「月が綺麗ですね」って何?どういう意味?
今回は「月が綺麗ですね」の持つ意味についてご紹介していきます。文学的な要素を含みますので、通常の恋愛に古風なロマンを取り入れてみたい人は、是非ここで学んでみましょう。
この意味を知っておくことで、何気なく「月が綺麗ですね」と言って相手に誤解されることもなくなります。返し方に悩んでしまう人もいるでしょうから、併せて覚えておくといいですね。
「月が綺麗ですね」の意味
「月が綺麗ですね」は、文字通り「月が輝いていて美しいですね」という意味である場合も多いですが、「愛しています」「好きです」と気持ちを伝える際の間接的な表現として用いられることがあります。ストレートな表現ではないぶん、奥ゆかしく、情緒溢れる愛のメッセージと言えるでしょう。
由来は夏目漱石?
かの有名な作家、夏目漱石が「I love you.」を「月が綺麗ですね」と訳した、と言われています。明治時代、作家でもあり英文学者でもあった漱石は、英語教師でもありました。その際、生徒が「I love you.」を「我君ヲ愛ス」と訳したところ、「日本人はそんな台詞を言わない。『月が綺麗ですね』とでも訳しなさい」と直したのが由来とのこと。
漱石はもちろん英語が出来なかったわけではなく、当時の日本人の性格や奥ゆかしい恋心を踏まえて、訂正したのだと言われています。しかし、このエピソードが記された文献などはなく、あくまでも「そう言われている」というだけの話。それでも、当時の日本人は直接的表現を苦手としていたので、まるで詩のような「月が綺麗ですね」は愛の言葉として浸透したのでしょう。
「月が綺麗ですね」に対する返事【OK編】
それでは、どのような返事なら、「月が綺麗ですね」と同じようにムードを大切にしながら気持ちを伝えられるのでしょう。使える台詞の一例をご紹介します。
「死んでもいいわ」
「死んでもいいわ」は、二葉亭四迷の訳したセリフとして有名です。ツルゲーネフの『片恋』を訳した四迷は、男性に告白された女性の返答として、この「死んでもいいわ」を当てています。これはもともと、ロシア語「ВаШа」(英語で言う「Yours」)を指していて、「私はあなたのもの」という意味です。しかし、四迷もまた、直接的表現を避けて「死んでもいいわ」と訳したと言われています。
「月が綺麗ですね」「死んでもいいわ」と言葉を交わす二人の男女を想像してみてください。直接的な愛の言葉がなくても、ロマンチックで、燃えるような愛を感じられませんか?明治文学ならではの、粋な会話だとも言えますね。
「月はずっときれいでしたよ」
「月」を愛のモチーフとした言葉である「月は綺麗ですね」に対して、「月はずっと綺麗でしたよ」と応えるのも粋な返しと言えるでしょう。これは、月をお互いの愛の象徴として捉え、同じように気持ちを寄せている場合に使える言葉です。
「月はずっと綺麗でしたよ」は、「私もずっと前から好きでした」と相手と同じ気持ちであることを示しています。月を見ながら、お互いに同じ想いを寄せていることを確かめ合うのに適した言葉と言えるでしょう。
「ずっと見ていたいです」
「月が綺麗ですね」が愛の告白を意味しているのであれば、その月を一緒になって見ていたいという言葉も、OKの返事として適しています。「ずっと見ていたいです」とは、ずっと一緒に同じ月を見ていたいという解釈が出来るのです。
それはつまり「ずっと一緒にいたい」ということ。「月が綺麗ですね」を口にする相手であれば、「私も愛しています」という意味だと察してくれるでしょう。これもまた、奥ゆかしさを持ちつつ、しとやかな愛の言葉となっています。
「あなたと見る月だから」
自分の気持ちをなかなか口に出せない人は、「あなたと見る月だから」と返してみてはいかがでしょうか。「月が綺麗ですね」という相手の言葉を肯定した上で、一緒に見るからそう感じるのだと伝えられます。遠回しではあっても、かなりダイレクトに一緒にいる時間を嬉しく感じる気持ちが表現出来るでしょう。
同じものを見て、同じ様に感動できる喜びは、愛している人との時間だからこそ感じるもの。恥ずかしくて、それを表現することが出来ない人でも、「あなたと見る月だから」と返せばしっかり伝わるはずです。
「月が綺麗ですね」に対する返事【NO編】
しかし、直接的な愛の言葉ではない分、どんな風にお断りをしたらいいのかわからない場合もあるでしょう。そんな時にオススメなセリフを、ご紹介していきます。
「私は太陽の方が好きです」
太陽は月とは正反対とも言える存在です。昼と夜で分けられるように、対極にあるもの。そこで「月は綺麗ですね」に「私は太陽の方が好きです」と返せば、やんわりと、それでいてはっきりと「あなたとは分かち合えません」と伝えることが出来るのです。
正反対の太陽を持ち出しているわけですから、気持ちに応えられないだけではなく、「理解し合えない」という意味も含んでいます。共感しあえる可能性は少ないということが、相手にもはっきりとわかるでしょう。
「しかし青くはありません」
「月は綺麗ですね」に対して「しかし青くはありません」と返すと、話が噛み合っていないような気もしますよね。「青い月」とは、とても稀に月が青く見える現象「ブルームーン」のことです。さらに、英語には「once in a blue moon」という表現があり、「滅多にあることではない」ことを意味しています。
つまり、「しかし(月は)青くはありません」ということは、滅多にあることではない事実を否定しています。ここでは、「両想い=滅多にあることではない」を否定しているので、結論として「両想いではありませんよ」という意味になります。
「手が届かないから綺麗なんです」
手が届かないということは、現実的ではないということ。「手が届かないから綺麗」と感じるのは、現在の二人の仲が現実的ではないという意味になりますよね。それは、夢物語の愛なのだと伝えているのと同じです。
恋愛ごっこというわけではありませんが、その恋を現実のものとして捉えられない人にはオススメなセリフです。越えてはいけない線をお互いに越えないように、戒めの言葉としても使えます。
私にはそうは見えません
「月が綺麗ですね」が「愛している」の表現ならば、「私にはそう見えません」は「私は違います」と言っているようなもの。シンプルですが、飾り気もなくストレートな物言いなので、気持ちに応えられないことが相手にもはっきりと伝わるでしょう。
結局断ることになるとしても、相手が「月が綺麗ですね」で醸し出そうとしたムードを壊してしまうのは気が引けますよね。断りたい、しかしみもふたもない言い方は出来ない、そんなときには「私にはそうは見えません」が適しています。
「月が綺麗ですね」をどう思う?男女の本音
「月が綺麗ですね」という言葉に対し本当はどう思っているのか、みんなの本音を覗いてみましょう。
「月が綺麗ですね」について何も知らなかった
「単純に月の明るさを言っているのかと思って、深く考えなかった」(24歳/男性/フリーター)
「いいムードで落ち着いた言葉だったので、もっとムードを盛り上げようとしているだけなのかと思った」(26歳/女性/OL)
特別な意味を考えたことがなかったという人は、少なくはないでしょう。そもそも文学に興味がなかったり、直球恋愛勝負が当たり前の人には、なかなか縁のない言葉かもしれません。
素敵!憧れる!
「飾り気のない言葉だけど素敵だなと思う。自分も好きな人と月を見る時に言ってみたい」(29歳/男性/営業職)
「『月が綺麗だね』だけでも素敵だし、意味を知ったら一度は言われてみたいと憧れるようになった」(23歳/女性/フリーター)
「月が綺麗ですね」は、たしかにちょっと古風な言い回です。だからこそ、ロマンを感じて憧れる人もいます。日本人であれば惹かれやすい奥ゆかしさは、明治に限らず現代でも魅力を持っているのです。
キザっぽくてなんだか恥ずかしくなってしまう
「ドラマや映画みたいで恥ずかしい。自分にはなかなか言えそうにない言葉」(26歳/男性/アパレル)
「実際に目の前で言われたら素敵を通り越して照れちゃう。きっと何も言えなくなる」(22歳/女性/学生)
ロマンを感じて憧れる人がいる一方で、さすがに古すぎると感じる人もいます。時代とズレている古臭い言葉は、やけにキザっぽく感じてしまうものです。真面目な顔をして「月が綺麗ですね」なんて、言うのも言われるのも無理!という人がいても、おかしくはないのです。
すぐに返しの言葉が見つけられない
「意味は知っているけど、そのぶん咄嗟の返しが出てこない。それ相応の返答をその場で思いつくのは難しい」(29歳/男性/研究職)
「『月が綺麗ですね』にふさわしい返事をすぐに思いつけなさそう。OKしたくてもたぶん沈黙してしまう」(27歳/女性/OL)
何かの比喩かな?と察したとしても、真意を掴むために時間がかかります。「月が綺麗ですね」という言葉に込められた意味を考えているうちに、返事のタイミングを失ってしまうことも。現代で常用される言葉ではないので、ぽんぽんとスムーズな返しが思いつきにくいのでしょう。
「月が綺麗ですね」に並ぶロマンチックな告白
自分の恋心を直接伝えることは出来ないなら、自分なりのロマンチックな言葉を考えてもいいですね。参考に出来るロマンチックな告白を紹介していきます。
星が綺麗ですね
夜空に無数に散らばる星。捕まえることも、数えることも出来ません。そこで、自分の想いが溢れていることになぞらえて「星が綺麗ですね」と伝えてはいかがでしょうか。「こんなにも愛している気持ちに、あなたは気付いていないでしょう」という意味を含んでいます。
片思い中の人は、自分の抱えている恋心を星空に投影させたりもします。月と同じで夜空に浮かぶ存在ですが、その儚い存在が自分の苦しいくらいの想いと通じるのでしょう。相手が同じ気持ちであれば、「月が綺麗ですね」と返してくれるかもしれませんね。
海が綺麗ですね
どこまでも深く潜れる海を見ながら、「海が綺麗ですね」と告白してみるのもいいでしょう。これは、「あなたに溺れたい」という意味を含む言葉です。海という壮大なスケールを目の前にして、自分の気持ちを全て相手に注ぎたいという気持ちが溢れています。
海をたとえに出す時には、多くの場合、深さを指しています。好きな人と海を眺めているだけでもロマンチックなデートですが、そこで愛情の深さを込めた「海が綺麗ですね」という言葉をそっと伝えてみてはいかがでしょうか。
虹が綺麗ですね
一緒にいたいと思う相手に「あなたと繋がっていたい」という気持ちを込めて、「虹が綺麗ですね」と伝えるのもロマンチックです。「月が綺麗ですね」と同じように、人の目を一瞬で惹きつける幻想的な自然現象に気持ちを乗せています。虹は架け橋と言われるように、遠く離れていても気持ちを繋いでくれていると感じることも出来るでしょう。
虹を目にする機会は限られています。天気や運などのタイミングが重なってこそ見られる奇跡的なものです。そんな奇跡を好きな人と一緒に見られたら、気持ちを伝える勇気も湧いてくるかもしれませんね。
今日はとても幸せです
「月が綺麗ですね」に並んでロマンチックであり、それでいてシンプルな表現が「今日はとても幸せです」でしょう。その言葉のままの意味として受け取ってもらっても問題ないですし、一緒にいる相手に向けて「今日=あなたといる時間」として伝えることも出来ます。
なんでもないような言葉に自分の気持ちを込める奥ゆかしさは、「月が綺麗ですね」に通じるものでもありますね。幸せな時間を与えてくれた感謝の気持ちと共に、伝えてみてはいかがでしょうか。
「月が綺麗ですね」は今も昔も人の心に響く告白!
真面目であることを恥ずかしいと感じる人は少なくありません。真面目な告白よりも、おどけて冗談半分で済ませてしまう人もいます。
しかし、「月が綺麗ですね」のように情緒を感じさせる言葉は、相手だけではなく自分の心にも響くでしょう。ときには真面目に、心を込めた「月が綺麗ですね」を伝えてみませんか?
スゴレンは、「男女の恋愛の本音」を集めた恋愛アンケートに基づいて作成した女性向け恋愛コラムを提供しております。さまざまな恋愛シーンで活用できるコンテンツを配信中!