恋愛離れの実態とは？若者が「恋愛しない理由」リアルな声を聞いた！

最近は「若者の〇〇離れ」という言葉をよく耳にします。現代の若者は何かに執着するといった情熱が少し薄れてきているような傾向があります。そんな若者の”〇〇離れ”ですが、深刻に受け止めなければいけないのは、恋愛にあまり興味がなくなっていく”恋愛離れ”です。

少子化なども叫ばれる昨今、男女の恋愛には興味がなく、また恋愛の経験も無いという若者が増えているというのは、いささか放っておけない現状といえます。

過去に交際経験の有無は？

2018年の成人男女に行った調査によると、過去に(これまで)交際の経験がある男性は55％、女性は69％で、全体で見ると62％が過去に恋愛の経験があると答えています。

全体で見ると2017年の調査では59％だったので、3％アップしています。ちなみに2016年の調査では57％なので、少ないとはいえ徐々に上昇傾向にあるという結果が出ています。

現在恋人はいる？

現在お付き合いしている恋人がいるかという調査では、男女合わせて31％という結果が出ています。31％という数字はとても少なく感じてしまいますが、10年前の調査では29％ということでしたので、これでも上向き傾向にあります。

現在の恋人との知り合い方は？との問いにはSNSで知り合ったと答えた若者が2017年の37％から2018年は40％と増加していることも分かりました。

結婚願望はある？

一方の結婚願望はあるかという調査では84％と以外にも”結婚したい”と考えている若者は多いということが分りました。この割合は2002年以降の調査では最も高い数字といえます。

若者の草食化が進んでいるといわれていますが、ここ十年で少しずつ改善の傾向が見られ、結婚に対する意識は高まっているということが分ったようです。ちなみに、結婚したいと思う年齢は25歳という事で、その理由は「家族が欲しい」や「子供が欲しい」ということだそうです。

ここ数年の調査結果では改善の傾向にあるとはいえ、まだまだ若者の恋愛離れが深刻です。ではどうしてこのようなことが起こるのか、一般の方の体験談を参考に分析していきましょう。

一人でも寂しくない

「自分の趣味はオンラインゲーム。チャットしながらやるゲームにハマっています。実際に会話しているわけじゃないけど、チャットでは仲間と交流してるから寂しいなんて思ったことないかな。彼女なんか作っちゃったら、自由にゲームもできないでしょ。だったらゲームの方がいいかな。」(22歳・男性)

この男性は、さしずめゲームが恋人といったところなのでしょう。友達がいない訳ではない、しかも好きなゲームが一人ならいくらでもできるという理由で恋愛をすることを諦めてしまっているようです。

友達と遊べば十分

「私、友達はたくさんいるんです。その中にはもちろん男性もいますよ。ただの友達だけど(笑) だからその友達と遊んでいられれば満たされちゃう。友達とだったら面倒なお洒落なんて気にする必要無いでしょ？」(23歳・女性)

気軽な友達関係なら、この女性のように確かに楽です。彼氏のためにお洒落したりして、無理するくらいならライトな友達関係の方が良いという考えです。

趣味があるから満たされている

「僕の趣味は車のレースなんだけど、時間もお金もかかるんですよ。だけど、女と遊ぶより数十倍没頭できるし、なんてったって楽しい！趣味でこんだけ満たされてるから彼女は今は要らないって感じかなー。」(26歳・男性)

没頭できる趣味があるとなかなか恋愛は難しいようです。若者の恋愛離れの原点はこの男性のように”他に没頭することがある”ということに尽きるのかもしれません。

面倒くさい

「恋愛離れとか言われても、ぶっちゃけ彼氏作るのなんて面倒くさい！実際に好きな男もいない訳だし…告白とかも面倒かな。そのうち好きな男でも現れたら考えるけど、今はいいや！」(20歳・女性)

若者の恋愛離れは”面倒くさい”の一言で片づけられることが非常に多いように感じます。面倒な理由の一つは、やはり自分のテンションを恋愛モードに切り替えなければいけないというところからくるようです。

女性なら身なりを飾らなければいけない、男性なら多少お金がなければ等々です。この女性のように好きな男性でもいればその気になるのかもしれませんが、なかなか簡単にはいかないですよね。

自分に自信がないから

「オレ太ってるし、顔も全然良くない。話もたいして面白くないし…自分の中で自信のあることって一つもないんです。こんなオレのことなんか好きになってくれる女性いませんよ。今さら努力したってもう無理無理…。」(28歳・男性)

この男性はまったく自分に自信が無いようです。自分に自信がないなら多少の努力をするべきだと思うのですが、最初からあきらめモードに入ってしまっています。このような男性・女性が増えていることが恋愛離れを加速させてしまうのでしょう。

多分うまくいかないと思うから

「自分の性格上、彼女に合わせて付き合っていくっていうのは無理な気がする。彼女が出来たら多少こっちも我慢しなきゃいけないでしょ。なんかそんなのおかしくないですか？自分のワガママ全部聞いてくれるっていうなら付き合ってもいいかな。」(20歳・男性)

ギョッとしてしまう意見だと思ってしまいますが、実際こんな考えの若者は男女に関係なく今はたくさんいます。有名な某ミュージシャンも不倫騒動でこのような意見をテレビで言っていたのはまだ記憶に新しいところです。自分本位の考え方を変えなければ恋愛離れからは抜け出せないでしょう。

今までに人を好きになったことがないから

「私今までに人を好きになったことがないんです。人を好きになるっていう感覚ってどんな感じなんでしょう？教えて欲しいくらいです。最近はちょっとそんな自分もヤバいかなと思ってます。」(25歳・女性)

恋愛というものがなんなのかこの女性は分からないようです。人を好きになったことがないのでは恋愛離れどころの騒ぎではありませんよね。体が拒絶するのか心が拒絶するのか分かりませんが、人を好きになったことがないという人は自分のことも好きじゃないという人が多い傾向にあります。

仕事・勉強の方が大事

「上司には「最近の若い奴は皆恋愛離れしてる！」ってよく言われますけど、いやいや…こんなに仕事が忙しかったら恋愛する暇もないでしょって言いたいですよ。要領が悪いから残業になっちゃうのかもしれないけど、家に帰ったらもうクタクタ！出会いを求める時間があったらゆっくり休みたいです。」(27歳・男性)

この男性は物理的に恋愛離れが進んでしまっています。仕事でクタクタということなので、”遊ぶ”スタミナが残っていないのでしょう。昔と今の若者を比較すると、昔の若者はどんなに仕事が忙しくても遊びに使う体力は別でしたが、現代の若者は一緒になってしまうようです。

オトナの世代から見たら今の恋愛離れはどう映っているのでしょうか。否定派の意見・肯定派の意見と両方の意見があるようです。どちらが正しいとは一概にいえませんが、そんなオトナ世代の考えを覗き見てみましょう。

積極性が足りない

「今の若いやつは草食ってるでしょ、草食系っていうの？それじゃあ女性にガツガツいけないよね。俺たちのころは彼女がいなかったら街にナンパしに出掛けたもんだよ！もっと積極的にいかなきゃ益々恋愛離れしちゃうよね。」(38歳・男性)

積極性がないから恋愛離れが進むのではないかという意見です。そういえば、今は昔と違って街で女性に声をかけているなんて男性は見かけなくなりました。

結婚へのプレッシャーがなく羨ましい

「私たちの頃は女性は23歳ともなれば周りから結婚のプレッシャーをかけられたけど…今の若い子たちはそんなこともなく自由で羨ましいです。私の場合、焦ってその時一番近くにいた男性とまぁいいかって感じで結婚しちゃいました。(笑)」(40歳・女性)

今は年齢と結婚はあまり関係がないことは確かです。30歳目前でもまだまだ自由を謳歌している若者はたくさんいます。時代がそうなのか、恋愛離れが進んでそうなってしまったのかは定かではありませんが、オトナ世代から見れば羨ましい側面ではあるようです。

お金がないから当然かなと思う

「今の若いのは金持ってないよね～。この前テレビで言ってたけど、3人に1人は貧困なんだってね。それじゃあ彼女も作れないよ！デート代毎回割り勘じゃカッコつかないもんね！なんか可哀そうだよ。」(43歳・男性)

恋愛離れが進んでしまう背景として、若者の貧困も原因といわれています。お金がすべてではありませんが、お金が無い＝結婚できないという先々の理由もあり、恋愛に踏み切れないという若者もいるそうです。

友達との遊びを優先している若者が多い

「最近の若い子って恋愛離れはしているけど、友達をスゴク大事にしてますよね。彼氏・彼女はいないけど、友達はいっぱいいますとか言って。そりゃあ友達と遊んでれば気が楽でしょ。楽しいから恋愛離れしちゃってもいいのかしら？」(45歳・女性)

恋愛離れしているからといって、若者が寂しい毎日を送っているとは限りません。むしろこの女性の意見のように友達関係は充実している若者の方が多いのです。寂しいと感じないから、面倒な恋人なんて要らないという考えが恋愛離れを引き起こすのでしょう。

情報過多で恋愛離れが加速するのでは？

「今はインターネットやSNSなんかでいろんな情報を最初に聞くでしょ。実際に恋人も作ってないのに、先に情報だけ仕入れちゃってるから恋愛離れとかしちゃうんじゃない？嫌な情報を面白おかしく流すでしょネットって！」(38歳・女性)

このような意見もあります。先にイメージトレーニングだけして、実践する前に疲れてしまうというパターンです。今は情報の時代ですから、これも恋愛離れの一つの要因になっているかもしれません。

強い女性が多いから恋愛離れが起きるのでは？

「今の女の子ってみんな強いよね。(笑)あれじゃ男の子がちょっと可哀相に思えちゃうよ！女の子に”オマエ”とか言われたらさ、恋する気持ちも失せるよね？！」(48歳・男性)

最近は草食系男子が増加する一方で、肉食系女子が増えているといわれています。現代の若者の恋愛離れは、この男性の意見も一理あるかもしれません。

若いうちに遊んだ方がいいとも思う

「俺が若い頃は25歳で結婚ってちょっと遅いぐらいだったね。当時付き合ってた彼女に結婚せがまれて…。時代がそうだったから仕方ないけど、まだまだ遊びたかったな～。だから今の若い人は先に遊んでおいた方が絶対いいと思うよ。」(50歳・男性)

今は”結婚適齢期”という言葉をあまり耳にしなくなりました。昔は女性なら23歳で、男性なら25歳までくらいを結婚適齢期といい、相手がいない場合は周りがお膳立てをしてお見合いなどの話しも回ってきたといいます。そんな時代に生きてきた人からしたら、恋愛離れとはいえ現代の若者は羨ましいかもしれません。

恋愛離れは親の責任でもある

「最近若い人って恋愛離れしてるっていうけど、あれって親のせいでもあるんじゃないの？最近の親って異常に過保護じゃない？モンスターペアレントとかいる時代だから、恋愛も親がいないとできないとか？(笑)」(45歳・女性)

子供の頃から過保護に育てられすぎて、なんでも教えられないとできない若者も増えているかもしれません。自発的になにかをするのではなく、”やりなさい”といわれたことしかやらないなんてこともよく耳にします。恋愛離れはこんな時代背景も関係しているのではないでしょうか。

では若者の恋愛離れが進んで行くと、社会にどのような影響を及ぼすことが考えられるのでしょう。突き詰めるととても深刻な問題につながっていくことが予想されます。今の時点で断定できるわけではありませんが、将来的にこんな危険性も潜んでいるということを我々は考えなければいけないでしょう。

少子化

恋愛離れが進むことによって、結婚の割合も減ってきます。最近ではシングルマザーも増えてはいますが、やはり一般的には結婚してから子供をもうけるという考え方が普通です。恋愛離れしてしまっているから、当然結婚にも興味が沸くはずがありませんよね。

結婚しない・子供を儲けないというと、それだけで社会のサイクルが滞る可能性が出てきます。これに直接関係してくるのが次の項目です。

経済の停滞

恋愛離れによって結婚しない・子供を儲けない人が増えると、社会的に経済が滞ります。例えば、子供がいれば教育費などにお金がかかります。そしてそこに付随する塾・習い事など教育に関する出費もストップしてしまうのです。

子供や家族と楽しむためのレジャーや旅行にも出費しなくなるでしょう。そもそも家族を養うほどの収入を考えなくて良いのですから収入は最小限だし、出す(出費する)お金も少なくなり社会が潤わないのは結果として当然な気がします。

地方の過疎化

都会へ出た若者たちは、結婚と共に田舎へ帰ってきたりということもあります。子供は自分の育った田舎で育てたいという人はたくさんいるはずです。

ですが、昨今の恋愛離れにより結婚そのものをしない若者が増えているせいで、一度都会に出た若者は田舎へ帰ってくるということがとても少なくなってしまいました。

独り身で仕事をしながら食べていくには、やはり田舎より都会の方が便利だったりもします。このような悪循環が続けば、自ずと田舎の人口は減り過疎化が進んでしまうでしょう。

世間の恋愛離れについての率直な意見をここで検証していきましょう。これには意見が真っ二つに分かれるようです。するべきという意見、しなくても良いという意見、両方の声があります。

恋愛のスキルを磨くのは無駄じゃない

恋愛というのは人間が生きていく上での”スキル”をフル稼働させる作業である事は間違いありません。コミュニケーション能力や経済力、その他にもありとあらゆるスキルが必要です。今の時代の若者の恋愛離れが進んでしまうのは、このスキルの乏しさに要因があるのではないでしょうか。

恋愛をすることでコミュニケーション能力なども磨かれ、結果自分のスキルの向上に繋がっていくのであれば、決して恋愛は無駄なことではないという考えになるでしょう。

恋愛を意識する時代でないのかも？

そもそもの結婚の意味とは、好きな人と一緒に暮らし家庭を持つということです。そこには女性なら”男性に養ってもらう”ということや男性なら”家族を養う”という事情が絡んできます。

ここに注目して考えてみると、今の時代女性でもちゃんと仕事があり自分の生活は自分でなんとかできます。男性を見てみると、若いうちは収入が少ない…こんな実情があります。

ですから女性は誰かを頼らなくていいし、男性は家族を養えないということになってしまうのです。時代ばかりのせいではありませんが、結婚を望まない・望めないのであれば若者が恋愛離れしてしまうのも仕方がないことかもしれません。

20年前まで「恋愛離れ」なんて言葉はありませんでした。ですから現在40歳代から上のオトナ世代は普通に恋愛を経験するのが当たり前だったはずです。現代の若い世代が恋愛離れしてしまっているというのであるなら、お手本であるオトナ世代が一肌脱がないといけないのではないでしょうか。

自分達の時代はこんな風に恋愛してきたなどの体験談を伝えたり、結婚は良いものだと諭すことが若者の恋愛離れの解消に繋がるきっかけとなるはずです。