まずは「自己保身」についておさらい!
自己保身的な考えが強いと、人間関係において様々な弊害をもたらします。また、周りからもよく思われないことが多いです。実際、自己保身の強い人が身近にいて悩まされているという声も少なくありません。
そもそも自己保身とは何なのでしょうか。まずは、その言葉の意味についておさらいしていきましょう。
「自己保身」の意味
保身とは、身の安全を保持すること、地位や名声を守ること、というような意味の言葉です。「保身」だけではネガティブな意味はあまりないですが、そこに「自己」が加わることで「自分の身を守ることを最優先する」という意味合いに変わっていきます。
特に「自己保身が強い」となると、周りの状況を考えずに道理に反してでも自分を守りたがる、という意味で使われます。自己中心的で自分勝手なイメージが加わりますね。
「保身」の使い方
「保身」という言葉を使うときは、「保身のための行動」「保身を考えての発言」というように、ポジティブな意味で使われることはほとんどありません。自分の身を守ることが一番、という皮肉めいたニュアンスが含まれます。
また、そのニュアンスがよりわかりやすい使い方として、「保身に走る」という表現もあります。例えば、仕事などで本来ならもっと向上心を持ってチャレンジすべき場面なのに、それを怠って守りに入った、という意味で使われることが多いです。
「自己保身」の類語
自己保身にはいくつか類語があります。「自己防衛」「自己弁護」などがその代表といえるでしょう。いずれも「自分を守る」という意味の言葉ですが、自己保身に比べると、敵から身を守る、不利益を避けるというニュアンスがより強く感じられるのではないでしょうか。
自己保身のようにネガティブな意味合いを持つ類語としては、「自己正当化」が挙げられます。自分は悪くないということをアピールし責任逃れをするという意味ですので、自己保身と同様に、ずるさや小賢しさを感じさせる言葉といえるでしょう。
自己保身が強い人の心理って?
そこで、自己保身が強い人の心理について少し見ていきましょう。なぜ自己保身に走ってしまうのか、彼らは何を考えて常に自分を守ろうとするのかを探ります。
問題から目を背けたい
問題に直面したとき、その問題と向き合う強さを持ち合わせていないため、目を背けたいという気持ちが勝ってしまうのだと考えられます。トラブルが苦手な事なかれ主義のまま長年生きてきたのでしょう。そのせいで問題処理能力が著しく低いのです。
問題処理能力が低くても立ち向かう勇気があれば、経験を積みやがて自信となっていくでしょう。ところが怠惰な性格のせいで向き合おうとしないので、いつまでも改善されず逃げ腰のままなのです。
自分の非を認めたくない
自分が可愛い、自分が一番大切という気持ちが強いせいで、素直に非を認めることができません。自分のミスでも人のせいだと思い込む癖がついてしまっているのです。変なプライドと頑固さがあり、失敗や落ち度を認められなくなっているのでしょう。
自分の弱い部分やダメな部分を認めてプライドが傷つくのが怖いのです。自分で自分を守ってかばうことでしか、プライドを保つことができなくなっているのですね。
失敗したくない
失敗するのが人一倍怖いという心理も影響しているでしょう。そもそも自己保身が強いタイプの人は経験不足なことが多いです。失敗もろくにしないまま大人になってしまったので、挫折が怖いのです。
失敗したら、自分が守ってきたものがすべて崩れ去るのではないかと思ってしまいます。そのためラクな方へと流されやすく、新しいことにチャレンジしたり問題に向き合ったりすることを極力避けようとしてしまうのです。
周りに嫌われるのが怖い
自己保身が強い人は、周りの目を非常に気にします。そのせいで失敗を避けたりトラブルから逃げようとしたりしてしまうのです。その逃げの姿勢がかえって嫌われる原因となっているのですが、本人は気付いていないことが多いのですね。
変に意見を言ったら嫌われるのではないか、自分が悪者になるのは嫌だという気持ちが強すぎて、消極的になるあまり怠けているように見えてしまうのです。
自己保身が強い人の性格・特徴《長所編》
そのような人は、自己保身の強さとうまく付き合いながら長所にも変えてしまっているのでしょう。非常にうらやましい性格の持ち主ですが、彼らにはどのような特徴があるのでしょうか。
世渡り上手
うまく人との距離を縮めながら、自分が損しないように上手に立ち回る「世渡り上手」タイプは、自己保身が強くても周りに嫌われにくいです。いわゆる「憎めないキャラ」で愛嬌があり、ちゃっかりしているけれど可愛がられやすい性格なのですね。
頼み事の仕方も上手なので、周りもついつい快く引き受けてしまうのです。自己保身が強くても周りを不快にさせないなら、キャラとしてありなのでは?と思ってしまいそうですね。
リスクを回避しやすい
失敗を避ける性格ですので、果敢に何事にもチャレンジする人よりもリスクを回避できるというメリットは当然あるでしょう。向上心やチャレンジ精神も実は良し悪しで、例えば事業に失敗して借金を負うなど、生活を左右するほどのリスクだってあるわけです。
いくら向上心があっても生活できなくなったら話になりません。それならリスクを避けて無難に生活した方がいい、と考えるのも自然なことではないでしょうか。自己保身な性格だからこそ食いっぱぐれるリスクはないと言えるのです。
表面上では誰とでも円満でいられる
人と対立することを極力避けるため、激しいトラブルなどに発展することはあまりないでしょう。ただし逃げの姿勢のため裏では何をいわれているかわかりませんが、とりあえず表面上では誰とでも円満でいやすいというのも長所と考えられます。
直接意見をぶつけ合って修羅場になることもないですし、気性の荒い人と対峙する恐怖も感じずに済みます。本音をさらけ出すバトルで分かり合える関係もありますが、エネルギーを使うことですので、保身により避けることができた方がいいという人もいるでしょう。
ストレスが溜まりにくい
責任逃れをしていれば、負担が自分ではなく他人へ行くため、ストレスが溜まりにくいです。周りからしたらたまったものではありませんが、自己保身により負担が軽減され身も心も健康でいられるというのは、本人にとっては大きなメリットですよね。
なんでもかんでも請け負って自分で自分の首を絞めてしまうことを考えれば、上手に逃げながら自分を守る生き方の方がラクに決まっています。周りからはもちろん疎ましがられますので、それを気にしないメンタルの強さが必要ですが…。
自己保身が強い人の性格・特徴《短所編》
自己中心的
周りの状況がどうであっても、自分を守ることしか考えていない自己中心的な面は、やはり短所といわざるを得ません。それで人に迷惑をかけていないのであればいいかもしれませんが、自己保身な態度のせいで周りに負担をかけることは避けられないのです。
仕事においても恋愛や友達関係でも、自己中心的な性格は相手を不快にさせてしまいます。一緒にいたくないと思われてしまう残念な面なのです。
すぐ責任転嫁する
責任を持てず、すぐ人のせいにするというのは困りものですよね。自分を守りたいがために人に責任をなすりつけて保身に走るのは、人としてもかなり残念です。
責任を負いたくないという気持ちはわかりますが、自分が負うべき責任を他人に押し付けてまで逃げようとするのはいかがなものか、と誰もが思うはず。それが想像できないという時点で、ある意味で未熟だとも言えるでしょう。
嘘をついたりごまかしたりする
自分を守りたいからといって、嘘をつくというのはどうでしょうか。本当のことを言ったら怒られる、嫌われるという恐怖が勝ってしまい、嘘をついたりテキトーにごまかしたりしてその場をやり過ごそうとするのは、とても浅はかです。
相手を傷つけないための嘘なら時には必要かもしれません。でも、自己保身のための嘘はひどいだけですよね。そして嘘をつくことでうまくやり過ごせると、それに慣れてやめられなくなってしまいます。
決断力がない
決断するということは、責任を持つことにもつながります。自己保身が強い人はとにかく責任を持つことを避けたがりますので、決断も人任せになりがち。いつまでもウジウジと決められず相手に委ねるばかりで、人としての魅力もなくなってしまいます。
ただの優柔不断ではなく、責任転嫁したいから決断しないのですから、たちが悪いですよね。
自己保身する人との上手な付き合い方
一定の距離感を保つ
相手とあまり深い関係になると依存される関係になり、ますます負担が増えてしまう可能性が高いです。そのため、自己保身が強い人が身近にいる場合は一定の距離感を保つことをおすすめします。
自分にとって負担に感じることはしない、相手にも期待しないというように割り切って付き合ってみると、イライラすることも減っていくでしょう。
言葉を真に受けない
自己保身が強い人は自分を守ることで必死なあまり、他人に対して心ない言葉を浴びせることもあります。人に対する思いやりや配慮が欠けているせいですので、もし嫌なことを言われても真に受けないようにしましょう。
責任転嫁をするために自分は悪くないとアピールし、相手に非があるかのように言うこともあります。「また言ってるよ」くらいの客観的な捉え方で受け流すようにして下さい。
我慢しすぎずNOと伝える
面倒なことを押し付けられたり、責任転嫁するために理不尽に責められたりしたら、我慢しすぎないことも大切です。他人の自己保身に付き合わされて自分がストレスを溜めこんでは元も子もありません。
理不尽なことにははっきり「NO」を伝えていいのです。自分が大事なのは誰でも同じなのだとわかってもらいましょう。
相手に非がある場合は毅然とした態度で接する
ミスをしたのに反省しない、迷惑をかけたのに謝罪しないという態度を見せられると、腹が立ちますよね。明らかに相手に非があるにもかかわらず、いつまでも自己保身的な態度を貫こうとするようなら、こちらもやり方を考えましょう。
場合によってはペナルティを課してもいいかもしれません。友達や恋人なら縁を切るつもりで毅然とした態度で接しましょう。態度を改めないとマズいと思わせることも必要なのです。
自己保身的な考え方を直すには?
そうなる前に、自己保身的な考え方を直す方法をチェックしておきましょう。
責任感を持つ
責任を人になすりつけるのをやめて、自分で責任感を持つよう訓練しましょう。自分の尻は自分で拭け!と自分に言い聞かせ、すぐ人のせいにしたり面倒なことから逃げたりするのはやめなければなりません。
責任感を持って物事に取り組めば必ず身になりますし、その積み重ねが自信となり自己保身の鎧を外すために役立つはずです。
プライドを捨てる
自己保身が強いときに持っているプライドは、空っぽの偽物のプライドです。そんなものに縛られるのはやめて、弱い自分やダメな自分をまずは自分自身が認めることから始めましょう。
本当の自分と向き合い、何事にも逃げずに取り組んでいくことで、本来のプライドを取り戻せるようになりますよ。
失敗を恐れない
プライドを捨てるためには、失敗を恐れずチャレンジするという行動がおすすめです。逃げてばかりでいるよりも、失敗しても様々なことに取り組んでみた方が、経験値もアップしますし周りからの見方も変わっていくでしょう。
「失敗するためにやってみる」くらいの気持ちで、「できない」を言わないような生き方を意識してみて下さい。
自己保身的な考えは嫌われると自覚する
周りから嫌われたくない気持ちから自己保身に走ったら、結局自己保身のせいで嫌われるという皮肉。このような状況にいることを自覚しましょう。嫌われたくない自己保身な行動は逆効果なのです。
自分を守ることだけを考えるのではなく、周りへの思いやりや配慮を心がけながら生活してみると、もっと毎日が楽しくなっていくはずですよ。
自己保身は改善が難しい!上手に付き合おう
でも、内側ばかりに向いていた意識を周りに向けてみるだけでも、少しずつ自己保身な考えは和らいでいくのではないでしょうか。そしてその変化は周りにも伝わっていくはずです。自己保身が強い人も周りの人も、長い目で見ながら上手に付き合っていきましょう。
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