「自己完結」の意味とは？自己完結型人間の特徴や上手な接し方を紹介

自己完結型な人とは、付き合うのが難しいとよくいわれます。自己中心的や自分勝手と似ているようでちょっと違う、自己完結とはそもそもどのような意味の言葉なのでしょうか。

自己完結とは、自分で何もかも決めて終わらせてしまうことを指します。人に相談したり頼ったりすることなく、自分一人で考え行動し結論を出すということです。

自己完結型の人は、自分勝手な人のように周りを振り回したり迷惑をかけてばかり…ということはありませんが、周りとの関係をうまく築きにくいという問題も。

そこでこの記事では、自己完結型人間の特徴や改善の仕方、また上手な接し方を紹介していきます。周りに自己完結タイプの人がいるという人や、自分自身がそうかも…と思う人はぜひ参考にして下さい。

自己完結する癖がついている人は、職場や友人、家族などに案外いるもので、決して珍しくありません。何となく付き合いにくい…と思うタイプの人がいたら、もしかしたら自己完結タイプなのかもしれませんね。

自己完結する人には共通して見られる特徴があるものです。まずは、自己完結タイプの人にはどのような特徴があるか見ていきましょう。

協調性を持たない

自分一人で考えて行動しながら過ごすことをよしとし、その生活に慣れているため、協調性がないという特徴が第一に挙げられます。人に合わせて行動したり、皆と一つのことを成し遂げたりすることが苦手なのです。

集団行動も好きではなく、人と一緒に何かをするよりも自分一人で好きなように進めたいという気持ちが強いのが、自己完結タイプの特徴といえるでしょう。そのため、周りから見ると少し浮いているように感じられることもあります。

自分の価値観のみで判断する

自分の考えに自信を持っており、自分の価値観が絶対だと思っているため、何事も自分の価値観のみで判断するというのも自己完結タイプの大きな特徴です。

人の意見を参考にしたり人に相談したりすることなく、自分がこうだと思ったことを貫き通します。好き嫌いがはっきりしており、嫌だと思ったらシャットアウトするのも早いです。

その判断が的確であることももちろんありますが、何でも一人で決めてしまうため聞く耳を持たない印象を持たれやすいでしょう。

プライドが高い

自分の価値観や判断力に自信を持っているのは、プライドが高いという特徴があるからでしょう。自分一人で何でもできるから、人を頼る必要がないと思っているところがあるのです。また、人に頼ったり甘えたりすること自体を、プライドが許さないのかもしれません。

つまり、プライドの高さが自己完結を助長しているのだと考えられます。自分の価値観は正しいし何でもできる、という思いがあるため自己完結タイプのままで居続けるのではないでしょうか。

人の話を聞くのが苦手

協調性を持たない自己完結型の人は、とにかく自分の考えに自信があり自分の価値観が絶対だと思っています。そのため、人にあれこれ言われるのが苦手な傾向にあるのです。意見されても聞く耳を持たないという人も多いでしょう。

また、相談を受けたり話し合いをしていたりしても、相手の話をきちんと聞かず自分の意見だけを一方的に伝えて終わらせようとしがちです。人の話を聞いて考えを改めたり一緒に悩んだりすることが、自己完結タイプにとってはとても難しいのでしょう。

特徴を見ているだけでも付き合いづらそう…と感じた人が多いのではないでしょうか。また、当てはまるから自分は自己完結型人間なのかも…とショックを受けている人もいるかもしれませんね。

自己完結タイプというと周りを寄せ付けにくい悪いイメージが持たれがちですが、長所も意外とあるのです。自己完結するからこそのメリットとはどのようなものなのか、見ていきましょう。

決断力がある

自分で何でも考えて判断し、パパッと結論を出すことができるわけですから、決断力に関しては優れているといえるでしょう。いつまでもウジウジ悩んでばかりだったり、人に甘えてばかりといったことはありません。サッと決断することができるのはスマートですよね。

人に頼ったり相談したりする前に自分で決断できるのですから、それが正しいかどうかはともかく、物事を進めていくために役立つ力を持っているといえるのではないでしょうか。

自立している

自己完結型の人は、他人に依存することがありません。すべて自分で考え判断し、行動へとつなげていくことができるため、頼もしく見えることもあるでしょう。他人に甘えず生きている精神的に自立した人という見方ができるのではないでしょうか。

人に甘えてばかりの生き方に比べたら、自己完結する人は自分一人で責任を持って生きているともいえそうです。孤独な感じもしますが、自分で自分のことを何でもできるという意味では、自立している部分は長所といえるでしょう。

行動が早い

人に頼ることなくすべて自分で進めていくのが自己完結型の人であり、行動が早いのが特徴です。つまり、決断力とともに行動力も備えているのが、自己完結型の長所といえるでしょう。

誰かの意見を聞いたり判断に迷ったりしていると時間をロスしますよね。その点、自分が正しいと思えばそのまま突き進める自己完結タイプは、スムーズに行動に移せるのです。

場合によっては、優柔不断でもたつく人よりも、サッと動ける自己完結タイプの方が重宝されることもあるでしょう。

トラブルがあっても焦らず対応できる

自己完結する人は、自分で考えたり行動したりすることが苦にならないため、トラブル対応などもスムーズです。自己完結なので判断が間違ってしまうこともあるかもしれませんが、焦らずに対応することができるところは長所といえるでしょう。

人任せなタイプの人はトラブルが起きるとオロオロして慌てたり逃げたりしがちですが、自己完結タイプの人は自分でどうにかしようと動くことができるのです。そのため、頼もしく見られる場面もあるのではないでしょうか。

自己完結型だからこそ見られる長所も色々とあることがわかりましたね。ただ、やはり短所があることは否めません。自己完結な人は自分一人で生きていくならいいかもしれませんが、実際はそうはいきませんよね。

人間関係を築いていくうえで、どうしても自己完結な部分はネックになってしまうのです。では具体的にどのような短所が挙げられるのか、見ていきましょう。

会話を楽しめない

人の話を聞くのが苦手な自己完結タイプの人は、自分の考えだけを一方的に話してしまいがち。そのため、相手との会話を楽しむということができません。相手の話を聞いているようで聞いていないため、会話のキャッチボールが成立しないことも多々あります。

そんな自己完結な人と話していても、自分の話を聞いてもらえないことで相手も嫌になってしまうのです。お互いに会話が楽しめない状態になってしまうため、一緒にいてもつまらないと思われてしまうでしょう。

頼りにされなくなる

決断力も行動力もあるなら、周りから頼られそうですよね。ところが自己完結な人は周りの声を聞かない独りよがりな性格が災いして、他人を寄せ付けない雰囲気を出してしまっているのです。

人から相談を受けてもきちんと話を最後まで聞かずに、自分であれこれ決めつけて一方的にアドバイスして終わってしまいます。そのため、決断力などの長所がありながら、結局頼られることがどんどんなくなっていってしまうのです。

周りとのコミュニケーションが下手

人と会話をしたり一緒に考えたり皆で一つのことをしたり…といった、コミュニケーションが必要な場面でとにかくつまづいてしまうのが自己完結型の人。自分一人では物事をどんどん進められるのですが、人と関わりながら…となると、うまくいかなくなってしまうのです。

人と合わせることや人に影響されながら自分の考えを変えることができないため、周りと一緒に行動することを煩わしく感じがちに。自分からコミュニケーションを取るのも苦手ですし、周りの人の気持ちを汲むことも苦手なので、いつも一方通行になってしまいます。

自ら孤立してしまう

周りとうまく付き合えないということについては、自己完結タイプな人にも自覚があります。しかし、自分は間違っていないという気持ちが強いため、自分を変えてまで周りに合わせたり歩み寄ったりすることは考えられません。

そのため、自分から人と関わるのを避けようとしてしまうのです。一人でいた方がラク、周りとうまく付き合えなくても一人でやっていけると判断し、自ら孤立する道へと進んでいきます。一人で生きることなんて実際はできないため、結局生きづらさからは抜け出せません。

好きで孤立しているわけではないし、できることなら周りともうまくやっていきたい…と思っている自己完結タイプな人も多いのではないでしょうか。自己完結する性格というのは考え方や行動を変えていくことで、改善が見込めるもの。

自己完結のままじゃマズいな…と感じたならチャンスです。ここからは、自己完結型な性格をどうすれば改善していけるか、具体的な方法をご紹介していきます。もっと生きやすい自分になるためにぜひ行動してみましょう。

まずは自己完結タイプだと自覚する

自分は自己完結タイプと認めていない段階では、なかなか変わることはできないでしょう。まずは、しっかりと自覚することが大切です。そして何が問題なのか、困っていることは何なのかということと向き合いましょう。

自己完結タイプでも問題ない、このままでいいと思っていたら変われませんし、変わる必要性も見出せないですよね。自己完結な自分をどうにかしたいという気持ちを持つことが、変わっていくための第一歩だと考えて下さい。

視野を広げる

自己完結な人は、自分の考えや自分のいる世界がすべてだと思っています。しかし、それはとてももったいないことなのです。自分の考えや価値観だけに凝り固まっているうちは、視野がかなり狭くなっていて見落としているものがたくさんあります。

そんな自分を変えるには、視野を広げてみることが大切です。自分の知らない世界に触れることもその一つでしょう。行ったことのない場所や見たことのないものに出会うことで、自分が小さな人間だと思い知れば大成功です。

もちろん、人の話を聞くようにするというのも視野を広げるためには必要。自分の考えは一旦置いておき、周りに目を向けてみるようにしましょう。

プライドを捨ててみる

自己完結型の人は、いつもきちんとしていないといけないとか、できないのは恥ずかしいことだという思い込みのせいで、独りよがりになってしまいがちに。それは、プライドが邪魔をしているせいなのです。きちんとしていなくてもできなくても大丈夫、と自分をラクにしてあげましょう。

プライドを守ることで人との距離を作ってしまっているなら、プライドを思い切って捨ててみることも必要かもしれません。自分で自分を守りすぎるのをやめて、ダメな自分や弱い自分を認めた方が気持ちもほぐれていくはずですよ。

人に頼ることを心がけてみる

自己完結タイプの人は自分で何でもできる、一人で生きていけると思いがちですが、実際はそんなことはありません。何でも一人で完結してしまうと、どんどん孤立していってしまいます。時には自分から人に頼ったり甘えたりすることを心がけてみましょう。

人を頼ることができたら、人に対して感謝の気持ちを持てるようになります。この感謝の気持ちがあれば、自分がいつも正しいとか一人で生きていけるという考えも和らぐでしょう。人と助け合ったり頼り合ったりしながら、無理のない生き方ができるようになっていきます。

周りに自己完結タイプの人がいる場合は、どう付き合っていけばいいのかわからなくなってしまうという人もいるのではないでしょうか。何でも一人で勝手に進めて終わらせてしまうため、自分の存在を無視されているように感じる人もいるかもしれませんね。

決して悪気はないのですが、上手に付き合わないと傷ついたり寂しい思いをしたりすることにもなり兼ねません。本当に嫌になってしまうことのないように、自己完結タイプと上手に付き合うための方法をご紹介します。

余計なことは言わない

自己完結タイプの人が自分のことに関して一人で考え行動している場合は、口出しは避けた方がいいでしょう。もちろん集団行動など、他の人との関わりが必要な場面は別ですが、自分のことを自分でやろうとしているだけのときはそっと見守るのが一番です。

自分で考えて行動しているのに他人からとやかく言われることを、自己完結タイプの人は一番嫌います。色々思うところはあっても、余計なことは言わずに自己責任に任せるようにしましょう。

最低限の関わりしか持たない

自己完結な人のことを見ていてイライラする、口出ししたい！と思う人もいるでしょう。また、深く関わろうとすると壁を感じて寂しい思いをすることもあるかもしれません。

しかし、本人は何も感じていないことがほとんど。そのたびに振り回されていたらこちらが疲れてしまいます。そのため、他人をあまり必要としないタイプの人なんだな、と割り切って付き合った方がうまくいくはずです。関わりも最低限にとどめておけば期待しすぎることもありません。

自己完結の人を変えようと思っても本人にその気がなければ空回りするだけです。自分とは考え方が違う人なんだと思って、そこそこの関係でいれば疲れずに済みますよ。

相手を否定せず自分の意見を伝える

最低限の関わりで済む場合もあれば、そうでない場合もありますよね。例えば仕事仲間の場合は業務に支障が出ると困りますし、家族、恋人など毎日関わりを持つような場合も、表面上の関係で割り切るわけにはいかなくなってくるでしょう。

そのように密な関係の場合は、自分の意見をしっかり伝えることも必要になっていきます。ただし、伝える際には相手を否定しないことが重要です。自己完結型の人は、否定すると余計に聞く耳を持たなくなってしまいます。相手の言うことも受け止めた上で、自分の考えを伝えましょう。

自分が正しいと考えている人と向き合うのは簡単ではありませんが、根気強く向き合い続けていくうちに、相手の視野も少しずつ広がっていくはずです。

相手のいいところを見るようにする

プライドが高くて人の話を聞かないところのある自己完結タイプは、苦手…という人も多いでしょう。どうしても悪いイメージを持たれがちですし、短所ばかりが目についてしまいますよね。しかし、うまく付き合うためには自分の中のイメージを変えることが大切です。

悪いところばかりを気にするのではなく、相手のいいところを探すようにしてみて下さい。自己完結な性格でも長所はあるはずです。そして、その長所が人との関わりの中で役に立っていることを伝え続けましょう。

自己完結タイプは孤立しがちな性格ですので、人に必要とされていると感じるだけでも気持ちがほぐれていくもの。周りからアプローチすることで、本人の目も周りへと向いていくようになります。

独りよがりで他人を必要としないように見える自己完結タイプ。しかし、心のどこかでは人に甘えられない自分にもどかしさを感じているものです。自分でどうにかしないと…という責任感や自立心から、自己完結な性格になっている人も多いでしょう。

自己完結は、人付き合いにおいてはデメリットが多いですが、長所もあります。そして改善することもできるのです。全部一人で進めようとしなくても大丈夫、と肩の力を抜いてみましょう。

自分の中だけでなく周りに目を向け、人の声に耳を傾けながら、頭を柔らかくすることを考えて過ごしてみて下さいね。