パーソナルスペースが広いってどういう意味？心理や特徴を理解しよう

パーソナルスペースとは、自分だけのテリトリーのことです。このテリトリーの広さは人によって違います。ここでは、パーソナルスペースが広い人の特徴や性格などについてお伝えしていきます。

そもそも「パーソナルスペース」って？

パーソナルスペースとは、自分だけの領域、つまりテリトリーのことをさします。法的に所有している空間ということではなく、他人に侵入されると不快と感じる空間や距離感のことです。

パーソナルスペースは相手との関係性によっても変わりますし、自分の性格によっても変わります。相手が親しい間柄であれば、パーソナルスペースは狭くなり、そうでないときはスペースが広くなるのです。

また同じように親しい人が相手でも、広いパーソナルスペースが必要なこともあれば、狭いパーソナルスペースで大丈夫ということも。人や状況によって変化するのがパーソナルスペースの特徴のひとつです。

パーソナルスペースの広さは男女で違う？

パーソナルスペースの広さに関しては、個人差も大きいですが男女差もあると言われています。男性の方のパーソナルスペースは円形をしているものの前後に広く、女性の方は円形のパーソナルスペースが広がっているようです。

男性の場合、前後に長いので前や後ろから近づかれると、横から来られるよりも不快感を感じることが多いでしょう。一方女性は前後左右で、パーソナルスペースにそれほど差はありません。

ここで注意したいのは、女性の方がパーソナルスペースが狭く見えることです。女性の方が前後のパーソナルスペースが狭いからといって、誰でも近いづいてOKということではありませんので気を付けてください。

出典：weblio辞書『パーソナルスペースの意味・解説 』
https://www.weblio.jp/content/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B9

パーソナルスペースは人によって違いますが、一般的には相手との関係性ごとに「必要なのはこれぐらいの距離だ」という基準があります。ここでは一般的なパーソナルスペースの尺度をご紹介していきます。

親密距離：0㎝~45㎝

恋人や親しい友人、家族が相手の場合、パーソナルスペースは狭くなります。一般的に密着している0cmから顔を覗き込むくらいの45cmくらまでの距離でも平気です。

具体的には家族や恋人と密着してソファに座ったり、床に寝ころんでくつろいだり、といった状態になります。家族や恋人といった関係より遠い関係の人がこの距離に入ってくると、強い不快感を感じる人が多いでしょう。

個体距離：45㎝~120㎝

通常の友人、知人や会社の同僚などは、この広さのパーソナルスペースが必要と言われています。腕を伸ばして届くかどうかといった、普通の声のトーンで会話ができる距離です。

普段から接している一定の信頼感がある相手の場合は、一般的にパーソナルスペースはこれぐらいになるだろうと言われています。知り合いではない人、素性を知らない人がこの距離に入ってくると不快に感じるでしょう。

社会距離：1.2m～3.5m

同僚は知人ほどの気軽さはないものの、相手の素性を知っているといった程度の相手との距離感はだいたい1.2mから3.5m程度と言われています。例えば会社の上司、取引先の交渉相手などがこのカテゴリーになるでしょう。

普段から接していて信頼感があるわけではないので、1m程度の距離に入られると戸惑いを感じます。少し警戒しつつも、コンタクトを取れる距離といったところです。

公衆距離：3.5m以上

道ですれ違う程度の顔見知りではない人とのパーソナルスペースは、だいたい3.5m以上と言われています。道ですれ違うとき以外は、接点がない人なので信用の程度はかなり低くなるでしょう。

もしこのカテゴリーに入る「知り合いでもなんでもない人」が意識的に距離をつめて近づいてきたら、本能的に警戒心を抱くことがほとんど。ただし人が密集している場所で3.5m以上の距離を取るのは難しいので、知り合いではない人間が多く集まっている満員電車のような状況は、多くの人にストレスを与えてしまいます。

パーソナルスペースは人によって狭い人もいれば、広い人もいます。では、パーソナルスペースが広い人というのは、どのような心理でパーソナルスペースを広く取ろうとするのでしょうか。ここでは、パーソナルスペースが広い人の心理の特徴についてお伝えしていきます。

自分のペースで何事もやりたい

パーソナルスペースが広いということは、他人に気安く近づいてきてほしくないという気持ちのあらわれでもあります。自分の行動を干渉されるのを嫌うため、人との距離を広く取ろうとするのです。

自分のペースを乱されることに強いストレスを感じるタイプの人は、パーソナルスペースが広くなります。いつもはパーソナルスペースが狭い人でも、何かの作業に没頭したいときはパーソナルスペースが広くなるといったことも。

このように何かの作業に集中していて、邪魔をされたくないというときはパーソナルスペースが広くなりがちです。

人との距離を縮めようと思わない

集団でにぎやかに過ごすことが好きな人もいれば、少人数もしくは一人で静かに過ごしたいという人も。少人数や一人で過ごす時間を好む人の場合、人との距離を保ちたがるのでパーソナルスペースも広くなる傾向があります。

もともと距離感が人よりも広いため、パーソナルスペースもそれに連なって広くなっているのです。こういった人に対して急速に距離を縮めようとすると、強い拒否感を抱かれることもあります。

苦手な人とは関わりたくない

人にはそれぞれ相性が良い相手と、悪い相手というものがあります。苦手な相手ともある程度うまく付き合える人もいれば、苦手だと思った人とはまったく付き合えなくなるという人もいるでしょう。

後者の苦手な人とうまく付き合うことができないタイプの人は、最初からすべての人に対して距離を取ろうとする傾向があります。そのためパーソナルスペースもそれに合わせて広くなり、そこに無遠慮に人が入ってくると不快に感じるのです。

相手の心理を敏感に察してしまう

パーソナルスペースが広い人の中には、もともと色々なことに敏感で相手の心理や状況を敏感に察知してしまうタイプの人もいます。相手の気持ちがすぐにわかってしまうので、あまり距離が近いと疲れてしまうのです。

人の気持ちに敏感なタイプの人は自然と人とのスペースを取ろうとして、パーソナルスペースが広くなっていきます。その人が信頼した少数の人は、その人のパーソナルスペースの内側に入れますが、それほど親しくない間柄の人には広いスペースを取ろうとするでしょう。

前の章ではパーソナルスペースが広い人の心理についてお伝えしてきました。では、パーソナルスペースが広い人には何か特徴があるのでしょうか。ここでは、パーソナルスペースが広い人が持つ主な特徴についてお伝えしていきます。

警戒心が強い

パーソナルスペースが広い、すなわち人との距離感が遠い人というのは、元来警戒心が強い傾向があります。人のことを簡単に信じないので、その人のことを信じられない間はまず距離を取ろうとするのです。

心の距離が縮まってくるにつれて、パーソナルスペースが縮小する場合もあればそうでないこともあります。例え心の距離が縮まったとしても、元々パーソナルスペースの設定が広い人の場合はパーソナルスペースが小さくなることはありません。

マイペース

自分のペースを乱されたくない、マイペースな性格の人もパーソナルスペースが広い傾向があります。自分のペースを乱されたくないので、何かに集中したい時や作業をしているときはよりパーソナルスペースを広く取ろうとするでしょう。

マイペースなタイプの人は人と接するのが嫌いというわけでもないので、興味があるときやコミュニケーションを取りたいときはパーソナルスペースが狭くなることもあります。パーソナルスペースはそのときの気分や状況にも左右されますが、マイペースな人は周囲に合わせることが少ないので、より変動が大きいと言えるでしょう。

心配性

先のことが心配になりやすい心配性の人もパーソナルスペースが広めです。先のことを心配するということは、不安感が強く警戒心も強め。そのため、周囲に予測不能な人やものを近づけたくないと思ってしまうのです。

不安感が解消されていたり、先の見通しが比較的はっきりしているときは、パーソナルスペースが小さくなることもあります。心配性の人が強い不安を感じると、パーソナルスペースを絶対に守ろうとして部屋に閉じこもってしまうこともあるでしょう。

自己愛が強い

自己愛が強い人というのは、一言で言うとナルシストです。自分のことに関心を持っているというより、「自分は特別でいなくてはいけない」と何らかの理由で強く思ってしまっている人のことを指します。

そういったタイプの人は自分の価値を損なう人や出来事などをなるべく遠ざけようとして、パーソナルスペースが広くなることも。自己愛が強い人は自信がないが故に不安感も大きく、油断できない人が簡単に近づいてこないように常に警戒を怠らないでしょう。

一人が好き

集団でいる方が落ち着く人もいる一方で、一人や少人数でいた方が落ち着く人もいます。これは優劣ではなくて、人の性格や特徴のひとつです。

一人が好き、少人数が好きというタイプの人は、元来パーソナルスペースが広めです。パーソナルスペースによく知らない人や、大勢の人が入ってくると不快感をより強く感じるからです。

センサーが敏感

色々な情報を他の人よりも敏感に察知してしまうタイプの人もいます。そういった人は、一般的な基準よりもたくさんの刺激にさらされるので、人やものからなるべく遠ざかろうとしてパーソナルスペースが広くなるのです。

センサーが敏感かどうかは生まれつきの要素も大きく、自分の力で変えることが難しいことも。どうしても人よりも多くの刺激を感じ取ってしまう人は、パーソナルスペースを広く取って刺激から自分を守っているのです。

パーソナルスペースが広い人がいる一方で、パーソナルスペースが狭い人もいます。パーソナルスペースが狭い人というのは、どのような特徴を持った人たちなのでしょうか。

ここでは、パーソナルスペースが狭い人の持つ主な特徴についてお伝えしていきます。

他人との距離が近い

他人との距離が近いタイプの人は、パーソナルスペースが狭い傾向があります。他人と距離感が近い人というのは、人と一体感を感じたり感情を共有したりといったことが快適に感じるタイプの人たちです。

だいたいの人と距離感が近いので、パーソナルスペースは自然と狭くなっていきます。オープンな感じがするので、気軽に声をかけられますし、また自分からも周囲に対して声をかけていきます。

社交的な性格

色々な人と会ってたくさんの話をすることが好きな人は、他人を受け入れやすいのでパーソナルスペースも狭くなります。人が近い方がたくさん会話もできますし、また距離が近い方が親近感や好意なども抱きやすいからです。

社交的な人は人と親密になって様々な情報交換をし、感情的な共感を得ることを好みます。パーソナルスペースが広い人とは反対に、一人でいるとむしろ不安になってしまうので、パーソナルスペースを狭くして人が近くに寄りやすいようにしているのです。

自分に自信がある

パーソナルスペースが広い人の中には、警戒心が強く自分に自信がない人も少なくありません。一方で自分に自信がある人というのは、パーソナルスペースをそこまで取る必要がないので、パーソナルスペースは狭くなっていきます。

自分に自信があるタイプの人は、少々人から非難されたり攻撃された程度ではへこたれません。人にある程度攻撃されても折れない自信があるので、人と近づくことへの拒否感が少なくなりパーソナルスペースも小さくなるのでしょう。

社会への信頼感が強い

社会に対して漠然とした不安感があると、恐怖心や警戒心から人と距離を取ろうとしてパーソナルスペースも広くなっていきます。一転して、社会に対して不安や不信感が少なければ、人との距離をそれほど取らなくても大丈夫だと思うでしょう。

つまり、社会に対してそれほど大きな不満や不信、不安感がない人はパーソナルスペースも小さくなる傾向があります。社会の中で困難をあまり経験してこなかった人や、順風な人生を送ってきた人などがこれに当てはまります。

さみしがり屋

一人でいるのが好きという人はパーソナルスペースが広い人の特徴の一つですが、一人でいると不安になってしまうという人はパーソナルスペースを小さくして周囲に人を集めようとします。

どこへ行くのでも人と一緒じゃないと不安になってしまうというタイプの人は、自信ではなく不安からパーソナルスペースを小さくして人と一緒にいようとするのです。

パーソナルスペースを利用することで、相手の気持ちを自分に近づけることもできます。ここでは、気になる人の気持ちをパーソナルスペースを利用して振り向かせる恋愛テクニックをご紹介していきます。

好きな相手のパーソナルスペースを知る

パーソナルスペースは人によって大きさが違います、腕を伸ばした距離よりも離れていた方が落ち着く人もいれば、すぐ隣の席ぐらいの近さが落ち着くという人もいるでしょう。

気になる意中の人にもパーソナルスペースはあるので、まずはその人のパーソナルスペースの広さを知ることから始めてみてください。できれば親密な人とそうでない人との距離感の違いなども知っておくと、自分と相手との距離感もつかみやすくなるのでおすすめです。

席では隣に座る

人によって距離の縮め方や、距離の縮まり方には違いがあります。隣にいきなり座られるとびっくりする人もいるでしょうが、ある程度の顔見知りで嫌われていない場合は、隣に座って仲良くなりたいという気持ちをアピールするのもありでしょう。

「いきなり隣に座るのはちょっと」という場合は、斜め向かいや1つか2つ離れた席に座るなど、すぐ近くの席に座らずに様子をみるのもおすすめです。何回か交流を持って距離が縮まったときに、隣に座ると効果的に好意を伝えることができます。

食器を近くに置いてみる

相手が自分に対して好意的かどうかを知るには、食事中に自分の食器、例えばグラスなどを相手の食器に少し近づけてみるという方法があります。食器というのはプライベートな物なので、自分の食器に近づいたときの相手の反応で自分との距離を測ることが可能です。

もし相手が不快そうな雰囲気を出していたり、そっと自分のコップをあなたのコップから遠ざけようとしたりした場合は、残念ながらあなたに好意はないでしょう。逆に、近づいたコップに無反応だったりむしろ食器を近づけてきた場合は、脈ありのサインとして他の食器も少しずつ近づけてみると良いかもしれません。

徐々に距離を詰める

誰しもがそうですが、知らない人にいきなり至近距離に来られると警戒心を抱いてしまいます。好きな人と近づきたいと思ったときは、まずは現状の距離感を把握して、そこから徐々に距離を詰めていくのがベターです。

相手の様子や反応を確認しながら、どれぐらいまでなら近づいても大丈夫なのか判断しながら行ってください。大丈夫そうなら距離を少しずつ詰めていって、相手も好意的であれば告白するという流れもおすすめです。

パーソナルスペースが狭い人は元々近寄りやすい人なので付き合い方を難しく考えることはありません。しかし、パーソナルスペースが広い人の場合、不安感や警戒心が強いこともあるので注意が必要です。

ここでは、パーソナルスペースが広い人と付き合うときに、どんなことに気を付けるべきかについてお伝えしていきます。

相手を認めて警戒心をとく

パーソナルスペースが広い人の中には、警戒心が強い人も少なくありません。そんな人と距離を縮めていきたい場合は、まずは警戒心をといていくことが大切です。

警戒心の解き方は人によって様々なので一概には言えませんが、まずはその人の言ったことやったことを否定しないという姿勢が必要でしょう。相手の言ったことをいったん受け止めて認めて信頼を得るのが近道です。

真面目に接して信頼を得る

パーソナルスペースが広くて警戒心が強い人というのは、何をされるかわからないという状況が苦手です。なので、そういう人と接する場合はとにかく真面目に行動して信頼感を高めていくことが大切。

冗談やアドリブも苦手なことが多いので、突然予定にないことをふるのはNGです。きちんと予定通りのことをこなしていくことで、その人の信頼を得ることができます。

徐々に距離を縮める

一般的な距離感を持つ人でも、突然距離を縮めてこられたらビックリしてしまうでしょう。パーソナルスペースが広めの人たちは、さらにびっくりして恐怖を感じてしまうかもしれません。

パーソナルスペースが広く警戒心が強い人に近づくときは、徐々に距離を縮めていくのがベターです。相手の信頼を勝ち取り、ここまでならOKかどうかを判断し、少しずつパーソナルスペースを小さくしていきましょう。

相手の物を勝手に移動させるのは厳禁

デスクの上の私物を勝手にいじるなど、相手のテリトリーにあるものを許可もなく触ったり使ったりしてはいけません。そのような行為は相手の信頼を大きく損なってしまう可能性が高いです。

パーソナルスペースが広い人の信頼をなくしてしまうと、再び信用してもらうのに長い時間や多くの労力が必要になります。距離を縮めていきたい場合は、私物などを勝手に使わないで確認を取るようにすると良いでしょう。

パーソナルスペースは人によって広さがまったく異なります。また、状況や相手との関係性によっても、必要な広さは違ってくるので時と状況に合わせて相手との距離感を判断していくのが良いでしょう。

パーソナルスペースが広い人というのは、一般的に警戒心が強い傾向にあります。そんな人と距離を縮めたいときは、一気に詰めてはいけません。

相手の信頼を勝ち取りながら、距離を少しずつ縮めていくのがベターです。誠実な対応と適度な距離感を保って、パーソナルスペースが広い人と上手に付き合っていきましょう。