秘密主義の心理とは？自己開示しない人との付き合い方も徹底解説！

自分のことを話さない人に対して「あの人、秘密主義だよね」などと言うことはよくありますよね。とはいうものの、「秘密主義」とは厳密にどういう意味なのでしょうか。

そこで、そもそも「秘密主義」とは何かということから見ていきましょう。

「秘密主義」の意味

「秘密主義」とは、「 物事を全て秘密にして他人に知らせないでおこうとする考え方」のことです。

もう少し詳しく紐解くと、「秘密主義」が「秘密」と「主義」2つの言葉の構成から成り立っていることがわかります。「秘密」とは「誰にも知られたくないこと」であり、「主義」とは、その人が持ち続けている考えや方針、さらには態度のことです。

したがって、秘密主義の人とは「他人に対し、自分のことは徹底的に秘密にする態度、もしくは方針」を採っている人と言えるでしょう。

そのため、「あの人は自分のことは一切話さないから、何を考えているかよくわからない」と言われがちです。

「秘密主義」の対義語

「秘密主義」の対義語は「公開主義」で、「物事を秘密にしないで公開して行う主義」を意味します。

秘密主義が何もかも秘密にしようとする主義なのに対して、公開主義はいわば何もかもオープンにすると考えていいですね。

これを人に当てはめた場合、秘密主義の人は何もかも隠そうとする人ですが、一方の対義語に当たる公開主義の人は、包み隠さずに公開しようとする人になります。

こうして対義語で比較してみると、「まさに対極！」と感じる人も多いのではないでしょうか。

出典：コトバンク『秘密主義（読み）ひみつしゅぎ』
https://kotobank.jp/word/%E7%A7%98%E5%AF%86%E4%B8%BB%E7%BE%A9-368066

人によって感じ方はさまざまですので、秘密主義の人に対してどう思うかの意見も当然変わってくるでしょう。

そこで、ここでは秘密主義の人に対する男女の意見をご紹介します。

ミステリアスで私生活が謎なイメージ

「秘密主義の人ってミステリアスな雰囲気を持っていて、私生活が謎なイメージがあります。生活臭を感じさせない、みたいな？ドラマなんかにはよく出てきますけど、実生活ではまだ会ったことないから会ってみたいです」（26歳/男性/会社員）

ミステリアスで謎に包まれたイメージがある秘密主義な人ですが、こうしたイメージはドラマや映画などの影響も大きいでしょう。

ただ、会社勤めをしていると自分のことをまったく話さないわけにもいかないため、実際に会ったことはないという人も多いのではないでしょうか。となると、余計に本物を見てみたい気がしますね。

裏がありそうなイメージが…

「職場の先輩が秘密主義です。聞かれても自分のことはのらりくらりとかわすけれど、人のことはとてもよく知っています。そういうところに裏表がありそうな感じがして、あんまりいいイメージがありません」（25歳/女性/事務）

同じ部署はもちろん、他の部署のこともよく知っている人っていますよね。けれど、こういう人に限って、自分のことを聞かれたら煙に巻いて話さないことが多いものです。

そんな「人のことは知りたいけれど、自分のことは言いたくない」という秘密主義なところに裏表を感じ、嫌なイメージを抱く人は少なくないのではないでしょうか。

家族や彼氏が秘密主義だと嫌かも…

「実際に秘密主義の人とかかわったことはないですけど、家族や彼氏が秘密主義だと嫌かも…と思います。自分が隠し事したくないタイプなので、隠されるのは気分悪いですよね。それに、『他人ならともかく、何で私に話さないのよ！』ってなると思います」（20歳/女性/大学生）

秘密主義の人が嫌でも、他人であれば付き合わないという選択が取れます。けれど、これが家族だとそういうわけにはいきません。また、付き合いだした彼氏が実は秘密主義だとわかった時は、少なからずショックを受けるのではないでしょうか。

家族も彼氏も大切な存在ですから、秘密にされると悲しさと腹立たしさの両方を感じるのも無理はありません。

「何かあったのかな？」と気になる

「友人にとても寡黙な人がいます。不思議と気が合うので、一緒にご飯食べたりするんですけど、自分のことはほとんど話さず、僕のことばかり気にかけてくれるんです。でも、僕から『最近どう？』と聞いても、『特に変わりないよ』って言うばかり。過去に何かあったのかなあって気になります」（19歳/男性/大学生）

秘密主義の人からは必ず嫌な印象を受けるというわけではなく、中には一緒にいて心地よいと感じる人もいるでしょう。

そんな秘密主義の人が自分のことを気にかけてくる人だとしたら逆に、「彼はいったいなぜ自分のことを話さないんだろう」と気になりますよね。いつか心から信頼して、打ち明けてほしいものですね。

秘密主義の人には、共通する特徴がいくつかあります。どの特徴も「確かに、こういう人は秘密主義と感じるな」というものばかりです。

ここでは、そんな秘密主義の人に共通する特徴をまとめてご紹介します。

プライベートの話をしない

秘密主義の人の最もわかりやすい特徴は、プライベートの話をほとんどしないことです。

一般的に、名の知れた大学を出た人の多くは、自分がどこの大学を卒業したかを言いたがりますよね。それがステータスになるからです。けれど、秘密主義の人は普通ならかなりの自慢になるようなことでも、一切話そうとしません。

そのため、周囲の人に「あの人はどこの大学出てるの？」と尋ねても「そう言えば、聞いたことがない」という返事が返ってくることがしばしばです。

そんな秘密主義な人ですから、休日明けに「○○に遊びに行ってきた」というような話は皆無でしょう。

自分の感情をあまり出さない

秘密主義な人は自分に関することを知られたくないだけでなく、感情を読み取られるのも嫌がります。そのため、傍目には非常に冷静沈着な人と映るのが特徴です。

その他の言い方をするなら、ポーカーフェイスや表情が読めないといった表現が適しているでしょう。

また、たいていの人は表情を見ていると「あ、今ちょっとムッとした」とか、「ニヤけてる。嬉しかったんだな」と言った具合に、顔からかなりのことがわかります。けれど、秘密主義の人は感情を顔に出しませんので、そもそも何を考えているかすらわかりません。

そんな心のうちが全く読めないところが、秘密主義と言われる所以でしょう。

一人行動が多い

秘密主義の人は、基本的に一人で行動しています。群れるのを嫌い、集団行動が苦手なのも特徴です。

なぜいつも基本は一人で行動しているかというと、人と関わるとどうしても自分のことをあれこれ聞かれるからです。ただしそこは秘密主義者だけあって聞かれても答えませんが、場の雰囲気は悪くなりますよね。

秘密主義の人は、何か隠したいことがあって一人でいるというよりは、自分の話をしたくないという気持ちが強い人です。そのため、誰かと話さずに済む状況を作ろうと考えた結果、一人で行動していると言えます。

人の話をよく聞いている

秘密主義の人に対しては、「自分のことは言わずに人の話はしっかり聞いている嫌な人」というイメージを持っている人も少なくないのではないでしょうか。

けれど、秘密主義の人の気持ちにより近いのは、「自分のことを話すのが苦手だから、人の話を聞いている方がラク」というものです。そのため、人によっては秘密主義の人というよりは、聞き上手な人だと捉えている人も少なくありません。

人の話を聞いている分には自分の話はしなくて済むのですから、秘密主義の人は聞き役に回るのは大歓迎。しかも、絶妙なタイミングで相槌を打ち、話を促すのが上手です。

したがって集団の中にいないといけない時は、聞き上手として加わっているでしょう。

秘密主義の人に現れる特徴は、特有の心理から来ていると考えられます。となると、秘密主義の人の特徴が、どんな心理によるものかが気になりますよね。

そこで、秘密主義な人の心理を徹底解剖してみましょう。

他人を警戒している

秘密主義の人の中には、家族や恋人にすら自分のことを簡単に話そうとしない人が少なくありません。

この世で自分以外に信頼できる相手と言えば、血を分けた家族や互いに好き合った恋人ですよね。そんな人たちにもそう簡単に秘密を打ち明けないのですから、他人に話さないのも当然です。

その理由に、他人に対する警戒意識の高さがあります。特に知り合ってすぐの人だと「信用できるかどうか分からないから、できるだけ情報は与えないでおこう」という心理になるのも無理はありませんね。

自分の事を話すのが苦手

秘密主義の人の心理として最もわかりやすいのは、自分の事を話すのが苦手なため、結果的に秘密主義になったというものではないでしょうか。

たいていの人は自分の話を聞いてもらいたいという心理を持っていますが、中には自分のことを話すのは苦手という人もいます。秘密主義の人はまさにこれに該当しますね。

こうした自分のことを話すのが苦手という心理が、聞き役に回らせることになります。さらに、話さずにいる機会が多いことで、ますます秘密主義になっていくでしょう。

というのも、自分のことを話さないのが当然になってしまい、いざ自分のことを話すとなると、何をどう話していいかわからなくなってしまっているからです。

コンプレックスを持っている

秘密主義の人は、内面にコンプレックスを抱えていることがよくあります。そのため、「このコンプレックスを誰にも知られたくない」という心理が強ければ強いほど、自分のことを話さなくなるでしょう。

誰しもコンプレックスの一つや二つは持っているものですが、秘密主義の人はコンプレックスを他人に話題にされたくないという強い心理を持っています。そのため、話題を提供せずに済むよう、秘密主義になるわけです。

また、相手が自分より優れていてコンプレックスを覚える場合、「からかわれるのではないか」という不安な心理が顔を覗かせます。

そのため、コンプレックスを感じていると悟られないよう、話さなくなることもしばしばです。

他人と距離を保っていたい

秘密主義の人は、自分の心に土足で踏み込まれるのを嫌う心理が強いのが特徴です。そのため、できるだけ人と仲良くならないよう、他人と一定の距離を保っていたいと考えます。

普通なら、常に距離を保っているといつまでも親しくなれないため、たいていの人は「相手と距離を詰めるにはどうしたらいいか」と考えますよね。

けれど、そもそも他人と仲良くなりたくない秘密主義の人は、どうにかして一定の距離を保ち続けたいと考える傾向があります。

これまで「秘密主義の人とは付き合いにくい」と感じていた人なら、秘密主義な人の心理や特徴が分かって、見方が変わってきたのではないでしょうか。となれば、後は上手な付き合い方を知るだけです。

ここでは、秘密主義の人との付き合い方をまとめましたので、参考にしてくださいね。

プライベートを無理に聞き出さない

秘密主義の人と付き合う時の鉄則は、プライベートな話を無理に聞き出さないことです。

相手のことを信用していない場合や、コンプレックスを知られたくない、あるいは自分のことを話すのが苦手といった心理の違いはあっても、秘密主義の人たちが取る選択肢はたった一つです。つまり、「自分のことは話さない」に尽きます。

そもそも話したくないという心理の持ち主ですから、無理に聞き出そうとすればするほど「嫌な人だ…」と思われるでしょう。また、プライベートな話に限らず、どんな話題も無理に聞き出すのは厳禁です。

話してくれないのが普通の人ですから、代わりに自分が話してどんどん聞いてもらうといいでしょう。

割り切って接する

自分のプライベートな話をしたら、「今度はそちらがどうぞ」という気になる人も多いのではないでしょうか。特に秘密の話を打ち明けた時は、「お互いに打ち明け合おうよ」という気になりますよね。

けれど、秘密主義の人からすれば「相手が勝手に話し始めたこと」であって、自分が話す必要はないと考えるでしょう。

いわゆる見解の相違ですが、これが原因で「あいつは人の秘密だけ聞いておいて、自分の秘密は一切言わないヤツだ」となることがしばしばです。

こうなると、関係がぎくしゃくするのも無理はありません。これからも付き合っていかなくてはならないのなら、「自分のことは話さない秘密主義の人」と最初から割り切って接するのが一番ですね。

表情を観察する

そもそも秘密主義の人は、表情にすら自らの感情を出さないようにしていますが、そこは彼らも人間です。どんな時も完璧に表情を消し去るのは、さすがに無理でしょう。

そこで、秘密主義の人と話をすることがあったら、その表情を観察してみましょう。最初はわからなくても、機会を重ねるごとに「この話題を出すとちょっと緊張した面持ちになる」とか、「この話題だと楽しそうに聞いてくれる」などといった変化に気付くようになります。

ポジティブな変化を見せた話題を意識的にふることによって秘密主義の人が安心し、自分のことを話し始めてくれる可能性があります。そうなれば、もっとうまく付き合えますね。

話を否定しない

秘密主義の人は、基本的に自分の話はしません。けれど、仕事ともなると自分の意見を言わなければならないこともあるはずです。

秘密主義の人と上手に付き合っていくには、秘密主義の人が話をした時は否定しないのが大事。たとえどんな些細なことも否定せず、受け止めましょう。

もし否定してコンプレックスに触れたら、傷つくのは明らかです。また、本当は話したくないのに、頑張って話したことを否定されたら「言うんじゃなかった…」となりますよね。

ですから、「それはちょっと…」と感じたとしても否定は絶対にNGです。数人で話をしている時なら、「この意見は詳しく検討させてもらいたい」などと言って、保留にするといいでしょう。

秘密主義の人は自分のことは話さないため、「人のことは聞いているのに自分のことは言わないなんて感じ悪いな」と思う人も多いでしょう。

けれど、秘密主義の人には特有の心理があり、この心理が秘密主義という特徴を生み出しています。つまり、心理を知ればなぜ秘密主義なのかも理解できるでしょう。

ただ、なぜ秘密主義になったのかは、秘密主義の人に直接聞かないと分かりません。たとえ秘密主義の人の心理を理解しても、そう簡単には話してくれないと考えられます。

そんな秘密主義の人に対しては「こういう人だ」と考え、期待しないのが一番です。必要以上に踏み込まず、距離を保って上手に付き合ってくださいね。