平安美人の特徴《外見編②》
引き眉
「引き眉」とは、眉を抜く、または剃り落とすことを言いますが、平安時代は引き眉の後、元の眉の位置よりも高い位置に長円形の円を描いていました。
眉は顔のパーツであまり重要度を感じないですが、平安時代は「心の中を見透かされる」とされる重要なパーツだったのだそう。
そう言えば、眉をひそめたり、眉間にシワを寄せたり、眉だけでも感情を主張することは可能ですね。また、眉の形だけで顔の印象を大きく変えることもできます。
眉を剃り落とし、わざと高い位置に描くことで、表情や感情を読み取られないようにしていたのでしょう。平安美人には、心の中が読めないミステリアスな雰囲気が漂っていたのかもしれません。
額が広い
現代人でも、額が広い人、狭い人がいます。それは平安時代でも同じであったと推測されます。しかし、平安美人の条件には「額が広い」というものもありました。
先ほど説明した「引き眉」が影響していると言われ、眉の元あった位置よりも高い位置に長円形の眉を描いていたことから、引き眉を描きやすい広い額が良いとされていたようです。
現代の日本人女性は、さまざまなヘアスタイルをするため、額の広さをさほど気にしなくて済むのですが、前髪を後ろ髪と同じように伸ばしていたとされる平安時代の女性にとって、額の大きさは隠しようがありません。
額の狭い平安時代の女性は、コンプレックスに感じていたのかもしれませんね。
色白美肌
平安時代の美人の条件と現代の美人の条件はかけ離れていると感じている人も多いでしょう。しかし共通する条件が一つあります。
「色白で美肌」というものです。当時、庶民の女性は農作業などのため日焼けをしていましたが、貴族の女性は日に当たる機会はなく、ほとんど部屋で過ごしていたので、日焼けすることはありませんでした。それゆえに、白い肌には高貴な雰囲気があり、身分が高いことが一目でわかったそうです。
さらに、平安時代は明るい照明がないので、薄暗がりの中でも美肌に見せるためには、肌がより白くなくてはなりませんでした。白い肌なのに、さらに白粉で真っ白に塗っていたのは、このような理由があったからでしょう。
ぽっちゃり体型
現代では、無駄なぜい肉がないスレンダーな体型が好まれる傾向にあります。しかし、平安時代は、ぽっちゃりした体型の女性が好まれたようです。
柔らかいふっくらとしたシルエットが、暗い部屋でも女性らしさを放ってくれますし、また食べ物が豊富だったとは言い難い当時、ぽっちゃり体型である女性は、高貴な身分である証明でもあったのです。
平安時代に、女性らしく、高貴なイメージのあるぽっちゃり体型が好まれていたのは、不思議なことではないのですね。時代ごとに美の基準が変わってくるのも納得です。
黒髪ロング
平安美人の絵を見たことがあるでしょうか。床につくほど長く、そして真っ黒ですね。白粉で真っ白にした肌を際立たせるためにも、黒髪は必要であり、長ければ長いほど好まれたようです。
貴族の女性は生まれてから、一切髪を切らないことも多いらしく、本当に床に引きずるほどの長さがありました。髪の手入れが相当大変だったことが想像できますが、それでも平安美人には必須の条件であったため、髪を長くして女性らしさを出していたと考えられます。
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