そもそも「疎外感」の意味とは?
そこで今回は、「疎外感」に注目します。まずは、そもそも疎外感とはどういった意味を持つ言葉なのか、「孤独感」とは違う意味を持っているのかなど、基本的な言葉の知識をおさらいしていきます。
「疎外感」の意味
疎外感とは「自分だけ仲間はずれにされているような感覚」を意味する言葉です。人間関係を築いていく上でよく取り上げられるのも、集団の中で自分一人だけが孤立している、仲間はずれにされているような感覚に陥った経験がある人が多いからだと言えるでしょう。
たとえば、複数人で集まっている時に周りは和気あいあいとなにかに取り組んでいる一方で、自分だけがその輪に入れない状況に陥ってしまうと、「ああ、自分だけ居場所がないな」という気持ちになる人は少なくないはずです。
この時の周りの輪から自分だけがはみ出ているように感じる気持ちを「疎外感」と呼びます。
「疎外感」と「孤独感」の違い
似た言葉として挙げられる「孤独感」は、「疎外感」とはどんな違いがあるのだろう?と疑問に思う人もいるでしょう。2つの言葉は類語として挙げられることが多いため、似た意味であることは間違いありません。
ただし、似た言葉ではあるものの、明確に違う点があります。それは、自身が置かれている周囲の状況です。疎外感は「周りの人がいて、自分だけがハブられているように感じる気持ち」ですが、孤独感は「周りに人がいなく、寂しい、心細い」という気持ちを表す言葉なのです。
疎外感を感じやすい場面といえば?
あまり疎外感を覚えたことがない人もいると思いますが、疎外感を抱きやすい状況を知ることで、「ああ、こういう時に感じやすいのか」と理解を深めることができるでしょう。
複数の友人との会話
疎外感を抱きやすい代表的な場面と言えるのが、複数の友人と会話をしているシチュエーションです。たとえば5、6人で会話をしていて自分の知らない話題で盛り上がっている状況だと、「なんだか自分だけ仲間はずれにされているみたい」という気持ちになりますよね。
また、たとえ知っている話題だったとしても、自分に会話を振ってもらえなかったり、相槌を打ってもらえないことが多かったりすると、どこかハブられているような気持ちになるものです。
ママ友との会話
ママ友との会話で疎外感を抱いてしまうというケースは決して珍しくありません。たとえば子どもの教育方針について話をしている時、自分だけが違う考えを持っていると「自分だけ考え方がズレてるかも…」となんとなく思ってしまう人はいるでしょう。
それ以外でも、子ども達の人間関係について自分だけが知らないと、どこか置いてけぼりを食らった気持ちになるものです。自分だけが話についていけない、自分の考えが周りと違ってうまく溶け込むことができない、このような気持ちも疎外感に当てはまります。
職場
社会人の悩みの1つになっているのが、職場で疎外感を覚えるというものです。毎日、長時間を過ごす職場なので、たとえそこまで深い関係を築こうと思っていなくても、「自分だけ一人ぼっちかも」と思うことが多ければ、職場での疎外感は大きな悩みに発展しやすいのでしょう。
たとえば、自分だけ同僚や先輩からランチに誘われないと、「仲間はずれにされている気がする…」と単純に思いやすいですよね。特に自分は周りと良好な関係を築こうと日頃から心掛けているのに、周りから仲間はずれにされているように感じてしまうと、ひどく傷ついてしまうものです。
他にも、自分だけ連絡事項がきちんと伝えられないことが多かったり、飲み会に誘われなかったり、会話についていけず孤立したり…。疎外感を覚える様々な状況が、職場では生まれやすいと言えます。
SNS
近年増えてきているのが、SNSで疎外感を覚えるというものです。たとえば、友人たちとSNSでつながっていて、自分の見ていない間に仲の良い友人たちがSNSのやり取りで盛り上がっていたら、疎外感を覚えてしまうことはあるでしょう。
SNS上では、基本的に直接顔を合わせて会話をすることがなく、その時に関わった人とだけ盛り上がることが多いため、その場にいない相手を気遣うことがしづらいのも、疎外感が生まれやすい大きな理由でしょう。
実際に顔を合わせていて、その場に気遣いができる人がいれば、会話に入ることができていない人にうまく会話を振ることができますよね。普段は疎外感を抱きにくい人でも、SNSでは感じやすいかも…と悩む人は少なくありません。
疎外感を感じる人の心理とは
よく疎外感を覚える人の中には、「実際にハブられているわけではないのに、なんでこんな気持ちになるのだろう」と疑問に感じている人もいるでしょう。疎外感を抱くことはあまり良いことではないため、できれば感じたくないと思う人は多いはずです。
どうすれば感じにくくなるのか、その対処をするためにも、疎外感を抱く人の心理を知っておくことは大切でしょう。
嫌われているのではないかと不安
最も多いのが「周りから嫌われているのではないか」という不安な気持ちです。疎外感を覚えた時に思うのは、「自分だけ仲間はずれにされている」という気持ちですよね。では、仲間はずれは基本的にどのような状況で起きやすいのかを考えてみてください。
一般的に仲間外れにされることが多いのは、周りから嫌われている時や、距離を置かれている時などでしょう。
そういった認識が頭の中にあるため、仲間はずれにされたと感じた際、「もしかして自分は嫌われているのかも…」という気持ちに結びつきやすいと言えます。
自分が弱いと感じる
自分が弱いと感じた時に、疎外感を抱くこともあります。たとえば、自分の意思を伝える能力が弱いと自覚している場合、周りの人に意見を合わせることはよくあることでしょう。
自分の意見は周りとは違うと思っていても、意見を主張する勇気もなく、反論された場合の対処もわからない場合、つい周りに意見を合わせがちになってしまうのです。そして話が盛り上がれば盛り上がるほど、自分の意見と周りと意見の温度差が生まれていきます。
話を合わせることは、疎外感を覚えないための対処法の一つであるのも事実です。しかし、疎外感を覚えないように周りに合わせたとしても、「本当は自分はそう考えてはいないんだけど…」と思っていると、結局は疎外感を覚えてしまうケースは珍しくありません。
注目を浴びたい、優越感に浸りたい
中には、周りから注目を浴びたいという気持ちから、あえて疎外感を抱く状況に身を置く人もいます。集団生活をしていく中で、輪の中に特定の誰かが入っていない状況を目撃したとしましょう。優しい人ならば、輪の中に入っていない人のことを気遣ってあげますよね。
その優しい誰かから構ってもらえたときの嬉しい記憶があって、あえて孤立する人もいるのです。場合によっては、自分を気遣ってくれた人が、自分を疎外した人たちを責めることもあるでしょう。「なんで仲間はずれにしてるの、可哀想でしょ」と疎外感を覚えた人をかばい、周りを責めるのです。
その時に感じる優越感が気持ちくて、構ってもらえることが嬉しくて、疎外感を覚えた後の優越感を求めるあまり、自ら孤立しようとする、複雑な心理を持つ人は少なからずいます。
周りと自分が合わないと感じる
周りと自分との相性が合わないことで、疎外感を覚える人も珍しくありません。たとえば、会話のテンポ、テンションの高さなど、接していて「あ、この人と自分は合わないな」と感じてしまうことってありますよね。
割り切ることが上手な人ならば、合わないと思ったらサッと身を引くことができます。しかし、そうできない人も中にはいて、無理やり周りと合わせることで、本当は輪の中に入るべきではないのに無理して加わり、そんな自分を自覚して疎外感を覚えてしまうのです。
これは、特に職場や学校などで抱くことが多い疎外感でしょう。そういった環境は、自分の気持ちひとつでどうにかできるものでもありません。それでもその場にいなくてはいけないため、無理に合わせ、その度に疎外感を覚えてしまうことはよくあることだと言えます。
疎外感を感じやすい人の特徴
誰もが1度は経験したことがある疎外感ですが、中には「人よりも疎外感を抱きやすい人」がいます。そういった人は日常的に疎外感を抱きやすく、「自分だけ仲間はずれにされているかも」という気持ちに悩まされていることが多いのです。
ここでは、疎外感を抱きやすい人の特徴を解説していきます。
自分に自信がない
自分に自信がない人は、人よりも疎外感を抱きやすいでしょう。自信がない人はネガティブ思考に陥りやすいため、ただ周りと話題が合わなかっただけ、タイミングが合わず自分だけが誘われなかっただけだったとしても、「もしかして自分は嫌われているのかも」と思いやすいのです。
そもそも自分に自信がない人は、自分には魅力も長所もあまりないと思い込んでいます。そんな自分と周りが仲良くしてくれるはずがない、という考えがどこかにあるため、ちょっとしたことが起きたときに「やっぱり自分だけ仲間はずれにされている」と感じやすいのでしょう。
大人数が苦手
大人数が苦手な人は、大人数がいる空間ではうまくコミュニケーションを取ることができません。なかなか自分の考えや意見を言うこともできず、話に入ることもできず、ポツンと孤立してしまうのです。
疎外感は、その場に人が多ければ多いほど抱きやすい感情でしょう。自分の周りにいる4人に対して疎外感を覚えるのと、自分の周りの10人に対して疎外感を覚えるのとでは、後者のほうがより「仲間はずれにされている」という気持ちになりやすいのです。
自分のコミュニケーション能力が不足しているからだという自覚があっても、やはり大人数の中で自分だけが孤立していると、大人数という圧を感じてしまうもの。さらに、たくさん人がいるのに誰も自分を気にかけてくれないという状況が、ネガティブ思考を加速させ、疎外感を覚えさせるのでしょう。
コミュニケーションをとるのが苦手
少人数だろうが大人数だろうが、そもそもコミュニケーションが苦手だという人もいます。そういった人は、基本的な人付き合いの方法や、空気の読み方、相手の気持ちの探り方などの理解が浅いため、人と仲良くするための方法がわからず、一人ぼっちになりやすいのです。
たとえ仲良くなろうと思って積極的に行動しても、急に距離を縮めてみたり、思ったことを素直に口に出してしまったり、空気を読まなかったりすることが多ければ、周りから煙たがられてしまうのは自然なことでしょう。
しかし、コミュニケーションをとるのが苦手な人の場合、何が正しく何が間違っているのか区別がつかないことが多いのです。結果的に失敗の原因がわからず、「自分だけ仲間はずれにされている」という疎外感を覚えることに繋がるのでしょう。
思い込みが強い
基本的に受け身の姿勢でいる人も、疎外感を人一倍抱きやすいでしょう。自分から積極的に何かをするよりも、誰かが何かをしてくれるまで待っていることが多いため、誰かが自分に用がない限り、周りとは一線引いた関係を築くことになるのです。
そのため、複数人で会話をしていても、誰かに話題を振ってもらわない限り、自分はただ相槌を打つだけの存在となってしまいます。周りは「仲間はずれにしてやろう」と思ってそうしているわけではないのに、本人は「自分だけが会話に参加できてない」と感じ、疎外感が生まれていくのでしょう。
疎外感を感じたときの対処法
人によって度合いは異なるでしょうが、いずれにせよ疎外感を覚えるのはあまり良いものではありません。気持ちはひどく落ち込みますし、ストレスに繋がることもあるでしょう。場合によっては、周りに対して嫌な気持ちや印象を抱いてしまうこともあります。
そうならないために、疎外感を覚えた時の対処法を知っておくべきでしょう。どうすれば「仲間はずれ」という気持ちが緩和されていくのか、早速解説していきます。
話を詳しく聞いてみる
そもそも、会話の中で疎外感を覚えた時、あなたは周りの人の話にきちんと耳を傾けていたでしょうか?自分の知らない話題だとつい敬遠してしまうのは自然なことですが、きちんと耳を傾けてみると、自分が会話に入れるチャンスはどこかに隠れている場合もあるのです。
疎外感を覚えやすい人の多くは、自分が合わないと感じた時点で、自分と相手との間に壁を築いてしまっています。もちろんそれが正解の場合もありますが、よく耳を傾けていない、行動を起こしていない時点で早急に距離を置いてしまえば、一人ぼっち感はますます深まることでしょう。
また、いくら自分の知らない話題で周りが盛り上がっていたとしても、「それってどういうものなの?」などと質問して話題に入ることもできます。疎外感を覚えたとしても、まずは「本当に入り込む隙がないのか」を考えることが大切でしょう。
とりあえず一緒に笑う
自分の感性と合わない会話、理解できない話題の中で、周りに合わせて笑うのは難しいことでしょう。しかし、それでもとりあえず笑ってみることも大切です。周りに合わせすぎると疎外感が強まるおそれもありますが、合わせなさすぎることも疎外感を覚える原因になります。
ある程度周りに合わせて笑ってみたり、相槌を打ったりしてみれば、周りもあなたに対して「ノリのいい人」という印象を持つようになるでしょう。同じような空気感で会話ができる人がいれば、話題も振りやすくなります。
疎外感を抱いたまま周りに合わせないでいれば、本当の一人ぼっちになってしまうかもしれません。とりあえず周りに合わせて溶け込む努力をすることも、人付き合いにおいては大切なことなのです。
一旦距離を置いてみる
疎外感を覚えたら、一旦その場、またはその集団から距離を置いてみるのも対処法の一つです。疎外感を覚える状況が長く続けば、それだけネガティブ思考が悪化していき、次第に何事も悪く捉えてしまったり、思い込みが激しくなってしまうおそれがあります。
一旦その場から距離を置けば、冷静に物事を考えられるようになるでしょう。話題が合わなくて話についていけなかったのも、普段話が合うことが多いならば、合わなかったのは「たまたま」である可能性が高くなりますよね。
疎外感を覚えた瞬間は何事も悪く捉えやすくなりますが、一旦距離を置いて、疎外感を覚えた状況と普段の状況を比べてみたり、相手の都合やその時の雰囲気を分析してみたりすれば、気持ちが落ちつくこともあるのです。
自分とは合わないだけだと割り切る
どんな人にも、合わない人、合う人はいるものです。疎外感を覚える理由に「周りと自分が合わない」というものがありますが、そう思ったならば、「この人とは合わなかっただけだ」と割り切ってしまうことも大切でしょう。
相性が悪い人とは、どんなに努力をしたところで合わないものなのです。その状況で付き合いを続けてもストレスが溜まったり、疎外感を覚えたりするだけなので、ある程度割り切って接していくことが重要になります。
話が合わない、テンションや間が合わないなどが理由で疎外感を覚えるのならば、努力次第ではどうにもならない、もともと自分とは合わない人なのだだと割り切ってしまいましょう。
皆が疎外感を感じた瞬間を教えて!
世の人々はどんな瞬間に疎外感を覚えるのでしょうか?人の体験を読めば、「私だけじゃなかったんだ」と共感でき、疎外感を抱くことへの悩みが少なからず緩和していくかもしれません。
どんな瞬間に疎外感を覚えることが多いのか、早速チェックしていきましょう。
周りが既婚者ばかりで話が合わないとき
「学生時代から仲が良い友人グループの大半が既婚者になってしまい、正直話についていけないことが増えてしまいました。自分は結婚にほとんど興味がないので、なおさら会話に入る隙がなく、完全に置いてけぼり状態になることが多いです」(32歳/女性/公務員)
いくら学生時代から仲良くしていたグループでも、話題のほとんどが結婚や育児にまつわるものになると、結婚していない人や、子どもがいない人は疎外感を覚えてしまうことになります。
今まで仲良くしてきた分、途端に自分だけが蚊帳の外に置かれた気持ちになり、過去と現在との温度差にショックを受けてしまう人もいるでしょう。
自分だけ飲み会に誘われなかったとき
「職場の飲み会に自分だけ誘われなかったことがあります。同僚たちで飲みに行こう!みたいな話は前から聞いていたんですけど、いつの間にかそれが終わってて。子どもみたいですけど、仲間はずれにされたんだな…ってちょっと落ち込みました」(25歳/男性/販売業)
自分だけ飲み会に誘われなかった…という事態は、職場での疎外感を招くよくあるケースでしょう。特に職場全体の飲み会ではなく、同僚や仲の良い先輩などの個人的な飲み会に誘われないと、「職場以外で関わりを持ちたくないと思われてるのかな」と考えてしまうものです。
仲のいい友人達がSNSで盛り上がっていたとき
「仲良しの友人達がSNSで連日盛り上がっていて、ちょっとした疎外感を抱いています。自分もその話題にはついていけるんですけど、完全に2人で盛り上がっているから入りづらくて。私はお呼びじゃなそうだな…と思いながら、2人のやり取りを見てます」(30歳/女性/会社員)
近年増えている、SNSで疎外感を覚えるケースです。その話題なら自分も乗れると思っても、すでに盛り上がっている中に入り込んだら空気を壊すかも…と思い、なかなか積極的にはなれない人は多いでしょう。
直接対面している場合はうまく会話に入り込める人でも、SNSでは躊躇し、その結果、疎外感を覚えてしまうというケースは珍しくありません。
大人数での会話で人の輪に入れないとき
「3、4人くらいでの会話なら適当に相槌も打てるし、会話にも入れるし、問題ありません。でもそれ以上になると、人数の多さに圧を感じて消極的になってしまいます。結果的に自分だけ会話に入れないことが多くて、疎外感を覚えてしまいます」(28歳/男性/事務)
大人数になると途端に消極的になり、疎外感を覚えてしまうという人は多いでしょう。話に割り込む方法がわからない、大人数だと圧を感じて躊躇してしまうなどの理由で、大人数が苦手という人は決して少なくありません。
また、大人数での会話では、誰もが盛り上がりを重視しているのも事実。テンションが高まるあまり、普段よりも気遣いが欠けてしまい、孤立している人に気づけないというのも、疎外感が生まれやすい原因だと言えるでしょう。
疎外感を感じた時は一旦気持ちを落ち着かせよう
疎外感を覚えた時の最良の対処法は、とにかく一旦気持ちを落ち着かせることです。疎外感はネガティブ思考だけでなく、思い込みや被害妄想を生んでしまうこともあります。そうなると本当の意味で疎外され、孤立していくことになりかねません。
自分の勘違いだったかもしれない、ただタイミングが悪かっただけかもしれない、自分の受け身が原因なのかもしれない…など、疎外感を覚えた原因や理由と冷静に向き合うことが、疎外感、そして周りとの関係をうまく築く秘訣なのです。
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