「かかあ天下」の特徴とは？かかあ天下が増えた理由やも徹底分析！

夫婦関係、家庭の特徴を指す「かかあ天下」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。昔に比べ、このかかあ天下が増えたといわれています。かかあ天下とは、夫よりも妻が強い家庭を意味する言葉で、妻の権威や権力が夫を上回っているということです。

現在の群馬県である上州地域では、かつて養蚕がさかんでした。妻は夫に養ってもらうのが当たり前だった時代の中で、養蚕により妻の経済力が夫よりも高くなる家庭が増え、かかあ天下という言葉が生まれたそうです。

対義語には夫の威厳が強い「亭主関白」があり、こちらは有名ですよね。現在は、経済力に関わらず妻が夫をリードして成り立つ家庭をかかあ天下と呼ぶことが多いようです。

亭主関白はもはや死語のように廃れ、かかあ天下が増えてきた現在。その背景には、何があるのでしょうか。かかあ天下が増えた理由としては、女性を取り巻く環境の変化が大きく影響していると考えられます。

それに加え、昔から何となく続いている「家庭は女性が守るもの」といった風潮も関係しているといえるでしょう。かかあ天下が増えたのにはわけがあるのです。詳しく見ていきましょう。

女性の社会進出が影響している

かつては女性は結婚したら専業主婦となり、夫が稼いできたお金でやりくりするのが当たり前でした。でも現在は、結婚してからも仕事を続ける女性が増えましたよね。社会において女性が活躍する場が増えたことにより、経済力はもちろん発言力なども身についてきたのです。

このように女性が社会進出するのが当たり前になったからこそ、家庭においても夫の意見に黙って従うという人は少なくなったのです。男性と対等に仕事をする女性が、家庭でも自分の意見を持って物事を進めていくのは自然な姿といえるでしょう。

家庭のやりくりのメインは女性

仕事もしながら結婚生活を進めていく中で、よく女性側から不満の声も上がりますが「家庭のやりくりは女性の仕事」という風潮がなかなか消えません。共働きなのだから、家のことも分担して当然なのですが、なぜかウェイトは女性側にのしかかりがちなのです。

特に亭主関白な家庭で育った人に多いのですが、家事育児は女性の仕事という考えが子供のうちから植え付けられてしまうことも影響しているのでしょうね。そのせいもあって、男性に比べ女性の方が家庭のやりくりに対する能力が高くなるのかもしれません。

草食系男子が増えている

単純に、女性の方が強いカップルがそのまま結婚して夫婦になったから、かかあ天下となっているケースも多いです。男性が女性をリードする関係ではなく、元々女性が主導権を握ることでうまくいっているカップルは少なくありません。

これは、草食系男子が増えているということも影響しているのでしょう。草食系男子とうまく付き合うには、どうしても女性がリードする場面が多くなってしまいます。姉さん女房の夫婦なども、草食系男子を年上女子がひっぱる関係で成り立ってきたケースが多いです。

男女が対等な関係なのが当たり前になったから

昭和の時代は、女性は男性を立てるもの、3歩下がってついていくのが当たり前と言われていました。男尊女卑などという言葉も平気で使われていましたよね。ところが現在は、ジェンダーに敏感な社会で男女は平等、対等な関係でいることが当たり前の時代です。

このような時代の変化とともに、女性は男性の後ろをついていくだけの存在ではなくなったのです。本来女性は強い生き物といわれていますので、対等な関係であれば自然と女性の方が強くなりがち。そう考えると、かかあ天下は自然な形なのかもしれませんね。

妻が夫よりも強い家庭と聞くと、妻が威張り散らして夫を完全に尻に敷いている様子を想像する人も多いのではないでしょうか。でも、実際はそういうわけでもないようです。かかあ天下で円満な関係を築いている夫婦には、共通する特徴があるのです。

それは妻が中心となって家庭を回しつつ、夫もそこにしっかりと参加しお互いの存在を認め合っている関係ができているということ。単に妻が偉そうにしているというのではなく、妻が主導権を握ることでうまくいっているのです。どういうことなのか具体的に見ていきましょう。

財布の紐は妻が握っている

家庭を回していく上で外せないのが、家計管理です。かつての時代も家計のやりくりは妻に任されることが多かったですが、かかあ天下の家庭では財布の紐を妻が握ることでうまく回っています。

毎月の収支をしっかりと把握し、より経済的に暮らすために無駄を削ったり預貯金を少しでも増やす方法を考えたりすることで、健全な家計を守っています。そして家計管理をすることにより、使えるお金がわかりレジャーなどの予定も立てやすくなりますよね。

家計管理を妻が行うことで、必然的にかかあ天下になりやすくなるともいえるでしょう。

妻が夫を手のひらで転がしている

妻がすべて仕切って夫はそれに従うだけ、また夫にダメ出しばかりというのでは夫の立場はとても弱いですよね。それでは息が詰まってしまいますし、円満な夫婦関係とは程遠くなりそうです。

かかあ天下で円満な場合、妻が夫をうまく手のひらで転がしています。妻は主導権を握りつつも、意見を求めたり頼るべきところは頼ったりして、夫を上手に立てるのです。子供に対しても父親を尊敬できるようにうまく誘導するので、夫が孤立することもありません。

家族の予定は妻が中心となって決める

家計管理とともに、スケジュール管理も妻が中心となって行うのがかかあ天下の特徴です。スケジュール管理に関しては、例えば家族の休みを把握して早めに旅行の計画を立てたりとリードします。もちろん、勝手に進めるのではなく夫の意見も聞きながらというのがポイント。

妻が勝手に家族の予定を決めてしまうと反発されそうですが、「どこに行きたい？」「このプランはどう？」などちゃんと意見を聞きつつ手早く進めていくので、家族も満足なのです。すきま時間で予約を済ませてしまうなど、行動もスマートで無駄がありません。

家事育児は夫婦でやるのが当然

共働きなのに夫が家事や育児に全然協力してくれない…と嘆く女性が後を絶ちません。中には、意見を言うと夫が不機嫌になるから我慢して全部自分でやっている、というケースも。それに対し、かかあ天下の家庭では家事育児は夫婦でやるのが当たり前です。

なぜ夫婦で家事育児をやっているのかというと、夫が自らやろうと思えるよう妻がうまく誘導しているからなのです。やってくれないから自分がやる、ではなく「あなたこれやって」とはっきり言いますし、「さすが！」と持ち上げてその気にさせます。

その積み重ねで、「家事育児は夫婦でやるもの」という考えを夫にも刷り込んでいるのです。

かかあ天下は単に女性が強くあればいいというわけではなく、男性をうまく立てながら誘導することで円満な家庭を築けるということがわかりましたね。でも、それって難しそう…誰にでもできることではないのでは？と思った人も多いのではないでしょうか。

かかあ天下で円満な家庭を築いている女性には、リーダー気質が欠かせないというのは事実です。自分が家族を引っ張っていくなんて面倒だな、夫に引っ張ってほしいと思う女性も多いでしょう。かかあ天下になりやすい女性には、やはり次のようにそれなりの特徴があるのです。

気が強い

夫に対して臆することなく意見できる気の強さは、かかあ天下には必須でしょう。怖くて意見できない、自分が我慢すればいいという考えでは、かかあ天下にはならないどころか亭主関白まっしぐらとなるかもしれません。

ある程度気が強く、言いたいことははっきり言うという性格は、かかあ天下になる女性に共通する特徴といえます。気が強くてもワガママというわけではなく、しっかりしていて芯のある女性というイメージでしょう。

世話好き

自分のことだけでなく、人のことにまで気が回り基本的に世話好きな性格というのも特徴の一つです。自分のことで精いっぱいだったり人に関心がなかったりすると、夫をうまく誘導する余裕も持てないですし、家族を引っ張るなんて考えられないですよね。

家族のことが好きで世話好き、居心地のいい家庭を作りたいという気持ちがあると、家のことをやりくりするのも苦になりません。元々世話好きな性格なら、なんで自分がリードしなければいけないの？という疑問すら持たず平穏でいられるものです。

自立している

夫に頼りたい、夫に引っ張ってほしいという気持ちがあまりなく、精神的に自立しているということも挙げられるでしょう。夫に頼ることもありますが、それはあくまでもポーズであり夫の存在意義を伝えるための手段です。

自立している女性は、人に依存することも多くを求めすぎることもありません。そのためいくら自分が強くなろうが夫に対して「もっとしっかりしてほしい」と思うことがないのです。自分は自分、夫は夫と、それぞれの性質を認めることができるのでしょう。

主導権を握りたい

人に従うよりも、自分が主となり物事を進めたいという強いリーダー気質を持つ女性なら、当然家庭でもかかあ天下になるでしょう。人をリードするのが得意で、自分のやりたいことや意見を通したいという気持ちがあれば、主導権を握りたくなるのも自然なことですね。

仕事でもチームリーダーなど人をまとめる役割や誘導する役割を任されることが多いです。仕切ることが得意なので、自分がリードすることに対してまったく苦に思いません。

しっかりしている女性ほど、かかあ天下になりやすいということがわかってきました。何となく、かかあ天下になる女性のイメージが持ててきたという人も多いのではないでしょうか。それでは、さらに続きを見ていきましょう。

責任感が強い

リーダー気質のある人には責任感も伴っているものです。かかあ天下になる女性の場合も、「この家族を守ろう」「家がうまく回るには私の腕がかかっている」というように、家族に対する責任感はとても強いです。

「どうでもいいや」「テキトーでいいや」と投げやりになったり人に丸投げしたりするのではなく、家族が健全でいられるよう常に目を配っています。夫や子供の健康面や生活習慣などにも責任を持っているので、自分がしっかり管理しようと思えるのです。

几帳面

細かいところまでよく気が付き、きちんとしていたいという性格の人は、結婚して他人と暮らせば気になるところが山ほど出てくるでしょう。その時夫に対して気になることを言えなかったら、自分が苦しくなり結婚生活を続けることはできなくなってしまいます。

つまり几帳面な性格の女性は、言いたいことを言えるかかあ天下の家庭でないとやっていけないのです。そして家計管理やスケジュール管理、家事などにも几帳面さが活躍します。家の中には几帳面であることが役立つ部分が多いため、自然と中心になりやすいのですね。

ポジティブで行動力がある

夫を立てつつ自分が主導権を握り…家族に責任を持ち家のことを回す…と考えただけもしんどくなってしまう人もいるかもしれませんね。確かに簡単なことではありませんが、かかあ天下になる女性は基本的にポジティブ。どうにかなるさで乗り切る場面もたくさんあるのです。

そして、ウジウジ考えたり悩んだりするよりは行動あるのみ！という考えなので、常に明るく活動しています。そんな妻・母親の姿を見ている家族も刺激を受け、自分から行動しようとするようになります。円満でいられるサイクルにはポジティブさが欠かせないのですね。

気が利く

世話好きな女性には、気が利くという特徴もあるでしょう。夫の気付かない細やかな部分にまで配慮が行き届くため、妻に任せておけば安心と思われますよね。気が利く女性には夫も自然と自分のことを相談したり家のことを任せたりしたくなるでしょう。

気が強く主導権を握りたいというだけでなく、周りへの配慮を欠かさず几帳面な部分も持ち合わせている女性なら、頼りがいがありますし「この人と一緒にいれば安心」と思えるものです。

かかあ天下は亭主関白とはまた違って、女性が中心となって家庭をうまく回しているイメージがありますよね。そんなかかあ天下な家庭に憧れる！という女性も多いのではないでしょうか。また、逆に亭主関白くらいの方がいいな…という人もいるかもしれませんね。

最後に、女性にとって理想の結婚生活とは何か、かかあ天下はありなのかなしなのか様々な意見をご紹介します。

【あり派】女性が主導権握った方がうまくいく

「かかあ天下、私は大ありですね！家庭の中では女性の方が色々気が付くことも多いんだし、男性に任せるより女性が主導権握った方がうまくいく気がするんですよ。別に女性が強くたっていいじゃんって思いますね。それで家族皆が幸せなら。」（26歳/女性/公務員）

女性の特性を理由に、かかあ天下はありだと考える人は多いようですね。家族が幸せで家庭がうまく回るなら、女性が主導権を握った方がいいという意見です。主導権を握ることが嫌ではない、負担に思わない女性にはかかあ天下あり派が自然と多く見られました。

【あり派】家の中では自分の好きなようにしたい

「多分、私かかあ天下になると思います。家のことやりくりするの嫌いじゃないし、自分の好きなようにしたいから。むしろ旦那さんの言いなりなんて絶対嫌ですね。うまくおだてて立てつつ、実は私が全部仕切ってる！っていうのが理想です(笑)」（28歳/女性/教員）

かかあ天下になれば自分の好きなようにできる、と前向きに考える女性も多く見られました。その一方で、この女性のように表面上は夫が家の中心であるように見せたいという気持ちもあるという声も多く、隠れかかあ天下が理想という考えも目立ちましたね。

【なし派】男の人に支えてもらいたい

「私は、かかあ天下より旦那さんに支えてもらいたいかな。あまり強い女って感じではいたくないです。男の人に支えてもらいたいっていう気持ちがあるので、控えめにしていたいんです。言いたいこと言えない、っていうのは嫌ですけどね。」（25歳/女性/事務）

かかあ天下なし派としては、この女性のように自分が強くなるのではなく男の人に支えてもらいたい、また、いつまでも女性扱いされたいからあまり出しゃばりたくないという意見が多かったですね。かかあ天下に女性が権力を振りかざしているイメージを持つ人も多いようです。

【なし派】自分がかかあ天下に向いていない

「私自身が絶対リーダータイプではないし、仕切るの苦手なのでかかあ天下はナシですね。うまくいく気がしません(笑)旦那さんの言うことハイハイって聞いてた方がむしろラクな気がします。引っ張ってくれる人と結婚したいです！」（27歳/女性/販売）

自分の性格上、かかあ天下に向いていないからなしだという女性も結構いるようです。確かに、かかあ天下で円満な家庭を築くには女性側も人間的に成熟している必要がありますので、難しく感じる人もいますよね。そして相手の男性との相性も重要でしょう。

一昔前は、かかあ天下というと完全に夫を尻に敷いている妻というイメージが強かったですが、円満なかかあ天下は妻が夫を上手に立てているのが特徴です。

あまり強くなりたくない…という女性も、隠れかかあ天下を目指せばうまくやっていくことができるかもしれませんよ。几帳面で世話好きな性格の女性には、自分の能力を家庭でも発揮できるかかあ天下はおすすめです。

どんな夫婦でもお互いに言いたいことを言い合える関係や支え合い思いやれる関係を心掛けるのが、円満になるコツですね。かかあ天下に限らず、自分や相手の性格を把握してお互いの違いを認めた上で、うまく噛み合う形の関係性を築くことが大切だといえるでしょう。