「一人が好き」に関する専門家の意見やアドバイス
一人を楽しむ心構えとは?
一人でいることを楽しめるようになるには、どのような心構えが必要なのでしょうか。『自立と孤独の心理学』(加藤諦三)には、以下のように記されています。
「もともと一人で何かをするほど心理的に安定も、成長もしていない。社会的に大人になってしまったから一人で何かをする機会ができてしまったというだけのことである。一人でいることを楽しめない人は、元気な人を見ると勇気づけられるのではなく、逆に気持ちが落ち込む。誇らしげな人に接すると圧倒されてしまう。そうしながら密かにその威勢のいい人に敵意を持つ。弱い人が憎しみを持つというのはこのような心理過程である。一人でいることを楽しめる人は他人の存在によってそんなに心が動揺するものではない。他人に自分の優越を認めさせようとしたり、他人より自分が劣っているといっていじけることもない。」
きちんと自分を確立し、他人と自分を比べないことで、一人であることを孤独だと感じず、一人の時間が楽しめるようになるようです。
一人を楽しむ感情を育てる
一人でいることは、本当は自然なことなのに、それが「孤独」というマイナスな意味で捉えられることもあります。『孤独は贅沢―ひとりの時間を愉しむ極意』(ヘンリー・Ⅾ.ソロー)という本は、一人でいることの幸せを教えてくれます。
「人はみな、ひとり。でもそれはちっとも孤独なことではないし、自然に触れることで心は満たされ、私たちは自分が本来持っていたはずの色や香りに気づき、それをもっと濃くできる。それにいち早く気づいて、多くの人が森に落としてきた『しあわせの物差し』を、ソローはひとりで探しに行ったのだと思います。目を外へ外へと向けるのが良しとされるいまの時代。ちょっと立ち止まって、あえて自分の孤独に向き合えば、ソローの言う、湖の底のような『人としての深み』に近づけるかもしれません。そしてそのためには、私たちが本来一部であるはずの自然の手助けが欠かせないのです。みなひとりで、みな違う花だと思えば、ひとりで風に吹かれているのが当たり前。一人ひとりが自分の孤独を愛おしく思えることこそが、その人だけの『しあわせ』の根っこを育てていくのだと、ソローの言葉は私たちに気づかせてくれます。ソローはこうも言っています。『もし、屋根裏の隅にクモみたいに閉じ込められても、夢を持ち続ける限り、ぼくたちの世界はちっとも狭くなったりしない』ソローが『生きている詩』と呼ぶ地球の美しさを、私たちはこの目で、きちんと目撃できているでしょうか。『星の数ほどある原始的な楽しみ』を、少しは味わえているでしょうか。」
一人でいることを楽しみ、前向きな気持ちで一人でいることに向き合えるようになると、もっと人生を楽しめるようになるかもしれません。
一人でいることから人のありがたさを知る
一人でいるのが楽しいと感じることがある反面、人は一人だけでは生きていけません。一人でいる時間を楽しむためには、人のありがたさを知る必要があります。『孤独が人生を豊かにする』(中谷彰宏)には、その必要性について書かれています。
「人がいないところにいた人は、人の気配に敏感になります。人間のありがたみ・感謝・温かさを知るのは、その人が孤独だからです。いつもまわりに人がいる人は、人のありがたみがわからなくなります。親が子どもを自立させたければ、一度は一人暮らしをさせたほうがいいのです。一人暮らしをすると、すべて自分でしなければならなくなります。電気・ガス・水道は勝手に家に来るものだというのは、大間違いです。それは親が申し込んでくれていたからです。しかも、料金も支払っています。大学で一人暮らしを始めた人が最初につまずくのが、ここです。電気もつかないし、水道も出ないし、ガスもつかないので、故障ではないかと勘違いします。手続きをしなければ、始まらないのです。『自分は誰にも迷惑をかけていない』というのは、子どもの考え方です。人間は、迷惑をかけずに生きていくことはできません。いろいろな人のお世話になって生きています。人のありがたみに気づけることが、大人になるということです。何をするにも自分でしなければ誰もしてくれないことに気づけることが、孤独のよさなのです。」
一人でいることを寂しく感じる人は、その時間が他人に感謝をする気持ちを育てているのだと考えるようにしましょう。そうすることで、一人でいることにも意味があると思えるようになるかもしれません。
<参考文献>
『自立と孤独の心理学』(加藤諦三)
『孤独は贅沢―ひとりの時間を愉しむ極意』(ヘンリー・Ⅾ.ソロー)
『孤独が人生を豊かにする』(中谷彰宏)
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