射精に関する専門家の意見やアドバイス
男性器の詳しい構造
射精について知りたいなら、男性器の構造についても理解しておく必要があるでしょう。『最高に気持ちがいい! 感じるセックス、飽きないセックス』(編著:OLIVIA 、監修:喜田 直江)では、以下のように解説されています。
「男性器は、ペニスや竿と呼ばれる陰茎と、玉袋とも呼ばれる陰のうから成り立ち、女性器に比べて非常にシンプルな構造をしています。ペニスは海綿体と呼ばれる組織でできています。 興奮すると、この海綿体に血液が充満して、水を吸ったスポンジのように膨らみ、勃起します。 ペニスの中心部には尿道が通っていて、尿や精液はここを通って体外に放出されます。男性は、 尿も精液も同じところから出るのです。ちなみに、性的興奮で勃起している時は、尿が出ないような仕組みになっています。」
女性よりはシンプルといってもやはり構造は複雑で、女性にとっては未知の領域。仕組みをしっかり知っておくことで、セックスにも役立てられるでしょう。
射精のメカニズム
勃起後に射精するメカニズムについては、『#オナニー最前線』(SANWA MOOK) に、次のような解説があります。
「(前略)このペニスの勃起を合図として、精巣に蓄えら れていた精子は、少量の分泌液とともに精管の蠕動運動によって、精管末端にある精嚢との合流地点まで運ばれて、射精の瞬間まで待機します。射精する直前になると、膀胱括約筋が収縮を始めることで前立腺内に溜まった前立腺液が尿道排出され、同時に精子も前立腺部まで押し出されます。ただ、これだけでは、精液は放出されません。 それは、尿道から漏れ出ないよう、尿道括約筋が 固く収縮しているからです。(中略)
この時せき止められた精液は、前立腺內で充満して前立腺を圧迫します。射精直前の快感はこれが原因です。 性的興奮が頂点に達すると、肛門括約筋などの筋肉の収縮が始まり、オーガズムに達します。そして、オーガズムが引き金になって、脊髄内の射精中枢が反応し、射精反射が発生します。すると、尿道括約筋が緩んで、前立腺内に充満した精液が一気に押し出され、ペニス先端の尿道口から勢いよく射精されます。」
勃起してから射精するまでの間にも、男性の体の中ではさまざまな働きが起こっているのですね。
射精は我慢することもできる?
セックスの最中に男性が射精を我慢することがありますが、射精は男性の意思でコントロールできるものなのでしょうか?『男のオナニー教本』(実践性科学研究会)では、以下のように解説しています。
「勃起と射精のメカニズムはやや複雑です。人間は交感神経と 副交感神経をうまく切り替えて生命活動のバランスを保っています。緊張時は交感神経、リラックス時は副交感神経が働きます。仕事をしているときにヌード写真を見ても勃起がはじまらないのは交感神経が働いているからです。つまり、充分に勃起が得られている状態はリラックスしているときに働く副交感神経に支配されているのです。
ところが、射精する瞬間は副交感神経が一気に交感神経に切り替わってしまいます。昔から射精しそうになったら、気を紛わすために数を数えるといいなどといわれるのもそのためで、射精時に働く交感神経に切り替わることを防いで副交感神経のままリラックスするのが目的なのです。」
つまり、リラックスした状態を維持することで、射精をある程度セーブできるということですね。他にも、交感神経が働いている緊張状態では勃起できないなど、繊細なメカニズムが働いていることがわかります。
射精後の「賢者タイム」とは
射精した後に男性に訪れる「賢者タイム」とは何でしょうか?『SHIMIKEN’s BEST SEX 最高のセックス集中講義』(しみけん)では以下のように解説されています。
「男性が射精をすると、脳内でプロラクチンというホルモン物質が放出され、それまであった性欲が根こそぎ持って行かれるような状態になります。これが俗に言う『賢者タイム』で、男性の場合ほぼ100%の確率で、オーガズムに達した直後にこの状態が訪れます。 セックス中は『一晩中、抱いてやるぜ!』と息巻いていたのが、射精後、『ううう...』とヒヨってしまいます。(中略)また女性のなかには、とんでもないテクニックを持っていて、男性が賢者タイムに陥っていても、それを無視させてしまう方も稀にいます。僕は、そんなテクニシャンな女性のことを『賢者殺しさん』と呼んでいます。」
射精後に、ほぼ100%の男性に訪れるとは驚きです。ホルモンが分泌されたり、交感神経が切り替わったりと、射精の前後では男性の中で目まぐるしい変化が起こっているということですね。体験することのできない女性には理解することが難しいかもしれませんが、男女の違いによる誤解を防ぐためにも知識として知っておく必要があるでしょう。
<参考文献>
『最高に気持ちがいい! 感じるセックス、飽きないセックス』(編著:OLIVIA 、監修:喜田 直江)
『#オナニー最前線』(SANWA MOOK)
『男のオナニー教本』(実践性科学研究会)
『SHIMIKEN’s BEST SEX 最高のセックス集中講義』(しみけん)