自暴自棄になる人の特徴を解説！対処法や自暴自棄の人への接し方も

何をしても満たされない、不満ばかり感じてしまう。そんな瞬間は誰にでも訪れるものといえます。また、こうした状態を自暴自棄とも言うでしょう。

自暴自棄な状態から早く立ち直るためにも、まずは自暴自棄の意味について知っておくことが大切です。意味を知れば、自分の状態がよく分かるようになりますよ。

「自暴自棄」の意味

そもそも自暴自棄とは、自分に対して酷い扱いをしたり卑下したりすることを指します。例えば、自分にとって悪いことと分かっているのに、それをあえて行ってしまう状態といえるでしょう。自分を尊重するような気持ちが薄れているので、時に暴挙に出ることも…。

また、自暴自棄は「やけくそ」「やけっぱち」などの言葉に言い換えることができます。どれも似たような意味を持つため、こうした状態が自分にとって良くないことが分るでしょう。

自暴自棄に陥ったままでいると、さらに自分に対して卑屈になっていきます。幸せとは真逆の方向へ進んでしまう恐れもあるからこそ、早急な対処が必要です。

「自暴自棄」の語源

自暴自棄の語源や由来は、中国の孟子（もうし）の言動が記された書物がその始めとされています。自分を大切に扱わずに投げ出してしまう人ほど、有意義な時間は過ごせないといった内容が記されているものです。

人は自分を大切にしてこそ、本当の幸せを手に入れると言われています。しかし、自暴自棄という状態は、自分を幸せにするどころか不幸せにするものです。自分の全てを投げ出してしまうような状態を示す言葉といえるので、お世辞にも良い状態とはいえません。

より良い人生を歩むためには、自分への理解も大切です。自暴自棄だからといって人生を投げ出さないためにも、適切な対処法を知っておきましょう。

その言葉で礼儀をそしる者、これを自暴と言う。自分自身を仁の中に置いたり、義に基づくことができない者、これを自棄と言う。
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自暴自棄になった時の対処法を知る前に、まずは同じく自暴自棄になったという人のエピソードを見ていきましょう。

同じような悩みや状態を持つ人がいると知るだけでも、心は軽くなっていくものです。今後の対処の役に立てるために、どんなことをきっかけに自暴自棄になるのか知っておきましょう。

まだ好きだったのに突発的に別れた

「まだ好きだったのに、彼女と突発的に別れました…。すべてがやるせなくなってしまい、自暴自棄に陥っていた…」（男性/27歳/会社員）

好きという気持ちはあっても、喧嘩などの拍子に突発的に別れてしまうことってありますよね。本意ではないけれど、一度別れてしまった以上元通りになるなんてできない…。こうした葛藤が強いと自暴自棄になりやすいです。

現実と理想との差が大きいため、自分ではどうにもできないと感じてしまうのでしょう。冷静な視野を持たないと、今後も同じようなことを繰り返す恐れがあるので注意が必要です。

失恋して一夜限りの関係を…

「失恋の寂しさから一夜限りの関係を…。自暴自棄になっていたとはいえ、自分でも何であんなことをしたのかと後悔ばかりです」（女性/24歳/OL）

失恋など、心に大きな傷を負うほどの出来事に遭遇すると、人は自暴自棄になりやすいです。自分なんてどうにでもなってしまえと思ってしまうと、時に思いもよらぬトラブルを招く場合も。特に、寂しさから一夜限りの関係に走ってしまえば、後に残るのは後悔ばかりです。

そのため、自暴自棄になっているときほど冷静な判断を心がけましょう。自分をさらに傷つけないためにも、衝動的な行動に出ないよう冷静になることが大切です。

人生の目標を見失って自暴自棄に…

「人生の目標を見失って自暴自棄に…。やりたいことも夢もなくしたときには、本当に生きている意味が分からなかった…」（男性/33歳/会社員）

人生の目標を見失うと、何も楽しくない、生きている意味がないとすら感じられますよね。こうした状態が続けば続くほど、人は自暴自棄になっていくもの。早くにやりがいや生きがいを見つけなければ、さらに心は荒んでいくでしょう。

また、自暴自棄な状態が続くほど、荒んだような状態に多くの人が嫌気を感じ、自分の元から離れていきます。より孤独を味わう恐れもあるからこそ、早急な対処が必要です。

孤独を感じ、大きな不安からやけくそになって…

「孤独を感じ、大きな不安からやけくそになって…。毎日が楽しくなくて、本当に生きているのがつらかったです」（女性/28歳/OL）

自暴自棄になる原因には、不安や恐怖といったものも関係しています。例えば、恋人もできず寂しい日々を過ごしていると、自信も失われていくでしょう。これによって自分を蔑ろにするような考えも生まれるため、自暴自棄といわれる状態になっていきます。

しかし、こうした不安や恐怖は持ち続けるだけ自分を苦しめるものです。どこかで捨てる決心をしなければ、より自暴自棄になり衝動的な行動ばかり起こすようになるでしょう。

自暴自棄になってしまうのは、主に次のような心理が関係しています。

その心理を知っておくことで、自暴自棄になる前に対処していくことができるでしょう。自分が陥りやすい心理を知り、より良い生活のために役立ててみてくださいね。

自分自身の今に不満がある

自分に対して強い不満を持っていると、人は自暴自棄になりやすいです。例えば、理不尽なことを強いられたり納得できないことがあったりすれば、「自分ばかり酷い目に合っている」と思うようになるでしょう。

また、どうしようもない現実を叩きつけられれば、力のない自分に絶望もします。これによって「自分なんてどうでもいい」と思うようになり、自暴自棄に陥ってしまうのです。

しかし、世の中には自分ではどうにもできないことがあるのも事実といえます。そうしたことを理解していくことで、自分自身への不満とも闘っていけるでしょう。

生理的欲求が満たされていない

寝たい、食べたい、癒されたいなど、生理的欲求が十分に満たされていないのも自暴自棄を招く心理といえます。こうしたものはほんの些細なものでも、積み重なることで大きなストレスとなって自分を襲うでしょう。

その都度対処していかなければ、いつか制御が効かなくなって爆発するものです。毎日仕方ないと割り切りながら付き合っていても、こうした欲求不満は満たされるまで消えません。

そのため、生理的欲求不満を感じているなら、早くに対処しましょう。その都度対処していくことで、自暴自棄になることも少なくなるでしょう。

将来に対して強い不安や恐怖を感じている

将来に対する不安や恐怖が強くなるのも自暴自棄になりやすい状態といえます。自分の思い描く未来と現実に大きな差があると、人は強い不安や恐怖を感じるでしょう。こうしたものに打ち勝っていけないと、暗い気持ちに飲み込まれてしまいます。

また、先の見えない不安から「何をしてもどうにもならない」といった絶望も感じるでしょう。これによって希望が持てなくなり、自分に対して否定的になっていくのです。

確かに、先の見えない状態は誰にとっても不安が大きいもの。しかし、明るい未来を掴むためにも、自暴自棄になるのではなく正しい判断をしていくことが大切です。

何をしても上手くいかないと自信を失っている

自信が満ち溢れているときは、人は自暴自棄になるどころか自ら積極的に動こうという意思が芽生えますよね。しかし、自分に自信が持てないと「何をしてもどうせダメだ」「自分なんて」とネガティブに考えるように。

これによって未来に希望が持てず、やる気も生まれなくなります。また、動くよりも先に悪いことを考えてしまうので、より自分だけが周囲から取り残されたように感じるでしょう。こうした「どうにもならない」と感じる状況に陥るほど、人は全てを投げ出したくなるのです。

ここからは、自暴自棄になる人の特徴を紹介していきましょう。

自暴自棄は誰もが陥る可能性のある状態といえますが、特になりやすい人には次のような特徴があります。早くに対処していくためにも、状態チェックの参考にしてみてくださいね。

我慢できない性格

人は生きていくうえで、いくらかの我慢を強いられるもの。多くの人はそうした理不尽ともいえる一方的な要求に対しても、我慢によって乗り越えることができるでしょう。しかし、我慢できない性格をしていると、社会と自分との間の溝に上手く折り合いをつけられません。

これによって他人よりも強く理不尽さを感じてしまうのです。また、自分の思い通りにならないとあれば、フラストレーションはより溜まっていくでしょう。何をしても心が満たされなくなり、次第に自分に対しても攻撃的になっていきます。

他にも、自分を優先する考え方をしていると、どうにもならないことに対して諦めをつけることができません。どうにかしたいという欲求だけが空回るため、自暴自棄になるのです。

ストレスが多い

普段からストレスを溜め込みやすい、感じることが多いという人も自暴自棄になりやすいです。自暴自棄は自分を追い詰めてしまうほどのストレスを解消できていない証といえるので、ストレスが多い人は気をつけましょう。

また、ストレス解消法を身につけられていないと、自分で上手にストレスを発散できません。これによって消化する前にすぐに新しいストレスが追加されてしまうので、より自分が「苦しい」「辛い」といった状態になっていくのです。

ストレスは適度に発散していかなければ、自分自身を壊すもの。だからこそ、早くに対処しなければ自暴自棄を繰り返すでしょう。

ネガティブに考えやすい

物事をすぐに悪い方へと考えてしまう人も自暴自棄になりやすいといえます。人間誰しも未来や現状をネガティブに捉えることはあっても、上手く折り合いをつけることで前向きに考えていけるもの。しかし、何でもネガティブに考えてしまう人は、希望を持つことができません。

目の前にある不満に対してさらに悪い感情を重ねてしまうので、より泥沼にはまっていくでしょう。これではいざ抜け出そうとしても、なかなか現状から抜け出せません。

また、ネガティブに考えやすいと人からのアドバイスも棘があるように感じます。自分が責められていると感じやすいため、味方がいないように思い込んでより自暴自棄になっていくのです。

自己表現が苦手

自分の感情や気持ちを外へと表現するのが苦手な人も自暴自棄になりやすいです。何か困ったことがあれば、外へと助けを求めればいくらかは救われるというもの。しかし、自己表現が苦手だと、そもそも助けを呼ぶことができませんよね。

これによって悪い感情を全て自分の中に閉じ込めてしまうので、発散しようにも上手くできない人も多いでしょう。さらにここにストレスが追加されれば、自分の全てを投げ出したくなってしまうほど嫌に感じてしまうのは仕方のない話といえます。

また、こうならないためにも自己表現力を身につけることも大切です。周囲にSOSを出せるようになれれば、自暴自棄になることも少なくなっていくでしょう。

ここからは、自暴自棄になったときの対処法について紹介します。

自暴自棄になったからといって、そのままの状態でい続けては自分がさらに苦しくなるだけ。だからこそ、自分で対処し自暴自棄な状態から抜け出していきましょう！

何も解決しないことに気付く

自暴自棄になると、ついつい自分を傷つけたり卑下したりしてやけくそになってしまうでしょう。人生がどうでもいいと感じられるため、悪いことばかり繰り返してしまう人も。しかし、そんなことを続けていても何も解決しないことに気づきましょう。

むしろ、自暴自棄な状態を続けるほど状況は悪化していきます。早くに元の健康な状態を取り戻すためにも、自暴自棄になっても解決しないと自覚しましょう。

また、そのためには自暴自棄になった原因を見つめなおすことも大切です。よく状況を整理することで、選ぶべき道も見えてくるでしょう。

現実を素直に受け入れる

自暴自棄な自分から抜け出すためには、現実を素直に受け入れることも大切です。どんなに理不尽な現実であっても、自分では変えられないことも多いもの。そうした現実にその都度苛立ったり怒ったりしていては、自分が疲れてしまうだけでしょう。

そのため、「仕方ない」「今は我慢」と割り切っていくことも大切です。現実をありのままに受け止めることで、傷が軽く済む場合もあるでしょう。

また、現実を受け止めると前に進もうという意思も生まれます。やけくそになっていた自分にお別れできるので、自暴自棄になっているときほど現実を受け止めましょう。

熱中できることを見つける

心を健康な状態へと戻すためにも、熱中できることを見つけましょう。趣味など時間を忘れて熱中できるものがあれば、心の傷も徐々に癒えていきます。楽しいと感じられれば、負った傷さえ忘れてしまうでしょう。

また、熱中できるものがあると人生が楽しくなっていきます。これによって、嫌なことがっても趣味に熱中すればすぐに忘れてしまう場合も。

自分の感情を上手くコントロールできるようになるので、熱中できるものを持っていないならそれを探してみましょう。

物事を別の角度から見てみる

ふとした瞬間に嫌なことを思い出す人も多いですよね。自分では割り切ったつもりでいても、ふとした瞬間に思い出してしまえば暗い気持ちに心を占領されます。

そうしたことを防ぐためにも、物事を別の角度から見てみましょう。例えば、理不尽なことがあったとしても、「これは自分に課せられた試練」だと思うとやる気が起きてきませんか？それを乗り越えてこそ強くなれるとしたら、心持ちも変わってくるでしょう。

悪いことが起きるとついついネガティブに捉えやすいですが、別の角度から見ることでポジティブに考えていけますよ。

自暴自棄になってしまった場合には、次のような対処法もおすすめです。

気持ちを元に戻そうとしたとき、多くの人は自分を叱咤激励するでしょう。しかし、時には自分を甘やかすことも大切です。自分に合った対処法を行うことで、より早く健康な状態へと復帰できるでしょう。

好きなことを好きなだけ行う

満たされないという気持ちから自暴自棄になっているのなら、好きなことを好きなだけ行ってみましょう。例えば、睡眠不足で自暴自棄になっているならとことん寝るのです。自分が欲していることを行うことで、精神的な満足感を得ることができますよ。

これによって心が満たされれば、自暴自棄な状態も落ち着いていくでしょう。また、自分を労わってあげることで安心感も生まれてきます。

逆に、辛い状態の自分に鞭を打ち続けても状況は悪化するだけ。より早い回復を迎えるためにも、時に自分が望んでいることを叶えてあげましょう。

自分の味方になってあげる

自暴自棄になると、ついつい自分を卑下する人も多いでしょう。「こんな自分だから」「どうせ自分なんて…」などと否定や卑下してばかりでは、状況も良くなりません。だからこそ、心が弱っているなら自分の味方をしてあげましょう。

例えば、自分自身を認めてあげると効果的です。「仕方なかった」「次頑張ればいい」と自分を認めてあげることで、心は軽くなっていきます。無理して自分を叱咤激励するよりも、より早く心の傷は回復していくでしょう。

また、自分を認めてあげると自信が戻ってきます。次頑張ろうという意欲も生まれてくるので、自分ばかりを責めないことも大切です。

誰かに相談してみる

自分の中にもやもやとしたものを感じているなら、誰かに相談するのもおすすめです。あれこれ頭の中で考えていても、余計に悪いことを考えてしまう人もいるでしょう。気持ちを吐露するだけでも気持ちが楽になることも多いので、信頼できる人に話すと良いですよ。

また、誰かに相談するときは、ただ話を聞いてほしいのかアドバイスが欲しいのかを明確にしましょう。事前に「こんな風に聞いてほしい」と話すことで、より自分が納得できる形で相談することができます。

逆に、ただ淡々と話すだけでは自分が納得しきれないことも多いです。より納得して心を軽くするためにも、どう話を聞いてもらいたいのかをまず自分に問いかけてみましょう。

運動をして体を動かす

あれこれ頭で考えることが嫌なら、思いっきり体を動かしてみましょう。運動をして体を動かすと、適度にいい汗を流すことができます。汗と一緒に嫌な気持ちも流れていくので、ひとしきり動いた後にはすっきりとした気持ちになれるでしょう。

また、体を動かしていると感じ方も変わってきます。あれほど納得のできなかった現実に対しても、体を動かすことで「仕方ない」と割り切れるようになるでしょう。

体を動かすことでエネルギーを感じられるため、一人もやもやと悩んでいるなら積極的に運動することをおすすめします。

続いては、自暴自棄になっている人への対処法を紹介します。

自暴自棄になってしまうのは、何も自分だけとは限りませんよね。時に周りの人が自暴自棄に陥ってしまうからこそ、そうしたときの対処法を知っておきましょう。

話を聞いてあげる

周囲の人が自暴自棄に陥っていたら、まず話を聞いてあげることが大切です。どんなアドバイスや指摘をするにしても、まずは相手の事情や状態を把握しなければ、適切な言葉をかけてあげることはできません。

また、話を聞いてあげるときは相手を落ち着かせてあげることも大切です。自暴自棄になっているままでは、思うように話も聞き出せないでしょう。相手を解決へと導いてあげるためにも、どういった問題を抱えているか聞き出してくださいね。

自暴自棄な人の話を聞くだけでも、相手を安心させることができます。急かさずゆっくりと話を促すことで、相手の状態も徐々に落ち着いていくでしょう。

相手の気持ちを否定しない

相手の話を聞くことは大切ですが、話を聞いているときに否定するのはやめましょう。人によっては、「こうした方がいい」「そんな行動はダメだ」とアドバイスしたくなりますよね。しかし、相手の気持ちを考えないアドバイスは否定にしか聞こえません。

さらに追い打ちをかけることになるので、話を聞いてあげるなら理解を示しましょう。「そうだね」「辛かったね」と痛みを理解してあげることで、相手も落ち着くことができます。

逆に、叱咤激励のためだからと否定や辛い言葉ばかりかけては、自暴自棄をさらに悪化させる恐れも。相手のためだからといって、辛い言葉ばかりかけないよう言葉を選びましょう。

一緒に出かけてリフレッシュする

自暴自棄になっている人の話を聞いてあげても、時には問題が解決しないこともあるでしょう。そんなときには、一緒に出かけてリフレッシュするのもおすすめです。共に物事を楽しむだけでも、いい気分転換になるでしょう。

また、楽しい気持ちが生まれると、物事に対して前向きになっていけます。「考えていても仕方ない」として、また頑張ろうと前を向いてくれる場合も。

部屋に閉じこもっているだけでは、良い結果を招くことはできません。悪い気持ちや感情を吹き飛ばすためにも、外に出ることを促してあげましょう！

自暴自棄に陥ると、全てが敵のように感じてしまうことも多いですよね。しかし、自暴自棄になっている状態はお世辞にも正常であるとはいえません。だからこそ、自暴自棄を自覚しているなら一度冷静になってみましょう。

心を落ち着かせるだけでも、状況を別の角度から見れるようになります。一度間を置くことでプラスに捉えられることもあるでしょう。逆に、自暴自棄な状態を続けたままでは、状況を改善へと導くことは難しいです。

どんなときでも心を安定させるためには、冷静な視野が必要になります。自分で状態を改善へと導くためにも、自分が本当に求めているものを見極めましょう。