そもそも「天真爛漫」とは?
「天真爛漫」の意味
「天真爛漫」とは、飾らない自然のままの姿のことをあらわす四文字熟語です。「天真」は「生まれ持った」などの意味で、「爛漫」は「輝いている」という意味になります。
思ったことをすぐに言葉にだしてしまう人や、嬉しいことや楽しいこと、辛いことがあったのだと表情だけでわかるような人が、天真爛漫と言われることが多いです。
天真爛漫の前に「子供のように」とつける場合もあり、純粋で飾らない様子を強調するときに使われます。
「天真爛漫」の類義語
天真爛漫の類義語には、「自然体」や「天衣無縫」などがあります。「自然体」は、日常の会話でもよく使う言葉ですよね。大切な場面でも緊張しない様子をあらわすときなどにも使用されます。
「天衣無縫」は、中国史などに詳しい人を除いてあまり馴染みのない言葉でしょう。人為的に加工した様子を感じさせない、自然のままの美しさをあらわす言葉です。
「天真爛漫」は主に人に対してのみ使う言葉なのに対して、「天衣無縫」は人に対してだけでなく、詩文などの作品の評価としても使う場合があります。天真爛漫と意味はほぼ同じですが、やや用途は幅広いのが特徴です。
「天真爛漫」の語源
「天真爛漫」という言葉は、14世紀の中国の学者、陶宗儀が記した随筆集『南村輟耕録(なんそんてっこうろく)』に由来すると言われています。『南村輟耕録』とは、元の時代の政治や制度、文化について記された全30巻の随筆集です。
この中で、余計な装飾をせずに絵を仕上げたところ、素晴らしいものができたという意味の一文があります。この様子をあらわすために、「天真爛漫」という言葉が使われているのです。
「天真爛漫」の使い方
「天真爛漫」は、基本的にポジティブな意味で使用します。無邪気で子供っぽいけれど、それが魅力的だと感じる人に対して使うことが多いです。
具体的には、感情を素直に表にだすタイプの人を指して「天真爛漫な人」と称したり、花のような明るい笑顔を「天真爛漫な笑顔」と表現したりします。
ただし、会議で議題から外れた発言をしてしまった場合などは、空気を読めないという意味で「天真爛漫」といわれることも。この使い方には若干のネガティブな意味と、相手に対する皮肉が含まれています。
出典:
goo辞書『天真爛漫』
https://dictionary.goo.ne.jp/word/天真爛漫/
ブリタニカ国際大百科事典(コトバンク)『輟耕録』
https://kotobank.jp/word/輟耕録-101077