型の人生をつかめる可能性が大きいと言えるでしょう。
欲がない
「早く結果が欲しい!」「早く成功して大金持ちになりたい!」そんな野心を持つことは悪いことではありません。しかし、欲が大きい人ほど早く結果を欲しがる傾向にあります。これでは、結果が出ない日々が続いてしまうと、耐え切れずに途中で挫折してしまうことも考えられるでしょう。
大器晩成型の人は、基本的に「儲けよう」「豪遊しよう」などという欲が一切ないため、失敗が続いてもブレることなく努力を継続することができるのです。純粋に「金銭や名誉」よりも「目的達成」を求めていると言えるでしょう。
不器用
社会に出ると臨機応変に対応することを求められ、器用に立ち回ることができる人ほど評価されがちです。器用な人ほど、早く出世することも多く、またさまざまな仕事を請け負うこともできるでしょう。
一方、大器晩成型の人は生真面目で不器用な人が多く、その代わり、一つのことに集中して努力を続けることに向いていることが多いです。「不器用」という特徴を持つ大器晩成型の人は、コツコツと長期間努力できる才能があると言えるでしょう。
苦労した経験を生かしている
苦労の少ない人生を送っている人と、苦労の多い人生を送っている人がいるとします。大きな逆境にぶち当たった時、どちらの方が立ち向かう精神力があると思いますか。
今までに経験したことがないことが起こると動揺してしまいますが、何度も似たような経験をしていると、割と落ち着いて対応できるものです。
大器晩成型の人は苦労した経験が多い傾向にあり、精神的に強い人が多いです。これまでの経験で培った精神力で長期間努力することができ、大器晩成型の人生を送ることができるのでしょう。
大器晩成型の人の印象は?
こだわりを持ち続ける人
「深夜まで飲もうとみんなで盛り上がっていても、いつも先に帰ってしまう同僚がいます。彼はどんな時も自分のスタイルを崩さないため、仕事もキッチリしていて着実に昇級しています」(30歳/男性/営業職)
「彼女は仕事帰りに毎日必ず500メートル泳ぐようにしていて、もう17年になるらしいです。仕事をキッチリこなし、プライベートでもちゃんと自己管理ができています」(27歳/女性/公務員)
自分の生活スタイルにこだわりを持ち続けるタイプの人は、仕事でもこだわりを持って努力するため、大器晩成型になることが多いのでしょう。何事にも自分なりのこだわりを持つべきなのでしょう。
気長で努力家な人
「仕事で使うこともないのにTOEICのために勉強している先輩がいる。いつか役に立つだろうという漠然とした動機なのに、気長に努力できるところがすごい」(31歳/男性/現場監督)
「後輩は資格試験に何度も落ちているが、そのうち受かると言って気長に努力を続けている。私なら一回失敗したらやめてしまいそう」(28歳/女性/生命保険事務)
大器晩成型の人は「絶対に受からなければいけない」と思うことがあまりありません。何度挫折しようと、周囲の目を気にせずマイペースに努力し続けるのですね。
とにかく欲がない
「私の姉は、良い条件の就職先を紹介してもらったのに、薄給で良いからパティシエの仕事を極めたいと言って断りました。とてももったいないと思いました」(25歳/女性/販売員)
「上司にもハッキリ意見を言うし、自分の仕事スタイルを崩そうとしない同僚がいます。人から好かれたいとか、出世したいという欲がないのだと思う」(27歳/男性/公務員)
大器晩成型の人は、目先の欲にとらわれることなく自分のやりたいことを貫きます。目先の欲にとらわれるようでは、努力を継続することは難しく、大器晩成型にはなりにくいと言えるでしょう。
真面目で誠実
「職場にいる大器晩成型の人を見る限り、不真面目な人はいない。やはり真面目で誠実な性格でないと、長く努力することはできないんでしょうね」(35歳/女性/営業職)
「一途に努力することができる大器晩成型の人は、人に対しても誠実な人が多いと感じます」(37歳/男性/薬剤師)
大器晩成型の人を見ていると、不真面目で不誠実な人は見当たりません。真面目な性格でなければコツコツと努力することはできないのでしょう。
あなたは大器晩成型?診断リスト
1)たくさんのことをするより、一つのことに集中したい
2)目標を立てたら、それを達成するまで欲を我慢できる
3)自分に厳しくできる
4)挫折を経験している
5)すぐに飽きてしまわない
6)今まで目標を達成した経験がある
7)得をしなくても努力することがある
8)人に見返りを期待したことはない
9)周囲に相談できる人がいる
10)周囲に対して見栄を張りたいという欲がない
7~10個当てはまる人は、大器晩成型の素質ありです。この結果がすべてではありませんが、大器晩成型になるためのヒントとして参考にしてみましょう。
大器晩成型の有名人や歴史的人物
徳川家康
歴史に名を残している皇族や将軍は、さぞ幼少期から大事に育てられ、若くしてトップに立ったはずだと思っていませんか。確かにそんな人生を送った偉人もいますが、大器晩成型の人生を歩んだ歴史上の人物もいます。
日本人なら誰もが知っている江戸幕府の将軍、徳川家康です。関ヶ原の戦いで勝利をおさめ、江戸幕府を開いた時はすでに62歳でした。そういえば、肖像画に描かれている徳川家康は確かに高齢ですね。
当時は医学が未発達だったこともあり、日本人の寿命は長くありませんでした。その時代に62歳で大きな成功を収め、74歳で亡くなるまで幕府を指揮していたのですから、大器晩成型の象徴とも言える人物だと言えるでしょう。
夏目漱石
『坊ちゃん』『こころ』『三四郎』『吾輩は猫である』など、数々のヒット小説を生み出した天才作家、夏目漱石も大器晩成の偉人です。旧千円札のモデルにもなったくらいですから、日本人なら誰もが知っていますね。
もともと英語教師をしていた漱石は、イギリス留学後の40歳の時に小説家デビューをします。当時ステータスの高い高校教師や大学教師をしていて、かなりの高収入であったのにもかかわらず、それを投げうって小説家の道を選びました。
小説家として大成したことで、後世に名を残すことができたのですから、夏目漱石の大きな挑戦は成功だったと言えるでしょう。
伊能忠敬
平均寿命が50歳だと言われた江戸時代、49歳で家業の商売を息子に引き継ぎ、大きな挑戦をした偉人がいます。日本地図を初めて製作したことで有名な伊能忠敬です。49歳で家業を引退した後は、自分の息子ほどの年齢差がある高橋至時に弟子入りをし、55歳から本格的に日本地図の製作を始めました。
製作にかかった期間はなんと17年。測量は、複数の人間が歩き、その平均値を求めて距離を出すという気の遠くなるような方法でした。それでも諦めずに毎日40キロメートルは移動していたのですから、強い意志と大きな夢を持っていたことが分かりますね。
高齢でも夢を持ち希望を持っていれば、大器晩成型の人生が送れるという証明でもあるのです。
タモリ
ここからは、もっと身近な芸能人に目を向けてみましょう。「ミュージックステーション」「タモリ俱楽部」など、長寿番組の司会者として有名なタモリさんも大器晩成型の人だと言えるでしょう。2014年に終了した「笑っていいとも!」では31年半もの間、平日の昼に毎日出演していたのですから、日本人で知らない人はいないと言っても過言ではありません。
ビートたけしさんや明石家さんまさんと合わせて「ビッグ3」とよく言われるので、さぞ若い頃から活動しているのではないかと思われがちですが、実はタモリさんが芸能界デビューしたのは30歳。その後も自分のペースを崩さずに努力した結果、長く芸能界で活躍しているのかもしれません。
モーガン・フリーマン
世界的人気俳優として有名なモーガン・フリーマンさんも大器晩成型の人生を送っています。すでに80代になっているそうですが、モーガン・フリーマンさんが評価され出したのは40代後半から50代にかけてなので、遅咲きだと言えるでしょう。
1994年の大ヒット映画「ショーシャンクの空に」で地位を確立させたモーガン・フリーマンさんは、その後も途絶えることなくヒット作に出演し続けています。独特の雰囲気と巧みな演技で唯一無二の存在となり、映画に華を添えていますね。大器晩成型の人生を目指す人のお手本のような存在だと言っても良さそうです。
高橋克実
ドラマや映画、バラエティー、情報番組、CMなどで活躍し、親しみやすいキャラクターで愛されている高橋克実さんも大器晩成型の人生だと言えるでしょう。
今ではテレビで見ない日はないほど売れっ子になっていますが、実は38歳までアルバイトをしながら俳優活動をしていたというから驚きです。長い下積み時代があるからこそ、ドラマではシリアスに、バラエティーではざっくばらんに、さまざまなキャラクターを演じ分けることができるのではないでしょうか。
売れない時期でも悲壮感を出すことはなく、与えられた仕事をきっちりこなしてきたからこそ、いまの成功があるのかもしれませんね。
大器晩成型を目指す方法《行動編》
目標を明確に設定する
何事も適当にしていると、その場しのぎで毎日を送るだけで成長することはまずあり得ません。人生を成功させるには、目標を明確に設定することが大事だと言えるでしょう。
あなたは今までに目標をしっかり定めたことはあるでしょうか。「いつまでに何をどうする」という目標を持ち、少しずつ達成していかなくては大器晩成型の人生は目指せません。目標を立てることで生活にメリハリもつくのでおすすめです。
一度しかない人生を充実させたいなら、まず「自分は何がしたいのか」「何を目指したいのか」を考えてみましょう。
何事にも柔軟に取り組む
仕事や勉学において難しい局面にぶち当たった時、どのようにしてきましたか。努力して何とか乗り越えようとする人、避けて逃げる方法を選ぶ人、判断は人それぞれです。大器晩成型の人生を目指すなら、どんな時もどんな状況でも、柔軟性を持って取り組む姿勢が大事だと言えるでしょう。
「これは嫌」などと言わずに、何事も勉強だと思って挑戦してみましょう。経験を重ねる度に実力がつき、自信もついてくるはずです。この実力と自信が大器晩成型の人生には必要なのですね。
失敗しても途中でやめない
目標に向かって努力しているからと言って、いつも上手くいくわけではありません。何度も失敗を繰り返しながら人は成長するのです。どんな偉人でも失敗はしているのに、一度や二度失敗したからと言って「もうやめよう」「自分には無理」と投げ出してきませんでしたか。
大器晩成型の人は、長く努力を続け、時間をかけて成功している人ばかりです。明確な目標があるのなら「失敗は当たり前」だと思って前を向いて進んでいきましょう。
周囲とのコミュニケーションを大事にする
人は一人で生きているわけではありません。自分勝手に仕事を進め、やりたくないことはせず、誰の意見にも耳を貸さないなど、周囲とのコミュニケーションを大事にしない人は、成功することはほぼないでしょう。
コミュニケーションの中から情報を得たり、意見を聞いたり、新しい発見をすることもあり得るのです。「今するべきこと」「しないでおいた方が良いこと」をしっかり見極めるには、他人の力も必要なのだと考えるようにしてみてください。
大器晩成型を目指す方法《メンタル編》
周囲の意見や環境に惑わされない
周囲とコミュニケーションを取り、人の意見を取り入れることが大事だと紹介してきました。しかし、周囲の意見を取り入れることと周囲に惑わされることは違う、ということを分かっておくのも大事でしょう。
明確に目標を設定したはずなのに、誰かに「成功するわけないよ」「やめとけば?」と言われて自信がなくなったことはありませんか。周囲が安定した生活を送っているのを見て「自分も安定を取った方が良いのでは?」と迷ったことはないでしょうか。
周囲の意見や環境に惑わされて諦めてしまいそうになるなら、大器晩成型の人生は送れないかもしれません。しかし、そこで踏ん張って夢を追い続けることができれば、大器晩成できる可能性は十分にあるでしょう。
諦めず、努力を怠らない
一度や二度の失敗でやめてしまっていては、人生において成功することはほぼないと言えるでしょう。大きな目標であればあるほど、失敗や挫折はするものなのです。失敗した時は、失敗した原因を突き止め、同じ失敗を繰り返さないようにしましょう。
諦めずに努力を重ねることで成功への道は近づいてくる!と信じましょう。
見返りを求めない
努力が報われないと、つい「これだけやっているのに…」とガックリきてしまいがちです。「これだけ身を削って努力しているのに成果が給料が上がらない」「これだけ時間を犠牲にしているのに誰も評価してくれない」と思っていませんか。
あなたは自分で定めた目標を達成したくて努力しているのです。お金や評価のためにしているのではないのですから、努力の見返りを期待するのは無駄だと思っておきましょう。
すぐに結果を欲しがらない
目標を定めたら、つい早く目標を達成したくなるものです。しかし、大きな目標であればあるほど、結果はすぐに出ないことがほとんどだと言えるでしょう。先ほど紹介した大器晩成型の偉人や有名人でも、大きな偉業を達成した人ほど数十年も努力を重ねていましたね。
「大きな夢を持っているのだから、時間がかかるのは当たり前のこと」だと思って、苦労も楽しめるくらいの気持ちで挑んでくださいね。
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