「満たされない」と感じる原因とは？その心理や対処法も徹底解説

学校生活や仕事は順調で、これといった問題があるわけではないのに、なんとなく満たされない。そんな思いを抱えている人は意外と多いのではないでしょうか。何も問題がないのに、なぜ満たされないと感じるのだろう…と悩んでしまうかもしれませんが、自分でも気付かない原因がどこかに潜んでいると考えられます。

一方で、満たされない原因がはっきりしている人もいます。あることがきっかけで何をしていても満たされない、ある問題のせいでスッキリした気分で毎日を送ることができない、というケースです。

原因がわからない場合も、わかる場合も、対処するのは簡単でないことは容易に想像できますよね。今回は、心が満たされない原因や対処法に深く切り込んでみましょう。

満たされないと感じているとき、人の心理はどのような状態なのでしょうか。根本に「満たされない」という感覚があり、そのことにより引き起こされる心理状態を考察してみました。

その人の性格や置かれている状況によって、心の動きはさまざまです。心が満たされないと感じている人は、ぜひ参考にしてください。

なんとなく不安で寂しい

差し迫った問題があるわけではないのに心が満たされないと、不安で寂しい気持になってしまう人は多いでしょう。本来なら何も問題がないのは幸せな状態ですが、満たされない原因がはっきりしないため、なんとなく不安で寂しくなってしまうのです。

満たされないせいで不安だし寂しいと感じるのだから、その原因を突き止めてなんとかしたいと思うものの、特に思い当たることがないので、不安や寂しさが解消されません。こんな人は、もしかすると平穏な毎日に退屈しているのかもしれません。

何をしてもつまらない

満たされないせいで、何をしてもつまらないと感じてしまう人も多いでしょう。心が満たされないと、生活に張り合いがなくなってしまう傾向があります。楽しいはずのことをしていても気持ちが高揚せず、冷めた見方をしてしまうのです。

自分は劣っていると思っている

満たされない原因は自分にあるのではないか、と思ってしまう人もいます。他の人と比べて自分は劣っているから満たされないのだろう、という解釈に行きついてしまうのです。実際にはそんなことはないのに、満たされない気持ちのせいで後ろ向きな考えになってしまうのでしょう。

活動が止まってしまう

中には満たされない気持ちのせいで活動が止まってしまい、生活に影響を及ぼす人もいるでしょう。心は無気力な心理でいっぱいになり、何事にもやる気が起きなくなってしまうのです。

ここまでのことになってしまう人は、満たされない原因がはっきりしているケースも少なくありません。悩み事が満たされない要因となっているので、行動する気力がわかないということも考えられるでしょう。

楽しいことを見つけたい

「満たされない自分を変えたい」と考える人ももちろんいます。そんな人は、日常の中で楽しいことを見つけたいという心理があるでしょう。このように、満たされないと感じている人でも、大きく2つのタイプに分かれます。

気力が失われ後ろ向きな考えになってしまう人と、逆に「これではいけない」と前向きになろうとする人です。満たされない現状をどのくらい真剣に受け止めているかや、どのくらい気力が残っているかで、行動にうつす、うつさないが分かれるのかもしれませんね。

いてもたってもいられなくなる

いてもたってもいられなくなり、満たされない現状から脱出しようと焦る人もいるでしょう。満たされない状況が長期間に及ぶと、最終的にこのような心理になる人は案外多いのではないでしょうか。

自分の現状に危機感を覚え、満たされるにはどうしたらいいかを考えるようになるのです。不安な気持ちはあるが、不安にばかりとらわれていたら状況は変わらないと考えて、いてもたってもいられなくなるケースは少なくないでしょう。

この項目では、満たされない原因がはっきりしているケースに注目していきましょう。満たされない原因にはどんなものがあるのでしょうか。世の人々が考える「満たされない原因」をいくつか紹介します。原因がはっきりとしているということは、それを悩み事として自覚していると考えていいでしょう。

親やパートナーからの愛情不足

「これまでの私の人生を考えると、愛情不足が満たされない原因になってるんじゃないかって思うんです。親はいつも忙しくて、私のことをあまり構ってくれませんでしたし、夫からもあまり愛情を感じられません。

家庭には、特にこれといった問題はありません。夫が浮気してるなんてこともないです。だけど、愛されているのかよく分からない。こんな感じでずっと生活してきたから、満たされないって感じるんでしょうね」（32歳/女性）

満たされない原因は、十分な愛情を与えられてこなかったからではないかという意見です。ですがこれは、一概に原因であると特定できないともいえます。受け取る側が愛情不足と感じても、親や夫のはそうは思っていない可能性もあります。

仕事で結果が出ない

「自分なりに頑張って仕事してるんですが、一向に結果が出ません。もう何年も働いているのに…。要領が悪いのかわかりませんが、きっと自分に何かしら原因があるんでしょうね。同僚はどんどん出世していくのに、自分だけ状況は変わらず。こんなだから毎日満たされません」（28歳/男性）

頑張っても結果が出ないと嘆く男性です。ほどほどに仕事しているならまだしも、頑張っているのに結果が出ないと、満たされない気持ちになってしまうでしょう。

綺麗になるため頑張ってるけど満たされない

「ジム通いしたりエステに行ったり、ありとあらゆる方法を試して、綺麗になるための努力をしています。時間もお金もかけてるから、何もしてない友達よりは効果が出てるとは思います。

でも、これほど努力しても全然満たされません。やってもやっても満足しないんです。多分、努力してるわりに素敵な彼氏ができないからだと思う。たぶん中身を磨かなきゃダメなんでしょうね」（23歳/女性）

努力の結果は出ているけれど、満たされないという女性です。このケースの場合、満たされない原因は、綺麗になるための努力とは別のところにあるようです。

恵まれた環境にいるから満たされない

「自分で言うのもなんですが、恵まれた環境で育ちました。子どもの頃から欲しいものはなんでも買ってもらえたし、お金で苦労したことはありません。大人になってからも、ストレスが溜まるようなつらい仕事をしたことはありません。

苦労することなくなんでも手に入る環境だから、周りの人から『幸せでいいなあ』って羨ましがられます。でも、実際は逆です。恵まれてるからこそ満たされません。そんな人間もいるんですよ」（27歳/男性）

頑張っても報われなくて満たされない人もいれば、このように恵まれた環境でも満たされない人もいます。苦労することなくなんでも手に入ることが、かえって満たされない気持ちを生んでしまうのでしょうね。

一緒に楽しめる友達がいない

「私は子供の頃から消極的で、友達がとても少ないんです。大人になった今でもその状況は変わりません。友達が少ないこと自体が満たされない原因になってるとは思いますが、それだけでもないでしょうね。

楽しいはずのことが、いつも一人ぼっちだから楽しめないんです。クリスマスが近づくと、同僚はパーティを計画したりして盛り上がります。でも私は、おそらく今年も一人ぼっちのクリスマスです。これでは満たされるはずもありませんよね」（24歳/女性）

消極的な性格のせいで、友達が少ないという女性です。どんな時も一人ぼっちなら、きっと寂しいはずです。「楽しくないから満たされない」ということなのでしょうね。

置かれている状況は同じなのに、満たされないと感じやすい人がいます。そんな人にはどんな特徴があるのか、考えてみましょう。身近な人や自分に当てはまるものがあるかもしれません。

完璧主義

何事も完璧にこなす主義の人の中には、満たされない気持ちになりやすい人もいます。このような人は一つの事に長い時間をかけ、何度もやり直しを繰り返し、やっと完成しても納得しないことがほとんど。

さらなる完璧を求めてしまうので、「ここで終わり」という区切りがつきづらいのです。すると、やってもやっても満たされないと感じてしまうでしょう。

高い理想がある

自分の中に高い理想がある人は、満たされないと感じる傾向があります。思うとおりに希望を叶えるのは、とても難しいことです。それなのに頭の中で描く理想が高いと、なかなか手が届かず満たされない思いに駆られる結果になってしまいます。他人には十分に理想通りに見えるのに、本人は納得できず満たされなくなってしまうのでしょう。

自分に自信がない

「自分なんて…」と常にネガティブな考え方をしてしまう人は、満たされない気持ちになりやすいといえるでしょう。満たされないと感じてしまう原因のほとんどは、「自分に自信を持てないこと」ではないでしょうか。

自分にはこれといって得意なことがないと後ろ向きになり、心が満たされることがないのです。その結果、次の項目に繋がっていきます。

他人と自分を比較しがち

自分に自信がなく、満たされることが少ない人は、他人と自分を比較しがちになってしまいます。「○○さんはなんでもできてすごい。自分には真似できない」「○○ちゃんは可愛いからモテて羨ましい」などと、不必要に比較してしまうのです。

そのように比較するクセがついている人は、他人の方が自分より優れているし、恵まれているように見えてしまいます。すると当然、満たされないと感じやすくなってしまうでしょう。

単独行動が多い

単独行動を好む人は、満たされない気持ちになることが多いでしょう。単独行動していると話し相手がいないため、誰かと意見の交換をすることがありませんよね。ですから、自分だけの考えや妄想で周りを観察してしまいます。

そのせいで、物事の善し悪しが偏りがちになってしまうのです。何が正しくて、何が間違いか答えが見つからず、満たされなくなってしまうのでしょう。

欲深い

欲深い人は一つのことが達成されても、それ以上をもっと欲しがります。頑張って手にすることができても、すぐにまた他の「欲しいもの」が出来てしまうのです。時には、同時に二つの物を欲しがることもあり、欲が尽きることはありません。

このような欲深い人は、飽きっぽく目移りしやすいという側面もあります。ですから自分の思い通りになっても、ずっと続く欲のせいで満たされることがないのです。

では、満たされないと感じたら、どんな対処法を取ることがベストなのでしょうか。この項目では、できるだけ満たされない気持ちが軽減される方法をご紹介していきます。これらの対処法を参考にして、満たされない気持ちから離れる努力をしてみましょう。

自分の気持ちを紙に書き出す

今の自分の気持ちを、簡単に紙に書き出してみてください。箇条書きで「友達が少ない」「お金がない」「仕事がつらい」など、率直に今思うことを書き出すのです。そして書き終わったら、改めて目を通しましょう。

すぐに解決できそうなことはなるべくすぐに対処し、難しそうなものは時間をかけて解決します。このことを繰り返すだけでも、きちんとした理由の上で行動するのですから、満たされない気持ちから解放されることが期待できます。

この方法は、満たされない気持ちが高まった時に実行しましょう。常に満たされないという人は、満たされない気持ちが軽くなるまで、日記のように毎日行うことをおすすめします。

やりたくないことはしない

満たされないと感じる時は、なるべくやりたくないことはしないように心がけましょう。とはいえ、大人であれば、したくなくてもしなければいけないこともありますよね。その場合は「できるだけ好きな事を選んでする」というスタンスで取り組みましょう。

たとえば、毎日の仕事です。これは、やりたくなくてもやらないわけにはいきません。なのでもし可能であれば、転職を考える、好きなことを仕事にするなど、目先を変えてみてください。

他には、あまり好きではない友達との人間関係も「やりたくないこと」に入るでしょう。この場合は、思い切って付き合いをやめることは不可能ではないはず。気が合わないのに無理して付き合うのではなく、思い切って付き合いを絶つことも必要でしょう。

自分は自分と割り切る

どうしても満たされない気持ちから離れられない場合は、自分は自分と割り切った考えに切り替えましょう。どんな自分であっても、これが自分なんだと自信を持つことはとても大事です。ですが、自発的にこのような考えに切り替えるのは簡単なことではありません。

ですから、一つだけでいいので自分が得意なことを極めてみてはいかがでしょうか。興味がある好きなことでも構いません。とにかく自分に誇れるものを作ることです。そうすれば自分に自信が持てるようになるのではないでしょうか。

他人を見過ぎない

あまり他人を見過ぎないことも、満たされない気持ちから解放されるコツです。他人にばかり気を取られると、どうしても自分と比較してしまいますよね。そして「隣の芝生は青い」ということわざもあるように、他人の方が優れているように感じてしまうのです。

この「見過ぎない」という対処法は、自分の行動を抑えることです。ですから、クセを直すのと似ています。強制的に他人を見なくすることは、案外簡単にできます。本を読む、自然と触れ合うなど、他の物事に目を向ければ、相手は人間ではないので、思考そのものが変化することが期待できますよ。

最後までやり遂げる

中途半端な自分の生活や性格が原因で、満たされないと感じてしまう場合もあります。思い当たることがある人は、多少困難なことでも最後までやり遂げる努力をしましょう。

最後までやり遂げれば、終わった後に達成感が得られますよね。最後までやり遂げて、達成感を味わう。これを繰り返せば、満たされる気持ちを実感できるでしょう。

一人になる時間を作らない

一人になる時間が多いと、想像や妄想をする時間が多くなっていきます。その結果、ネガティブな思考に流れやすく、満たされないと感じてしまうのです。なので、なるべく一人になる時間を少なくすることも大事でしょう。

この場合、必ずしも人と触れ合っている必要はありません。一人になって想像し妄想する時間を作らなければいいのです。そのために、次の項目も参考にしてください。

没頭できることを見つける

一人であれこれと考え事をしてしまわないように、没頭できる何かを見つけることはとても重要です。「満たされない」という感情は、想像や妄想がきっかけで起こるといっても過言ではありません。ですから、その想像や妄想を引き起こさないために、何かに夢中になることが一番の近道なのです。

ゲーム、手芸、運動など、なんでもいいので、自分が好きな事や挑戦したい事に没頭してみましょう。そのことに打ち込んでいる間は、満たされない気持ちから遠ざかることができるはずですよ。

我慢はほどほどに

普段の生活で我慢が多いと、その生活から解放されたい気持ちが高まり、満たされない気持ちに発展することもあります。なので、我慢はほどほどにすることをおすすめします。とはいえ、周りとうまくやっていくには、時には我慢が必要ですよね。

なので我慢することと我慢しないことを見極めましょう。数日そのことが頭から離れない場合、あなたにとってよほど我慢ならないことか、嫌なことであるはずです。そんな時は思い切って、そのことを切り捨てることも大事。なるべく嫌なことが少ない生活を送れるようにすると、満たされないと感じることは少なくなるのではないでしょうか。

満たされた人生を送ることは、誰しもが望むことでありながら、完全に叶うとは言い難いむずかしいことです。しかしながら、満たされた人生に可能な限り近づけることはできるはず。この項目では、人生が満たされるためにはどんなことが重要なのか、そのための条件をご紹介していきましょう。

信頼できる人がいる

信頼できる人がそばにいると、満たされた人生を送ることが可能になります。自分一人では解決できないことが起きた時、相談し助言してもらえるからです。そんな人がいれば、満たされない気持ちそのものも、聞いてもらうことができますよね。

不自由しない程度のお金

現実的な問題として、生きていくのに不自由しない程度のお金は、必要不可欠といえますね。今日食べることができないほど困窮していたら、満たされないどころの話ではなくなってしまいます。誰かに養ってもらえるならそんな心配はないでしょうが、そのような環境にいない場合は、とにかく働くしかありません。それこそが条件になるでしょう。

しっかりと苦労する

順風満帆の人生も素晴らしいですが、人としてしっかりと苦労することも必要ではないでしょうか。欲しいものが苦労せずに手に入ってしまうと、それはそれで面白味のないものです。苦労して手に入れてこそ、初めて満たされる感覚を味わうことができるでしょう。

友達をたくさん作る

困ったときに力になってくれる友達がいることは、お金に匹敵するほどの財産といえるでしょう。楽しいことや苦しいことを共有し、充実した生活を送れることは間違いありません。いい友達であれば、多ければ多いほどいいでしょう。

1人より3人、3人より10人とたくさんいた方が、それだけの意見をもらえますよね。できるだけたくさんのいい友達がいれば、満たされない気持ちになることも少なくて済むでしょう。

自分が満たされないと感じたとき、まるで自分だけが世間から取り残されてしまったような気持ちになってしまうことがあります。「どうして自分は満たされないのか」と深く考えれば考えるほど、どんどんネガティブな方向へと突き進んでしまうのです。

しかし「満たされない」という感情は、誰にでも必ずあるものです。決して自分だけが満たされていないわけではありません。満たされない原因は人によってさまざまですが、満たされないと感じた時は、「自分だけではない」と気楽に考えることも大事でしょう。

満たされない感情を一気に解消しようとするのではなく、今回ご紹介した対処法に少しずつトライしてみてください。