感情的な人の心理とは？気持ちを落ち着かせるコツや対処法を紹介！

ちょっとしたことでカッとなってしまう、感情的な人ってどこにでもいるものです。思わず「落ち着いて…」と言いたくなるくらい、時にヒステリックなふるまいをする人とは、どう接していいかわからず困ってしまいますよね。

また、自分にもそういうところがある、感情をコントロールできなくて相手に強く当たってしまうという悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。感情的になってしまうと、人間関係にもあまりいい影響を与えないことも多いため、適切な対処が必要です。

そこで本記事では、感情的な人の心理を深堀りしなぜ感情的になってしまうのか解説していきます。そして、感情的にならずに冷静になるための方法、また感情的な人との接し方についてもご紹介します。

感情的な人の存在は決して珍しいものではなく、職場にも友人の中にも、または家族にもいるという声がよく聞かれます。自分自身も感情的なところがあると自覚している人も少なくありません。

まずは、そんな身近にいる感情的な人についての声、体験談をご紹介します。感情的な人と接していてどのように感じるか、どんな悩みがあるかなど含めて見ていきましょう。

怒ると手につかない友人がいる

「友人の中に、短気で感情的なタイプの子がいます。普段は楽しくていい子なんですけど、怒るともう大変で…。引くに引けなくなっちゃうのか、もう周りがなだめてもヒートアップしちゃうんですよね。地雷を踏まないようにするのが結構大変です…。」（25歳/女性/事務）

普段はいい人なんだけど怒ると…というタイプが身近にいるケースはかなり多いようですね。常に感情的で怒ってばかりとなると周りも離れていきそうですが、この友人のようなケースは関係を断つほどでもないため、気を遣いながら付き合っているという声がよく聞かれます。

上司がそういう人で困っている

「うちの上司がすぐ感情的になるので、職場が険悪なムードになることが多く困っています。もうちょっと冷静になってくれたらいいのにと思いつつ、何も言えず…。もう性格だから仕方ないって皆諦めていますが、どうにかならないかって思ってしまいます。」（26歳/男性/営業）

毎日顔を合わせる仕事仲間、しかも上司という立場の人が感情的なふるまいをするのは疲れてしまいますよね。上下関係があるので諭すこともできないし、怒りをひたすら受け続けなければならないというのは、周りもストレスが溜まってしまいそうです。

妻がかなり感情的な人…

「妻が感情的な人で、起伏も激しいのでついていけないことも多々あります。感情が豊かといえば聞こえはいいけど、どちらかというとヒステリックなタイプなので正直疲れますね。普段から結構八つ当たりされるので、だんだん慣れてきましたけど…。」（30歳/男性/製造）

配偶者や恋人、家族が感情的なタイプできつい…という声も多いです。女性は出産や更年期、生理前などホルモンバランスが崩れるせいで感情的になりやすいこともあります。それならまだしも、性格的に常に感情的なタイプという場合は慣れも必要なのかもしれませんね。

まさしく自分のことだと思う…

「まさしく私がそういうタイプの人間だと思います。すぐ感情的になって怒ったり泣いたりしてしまうし、周りの空気を乱しているなっていう自覚もあります。どうしたら冷静になれるんだろうって悩んでいます。」（20歳/女性/大学生）

このように、自分で感情的なタイプだと自覚を持っている人も少なくありません。自覚があり改善したいと思っている場合は、感情をコントロールする方法を身につけることで改善できることも多いです。まずは自覚するということが重要なのです。

感情的になりがちな人には、ある共通した特徴が見られることが多いです。その特徴が感情的になりやすい性質と結びついているのだと考えられます。

つまり、ただ感情をコントロールしようとするだけでなく、その原因にもなっている特徴を把握し自分の性質を見つめ直すことが、冷静な態度や心を身につけるために役に立つでしょう。

感情的な人に共通する特徴としては、主に次の4点が挙げられます。

プライドが高い

感情的になりやすい人は、プライドが高いことが多いです。プライドとは自尊心を指しますが、自己肯定感により育てられた自尊心の場合は、逆に情緒が安定していそうですよね。ではなぜプライドが高い人が感情的になるのでしょうか。

それは、自己肯定感ではなく自己愛が強いゆえのプライドの高さがあるからだと考えられます。自己愛が強いと自分の考えが絶対となり、自分が中心であるべきという価値観になりがちです。その結果、周りに対して感情的なふるまいになってしまうのです。

すぐにイライラしてしまう

大らかなタイプの人もいれば、ちょっとしたことですぐイライラしてしまう人もいますよね。感情的な人は後者のすぐにイライラするタイプで、怒りの沸点が低いのが特徴です。その背景にはストレスのある生活なども考えられますが、性格上の問題も原因といえるでしょう。

他の人が気にならないようなことでも気になるし、物事の捉え方が細かく神経質なので、すぐに怒りの感情が湧いてしまうのですね。常にイライラしていると、それが溜まった時に感情的に爆発する機会もどうしても多くなってしまいます。

他人に対して厳しい

プライドの高さ、自己愛の強さ、神経質な性格とも結びついていますが、感情的な人は自分に甘く他人に厳しいという特徴を持ちやすいです。他人に何かをしてもらうのは当たり前、他人の失敗は許せないという価値観のため、他人に対して厳しい見方になってしまうのでしょう。

人に対して寛容的で感謝の心を持ち続けることができたら、感情的に怒ることなんてめったにないのではないでしょうか。よほどのことがない限り、他人を許せない、怒りをぶつけたくなるという状態にはならないでしょう。

心に余裕がない

自己愛が強くても周りに優しく心穏やかな人はたくさんいます。それは心に余裕があり情緒が安定しているからでしょう。感情的になるのは、常にイライラし満たされない何かを抱えているから。つまり心に余裕がない状態が続いているせいなのです。

いつも忙しくて休む間もない、または悩みを抱えていて気持ちが落ち込んでいる。そのような原因で他人を思いやる余裕がなくなっている精神状態では、誰でも感情的になってしまうのではないでしょうか。人間は神様ではないので、心に余裕がない時は冷静になれないものです。

人はなぜ感情的になってしまうのか、ということが共通する特徴から少し見えてきたのではないでしょうか。では、さらに感情的な人が感情的になってしまう心理を解説していきます。

自分が感情的なタイプと自覚のある人にとっては、痛いところを突かれているような気分になるかもしれません。でも、この心理であり本音である部分を見ないことには、自分自身と本当の意味で向き合うことはできないのです。

また、感情的になりがちな人の心の内を想像してみることで、周りの人も彼らが何を求めているか知り理解することにつながるでしょう。「ただイライラしている面倒な人」とは違った見方ができれば、関係性も変わってくるのではないでしょうか。

自分の気持ちを察してほしい

感情的になってしまうのは、自分の気持ちを冷静に言葉で相手に伝えるのが苦手だからとも考えられます。その奥には、「気持ちをわかってよ」「察してほしい」という訴えがあるのでしょう。激しく感情をぶつけるのは、「どうしてわかってくれないの！」という叫びなのです。

幼い頃に気持ちを察してもらった経験が欠けていたせいで、大人になってから追従体験をしているのかもしれません。あるいは過保護で察してもらうのが当たり前だったというケースも多いです。何らかの背景により、「察してもらいたい」という心理となっているのでしょう。

自分の思い通りにしたい

自分の思い通りにしないと気が済まない。思い通りになるのが当たり前。このような心理があると、気に入らない、納得できないからごねるという行動を容易に起こせます。まるで子供のような思考ですが、大人になっても自己中心的な考えを持ち続ける人は多いのです。

思い通りにするために自分が努力を伴う行動をするという考えではなく、周りを動かすことで自分の思いを通そうとします。感情的にキレて周りを恐れさせることで周りの人間が歩み寄ってくれた方がラクというのが本音なのでしょう。

人の気持ちより自分の気持ちが優先

思い通りに生きられたら…という願いは誰もが持っているのではないでしょうか。でも、そこには人との関係性が絡んできます。自分のことばかりではなく人のことも考えて、時には自分を抑えたり妥協したりと、気持ちに折り合いをつけながら生活しますよね。

でも、感情的な人の場合は自分がヒステリックにわめいて相手がどう思うかという想像力が抜け落ちています。つまり、人の気持ちを考えていないのです。

余裕がないせいなのか性格上の問題なのかはわかりませんが、自分の気持ちが優先という心理のため感情的になれてしまうのですね。

いつも満たされない

心のキャパというのは人それぞれ違います。怒りの沸点が人によって違うように、満たされ方も違うのです。小さな幸せでいつも心が満たされている人もいれば、欲が深く不満の方が大きくいつも満たされないという人もいるでしょう。

この満たされない気持ちはイライラを招きやすいです。いつも不満を抱えている、幸せを感じられないというような心理状態では感情的になりやすいのも当然ではないでしょうか。求めているのに満たされないという心理が大きな原因となっているのだと考えられます。

まるでダメ出しのようになってしまった部分もありますが、感情的な人も好きでそうなっているわけではないですよね。ストレスが原因の場合はできるだけ生活環境を変えるなど改善できる部分は改善しつつ、自分の感情とうまく付き合っていくことも大切です。

特に性格的に感情を出しやすいタイプの場合は、完全に変えることは難しいかもしれません。変えられない部分は、個性として割り切ることも考えた方がいいでしょう。

感情的な人には次のように短所ばかりではなく長所もあるのです。いいところはそのままに、変えた方が生きやすくなるところはできる範囲で改善すればいいのではないでしょうか。

長所：裏表がない

感情を抑え込む人と比べると、ストレートに表現するためとてもわかりやすいですよね。ある意味、裏表がない正直さを持っているといえるでしょう。感情をコントロールするのが下手なので嘘もつけないし、思いのまままっすぐに生きているのは長所といえます。

何を考えているのかわからないという不安を与えない裏表のなさ、わかりやすさは感情的な人の長所なのです。

短所：怒ると話が出来なくなる

怒りのコントロールができないせいで、会話ができなくなってしまうのは短所でしょう。感情的に怒るため相手の話が聞ける状態ではなくなってしまい、問題の解決もできません。

本人は感情を出すだけ出して気持ちが落ち着けばスッキリするかもしれませんが、話し合いが成立しないとなると、人間関係も悪化しやすくなってしまいますよね。

長所：相手の感情も引き出す

感情的な人のおかげで自分の気持ちをストレートに出せたという声もあります。激しく喧嘩をすればいいというわけではありませんが、感情的な人の前では自分も遠慮なく感情を出せるという人も実はいるのです。

「あっちも言いたいこと言ってくるんだからこっちだって…」となるわけですね。そのように相手の感情を引き出すこともあるため、上辺だけの付き合いだけでなく本音で付き合える関係を築けるという長所もあるのです。

短所：一緒にいる人を疲れさせてしまう

感情的な人に対し感情的にぶつかっていき分かり合える人もいますが、あくまでも少数派。やはりいい大人は引いてしまう人が大多数で、感情的な人といると疲れるという声の方が多いのが現実です。

両親ともに感情的で喧嘩ばかりしている家の子供の立場などを考えれば、感情的な人の振る舞いが一緒にいる人を疲れさせることは簡単に想像できますよね。

やはり人付き合いを円滑・円満にするには、長所は生かしつつ感情を上手にコントロールする方法も身につけた方がよさそうです。

どうしてもすぐヒステリックになってしまう…という感情的な人は、これからご紹介することを試してみて下さい。イライラして怒鳴ってしまいそうになった時、または平常時にもできる方法を覚えておくと、いざという時に役立ちます。

感情を人にぶつける前に自分で押さえることができたら、自分をしっかりほめてあげましょう。その繰り返しで、少しずつ感情をコントロールすることも難しくなくなってきますよ。

深呼吸する

イライラする、もうダメだと思ったら、大きな声を出す代わりに息をいっぱい吸って、スゥーーッとゆっくり吐いてみて下さい。深呼吸は昔から心を落ち着かせる方法として親しまれてきました。緊張している時や身体に力が入ってしまう時などにも役立ちます。

深呼吸を2～3回繰り返しているうちに、少しずつ怒りの感情が落ち着いてくるはずです。イライラすると呼吸も脈も速くなり衝動的な行動を起こしがちですので、身体と心を同時に落ち着かせる深呼吸が効果的なのです。

外出するなどして一人になる

一旦その場を離れるというのもおすすめです。冷静になるために「外の空気を吸ってくる」「頭を冷やしてくる」と言ってどこかに行くことはドラマのワンシーンなどでもよく見られますよね。人に怒りをぶつけてしまう前に、スッと離れて一人になりましょう。

相手に対して感情的な態度をむき出しにするくらいなら、誰も一人でいないところで叫んだり暴れたりした方がまだマシです。できれば外に出て深呼吸しましょう。気持ちが落ち着いてから戻ればいいのです。

身体を動かす

怒りのエネルギーを他のことに使うという方法もおすすめです。手っ取り早いのが運動です。怒りがこみあげてきたら、その場を離れひとっ走りしたり筋トレやダンスをしたりと、すぐにできる運動で発散してしまいましょう。

離れられない場合は姿勢を変える、身体を伸ばすだけでも効果はあります。意識を怒りから反らし、身体を動かすことに集中させると気持ちが静まるでしょう。ストレス解消やリラックスにも役立ちますよ。

相手の立場に立って考える習慣を作る

冷静になるためには、視野を広げることも大切です。感情的になっている時は自分の気持ちしか考えていないことがほとんどですので、訓練のように意識的に相手の気持ちを想像するようにしましょう。

「察してくれない相手が悪い」ではなく「相手にも都合や事情がある」というように、何事も自分だけでなく相手の立場に立って考える習慣を作るのがおすすめです。感情的になりそうな時は、一瞬でも相手の気持ちを考えられるといいですね。

日頃からストレスを溜めこまないようにする

イライラしやすい、すぐ感情的なる、自分のことしか考えられないというのは心に余裕がないからです。それはストレスが原因ではないでしょうか。疲れやストレスが溜まった状態では、心に余裕を持てという方が無理な話ですよね。

自分の好きなことをする時間を作ったりゆっくり身体を休めたり、美味しいものを食べたりと、自分をいたわりリラックスするよう心掛けると、ストレスを溜めこまずに済みます。日頃からストレスを解消・発散しながら過ごすことも感情のコントロールには大切なのです。

最後に、身近に感情的な人がいて困っているという人のために、感情的な人と上手に付き合うためのコツをお伝えします。感情的な人には決して悪意があるわけではありません。ただ不器用なだけ。まずはそう思って、言われたことをあまり気にしないようにすることが大切です。

そのうえで、関わる際には次のようにしてみて下さい。決して振り回されず、自分は自分、相手は相手と思って落ち着いて接するようにしましょう。

穏やかな対応をする

自分も相手と同じように感情的になったらいけないわけではありませんが、喧嘩したくないなら穏やかな対応がベターです。相手の雰囲気に合わせるのではなく、できるだけゆったりとした口調で「そう思うんだね」という感じで受け止めましょう。

そのように冷静で穏やかな対応をしていると、相手もだんだん感情的な自分がバカバカしくなり落ち着いてくるはずです。

相手が感情的になったら場所を変える

怒って話もできないような状態になったら、「ちょっと外出ようか」「あっちの部屋に行きましょう」など場所を変えるというのも効果的です。感情的になっていると自分では冷静になりにくいため、周りの人がそのように場所を変えさせるといいでしょう。

外に連れて行って空気を吸わせたり場が変われば、気持ちも切り替わりやすくなります。落ち着いて話をしよう、と言えば相手も従いやすいのではないでしょうか。

適度に褒めてあげて機嫌をとる

もし心に余裕があるなら、相手の自尊心をくすぐり日頃から怒りの沸点を下げておくという方法も効果的です。特に毎日接するような場合は、できるだけいいところを見つけて褒め友好的な態度を示すことで「この人はわかってくれる」「大切にしよう」と思わせましょう。

適度に褒めることでご機嫌な状態をキープすればイライラもしにくくなりますし、感情をコントロールする余裕も生まれるはず。不快な気持ちにさせられる前に先回りしておくのです。

関わるのに疲れたら適度に距離を取る

様々な対処法はあるものの、自分だって心に余裕がない時もありますよね。そんな時に感情的な人の相手をするのは負担に感じることもあるでしょう。「面倒だな」「関わりたくない」という気持ちが強い時は、無理に機嫌を取る必要はありません。

関わるのに疲れた時は適度に距離を取りましょう。いつもお膳立てしたり気を遣ったりしていると疲れてしまいますので、自分を犠牲にしない程度に適当に関わるというような割り切り方も必要です。

人間ですから、感情的になることだって時にはあります。でもあまりにその頻度が多い場合は、考えが凝り固まって視野が狭くなってしまっているサイン。その状態では自己中心的な態度がやめられず周りとの関係も悪くなってしまいます。

イライラが爆発しそう！という時はその場を離れて深呼吸しましょう。また、ストレスも悪影響ですので日頃からできるだけストレスを溜めないようリラックスできる時間を作ることも大切です。それができれば少しずつ感情をコントロールできるようになるでしょう。