友情結婚ってなに?恋愛結婚とは違うの?
ここでは友情結婚について書いていきます。いろいろな事情で結婚のスタイルというものは変わりますが、まだあまり知られていない友情結婚という選択肢を皆さんに少しでも知っていただけたら幸いです。
恋愛結婚と何が違うのか?友情結婚を選ぶ人、友情結婚の成功と失敗の例などもご紹介します。
友情結婚と恋愛結婚の違い
恋愛結婚とは、恋愛の期間を共有する中で、お互いが婚姻関係を考え結婚することで、そこには愛情からなる性行為が存在します。
友情結婚とは、性的関係ではなく友情と信頼で繋がった相手を生涯のパートナーと認め合うもので、恋愛による婚姻関係を考えることが困難な場合の結婚スタイルです。
どちらも結婚のスタイルであることに変わりはなく、性行為の有無にかかわらず、お互いが大切なパートナーと認め合った結果ということです。お見合い結婚のように最初から結婚を考えたスタイルとは異なります。お互いを信頼してから結婚を考える点では恋愛結婚と似ているでしょう。
友情結婚を選ぶ人の特徴は?
「友情結婚を選ぶのはLGBTの人」というイメージが世間ではあるようですが、実は他にも「性的なトラウマがある」など理由はさまざまです。パートナーに対しては、親友としての信頼や、友情、シェアメイトのような感情を持っている人が多いのでしょう。
そんな事情だけでなく、わざわざ「結婚」という選択をするのには次のような理由があります。
・長男、長女で家を継がなければならない
・親を安心させたい
・周囲からのプレッシャーや圧力に耐えられない
・本当の理由が言えない
・理由があり結婚しなければならない
などです。では具体的な特徴をご紹介しましょう。
単純にパートナーがほしい・必要な人
友情結婚を選ぶ人の中には、単純に人生をともに過ごす相手が欲しい、老後をひとりで過ごすのは寂しい、周囲のプレッシャーから解放されたいと考えている人もいます。
特に周囲からのプレッシャーから解放されたいと思っている人は、「結婚はまだなの?」などと、結婚に踏み切れない本当の理由を知らない相手から、心無い言葉を言われ続けることに傷ついている人も少なくないのでしょう。
また、長男や長女として生まれ、家を継がなければならないという事情がある人もいます。
友情結婚は偽装結婚とは違い、お互いを信頼し合ってするものなので、周囲から見れば恋愛結婚やお見合い結婚と何も変わりません。ひとたび結婚してしまえば、心無い言葉に傷つくこともなくなるはずです。
体の関係がある結婚が嫌な人
なんらかの性的トラウマがある人は、相手を信頼していても性行為そのものが嫌だと感じてしまったり、トラウマがなくても体の関係を持つこと自体が嫌な人もいます。
過去に浮気をされた、裏切られたなどの経験がある人は、性行為に対してトラウマを抱えてしまうことがあるでしょう。「身体の関係がある結婚は嫌だけど家庭が欲しい人」でもできるのが、この友情結婚なのです。
また、トラウマの有無に関係なく、性行為なしでも信頼で繋がることができる相手がいいと思う人も、友情結婚を考える場合があります。
友達のようなフランクな関係を望む人
友情結婚を望む人の中には、気の合う友人を見つけて、大切なパートナーとして一緒に人生を歩むために、結婚したいと思う人もいるようです。お互い対等で、フランクな関係を理想とする人たち同士なら、友情結婚という選択肢はいい方法なのでしょう。
相手の環境や価値観を共有し、助け合い尊重し合える関係を求めて友情結婚を選ぶのは、新しい結婚の形なのかもしれません。大恋愛の末に結婚したとしても、お互いが助け合い尊重し合うことができない関係では、一緒に居ても辛いだけですよね。
LGBTの人
友情結婚を選ぶ人の中には、LGBTなどいわゆるセクシャルマイノリティの人もいます。実は友情結婚の活動をしている人は、LGBT人口の4人に1人と言われています。カミングアウトする勇気がない、するつもりはないので周囲からは気付かれません。そのうえで異性と結婚をすることで周囲を安心させられると考える人も多いのかもしれません。
友情結婚をしてもお互いに別のパートナーがいることも少なくありません。それを承知で友情結婚をしているので、別のパートナーが居てもトラブルにはならないことが多いようです。
しかしのちほど書きますが、トラブルになってしまうこともあるので注意が必要な場合もあります。
ノンセクシャル・アセクシャルの人
ノンセクシャルは誰かを好きになっても性的欲求は持たない人で、アセクシャルは他人に対して性的に惹かれることが少なく、性行為への関心や興味、欲求が少ない人を指します。
友情結婚なら、性的関係を前提としないため、無理する必要がなく、お互いに心が休まる環境で生活を送ることができるのです。
友情結婚が成功するケース
次は実際に友情結婚に成功したケースをご紹介します。どんなにパートナーと信頼し合っていても、すべてがうまくいくとは限りません。「こんなはずではなかった」と後悔する前に、パートナーとよく話し合うことが必要です。
ではどんな友情結婚が成功するのでしょうか。
お互いの「友情結婚」への価値観が一緒
まず一番大事なのは、お互いの価値観が同じであること。友情結婚をするにあたって、事前にルールを細かく決めておく必要があります。例えば、金銭面。生活費はどうするか、貯金はどうするか、子供はどうするか、お互いの親族との付き合い方や交際期間をきちんと経て結婚するのかといったことなどです。
「そんなこと、決めなくても常識だろう」というようなことでも、その常識は自分の中だけのことという場合もあります。あとからトラブルになるより、結婚する前にきちんと決めておきましょう。そして、「婚前契約書」を作成し、決めたことに法的効果を持たせると、トラブルを回避することができます。
面倒がらずに相談や行動することで、お互いの価値観も一緒になりやすく、結婚も成功する率が高くなるでしょう。
互いに恋愛感情が一切ない
友情結婚の場合、お互いに恋愛感情がないことが前提となります。結婚して、一緒に住んでいても寝室は別であったり、生活リズムが違う場合もあります。そうすることで、結婚前のリズムを崩さずに生活ができるという利点もあります。
もちろん、結婚に際してルールをしっかり決めるので、そのルールの範囲内での生活リズムにはなります。
友情結婚を成功させるには、お互いに「この人には恋愛感情はない」という点でブレない必要があるでしょう。
恋人を作ることを容認できる
友情結婚の場合、お互い別に恋人がいることも多いのですが、この恋人の存在を否定しない、容認できると成功する率があがります。ここが恋愛結婚とは違う部分ですが、友情結婚はお互いに利害の一致することが前提となるため、恋人がいる、または作ることに肯定的だとうまく結婚生活が送れるのでしょう。
そのためにも、「婚前契約書」の中に恋人を作ることへの容認を記載しておくといいかもしれません。しかし、容認する範囲には気を付けた方がいいことがあります。
それは恋人とどこで会うかです。自分たちの家に相手を自由に出入りさせてしまうと、お互いの生活リズムが崩れる可能性もあります。恋人とは外で会うと決めているカップルが多いようです。
友情結婚が失敗するケース
せっかく縁があって友情結婚までたどり着いたのに、失敗してしまうのは、やはりとても残念なこと。失敗したケースには、次のようなものがあります。
結婚する前に事前の確認が不十分
成功したケースに書きましたが、結婚する前には細かくルールを決めておく必要があります。ルールの決め方が不十分だと、友情結婚が長続きしないようです。
しっかり決めたつもりでも、いざ生活を始めると、同じだと思っていた価値観にズレが生じたり、言葉が足りなかったりもあります。例えば、最初にきちんと生活費などの金銭的なことを決めていないとトラブルの原因になりますし、家事分担のルールが崩れてしまったりすることもあります。これらは結婚前にしっかり決めておけば防げるトラブルです。
他には恋人とのトラブルもあります。友情結婚ではパートナー同士の理解の他に、恋人の理解も必要不可欠。こちらがうまくいかなくなれば、結婚生活にも支障をきたしてしまうのです。
どちらかが恋愛感情を抱いた時
友情結婚の基本は、恋愛感情を抱かないことにあります。友情で繋がっているはずの結婚に恋愛感情が入ってしまったら、もう友情結婚は成立しません。
もし、別に恋人がいたのにパートナーに恋愛感情を持たれてしまったら、そのあと一緒に生活をすることは困難になります。そうならないためにも結婚する前にしっかりルールを決めておいた方が良いでしょう。
友情結婚の失敗を回避する重要ポイント
ではどうすれば失敗を回避することができるのでしょう。ここからは、友情結婚の失敗を回避する重要なポイントをご紹介します。友情結婚を成功へと導くものなのでチェックしてみてください。
結婚前にお互いの価値観をよく話し合う
友情結婚が成功したケースでも書きましたが、結婚前にお互いの価値観をよく話し合うことはとても重要です。パートナーが自分に求めるものは何か?自分がパートナーに与えられるものは何か?それぞれがどんな価値観を持っているのか?などを知ることで、相手をパートナーに選び、結婚しても大丈夫なのかを考える時間にもなるからです。
もし少しでも自分と価値観が違うと感じた場合も、よく話し合うことで自分の考えを伝えることができます。また、パートナーの価値観も理解しておくことで、結婚後に「こんなはずじゃなかった」という事態には陥りにくくなります。
生活ルールをきちっと決めておく
友情結婚は、お互いよそに恋人がいる場合が多いので、別々の生活スタイルを持つことを考慮したほうがいいかもしれません。結婚生活において、生活ルールをきちんと決めておくことは重要ポイントのひとつです。
家事はどうするのか?分担制にするのか、当番制にするのか。生活費はどうするのか?すべてを半分ずつ出すのか、項目を決めて出すのか。恋人との生活はどうするのか?今、恋人がいないとしても作っていいのか。
「そこまで細かく決める必要はないのではないか?」と思うようなことまで決めたとしても、結婚後になって不十分だったと気づくことが発生するかもしれません。あらゆる未来を想定して、思いついたものはすべて話し合って決めておきましょう。
子供に関する考えを話し合う
友情結婚といえども、家族を増やすことは可能です。しかし、そのためには、子供をどうするのかについて、よく話し合う必要があります。自分の意見もパートナーの意見も両方とも出し合い、そこから最終的にどうするのかを話し合いで決めるのです。
友情結婚でも子供が欲しいと願っているケースは少なくないので、子供に関しても価値観に違いがあるのかどうなのかをしっかり確認しましょう。
恋人を作ってよいか決めておく
友情結婚をしようと決めた時点で、既に恋人がいるケースもありますし、結婚後に恋人ができるケースもあります。自分たちの場合は、どうするのかをよく話し合うと良いでしょう。
例えば、恋愛に関しては自由にしていいとか、恋人と逢う時にはパートナーに言う、恋人のところに行く時には声を掛けるといったことです。
結婚はただ、婚姻関係になればそれでいいというものではありません。恋愛結婚や、お見合い結婚なら、他に別の恋人がいるとなれば大問題になってしまいます。友情結婚は、その辺の事情も含めてしっかり理解してからするので、なおさらパートナーの考え、自分の考えをすりあわせることが必要なのです。
友情結婚で子供がほしい場合はどうするの?
ではどのような形で妊娠、出産を経て夫婦二人から家族になっていくのでしょうか。ここでは友情結婚で子供が欲しい場合の一例をご紹介します。
人工授精or体外受精
友情結婚で子供がほしいとお互いの話し合いで決まった場合、方法としては人工授精や体外受精があります。この場合、不妊治療を開始してタイミングを見ながらの授精となります。
まず、人工授精の場合、パートナー同士で性行為をすることはないので、夫の精液を妻の子宮内に入れることになります。最も妊娠しやすいと予測されるタイミングを見ながら、最適な時期を狙って行われる方法です。病院によって費用は前後しますが、1回15,000円前後となります。
次に体外受精の場合、取り出した妻の卵子に夫の精子をかけた後、再び妻の子宮内に卵子を戻し受精を待ちます。こちらも病院によって費用は前後しますが、1回20万~50万円前後と言われています。
里親として子どもを受け入れる
友情結婚は、パートナー同士で性行為をすることがないので、人工授精などの方法で子供を授かることが多いと言われていますが、もうひとつの方法として里親制度を利用する場合もあります。
里親制度の一般的な流れは「児童相談所に相談する」(面談)、「施設に子供に会いに行く」(3ヶ月間)、「里親として半年間一緒に暮らす」、「家庭裁判所に特別養子縁組の申請をする」、「約半年で養子縁組となる」です。里親制度を利用するのに費用は発生しませんが、里親研修などを受講して問題がなければ里親になる資格を得られるという流れが一般的です。
いずれも、容易に進められるものではないため、制度や仕組みをよく理解する必要があります。
友情結婚したいけど…どう出会ったらいいの?
ではどうすれば、信頼できるパートナーと出会うことができるのでしょうか。ここではパートナーとの出会いについて2つご紹介します。一生を共に過ごすパートナーと出会うためにはどんな方法があるのでしょうか。
友情結婚での生活に欠かせないパートナーです。共に生きていける家族との出会い方をご紹介していきます。
価値観の合う友人に紹介してもらう
友情結婚において大切なことは、一緒に人生を歩む大切なパートナーとの出会いではないでしょうか。
出会いのきっかけを価値観の合う友人に作ってもらうという方法があります。自分と価値観が合う友人ならば、紹介してくれるパートナーも価値観の合う人である可能性が高いでしょう。自分のことを理解してくれている友人からの紹介であれば、自然とその出会いから、信頼や友情が築けるようになるのではないでしょうか。
専門に取り扱う結婚相談所に登録する
最近では友情結婚を専門に取り扱う結婚相談所もあります。結婚相手を探すために登録するというシステムは、結婚したい人にとっては利用しやすいシステムでしょう。
性行為をしなくても愛情をもって生涯のパートナーとなれる人、合理的な友情結婚をして自由に恋人との生活を楽しめたら悩みが解消されると考えている人など、自分と価値観の合うパートナーが見つかる可能性が高いのが、結婚相談所ではないでしょうか。
まずは無料相談をし、入会時の面談、紹介、お見合いという流れが一般的で、お見合いが成立すると、パートナー候補との話し合いの期間があり、結婚となります。
自分の理想の相手を探したいなら結婚相談所に登録するという方法もあるのです。
誰にだって幸せになる権利はある!
世の中には偏見でものを見たり言ったりする人たちがいるのは事実です。そういうつもりがないのに、知らないうちに誰かを傷つけていることもあるでしょう。
しかしどんな環境、状況、関係でも、これだけははっきり言えることがあります。それは、誰にだって幸せになる権利がある!ということです。幸せになりたいと感じたすべての人たちが幸せな人生を送れますように。
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