既婚女性でも恋愛してしまう心理とは？禁断の恋心とその対処法を解説

既婚女性の恋愛はセックスを目的としているわけではない

既婚女性が浮気をする場合、きっかけはセックスレスだったとしても、本当に求めているのは性的な満足だけではないことが多いようです。『誰にも言えない夫婦の悩み相談室』（小野美世）には、以下のような記述があります。

「（前略）セックスレスが原因で始まる浮気であったとしても、女性がそこに求めているのは、セックスや性的満足だけではないことがほとんどです。
『浮気はなぜ起こるか？』の基本原則についてお話ししたことは、男性にも女性にも当てはまるのです。女性たちは、夫に求めても得られない『何か』を、夫意外の誰かに求めているのです。

『夫が優しい言葉をかけてくれなくなった。私のことを大切にしてくれなくなった。だから私も夫を男として見られなくなった。心を開くことができなくなった』など……。

夫に求める代わりに外に求めるくらいですから、それはその女性にとって、とても大事なものであるはずです。まずはそのことを知りましょう。女性が浮気をするときは、『必要だから』していることが多いのです。

既婚女性の浮気について、私は『よくないことですよ』とは言いません。『子供の気持ちを考えなさい』『旦那さんのもとに戻りましょう』と強く言ったりもしません。

夫婦関係を扱うカウンセラーにもいろいろなタイプがあり、『こんな私の浮気を止めてほしい』と無意識に願っているクライアントさんは、なぜか不思議と、『浮気はやめなさい』と厳しく言って止めてくれるカウンセラーのところへ行くようになっています。

私が女性の浮気を否定も肯定もしないのは、基本的にこう考えているからです。『その女性にとって必要がなくなれば、浮気や不倫は勝手に終わる』と。

表面上の行動を抑えても、根本的な解決には至りません。なぜ婚外に恋人を作る必要があったのか？という点を見ていかなければなりません。」

このように、既婚女性の恋愛は、身体の上での浮気を目的とするというよりも、精神的な満たされなさを夫以外の誰かに求めているケースが多いようです。浮気をやめるには、表面的な行動だけでなく、内面的な問題を解決する必要があるでしょう。

既婚女性が夫以外の男性と恋愛する理由

不倫といえば「既婚男性と独身女性の組み合わせ」を連想する人が多いでしょう。しかし近年、テレビドラマなどでもダブル不倫や婚外恋愛がテーマの作品が増えているように、既婚女性の婚外恋愛も増えているのかもしれません。『男と女のアドラー心理学』（岩井俊憲）には、以下のような記述があります。

「2017年は、ダブル不倫をテーマにしたテレビドラマや映画が話題になりました。
かつては不倫（婚外恋愛）といえば、妻子ある男性が独身女性と……といった構図が目立ちましたが、最近は比較的、既婚女性が陥るケースも多いようです。

女性側が婚外恋愛をする理由のひとつに、『パートナーに対する復讐』というものがあります。先に夫が浮気をしたので、その腹いせに……というものです。

また、自分の『女としての能力』を確かめたいという気持ちもあるようです。結婚後に夫とのセックス回数が減ったりゼロになったりして『夫は認めてくれないけど、私にはまだ、女としての可能性がある。ほかの男で証明したい』と。

よくある夫婦ゲンカで、
『御前なんか誰も相手にしない！』
『何言ってんのよ！　私のことをイイって言ってくれる人もいるのよ！』
男性も女性も、自分はこんなにすごいんだと感じたい。他者称賛による優越感を求めているわけです。」

妻となり、母となり、結婚後の女性はさまざまな顔を持つようになりますが、女性として認めてもらいたいという思いはなかなか消えるものではありません。夫に女性として大切にされなくなったとき、婚外恋愛に対する願望が強くなることもあるのでしょう。

＜参考文献＞
『誰にも言えない夫婦の悩み相談室』（小野美世）
『男と女のアドラー心理学』（岩井俊憲）