逃げ癖がある人の心理とは?逃げ癖を治したい人の改善方法もご紹介

逃げ癖がある人の心理とは?逃げ癖を治したい人の改善方法もご紹介

「逃げるは恥だが役に立つ」というハンガリーのことわざの通り、逃げることが大切なシーンもあります。でも「逃げ癖」がついてしまうと、デメリットが多いのも事実です。そこで今回は、逃げ癖はなぜついてしまうのか、またどうすれば改善できるのかを解説します。


逃げ癖に悩んでいる人は多い?

人間関係がうまくいかないと感じたり、仕事で行き詰まったりした時に、問題と向き合うことができない、何かあればすぐに逃げてしまう…という人は少なくありません。

はたから見ると甘えているように感じがちですが、本人は自分の逃げ癖をどうにかしたいと人知れず悩んでいたりするものです。逃げてばかりの人生なんて、つまらないし成長もできないですよね。

いじめやパワハラの被害に遭っている場合など、逃げることが必要な場面ももちろんあります。でも、それ以外の場面でも逃げ癖がついて、なんでもかんでも避けてしまうようになると、やはりデメリットが大きくなってしまうでしょう。

逃げ癖を直して、一つひとつの問題と向き合うことためには、どうすればいいのでしょうか。本記事では「逃げ癖」について解説し、改善方法を紹介していきます。

逃げ癖がある人の特徴

まずは、どのようなタイプの人が逃げ癖をつけやすいのか見ていきましょう。逃げ癖がついてしまうのは、その人の性格上の問題が大きく関係しています。

逃げ癖をつけるに至った原因や背景については後述しますが、逃げ癖がある人には共通して見られる特徴があるもの。ここでは、どのような特徴が逃げ癖に結びついているのか、解説していきます。

自分に自信がない


逃げてしまうのは自分に自信がないから、ということが第一に考えられます。もし自分の考えや思ったことに自信を持つことができたら、人と対立しそうになってもはっきり意見ができるはずです。自分の意見に自信を持てないから、思ったことを言えなくなってしまうのですね。

自信がないと人と向き合うことも怖いですし、仕事などの課題に対しても「できるわけがない」と尻込みしてしまいます。自分で自分を認めることができないと、様々な場面に立ち向かう勇気が持てず逃げたくなってしまうのでしょう。

ネガティブ思考


「どうせうまくいかない」など、ネガティブ思考がベースとなっている人も多いです。ネガティブな考え方に支配されているため、「問題を解決しよう」「やってみよう」という姿勢を持てないのでしょう。

ネガティブなので、人の意見を素直に受け入れることもできません。でも意見を出す勇気はないので、納得できないまま逃げてしまうのです。その逃げ癖が、上司から注意されたり何かを任された時に仕事に来なくなってしまう、などの行動につながることもあります。

流されやすい


表面上では人と友好な関係を築いているように見えて、実は本音をまったく見せずうわべだけで周りに合わせがちです。これは、自分の意見を出すのが面倒、人に流されていた方がラクだからですね。このように流されやすいのも、逃げ癖がある人によく見られる特徴です。

逃げているようには見えませんが、常に「長いものに巻かれろ」精神で生きていますので、自分の考えがありません。人に依存し流されることでしか生きられないというのも、逃げ癖の一種といえるでしょう。

人に嫌われたくない


自信のなさとも関連していますが、逃げ癖がある人は人に嫌われることを極度に怖がるところがあります。同調しておこう、ヘタに意見したら嫌われてしまう、と思っているのです。その気持ちが根本にあるせいで、逃げ癖をやめられません。

でも、本気で向き合いたいと思っている人からすれば、自分の考えも見せず人に合わせてばかりな姿勢には違和感を覚えるでしょう。嫌われたくないという気持ちが、かえって人との距離を広げてしまうこともあるのです。

逃げ癖がある人の特徴《続き》

逃げ癖がある人のほとんどは、好きで逃げているわけではないということが見えてきましたね。中には「面倒だから逃げちゃえ」とあっけらかんと行動する人もいますが、多くの人は自分の逃げ癖を受け入れられず苦しんでいるのではないでしょうか。

自信がなくてネガティブになってしまうけど、人に嫌われるのも怖い…というスッキリしない気持ちを抱えながら生きていると、逃げたくなる場面にしょっちゅう出くわしてしまいそうですよね。逃げ癖がある人の特徴は他にもあります。続きを見ていきましょう。

平和主義


人と争うことが苦手な平和主義であることも、逃げ癖につながりやすいです。例えば、揉め事になりそうになったらスッといなくなる。または、その場には留まってもとことん話し合うのではなく、すぐに自分が折れてその場を収めようとする。これも逃げ癖による行動です。

平和主義は決して悪いことではありません。人と仲良くしたい、穏やかに暮らしたいという気持ちは誰にでもあるでしょう。でも、ぶつかり合うことで生まれるものもあります。自分を押し殺してまで争いごとを避けようとすると、結局疲れてしまいます。

事なかれ主義


淡々と毎日を生きていたい、何も問題が起こらないことが一番だという考え方の「事なかれ主義」の人は、大きな仕事を任されるのは嫌、新しいことに挑戦したい気持ちもない、という人が多いです。チャレンジ精神や向上心を求められるとうんざりしてしまうでしょう。

面倒なことに巻き込まれるのはごめんだと考えているので、そういう空気を察したらこっそりいなくなったり音信不通にしたりすることも。自分が渦中にいることが耐えられず、逃げ癖に負けてしまうのですね。

環境が変わるのが苦手


逃げ癖がある人は変化に弱いです。環境が変わることに対してワクワクする気持ちがまったくなく、恐怖心や不安感が強くなり、逃げたくなってしまうのですね。クラス替えや転勤、異動などがストレスとなり、自分の部屋から出られなくなる人も少なくありません。

変わらないことに安心感を持ち、何も起こらない生活を望んでいるのが逃げ癖がある人の特徴です。そして、環境が合わなければ逃げればいいと考えているため、一度環境が変わってからすぐ仕事を変えたり引っ越したりと、落ち着かなくなってしまいます。

諦めが早い


自分でキャパを狭めてしまっているため、すぐに諦めるというのも逃げ癖のある人の特徴です。自信のなさやネガティブ思考が関係しているのですが、「どうせ自分にはできない」と思い込み、可能性があるにもかかわらず、序盤で「もう無理だ」と諦めてしまうのです。

うまくいかないことに立ち向かおうとしないため、失敗を乗り越えたという成功体験を持てません。諦めの早さのせいでさらに自信を持つきっかけが失われてしまい、逃げ癖から抜け出せなくなってしまいます。

逃げ癖がある人の心理

逃げ癖がある人にはさまざまな特徴があり、それらが逃げ癖に結びついているとお伝えしてきました。ここからは、もう少し逃げ癖のある人について掘り下げていきます。

なぜ逃げ癖から抜けられないのかというと、逃げたくない!と心の底から強く思ってはいないからです。逃げた方が自分がラクになれることを知ってしまっているのですね。そこには、逃げ癖のある自分に言い訳をしたい心理が隠されているのです。

逃げ癖は、彼らにとっていわばお守りのようなもの。そこに隠されている本音と向き合わないことには、次に進むことは難しいでしょう。

失敗したくない


挑戦しない、すぐ諦めてしまう理由は「失敗が怖い」という心理に他なりません。失敗する自分を想像して、また落ち込むのは辛い、耐えられないという気持ちでいっぱいになってしまうのです。

周りの目も気になりますので、失敗することによって嫌われたらどうしよう、バカにされるかもしれないという不安に支配され、チャレンジしようという気持ちを持てないのですね。

「やってみよう」よりも「失敗したくない」が常に上回っている状態のため、何かを任されたりチャンスが訪れたりすると逃げずにはいられないのです。

面倒なことを避けたい


面倒くさいから逃げるというのが正直な気持ちであることも、認める必要があるでしょう。自信がないなど、好きでそうなっているわけではない部分ももちろん多々ありますが、誰でも面倒なことに直面し、それでも向き合ったり考えたりしながら生活をしています。

面倒なことを避けたいのは、逃げ癖がある人ばかりではありません。ラクな方へと逃げている間、残された人がその尻拭いをしています。そのことに対する後ろめたさがあるうちは、まだ改善の余地はあるでしょう。

人と対立したくない


喧嘩が大好きという変わった人はたまにいますが、ほとんどの人はできれば対立せずうまくやりたいと思っているでしょう。不穏な空気になったら、相手を傷つけないように配慮しながら自分の意見を言ったりと、神経を使ってどうにかフォローしながら乗り切るものです。

逃げることによって人との対立は確かに避けられるかもしれませんが、それは解決ではなくシャットアウトですね。対立したくないという気持ちから出た逃げ癖のはずなのに、結局相手を深く傷つけてしまい修復不可能にするような行動でもあるのです。

穏やかに暮らしたい


平和に、何事もなく暮らせたらどんなにいいでしょうか。でも実際は、人が集まれば何かと揉め事が起きますし変わらない生活など不可能に近いのです。

穏やかに暮らしたいのにそれが叶わない、周りが自分の生活を脅かしているといういわば被害者意識のようなものが、逃げ癖を肯定してしまっているのではないでしょうか。

自分はただ穏やかに暮らしたいだけである。それ自体は悪いことではないのですが、何の努力もせずにそれができたら誰も苦労しないですよね。逃げ癖から抜け出せない限り、本当の意味での穏やかな暮らしが実現することはないでしょう。

逃げ癖が出やすいのはどんな時?【シーン別】

抜け出したいのに抜け出せない逃げ癖は、自分をラクにしてくれる面もあるため厄介ですよね。面倒なことと向き合うのにはかなりのエネルギーが必要ですので、ラクな方へと流されてしまいたくなるのも当然の気持ちかもしれません。

では、どのような場面で逃げ癖が出やすいのか注目してみましょう。シーン別に、具体的な逃げ癖のパターンに触れながら解説していきます。

仕事


重要な役割に任命されそうになったら、何かと理由をつけて断ろうとする。また、ちょっとでも失敗したり上司から注意されたりしたら、仕事を辞めてしまう。このような仕事上での逃げ癖はよく見られます。

仕事を始めたばかりなのに「自分には合わない」と早々に決めつけて諦めてしまう人も多いですね。精神的に追い詰められているわけでもないのに、無断欠勤をしてそのまま退職するケースも後を絶ちません。退職代行サービスなるものも登場し、逃げ癖を助長してしまいます。

人間関係


人と本音で向き合うのが怖いから、いつも同調してばかりで自分の意見を言いません。また、自分の不注意で人に迷惑をかけた時、謝ることができない人も多いです。相手の気持ちではなく、怒っている相手と関わりたくないということしか頭になくなってしまうのでしょう。

グループ内で揉め事が起きた際にも、自分は何ができるだろうかと考えることはしません。面倒だから関わりたくないという気持ちでいっぱいになり、自分を守ることしか考えられなくなってしまうのです。

恋愛


恋人とラブラブな時期はいいのですが、不穏な空気になるとシャットアウトしてしまいます。「面倒なこと言ってくるな」と一気に気持ちが冷めてしまうので、向き合うどころか音信不通にしたり、都合が悪いと言って会うことを拒んだりします。

また、恋人と別れたいと思っても自分から切り出すことは面倒だと思っています。ちゃんと別れを告げずに突然いなくなってしまうことも。恋人と向き合いたくないから浮気に逃げてしまうという人も少なくありません。

家庭


結婚したらしたで、家族として自分の役割をまっとうしようという気が起きません。家庭でのいざこざが面倒だからわざと仕事の予定を入れて家に帰らないようにするなど、顔を合わせずに済むようにわざと忙しくするというのも逃げ癖ですね。

その方がラクだと感じてしまうと、どんどん家族と向き合わない時間が増え、溝が大きくなってしまいます。その結果、熟年離婚に至るケースが非常に多いのです。

逃げ癖がついた原因とは?

逃げ癖を持ち続けていると、ろくな人生にならないことが想像できますよね。ここからは、逃げ癖を改善するためにはどうすればいいのかということを考えていきましょう。

まずは、なぜ逃げ癖がついてしまったのか、その原因と向き合うことが大切になってきます。逃げた方がラクだという思いが強いうちはなかなか抜け出せませんが、逃げ癖がついたのには原因があったと知ることによって、自分の気持ちに折り合いがつけられるはずです。

では、主に考えられる原因をピックアップしていきます。

面倒なことを避け続けたから


逃げ癖は、一度覚えてしまうとラクだと感じるため、繰り返すうちにどんどん抜け出せなくなります。これまでも面倒なことに直面する場面が何度かあったのではないでしょうか。その時に避けてうまくいったという成功体験が、逃げ癖の原因となっているのでしょう。

避けても結局はダメだったとか、逆に大変な事態になったという経験があれば、逃げたら余計に面倒なことになるだけだという教訓になりますが、成功を体験してしまって逃げることが上手になればなるほど、物事に向き合うのがバカバカしくなってしまいますよね。

責任を誰かに押し付けてきたから


逃げれば自分はラクになれるかもしれませんが、仕事の穴を埋めるのは誰でしょうか。また、揉め事を解決するために行動してくれた人がいるはずです。恋人に逃げられた人は、一人で心を痛めているでしょう。

でも、逃げ癖がついてしまうと人の気持ちを考えなくなってしまいます。責任を誰かに押し付けることへの罪悪感が麻痺してしまうのですね。自分は責任を取らなくてもどうにかなると都合よく考えることで、逃げ癖に甘えてしまうのです。

失敗によってトラウマを負ったから


過去に大きな失敗をしたことがトラウマとなり、自信をなくしてしまったという人もいるでしょう。何かに挑戦しようとすると、「また失敗するのではないか」と不安でいっぱいになってしまいますよね。

このように明らかに自分の中でトラウマとなるような出来事があった場合は、それを乗り越えることが必要となってきます。挑戦して成功する経験だけでなく、失敗をしてもそこから何かを学ぶことができれば、逃げ癖は克服できるでしょう。

自分が諦めればうまくいくと悟ったから


周りの圧力が強い環境に身を置いていると、自分の意志を通すのが難しくなってしまいます。例えば、過干渉な親の元で育った人は、親に背けばヒステリックにわめき散らかされるため、言いなりになることでしか穏やかに暮らすことができません。

そのため、早い段階で諦めることが身についてしまっているのです。自分さえ諦めて周りの言うことに従っていればうまくいくと悟れば、逃げ癖がつくのも当然ですよね。

この場合は、親と距離を置くなど、周りからの圧力を感じずに済む環境に変えることしか、根本的な解決方法はないかもしれません。

対立に巻き込まれ疲弊した経験があるから


親が喧嘩ばかりする家庭で育ったなど、対立により苦しんできた経験がある場合も、逃げるのがどうしても上手になってしまいます。逃げることでしか自分を守れなかったからですよね。

対立することに強い不安感があるため、人間関係で少しでもつまずくと、相手と向き合う前に自分から去ってしまうようになります。このような関係構築によるストレスが逃げ癖の原因となっている場合は、信頼できる人との関わりによって心をほぐしていく必要があるでしょう。

場合によってはカウンセリングを利用しながら、過去と向き合い少しずつ前を向いていくことで逃げ癖も改善されます。

逃げ癖を治す改善方法

生育環境によるトラウマが逃げ癖の原因となっている場合に関しては、先ほど具体的に改善方法をご説明しました。他の原因で逃げ癖になっている場合は、これからご紹介することを心掛けて実践していくうちに少しずつ改善されていくと考えられます。

失敗も一つの経験だと考える


失敗することが怖いという気持ちをまずは否定せず、自分自身で認めてあげることが大切です。そのうえで、失敗してもいいじゃないかと自分に言い聞かせましょう。

成功することがすべてではありません。失敗から学べることだってたくさんありますので、人生の先輩方は「失敗はどんどんした方がいい」「失敗は買ってでもしてほしい」と言うくらいです。

挑戦するには勇気が必要ですよね。その勇気を少しでも持つことができたら、逃げてばかりではいられないという気になってくるはずですよ。

目標を立て達成する


小さな目標を立てて達成するという経験を繰り返すことも自信につながります。「自分から話しかけてみよう」「一つでもいいから思ったことを伝えてみよう」など、実際に達成できそうな目標を設定するのがポイントです。

小さなことでも積み重ねていくうちに「やってみたらできた」という経験が増えて、逃げ癖から少しずつ抜け出せるでしょう。

自分の意見を出すことが役に立つと考える


何も言わないよりも思ったことを何かした方が、相手に嬉しいと思ってもらえて役に立つ、と考えるようにしましょう。「こんなこと言ったらどう思われるかな」という不安はあるでしょうが、それでも意見を出すことが大切です。

そのためには、物事をよく見て考えることが必要になってきますね。まずは自分の意見を持つことです。それを表に出すことを恐れなくなれば、逃げ癖に甘える必要もなくなるでしょう。

逃げ続ける人生を想像してみる


逃げ癖を持ったまま、のらりくらりと何事もかわして生きるのはラクかもしれませんが、逃げてばかりの人生って自分にとってどうなのでしょうか。逃げ続けてそのまま生涯を終えるのが本当に幸せなことなのか、想像してみましょう。

それは自分の気持ちに正直な生き方なのか、楽しいと思える人生なのか考えた時に、答えはもう出ているはずです。先を見据えたうえで、今からできることに取り掛かりましょう。

逃げ癖を改善すれば道が開ける!勇気を出そう

逃げることは決して悪いことではありません。時には逃げて自分を守る必要がある場面もあるでしょう。大切なのは、逃げるべき時と向き合うべき時を自分で間違えずに判断することです。

そのためにも、勇気を持って逃げ癖を改善しましょう。一日一つの小さな目標をクリアするだけでも、少しずつ自信を持てるようになり、逃げない人生へと変えていけるはずです。

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この記事のライター

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