不安な時はどうすればいい？正しい対処法・原因・なりやすい人の特徴

生きていると、色々なことが起きるものです。楽しいこともあれば悲しいことや辛いこともありますよね。そして、どうしようもなく心が落ち着かない、不安な気持ちも誰もが経験したことがあるでしょう。

そんな不安な時は、悲しみや怒りよりもさらに心がざわざわとして苦しいという人も多いのではないでしょうか。誰にでもある不安な時、皆はどうやって乗り越えているのか気になりますよね。

本記事では、不安な時にどうやってその気持ちを落ち着かせたらいいのか、正しい対処法について解説します。不安になる原因や不安に陥りやすい人の特徴も押さえて、上手に不安な時を乗り越えていきましょう。

不安を感じたことがないという人などいないといえるほど、誰にでも不安な時があるものです。その感じ方や不安になった時の気分は人それぞれですが、心が穏やかではいられないというのが共通点といえるでしょう。

では、不安な時の気分について男女の意見を集めてみました。不安になるとどんな気分になるか、それぞれの声をご紹介します。

なぜか心臓がドキドキして苦しくなる

「とにかく心臓がドキドキと速くなって、自分では押さえられなくなりますね。胸が苦しくてとても辛いです。不安な時はなぜかいつもそんな感じで動悸がするんです。不安がなくなるまではどうしようもないです…。」（25歳/男性/公務員）

不安な時は心臓が速くなり動悸を感じるという声は多かったです。不安な気持ちが強くストレスを感じている状態といえるでしょう。動悸が続くと苦しいので体にもよくないのですが、不安になると自分でもコントロールできなくなってしまうので辛いですよね。

泣きたいのに泣けない…そんな感じになる

「もう、かなり情緒不安定な感じになってしまいます。泣きたいけど不安が強すぎて涙も出てこない…みたいな。泣けたら楽なのかもしれないけど、自分でもどうしたらいいのかわからなくなってしまうんですよね。」（24歳/女性/販売）

感情をストレートに出せなくなってしまうのも、不安な時によく見られる症状です。泣きたいのに泣けないというように、不安なあまり自分でも気持ちの出し方がわからなくなってしまうのかもしれませんね。

孤独で暗闇の中にいるような気分

「いつも不安な時って独りぼっちな気分になります。誰にも相談する気になれなくて、暗闇の中にいるような感じで苦しいです。モヤモヤして何をしていても不安から抜け出せなくて、心から笑えなくなってしまいます。」（20歳/女性/大学生）

誰といても何をしていても、不安な時はその場から一瞬でも離れると孤独な気分になってしまうという人も多いです。気晴らしで不安を紛らわせても心からは笑えないのかもしれませんね。不安はまさに出口の見えないトンネルのようなものなのでしょう。

食欲もないし眠れないし…とにかく時間が長く感じる

「何か不安なことを抱えている時って、大抵食欲もなくなるし眠れなくなります。寝ても覚めても不安がつきまとうので、いつもそのことばかり考えてしまって時間が普段より長く感じるんですよね。それがとても辛いです…。」（26歳/男性/営業）

不安があると体にも様々な影響が出てくるという人も多いようですね。食欲や睡眠欲のほか、性欲など様々な欲求が落ちて無気力になってしまうという声もよく聞かれます。眠れないのに時間が経つのが遅く、長い夜がますます不安を募らせてしまいます。

できれば不安になんてなりたくないもの。誰も好きで不安になるわけではないのですが、生きていればどうしても不安なことが訪れる時はあるものです。では、そのように不安なことがある時はどのように対処すればいいのでしょうか。

まずは、なぜ自分が不安な気持ちになっているのか少しでも冷静になって、客観的にその原因を探ることが大切です。不安な原因が見えてくると、少し気持ちが整理されてくるでしょう。

不安になる原因は人それぞれですしその時によって違いますが、よくある原因としては次のものが考えられます。

人間関係のトラブル

今はSNSで気軽に他人とつながりを持てる時代ですが、その気軽さゆえに人間関係も複雑になりやすいといわれています。友達や職場の人、ママ友とのトラブルに悩まされている人が後を絶ちません。

嫌がらせをされていたり、気持ちがすれ違って気まずくなってしまったり、仲良くしたいのにできないという人間関係のトラブルは多くの人を不安な気持ちにさせる原因となります。

周りから見れば些細なことに見えても、渦中にいる当事者にとってはその世界を捨てきることは簡単ではありません。「嫌われてしまったのかな」と思うと、どうすればいいかわからずモヤモヤと不安な気持ちが募ってしまうのです。

仕事が上手くいかない

仕事上の不安も大きなストレスを与えます。思うように仕事が進められない、重要な仕事を任されたけど気が進まない、大きなミスをしてしまいどうしたらいいかわからないなど、仕事にまつわる悩みも様々です。

合わない上司と組むことになった、後輩の教育がうまくいかないなど、仕事と人間関係の問題が絡むと不安な気持ちもさらに増します。毎日通う職場に不安の原因があると、解消するまではストレスが強くのしかかり、なかなか気が晴れませんよね。

恋愛がうまくいかない

好きな人にフラれてしまうかもしれない、恋人が浮気をしているかもしれない、など恋愛にまつわる不安に悩まされる人も多いのではないでしょうか。恋愛はうまくいっている時は幸せを感じられるのですが、うまくいかないとストレスとなってしまうものです。

恋愛の不安やストレスが原因で心の病気になる人も少なくないので、軽く考えない方がいいでしょう。自分の望むとおりにならないかもしれないことが受け入れられないと、不安を感じやすいようですね。不安なままでいてもいいことはないのですが、抜け出せなくなりがちです。

家族の問題

健全な家庭で育った人は子供時代に家族の問題で不安を抱えることはあまりないかもしれません。でも、不安定な家庭で育つと、親の喧嘩やＤＶなどに悩まされる人は多いです。

また、自分自身が結婚し家庭を持ってから、配偶者の不倫や借金、子供の発達上の問題など、様々な家族の問題が起きることもあるでしょう。夫婦間で会話がなくなってしまった、セックスレス問題なども不安な気持ちにさせる十分な原因となりますよね。

将来への不安

このまま結婚できなかったらどうしよう、仕事が見つからなかったらどうしようといったような将来への不安も、悩ましいものです。先が見えない不安というのは解決が難しく、なかなか不安な気持ちから抜け出すことができません。

仕事はしているけれど収入が低く経済面での不安があったり、親の介護問題など先のことを想像して不安な気持ちになったりする人も多いのではないでしょうか。今すぐにできることが限られている問題だと、どうしたらいいかわからなくて不安が増してしまうのかもしれません。

健康上の問題

人間ドックで病気が見つかったという明確なものから、最近具合が悪いけど悪い病気だったらどうしよう…という不安まで、健康にまつわる問題も悩みの種となるでしょう。

自分だけでなく家族や恋人など身近な人の健康にも、不安を抱える人は多いですよね。健康ありきの人生ですので、不安な気持ちに悩まされるよりも早く治療することが大切です。

自分で心掛けられることがないか勉強して、少しでも健康的な体を目指すことが不安の解消につながるでしょう。

同じような状況でも不安に感じなかったり、すぐに気持ちを切り替えたりする人もいます。そう考えると、不安な状況がすべてではなく、その人の性格や気質も不安な気持ちを起こす原因となっているといえるでしょう。

考えても仕方ないのに考えて、ますます不安になってしまう…というのが不安な気持ちになりやすい人の特徴です。さらに具体的に、不安になりやすい人の特徴を見ていきましょう。不安になりやすいと自覚することで、問題は案外難しくないことに気付けるかもしれませんよ。

考えこみやすい

物事を深く考え、思慮深く、一度考えだすととことん追究する性格の人は、不安な時にも必要以上に考えこんでしまう可能性があります。考えても仕方のないことまで考えるため、答えが見つからないまま疲労感でいっぱいになってしまいます。

考えるのはいいことなのですが、物事には考えても意味のないことやどうにもならないこともあります。時には割り切って考えないようにするということも意識しないと、常に頭を使って辛くなってパンクしてしまうでしょう。

決めつけがある

思い込みが激しく、自分の価値観だけで何かと決めつけてしまうタイプの人も、ちょっとしたことで不安になりやすいところがあります。物事の一面しか見ずに「こうだ」と決めてしまうため、誤解も多いのですが本人はなかなか気づきません。

例えば、相手に余裕がなくちょっとそっけなくされただけで「嫌われた」と思い込んだり、周りから適任だと任された仕事でも「自分にはできない」と閉じこもったりしてしまいます。

このタイプの人は視野が狭く融通が利かないので、不安な気持ちを抱えていても周りからはなかなか理解されないというのも辛いところです。

真面目過ぎる

いつも物事に真剣に取り組み、誰に対しても誠実な人ほど、「人に迷惑をかけてはいけない」「完璧にこなさなければならない」という気持ちが強いです。そのため、不安なことがあっても一人で抱え込んでしまいがちに。

一見、悩んでいないように見えますし本人も悩みを見せないのが美学のように考えていますので、どんどん自分の首を絞めてしまいます。このように真面目過ぎる性格も、不安な気持ちになりやすく溜めこみやすいため、気持ちを解放できる場所が必要となるでしょう。

責任感が強い

任されたことは最後までやり遂げるべき、人に甘えてはいけないという責任感の強さも、不安を強める要因となります。特に、「やり遂げるべき」というプレッシャーに対して「大丈夫かな」「できるかな」という自信のなさが出てきた時に苦しむこととなるでしょう。

責任感が強いのはいいことなのですが、時には人に甘えたり頼ったりしてもいいのです。自分に厳しくありすぎると、不安なことがあった時に精神的に辛くなることが多いので、適度に気を抜く必要がありますよ。

不安になる原因が自分の性格にもあるとしたら、不安を和らげるためにできることはありそうですよね。では、ここからは不安な時に自分の気持ちを少しでも落ち着かせるための対処法をご紹介します。

不安な時は、まずは自分をこれ以上苦しめないように少しでもリラックスできる方法を考えましょう。その上で、後編でご紹介するような不安の原因と向き合う方法へと進んでいくといいでしょう。

とにかく眠って身体を休める

不安な気持ちでいっぱいになっている時は、睡眠不足や食欲不振などで体力も落ちてしまっていることが多いです。そのため、できるだけ休息を取るようにすることが大切。眠くなったらチャンスだと思って、寝られるときにしっかり眠るようにしましょう。

そして何か食べられそうな時には、好きなもの、美味しいと思えるようなものを少しずつでも口に入れることをおすすめします。疲れた体を休めて、体力をつけることで気持ちも少しは前向きになれるのではないでしょうか。

外出してリフレッシュ

気分転換も大切です。不安でいっぱいでどうしようもないという時は、場所を変えるといいでしょう。外出してお気に入りのカフェでゆっくりしたり、買い物や映画を楽しんだり、エステやライブなどでリフレッシュしたりするのもおすすめです。

一人でいるのが辛いなら、友達や家族、恋人など一緒にいて気が休まる人と過ごすといいでしょう。逆に気を遣って疲れてしまうくらいなら一人で過ごした方がいいかもしれません。自分にとって安心する、落ち着く方法でリフレッシュを図ってみて下さい。

感情を吐き出す

モヤモヤとした気持ちを、外に出してみるとスッキリするものです。意味もなく叫んだり、人目を気にせず泣いたり、カラオケで熱唱したりと感情の吐き出し方にも様々な方法があります。

信頼できる友達に愚痴を吐き出させてもらうというのも効果的です。漠然とした不安でも、「あーなんか嫌だ」「怖いー」「つらい！」など自分の中にあるまとまらない気持ちを言葉や声にして吐き出してみましょう。

紙に不安な原因を書き出してみる

まとまらない気持ちを声にできない人は、紙に書きなぐるという方法もあります。この場合も、きれいにまとめる必要はありません。ぐちゃぐちゃの感情をそのままペンで表せばいいだけです。紙に気持ちを書き出しているうちに、だんだん落ち着いてくるものです。

書きなぐった紙を後で見返してみると、自分が不安な気持ちになっていた原因が見えてくることも。見たくないなら破って捨ててしまいましょう。「書く」ということも不安を和らげる有効な方法ですのでぜひ覚えておいて下さい。

体を休めてリラックス、リフレッシュして、溜めこんだ感情を吐き出したら、少しずつ不安の原因と向き合っていきましょう。不安の原因がわかっているなら、一時的に気を紛らわせただけでは根本的な解決にはなりません。辛い気持ちが落ち着いたら解決へと進めましょう。

ただ、不安な時には自分で問題を大きくしてしまっている可能性もあります。向き合うことで解決策が見つかるものもあれば、どうあがいても対処できないものもあります。まずはそのことを自分で知り理解することが大切です。

第三者に相談してみる

感情を吐き出す、愚痴を聞いてもらうのとは別に、不安の種となっているものを第三者に相談してみましょう。不安のさなかにいる人はどうしても視野が狭くなってしまっていますので、第三者の視点が結構役立つものです。

直接解決につながらなくても、「そういう方法もあったんだ」「そういう考え方もできるかも」と視野が広がることで、光が見えてくるのではないでしょうか。また、相談に乗ってくれる存在がいること自体が、とても心強く安心感を得られるはずです。

不安な時にぴったりな本を読む・音楽を聴く

不安な気持ちに打ち勝ちたい時には、芸術や文化の力を借りるのもおすすめです。気持ちが少し落ち着いたら、不安な時に寄り添ってくれるような様々な本や音楽がありますので、読んだり聴いたりしてみて下さい。

自分では気付かなかった視点や前向きな言葉に出会えたり、背中を押してもらえたりすることも少なくありません。普段あまり読書や音楽鑑賞をしないという人でも、いつでもどこでもできることですので気軽に試してみてはいかがでしょう。

自分でどうにかできる問題なのか考えてみる

不安の原因が、自分が考えたり行動したりすることで解決を目指せる問題なのか、そうではないのか考えてみましょう。もし自分でどうにかできる可能性があるようなことなら、悩み考えることは決して無駄にはなりません。

あまり思いつめず、落ち着いて冷静な頭で考えることを心掛けて、問題と向き合ってみるというのも一つの方法です。

自分の力ではどうにもできない問題は考えない

逆に、自分が何を考えてもどう動いてもどうにもできないような問題の場合は、考えても悩んでも意味はないと割り切った方がいいでしょう。

例えば天候や災害など人間の力が叶わないことや、国・世界単位の大きすぎる問題、他人が決めて行動すべき問題などは、いくら自分が悩んだところで一個人では何もできません。悩んでも仕方のないことと気付けたら、そのことについては考えないようにしましょう。

最後に、不安な時に気持ちを軽くしてくれるような名言をご紹介します。不安で押しつぶされそうな時は、頭も凝り固まっていますので、一旦何も考えずに休むことも必要です。そして、自分にできることを精いっぱいやるだけ。それを基本に、どうにか乗り越えましょう。

「Take it eazy」

英語圏ではしょっちゅう使われているこの言葉。「気楽にいこう」「落ち着いて」といった意味を持ちます。日本では、「がんばれ」と応援することが多いですが、不安な時はがんばれよりも「気楽に」という言葉の方が前向きになれるのではないでしょうか。

緊張している時よりもリラックスしている時の方が、実力を出しやすいものです。あまり気を張り過ぎず、落ち着いて気楽にいきましょう。

「明けない夜はない」

不安な時には出口の見えないトンネルの中にいるような気分になるものですよね。でも、ずっと変わらない状況というものはなく日々必ず変化していきます。今は辛くて前向きになれないかもしれませんが、夜は必ず明ける。そう自分に言い聞かせてみて下さい。

明けない夜はないし、夜はまた来ます。また不安な時が訪れるかもしれないけれど、その不安にも必ず終わりがあるのです。

「明日は明日の風が吹く」

今は不安でも、明日は状況が変わっているかもしれません。自分の行動によって変わる可能性もありますし、何もしなくても変わることもあり得るのです。明日のことは明日にならないとわからない、ということは一理あるのではないでしょうか。

不安で押しつぶされそうな時は、ちょっと肩の力を抜いて時の流れに身を任せてみるというのもアリかもしれませんよ。

「なるようにしかならない」

自分の力で変えられることもあれば、どうにもならないこともあるのです。結局は、自然の摂理でなるようにしかならない、と思うしかないのかもしれません。

皆が皆その考えで人任せになるのは困りますが、不安になりやすい人は自分でどうにかしようと頑張り過ぎるところがあるので、なるようになれと思って過ごしてみるくらいで丁度いいのではないでしょうか。

不安には様々な原因があり、その不安を抱える人の性格によっては不安を大きく膨らませてしまっているパターンも考えられます。そのことも含め、不安な時は気持ちを落ち着かせることと原因を整理することの２つを考えるといいでしょう。

自分にできることはするけど、どうにもならないことについては悩まない。そう割り切ることで、不安から少しは抜け出せるのではないでしょうか。あまり思いつめないで、周りや時の流れを頼りながら前向きに解決を目指しましょう。