淑女になるにはどうすればいい？淑女の意味や近づくポイントを解説

「紳士淑女」という表現にも使われている「淑女」という言葉、誰もが一度は聞いたことがあるのではないでしょうか？映画やミュージカルなどで、「レディースアンドジェントルマン！」という表現を耳にしたことがある人も多いでしょう。

淑女と言うと、クラシカルなイメージがあったり、上品なイメージがあったりするため、そのような女性に憧れを抱く人も多いようです。ですが、実際に淑女と呼ばれる女性がどんな女性なのか、漠然としたイメージしかもてない人もいると思います。

この記事では、淑女とはどんな女性のことを指すのか、意味や特徴をご紹介。淑女に憧れる女性に向けて、会話や身だしなみをはじめ、行動や態度など、淑女に近づくポイントをお伝えします。

淑女という言葉に対して漠然としたイメージを思い描くことができても、具体的にどのような女性のことを指すのか分からない人も多いかもしれません。淑女になりたいなら、淑女という言葉の本来の意味をしっかり確認しておいたほうがいいでしょう。

まずは、淑女の意味や英語での呼び方、似ている意味の言葉や反対の意味の言葉をご紹介します。

淑女の意味

淑女とは、一言で言えば「上品でしとやかな女性」のことです。淑女の「淑」という漢字にはしとやかさや慎ましさ、上品さや清らかさの意味があります。

「淑」が含まれている言葉には「貞淑(ていしゅく)」という言葉もあり、よく「貞淑な妻」などと使われていますよね。このように「淑」は女性の美徳を表現する言葉に含まれていることが多いようです。

淑女の英語の呼び方

冒頭でも触れたように、「紳士淑女」という表現は英語では「レディースアンドジェントルマン」と訳されます。つまり、「淑女」という言葉は英語に訳すと「Lady(レディ)」になるのです。

淑女である女性を「あの人はレディだ」「レディのたしなみが身についている」などと言ったりしますが、この場合のレディには、単なる「女性」という意味だけでなく、「上品でしとやかな女性」という意味が込められています。

淑女の類語

「淑女」という言葉には似たような意味の言葉がいくつかあります。

上品でしとやかな女性という意味の言葉には、英語での呼び方であるレディのほか、奥様や貴婦人、マダムなどが馴染みのある言葉かもしれませんね。大和撫子(やまとなでしこ)という言葉も淑女の類語と言えるでしょう。

いずれにせよ、品があり洗練された女性をイメージさせる言葉ではないでしょうか。

淑女の対義語

さまざまな言葉に対義語があるように、「淑女」という言葉にも反対の意味の言葉が存在します。

まず、性別から見た対義語には、「紳士淑女」の「紳士」や、「レディースアンドジェントルマン」の「ジェントルマン」が挙げられるでしょう。「ナイスガイ」という言葉も素敵な男性という意味として紳士に近い言葉と言えます。

それから、「上品でしとやかな女性」という意味から見た対義語には、「あばずれ」や「売女(ばいた)」「毒婦(どくふ)」などがありますが、どれも良くない言葉なので使わないほうがいいですね。

上品でしとやかな女性が淑女だということは分かりましたが、淑女を目指すなら参考になるような特徴を具体的に知りたいですよね。

つぎは、淑女とはどのような女性なのか、具体的な特徴をいくつか見ていきましょう。

言葉遣いが美しい

淑女と言われる女性は、何と言っても言葉遣いが美しいのが特徴です。言葉の選び方に品があったり、言葉遣いが丁寧だったりするのはもちろん、話し方もしっとり落ち着いているため、より一層洗練されて見えます。

当然ですが、淑女は下品な言葉や汚い言葉は一切使いません。一言一言丁寧に言葉を選んで発するため、ガサツな印象をもたれることもないでしょう。

立ち振る舞いに品がある

淑女は言葉遣いが丁寧なだけでなく、立ち振る舞いにも品があります。ゆっくりとした動きで余裕すら感じられるのが淑女の振る舞い方です。落ち着いた様子を周囲に見せることで、女性としての価値を上げていると言えるでしょう。

反対に、時間に追われるようにバタバタと動き回っていたり、せわしない様子を見せたりするのは淑女とは真逆の立ち振る舞いと言えます。

知識や教養がある

上品で洗練された外見と落ち着いた行動だけで淑女と呼ばれるわけではありません。さまざまな事柄に対する幅広い知識や教養があってこそ、淑女と呼ばれるのです。

知性があるような見た目を装っていても、いざ会話をしてみたら話の引き出しがなかったり切り返しが下手だったり、中身が空っぽでは淑女とは言えません。淑女はどのような場面でもしっくりくるような対応が自然にできるほど、知識や教養が豊富なのです。

姿勢が美しい

初めて会った人から第一印象で淑女だと思われる女性は、遠目から見ても分かるほど姿勢が美しいのが特徴です。シャンと伸びた背筋にエレガントな歩き方は、ひと目で周囲の人たちの心をつかんでしまうような美しさをもっています。

いくら知識や教養があっても、背中が丸まっていたりガニ股で歩いたりする女性は素敵に見えません。姿勢が良くないというだけで淑女の対象から外れてしまう女性もいるでしょう。

感情を表に出さない

腹わたが煮えくり返るくらいイラ立つことがあっても、キリキリ悔しがったりギャーギャー泣きわめいたりしないのが淑女です。淑女はどんなときも冷静で、自分の感情を表に出すようなことがほとんどありません。

周りの人はそんな淑女の振る舞い方を見て、その落ち着きに品性を感じ、素晴らしい女性だと憧れを抱くのです。

身だしなみに気を遣っている

身だしなみに無頓着な女性に淑女はいません。淑女は服装に気を配るのはもちろん、身につけている下着や足の爪のペディキュアなど、人目につかないところにまで気を配ることができます。身だしなみに気を配ることで周囲の人を不快にさせないという気遣いができるのが淑女なのです。

淑女の特徴を踏まえたうえで、ここからは実際に淑女に近づくためのポイントを具体的にご紹介していきます。

まずは、淑女の特徴として真っ先に挙げた言葉遣いの美しさに関して、淑女になるための会話のポイントを確認していきましょう。

丁寧な言葉遣いを意識する

淑女は、会話をする相手が誰であっても常に丁寧な言葉遣いを意識しています。

言葉遣いの美しさがとくに顕著に現れるのは言葉の語尾です。語尾まで丁寧に話すので曖昧な言い方になりません。誰が聞いても分かるようにゆっくりと話すため、気品がある中にも親しみやすさを感じられるのが特徴です。

乱暴な言葉や汚い言葉はもちろん、流行り言葉や若者言葉も品位を落としてしまうため、淑女として振る舞いたいのなら口にしないようにしましょう。

ネガティブな言葉や話題は口にしない

いつも前向きで微笑みを絶やさないのが淑女の特徴です。どんなときも口角が上がっていて微笑んでいるような表情をしている淑女には、ネガティブな言葉や話題はふさわしくありません。

実際、上品な女性が口にする言葉や話題はポジティブなものが多いです。周りの人を明るい気持ちにさせるために話題に気を遣うことができるのも淑女ならではでしょう。

他人の悪口を言わない

昔から、詩歌や和歌などがコミュニケーションツールとして典型的なものだったように、言葉のやり取りは紳士淑女にとって何よりも重要度の高いコミュニケーション方法でした。

社交の場において場の雰囲気を壊したり他人の悪口を言ったりすることは紳士淑女にとってあるまじき行為。淑女は、ネガティブな言葉や話題を口にしないのと同様に、他人の悪口を言わないものです。

自慢話をしない

淑女は、外見的にも内面的にも他の女性にはないものを数多く兼ね備えているもの。普通の人ならそんな状況を鼻にかけて自慢話をしてしまいそうなものですが、淑女は自分のことに関する自慢話は絶対にしません。自慢は自分の評価を上げるどころか下げてしまうということを淑女は知っているのです。

自信をもってハキハキと話す

自分の考えや発言に自信がある淑女は、話し方がハキハキとしていて話すときの態度も堂々としています。筋の通った話し方ができるため、周囲にも一目置かれることが多いでしょう。

上品な話し方をしたいからと言って小声で話してしまうと、相手に伝わりにくいうえ自信がなさそうな人間に見えてしまいます。しとやかさと大人しさは似ているようで違うもの。淑女を目指したいなら、しとやかな中にも凛とした強さを見せるのがポイントです。

ゆっくりと落ち着いて話す

品位の高い女性はゆっくりと落ち着いて話します。これは、皇族の女性たちをイメージすると理解しやすいのではないでしょうか。

早口で慌ただしく話す女性は気品があるようには見えません。淑女は言葉のひとつひとつを頭の中できちんと精査してから口にするので、その分話し方がゆっくりになるのです。相手を不快にさせないためにも口にする言葉に責任を持ち、ゆっくり落ち着いて話すようにしましょう。

知性や思いやりがあり内面的には淑女と言える女性でも、身だしなみがきちんとしていなかったり手抜きが見られたりすると、残念ながら淑女と思われることはないでしょう。

会話のつぎは、淑女にふさわしい身だしなみのポイントについてご紹介します。

TPOに合わせた服装をする

周りに気配りができる淑女は、TPOに合わせた服装をすることを心がけています。自分の好きな服装をするのではなく、周りの人たちに不快感を与えないような服装を意識して選んでいるのです。

カジュアルな場面では周りに合わせたカジュアルな服装を、フォーマルな場面ではシーンや格式に合わせたフォーマルな服装をすることで、周囲から浮くことなく良い印象を与えることができます。

ほんの少しの外出でも身だしなみを整える

毎朝のゴミ出しやちょっとそこまでというような近所への外出でも、身だしなみをきちんと整えるのが淑女のたしなみです。外に出るときはいつ誰に会っても恥ずかしくないように、しっかりメイクをして髪型もセットするようにしましょう。

一日中家にいるような日でも外出時と同じような意識で過ごすために、いつもどおりヘアメイクを行うのがおすすめです。常にキレイな状態をキープしておくことで淑女としての自覚が芽生え、より一層洗練されていきます。

清潔感のある服装をする

どんなに素敵なデザインの服でも、シミ汚れやシワがあったら台無しです。また、気に入っている服でも長く着すぎて色あせていたり毛玉ができていたりすると一気に清潔感がなくなってしまいます。

清潔感のない服装は淑女の服装としてはNGです。きちんと洗濯がされていて、アイロンでシワが伸ばされているような服が淑女にはぴったりなのです。こうした細かいところを気にする心があってこそ淑女だと言えるでしょう。

年相応の服装をする

好きなファッションだからといって、あまりにも若すぎる服装をするのは淑女らしい行動とは言えません。少しでも若く見せようと若作りをしている姿が周囲にとっては痛々しく思えますし、品がないように感じられてしまうでしょう。

淑女になりたいなら、年相応の服装をすることが大事です。自分に似合うものや必要なものを知っているということが知性を感じさせてくれます。物事を客観的にとらえられるということも品性をアピールしてくれるでしょう。

周りの人たちから淑女だと思われるためには、淑女らしい行動や態度をとる必要があります。

では、どのような行動や態度を見せれば淑女と印象づけることができるのでしょうか？淑女であると印象づける行動や態度のポイントをひとつひとつ確認していきましょう。

感情をセルフコントロールする

セルフコントロールとは自分で感情をコントロールすることをいいます。感情を抑えることができるのは大人の女性として当然のことに思えますが、いざコントロールしようと思っても実際は難しいもの。ですが、それができるのが淑女なのです。

しとやかな女性がいつも落ち着いて見えるのは、感情をセルフコントロールする術がしっかり身についているからだと言えます。感情を抑えようとしても難しい場合は、セルフコントロールの方法を学んでみるのもいいかもしれませんね。

周囲への気配りを忘れない

淑女は他人への思いやりにあふれていて、常に周囲への気配りを忘れません。自分自身に余裕があるため周りの様子をよく見ることができ、何か困っている人がいたら助けてあげたり、悲しんでいる人がいたら慰めてあげたりします。

このような思いやりをもつことができると、周りの人たちから好かれるようになり、素敵な女性として認められるようになるはずです。

字を美しく丁寧に書く

淑女として認められている女性は美しい字を書くものです。それも丁寧に書くので、誰が見ても気持ちよく、品の良さを感じることができます。

スマホやパソコンで文字を書くようになった現代では、直筆で字を書くという機会がだいぶ減ってきていますよね。このような現状の中でも、美しい字を書くためにペン字や筆文字を練習したり、習ったりしている女性は心にゆとりがあると言えます。そして、そのゆとりが心の豊かさにつながっているのです。

ゆっくりと落ち着いて動く

せかせか動き回ったり、時間に追われているような様子を見せたりするのは淑女らしい行動とは言えません。バタバタしてしまうと、時間管理ができない女性であるとか、心にゆとりがない女性であるように思われてしまいます。

淑女たるものゆっくり落ち着いた様子で動くべきです。深呼吸をして心を落ち着かせてから、リラックスした状態で行動しましょう。ゆったりとした動きを見せることで周りの目も次第に変わってくるはずです。

今以上を求めない

人間誰しも欲があるものです。女性だったら季節が変われば新しい洋服がほしくなり、新作のバッグが発売されれば手に入れたくなるもの。生きている以上、さまざまな欲にまみれてしまうのが通常でしょう。

ですが、淑女は湧き上がる欲望に対しても常に冷静に対処することができます。今あるものに感謝し、今以上を求めないという姿勢が品位ある女性のたしなみとも言えるでしょう。

淑女と言えばやっぱりマナーが身についているというイメージがあるでしょう。マナーの世界はとても奥が深い世界なので、しっかり身につけるためにはそれなりの知識や努力が必要です。

つぎは、淑女に近づくためのポイントとして、必ず身につけたいマナーについてご紹介します。

まずは最低限の教養を

淑女になるためには、基礎的な事柄や一般常識など、最低限の教養を身につける必要があります。見た目だけで中身が伴わない見せかけの淑女にならないためにも、最低限知っておくべきことは本を読んだりネットで調べるなどしてきちんと理解しておくことが大切です。

テーブルマナーは必要不可欠

「レディースアンドジェントルマン！」という言葉からも連想するように、淑女と言うと、パーティーや会食などに参加することが多いようなイメージをもつ人もいるのではないでしょうか。

淑女は社交の場に出ることが多いため、テーブルマナーは必要不可欠です。うろ覚えの知識しかない場合は、いざというときに恥をかかないためにも改めてテーブルマナーのいろはを確認しておくことをおすすめします。

時間や約束事を守る

時間や約束事を守れず、他の人に迷惑をかけるような女性は淑女としてふさわしくありません。時間に遅れないことや約束事を守ることも、淑女のたしなみとして必要不可欠なマナーです。

どんなに小さな約束でもしっかり守るようにすると、周りの人から信頼を得ることができます。誠実さと責任感の強さも淑女には必要だと言えるでしょう。

ハンカチを持ち歩く

空気の力で洗った手を乾かすハンドドライヤーが設置されているトイレが多くなった現代では、ハンカチがなくても事足りてしまうことが多いですよね。ですが、ハンカチを持たないで出歩くことは淑女からしてみたらありえないことなのです。

淑女はいつもバッグにハンカチをしのばせているもの。ハンカチはお手洗いのときに使うだけでなく、何かあったときにササッと取り出して使うことができます。お手洗いの後、ハンカチを取り出して使うだけで女性らしいと思われること間違いなし！簡単に淑女を演出することができますよ。

淑女を目指すあなたの周りにも実はいろいろなタイプの淑女がいるかも知れません。

最後は、「この人は淑女だ！」と感じたみんなのエピソードをご紹介したいと思います。

常に微笑みを忘れない先輩

「カフェでお茶をしていたとき、先輩の服に飲み物をこぼしてしまいました。微笑みながら大丈夫、大丈夫と言ってくれた先輩は淑女なんだろうと思います」(26歳/女性)

どんなときも笑顔でいるという女性は典型的な淑女と言えるでしょう。このような女性は後輩女性たちの憧れの的になっているはずです。

食べ方がすごくキレイだった

「焼き魚を食べるときに骨の取り方や身の食べ方がとてもキレイな女友達がいて、育ちの良さを感じました」(28歳/女性)

骨がある魚やハンバーガーなど、食べづらい食べ物の食べ方がキレイだと品格も上がります。食事のマナーはなかなかすぐには身につかないため、日頃の積み重ねが必要になるでしょう。

困っているわたしを助けてくれた上品な女性

「道路の溝にヒールがはさまって困っていたら、物腰の柔らかい上品な女性が駆け寄ってきて助けてくれました。わたしもいつかあんな素敵な女性になりたいです」(22歳/女性)

上品な大人の女性に憧れを抱く若い女性は多いもの。年齢を重ねるにつれて淑女の魅力はますます高まるようです。

ベンチに座るときにハンカチを広げた女性

「ベンチの前でハンカチをさっと広げて座った女性はきっと淑女でしょう」(25歳/女性)

ハンカチをもたない女性も多いという現代で、ハンカチを持ち歩いている女性は上品に見えるもの。ハンカチは、レディーのたしなみとして忘れずに持ち歩きたいものです。