「無償の愛」に関する専門家の意見やアドバイス
夫婦間の「無償の愛」の例
「無償の愛」とは、見返りを求めずに相手を愛することです。恋人同士や親子間など、さまざまな関係において「無償の愛」は存在します。『上手な愛し方』(リチャード・テンプラー)には、以下のような記述があります。
「マイホームを自分たちの手で建てることにした夫婦がいる。建築も半ばにさしかかったころ、妻のほうが意を決してこう打ち明けた。
『完成しても、この家に住む気になれるかどうかわからない』
ここでは詳しく説明しないが、それには完全に正当な理由があった。いっぽう夫のほうは、たいへんな努力を注いだ家をむだにしたくはなかった。
たいていの夫婦なら、この時点でけんかになるだろうが、このふたりはちがった。
夫は、もし妻がほんとうにいやなら、住むのはやめようと言った。いっぽう妻は、まず一年は住んでみて、それでもがまんできなければ、売却を考えたいと提案した。
夫婦が、きわめて友好的なこの合意にたどり着いた理由はシンプルだ。『それぞれが自分より相手を優先して考える』―ふたりともそうしたからだ。
相手の幸せを望むからこそ、相手の話を一生懸命聞いて、相手の視点に立って考えた。相手がハッピーでなければ自分も幸せになれないことを、このふたりは知っていたのだ。
自分の幸せよりまず相手の幸せを考える―強く良好な関係を作るためには、こうした考え方が絶対不可欠である。これなしで幸せな関係を築いているカップルはいない。
ふたりが同じように考えるからこそ、うまくいくのだ。パートナーが相手を優先して考えれば、もう一方もゆったり構えて、自分の希望やニーズをあと回しにできる。自分のことに必死にならなくてすむようになるのだ。
片方だけが相手を優先するような関係もあるが、究極に呪われたカップルと言ってよいだろう。ぜったいに幸せになれない。優位に立っているほうも、ふたりで幸せになる道を見つけそこなったことになる。
強く、温かく、愛にあふれ、満ちたりているのは、ふたりそろって相手を最優先するパートナーシップなのだ。」
このように、お互いを思い合う関係でいられるのが、理想的な夫婦の形なのかもしれません。
尽くしすぎちゃダメ!彼氏や夫の母親になってはいけない
大好きな彼のためならなんでもしてあげたい、それが無償の愛だと信じ、尽くす女性も多いのではないでしょうか。しかし相手にとって母親のような存在になってしまうと、「女」として見てもらえなくなるかもしれません。『大好きな彼をかならず手に入れる 恋愛の極意』(志摩純一)には、以下のような記述があります。
「付き合いが長くなると、彼の世話を焼くことが自分の役割、と思うようになる女性は多いです。確かに、男性は女性から世話を焼いてほしいと思うものですが、やってほしくないことも男性にはあるのです。
(中略)
ただ、男性の中には、冬彦さんほどの極度のマザコンではなくとも、多少なりとも母親思いの傾向があるものです。
これは世界共通といえます。男性にとって母親は永遠の聖母であり、心の奥底でその存在をよりどころにしているものなのです。
しかし、そこで、『彼に、絶対的な存在になれるなんて素敵だわ。彼の母親っぽく振る舞おう!』と決意し、かいがいしく、彼の世話を焼いていると、なぜか煙たがられる存在になり、愛も終わりを迎えた……。こんなことが、しばしば、男女間では起こります。
母性愛。これが恋愛においては、多くの問題を引き起こすのです。
母性愛を前面に出せば、恋人の心をわしづかみにできると、簡単に考えてはいけません。実は、女性が母性愛を出せば出すほど、恋人としての魅力を失い、彼は性的な対象としてあなたを見なくなってくるのです。
男性の脳は複雑で、また大変、動物的です。
もし、男性が本能だけの生き物だとしたならば、たとえ血がつながった母親や姉妹であっても、彼女たちもまた、皆さんと同様に男性にとっては性的対象者になってしまいます。
しかし、人間は理性というものがきちんと働く生き物ですから、無意識のうちに脳が、
『僕はお母さんや姉妹に性的な欲望を抱いてはならない』と、繰り返しその欲望に抑制をかけています。ですから、彼女たちに性欲を抱くことはありません。
だからもし、あなたが彼に対して母性愛を出して接しすぎると、彼は、あなたに母や姉妹と同じ種類の感情を抱いてしまいます。
『この人には、性的な興味を持ってはいけないんだ』と、脳が勝手に指令を出し、あなたを性的対象者のリストからはずしてしまうのです。
あなたが母性愛で彼に接していたとしたら、彼は次第に、あなたに屈折した愛情を抱くようになります。あなたに母性を感じてしまうため、あなたとのセックスに嫌悪感を抱くようになるのです。
そうなれば、当然セックスをするときに、男性の機能は果たせなくなります。
世の中のセックスレスになるカップルの大半は、女性が男性の母親役を演じているケースが多いのです。」
このように、彼氏に対して世話を焼き過ぎるのも善し悪しのようです。よかれと思って「無償の愛」を注いだ結果、ふたりの関係性が変わってしまうこともあるので、気を付けましょう。
<参考文献>
『上手な愛し方』(リチャード・テンプラー)
『大好きな彼をかならず手に入れる 恋愛の極意』(志摩純一)
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