人を見下す人の特徴＆心理｜共通する特徴や上手な対処法もご紹介！

人を見下す人と接していると「なんか見下されている気がする…」と感じて、嫌な気分になりますよね。

けれど、そもそも「人を見下す」とはどんな意味なのでしょうか。人を見下す人を知るにあたって、まずは言葉の意味から見ていきましょう。

「見下す」の意味

「見下す」という言葉には2つの意味があります。

まずは、「下の方を見る、見下ろす」という意味です。例えば「山の頂上から下界を見下す」といった使い方をします。ただ、この場合、たいていの人は「みくだす」ではなく「みおろす」と読んでいるのではないでしょうか。

その理由は、もう1つの意味にあります。それが「相手をばかにして見る」「見さげる」といった意味で、こちらが一般的だからです。「人を見下した態度」といった使い方はおなじみですよね。

そのため「下の方を見る」ではなく、「人をばかにする」の意味で広く理解されています。

「見下す」の類語

明治から昭和にかけて活躍した文豪たちは、下を見ることという意味で「見下す」を用いています。

ただし、太宰治や児童文学者の鈴木三重吉は「下を見る」という意味で用いているのに対し、芥川龍之介は「人を見下す」意味で使っているため、昔から2つの意味があったことがわかりますね。

現代で主たる意味となった「人を見下す」の類語には、「侮る（あなどる）」や「見縊る（みくびる）」などがあります。さらに「蔑む（さげすむ）」や「貶める（おとしめる）」も、類語として用いられることが多い表現です。

出典：goo辞書『見下す（みくだす） の意味』
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E8%A6%8B%E4%B8%8B%E3%81%99/

人を見下すとはどういう意味かが分かると、人を見下す人にはかなりいろいろな心理がある予感がしますよね。

ここでは、人を見下す人の心理を紐解いていきます。

実は自分に自信がない

人を見下す人に多い心理が、人を見縊ったり蔑む態度を取るわりには実は自分に自信がないというものです。自らをポジティブに捉える自己肯定感が低いことが原因で、自分に自信が持てない状態と言えます。

この自分に対する自信のなさは、過去にいじめを受けた経験があるなど心の傷を負っているケースが少なくありません。人から嫌な思いをさせられた結果、人を信用できず、かといって自分にも自信がないため、自分を守るために攻撃に転じようとします。

人を見下すことによって相手の価値を下げ、自分の価値を上げようという心理は、人を見下す人には多いでしょう。

優れた人に対して嫉妬心がある

自分よりも優れた能力を持つ人を執拗に見下してくる場合、相手に対する嫉妬の心理が大きいでしょう。

自己肯定感が低いわけではなく、むしろ自信過剰なくらいの人は、自分よりも優れている人に対して我慢がなりません。けれど、どうやっても太刀打ちできないため、自分よりも下に見ることで自尊心を満足させようとする心理が働きます。

特定の人を狙い撃ちするのは、人を見下す人に共通する特徴ですが、中でも優秀な人を見下す場合、強い嫉妬心を抱いているとみていいでしょう。

競争意識が強い

人を見下す人は、何においても人と競争しようとする競争意識を持っています。この競争意識が非常に強いため、相手を貶めて自分が勝ちたいという心理が常に心の中にあるといっていいでしょう。

なぜこれほどまでに競争意識が強くなるのかと言うと、相手に勝つことで快感を得ているから。人を見下した考え方をすることで「自分はあいつに勝っている」「あの人よりも優れている」といった優越感に浸っているわけです。

また、人を見下せば自分が優位になりますから、安心できるという心理もあります。そんな安心していたい心理も手伝って、常に誰かに競争意識を燃やして相手を見下し、勝手にいい気分になっていると言えるでしょう。

ストレスを発散している

何かうまくいかないときに人を見下すタイプは、ストレスを発散したいという心理から人を見下している可能性が高いでしょう。

日常生活ではさまざまなストレスを受けますが、自分の中に溜め込んでしまう人もいれば、趣味などで上手に解消してしまう人もいますよね。

人を見下す人は、このストレスのはけ口を自分より弱い者に求めます。嫌味を言ったり、相手の嫌がることをしてストレスを発散するのですが、決して怒らない人を選んでストレス発散の対象にするところが特徴です。

この時、人を見下す人は「何で自分がこんな嫌な思いをしないといけないんだ。他の人も同じように嫌な思いをするべきだ」という心理を抱いているでしょう。非常に幼稚で厄介な心理ですよね。

人を見下す人には、さまざまな特徴があります。これらの特徴によって、「見下されている気がする…」と感じるのではないでしょうか。

そこで、人を見下す人の特徴をご紹介します。

自分と他人を比較する癖がある

人を見下す人は、人を下に見ることで自分の価値を高めようとする思考が特徴です。そのため、人と接する時は相手に対し、自分よりも劣っているところはないかと探します。

その結果、劣っているところが多ければ多いほど優越感を高め、「自分は優れている」と考えるのです。さらに、相手が自分より劣っている場合、自分には太刀打ちできないだろうと考え、攻撃対象に選ぶことになるでしょう。

自分の価値を他人を比較することによって見出すため、自分より劣る人は徹底的に見下すのが特徴です。

自分の話ばかりする

人を見下す人に多い特徴に、とにかく自分の話ばかりするというのが挙げられます。人によっては、自慢話ばかりということも珍しくありません。

相手に対して自慢話をしながら、「あなたは私のように自慢できる話などないわよね」などと嫌味を言います。また、「君は僕よりも劣る人間なんだから、黙って僕の話を聞いていればいいんだよ」といった態度で話をする人もいるでしょう。

どちらにしても、自分の話ばかりするのは相手の話を聞こうとしていない証拠です。つまり、相手を尊重する気持ちなどかけらも持ち合わせていないからこそできると言えます。

人の粗探しをして批判する

人を見下す人は、周りの人たちの価値を下げることによって自分をよく見せようという心理の持ち主です。そのため、常に人の粗探しをしては批判するのもお決まりとなっています。

人を見下す人は人の粗探しをするだけでなく、欠点をあげつらって批判するのが厄介なところです。また、批判するのは、相手が反撃してこないと分かっている場合に限られます。

重箱の隅をつつくように粗探しをして何かと批判してくるのは、人を見下す人によくみられる特徴です。

目上の人には媚び、下にはきつく当たる

人を見下す人の最大の特徴は、強い人にはおもねり弱い人には偉そうにするところです。そのため、目上の人や大きな力を持った人、あるいは気に入られたい人に対しては徹底的に媚びへつらいます。

その一方で、自分よりも劣ると判断した相手に対しては、これでもかときつく当たるのが特徴です。その落差はあまりにも激しく、周囲から見ていて呆れるほどということも少なくありません。

けれども本人にとってはまったく違和感のない行為ですので、どちらも熱心に行うと言っていいでしょう。ただ、人におもねるのは少しばかりプライドが許さないところもあり、その分、弱い人に対して強く当たり、ストレスを解消していると言えます。

人を見下す人の特徴を見ていくにつれ、「分かる！」と感じた人は多いことでしょう。どの特徴も「見下されている」と感じそうですよね。

そんな人を見下す人の特徴はまだまだあります。引き続きご覧ください。

自分は優秀だという考えが染みついている

子どもの頃から頭がよく、人生を順風満帆に過ごしてきた人の中にも、人を見下す人は存在します。

こうした優秀な人の場合、「自分は頭がよく、誰よりも優れている」という考えが当たり前のものとして染みついているのが人を見下す一番の理由です。

そのため、仕事が出来ない人や頭の回転が悪い人を「バカなんだ」と考え、人を見下します。ただし、相手を意図的に攻撃することは少なく、接する機会がある時に「噛み砕いて説明しないとわからないよね」などと、相手が傷つくことを言うことが多いでしょう。

意図的に言っている場合もありますが、「無能な人を相手にするのはイライラする」という心理から無意識に人を見下すことが多いのです。

精神的に不安定

人を見下す人の中には、気持ちに余裕がないために常に精神的に不安定な人もいます。自分の心に余裕がないために感情をうまくコントロールできず、自分のことで精いっぱいになってしまうのです。

自分のことで精いっぱいの人が他人を思いやれるはずなどなく、その場で自分の思いや感情を相手にぶつけることになるでしょう。その結果、相手の気持ちを考えずに発言することがしばしばです。

ただ、人を見下す人は自分が正しいと思っていますので、仮に感情的に言葉を発して相手を傷つけたとしても「そもそも向こうが悪い」という考え方をします。

こうした精神的に不安定な状況はストレスを抱えやすくなりますので、人を見下すことでストレス解消をしているのも特徴です。

プライドが高い

プライドが高く、人の意見を素直に聞き入れないのも人を見下す人に見られる特徴です。そもそも自分よりも劣る人と比較して自分の優位性を高めたいという心理の持ち主ですから、人の意見を聞き入れるはずなどありません。

ただし、自分にとって得だと判断した場合は別です。相手に気に入られようと、簡単に意見を曲げることもしばしば。けれど、自分より劣ると判断した人たちに対しては、自分の非は一切認めようとしません。

そのため、何か間違いを指摘しようものなら途端に対抗意識を燃やし、敵と認識してきます。何かにつけて見下し、自分のプライドを保とうとするでしょう。

自分は常に正しいと言って譲らない

周りは自分より劣る人たちだと考えれば、「自分の言うことを常に聞いていればいいんだ」という考え方になるのも無理はありませんよね。人を見下す人は周囲の人に対して「自分より無能だ」と考える傾向が強いため、自らの間違いや非を認めようとしません。

そのため、客観的に見て明らかに間違っている要素を突き付けられても、自分のすることは常に正しいと言って譲らないでしょう。そればかりか、間違いや非を指摘してきた人に対して「自分よりも劣るくせに生意気な！」と考えるようになります。

その結果、相手を見下す態度を取り、不快なことを仕掛けてくるでしょう。

人を見下す人に遭遇した時、周囲はどんな印象を抱くのでしょうか。ここでは、「人を見下す人の特徴に当てはまったんですけど…」という方必見の、人を見下す人についての印象をご紹介します。

人の気持ちを考えられない人だと思う

「人を見下す人って、人を傷つけることを平気で言いますよね。自分が言われたらどう感じるかを考えもしないで言えるんだから、人の気持ちが考えられない人だと思う。そもそも自分を大事にするのに必死で、人のことなんてどうでもいいんでしょうね」（26歳/女性/アパレルショップ勤務）

人を見下す人は、他人を悪く言うことで自分をよく見せようとする人が少なくありません。そのため、自分がよく思われるのなら、他人がどれだけ傷つこうがお構いなしです。

傷つけられた人の気持ちなど考えもしない人を見下す人は、周囲からどう思われているかも気にならないのかもしれませんね。そう考えると、タフなメンタルの持ち主とも言えます。

なんでそんなに自分に自信があるの？

「職場にいつも人を見下す態度を取る人がいます。『君たちは僕の言うことを聞いていればいいんだよ』が口癖。なんでそんなに自分に自信があるのか、いつも不思議に思います。だって、自分が言うほど仕事ができるわけではないから」（23歳/男性/証券マン）

どんな仕事もプライドを持って取り組んでいる人がほとんどでしょう。また、自信をもって取り組む必要がある職種も存在します。

自分に自信をもって仕事をするのは大いに結構ですが、それを周囲にも強要するのが人を見下す人の特徴です。「その自信はいったいどこから来るのか…？」と疑問に感じるようなレベルでも、逆らうとさらに面倒になるでしょう。

はたから見ていてみっともない…

「上司にはいつもヘコヘコと頭を下げるくせに、部下には怒鳴り散らしてバカにする人がいます。年齢は確か35歳くらいかな？いい大人ですよね。大の男がエライ人にはごまをすり、言い返すことができない人には自分のストレスをぶつけまくる姿を見ていると『なんてみっともない』と思います」（27歳/女性/経理事務）

会社という組織で仕事をする以上、どうしても職階が設けられます。人を見下す人は、立場の弱い人にきつく当たり、ストレスのはけ口にする一方で、上司にはへつらい、おもねることがしばしばです。

その態度の落差に、周囲の人からは「あの態度はみっともない」と思われることがよくあります。

ストレス発散はよそでやってほしい

「係長は上司からは怒られ、部下からは突き上げを食らう損な役回りです。ストレスが溜まるのも分かるんですが、人を見下すことでストレス発散するのはやめてほしい。僕は見下されていませんが、人を見下す態度がもともと嫌いなので見ていて腹が立ちます。ストレス発散はよそでやってほしい」（28歳/男性/営業職）

係長という立場は上司と部下に挟まれるため、上にも下にも配慮しなければなりません。したがって、仕事で受けるストレスも大きいのではないでしょうか。

そんな立場に同情はするものの、特定の人を見下してストレス発散をする姿を見ていい気はしませんよね。直接の害はないとしても、不愉快なのには違いありません。

人を見下す人と接していると、どんどん腹が立ってくる人も多いでしょう。とはいえ、いちいち怒っていては身が持ちませんね。

そこで、人を見下す人への上手な対処法をご紹介します。人を見下す人にイライラしている方は、ぜひ実践してみてくださいね。

深くかかわらないようにする

「人を見下す人にも真面目に接しないといけない」と考えている人は、この考え方を見直すのがいいでしょう。むしろ、深くかかわらないようにするのが上手な対処法になります。

人を見下す人の心理はそう簡単に変わりませんし、心理が変わらなければ表に現れてくる特徴も変わらないですよね。ということは、相手が人を見下す態度を取らないよう願っても、実現することはないでしょう。

かかわればかかわるほど傷つくだけですから、必要最低限のかかわりだけにして深くかかわらないようにするのがおすすめ。用事が終わったら、とっとと離れるといいでしょう。

言われた事を真に受けない

人を見下す人は、自分を高めたいという気持ちからわざと相手が傷つくことを言ってきます。そのため、相手の話にはまったく根拠がないこともしばしばです。

そんな人の言うことは、真に受けないのがいちばん！言われるたびにいちいち気にしていたのでは、身が持ちません。

「あなたはこういうところが悪いのよ」とか「君はまた失敗したんだってね。僕なら簡単にやってのけられることなのに」などと言われても、真に受けず「そうですか」とスルーしましょう。

相手が反応してくれなければ、見下すための行動のどれも効果を発揮しません。他の人にはお気の毒ですが、別のターゲットを探しに行くでしょう。

自分のことはなるべく話さない

人を見下す人には、自分のことはなるべく話さないのも重要な対処法です。自分の情報を与えてしまうと、勝手に「この点は自分よりも劣る。自分の方がウワテだ」と思われてしまうでしょう。

そうなると、ある日突然「この仕事、出来ないから嫌いなんだよね？代わりにやってあげるよ。その方が効率もいいし、できばえもよくなるから」などと、職場で大きな声で言われる可能性があります。

人を見下す人は何を言いだすかわからないため、必要なこと以外は極力話さないのが無難です。必要なことでさえも、最小限の会話にとどめた方がいいでしょう。

究極の手段！相手の上を行く

人を見下す人から、長期にわたって見下されてきた人の中には、相手を「ぎゃふん！と言わせてやりたい」と感じている人も多いでしょう。

ただ、ぎゃふんと言わせるような行動をとると、見下す態度がよりいっそうエスカレートする場合があり、注意が必要です。

それよりもむしろ、相手の上を行くのがおすすめ。すべてにおいて相手を上回っていれば、そもそも見下すこと自体ができなくなります。

そのためには努力が必要ですが、相手の上を行って見下されないようにする対処法は、自らを成長させることにもなって一石二鳥です。

なぜ人を見下すような態度を取るのか、疑問に感じる人は少なくないのではないでしょうか。けれど、人を見下す人の心理と特徴を理解すると、納得できたところも多かったことでしょう。

人を見下す人は特有の心理を持っており、それが特徴となって現れています。そのため、人を見下す態度はそう簡単には変わらないでしょう。嫌な思いをしないためには、上手な対処法を知って付き合うしかありません。

「この人は人を見下すタイプだな」と感じたら、対処法を駆使して上手に付き合ってくださいね。