大人の対応って一体なに？シーン別対応例と大人の対応力の身に付け方

私たちは生きていく上で、人との関わり合いを避けることはできません。そして、その相手は必ずしも優しい人や友好的な人ばかりではありません。自分にとって不都合な相手にもきちんと対応できるのが、大人ではないでしょうか。

そこで今回は、大人の対応について掘り下げていきます。対応例や対応力の身に付け方も合わせてご紹介しますので、チェックしてみてください。

物事を冷静に判断し善処するための対応

「大人の対応」とは、どんなときでも落ち着いて、他人に不快感を与えないよう対処することを意味します。何が起きても冷静に判断して行動することで、職場や交友関係で起こるトラブルを上手に回避できるでしょう。

すべての人がこのような対応をできるわけではないので、大人な対応ができると周りから重宝されます。特に仕事においては思いがけない問題が起こることもあり、落ち着いて最善の対応ができることが求められます。

大人の対応の逆って？

大人の対応というのが他人に不快感を与えない対処の仕方とするならば、その逆は自分本位で子供っぽい対応が当てはまります。自分の感情のままに行動したり、嫌いな相手には嫌悪感をあらわにすることなどが挙げられます。

子供っぽい対応をする人は周りの空気を読むことも苦手なので、周囲の人間がヒヤヒヤしてしまう言動をとることもあるでしょう。職場や知人にこのタイプの人がいるとフォローが必要になるので、周りに子供っぽい対応をする人がいる場合は注意が必要です。

大人の対応をするメリット

周囲の状況に気を配り、物事をスムーズに進めつつ、他人に不快な思いをさせないことが大人の対応だとすると、かなり神経を使うことになります。できることなら気の赴くまま自由奔放に行動できれば楽ですよね。

ですがその気持ちを堪えることで、周囲の人からのあなたへの評価は上がります。近頃は子供っぽい自己中心的な大人が増えて、この「大人の対応」が当然ではなくなりました。そのため大人な対応ができる人は好印象を持たれるのです。

日常のコミュニケーションはもちろんのこと、仕事やプライベートでの他人との関わり方でその人の評価が変わってきます。周りと差がつく大人の対応の仕方とは一体どのようなものなのかをご紹介します。

長期的視点と本質的視点を重視する

大人の対応ができる人は、何かトラブルが起きたときにその場しのぎの対処はせずに、問題の本質と向き合うことができます。ここが大人の対応ができない子供っぽい人との違いです。周りから「子供だな」と思われてしまう人は、イレギュラーな問題に対応する能力が低く、とりあえずごまかそうとして事態を悪化させてしまうのです。

「とりあえずやり過ごせたら何とかなるだろう」というように、目先のことしか考えていないのが伝わってきます。対して大人の対応ができる人は、トラブルから目を背けず根本から解決できるように、長い目で問題を見据えています。そういった対応の仕方が理由で、周りの人の信頼を集めることができるのでしょう。

相手が不快だと感じる理由を考える

大人の対応とは、相手の気持ちを考えて行動できることを指します。必要以上にへりくだるわけではありませんが、相手を不快にさせないように行動し、万が一嫌な思いをさせてしまったら、原因を追求するために話し合うことで解決の糸口を探すことができるでしょう。

さらに、苦手な相手や横柄な態度の相手にも同じように対応できることがポイントです。大人の対応ができる人は、相手に理不尽な態度をされたり不快な思いをさせられても、こちらからやり返すような子供っぽい真似はしません。

いつでも冷静さを欠かさない

いつでも冷静さを失わないことも、大人の対応に欠かせないポイントです。これができる人は相手の理不尽な言動にイライラすることがあっても、怒りに身を任せた態度を取ることはありません。

また、自分の成功に天狗になったり、調子が良いときだけ愛想を良くするといったこともしないでしょう。大人の対応をするためには、常に周りの状況を客観的に見て、どのように周囲の人に接するのが最善なのかを選ぶことが重要です。

中立の立場を取る

人は誰しも感情を持ち合わせているので、好き嫌いで相手を判断してしまいがちです。ですがそれは大人としてやるべき対応ではありません。自分が味方だと思える相手の意見しか聞かないようになると、周囲の人の信用を失ってしまいます。

どんな相手に対しても自分の個人的な感情を優先せずに平等に接するのが、大人の対応でしょう。また、部下と上司の板挟みになったとしても、自分の考えを貫いて中立で公平な判断ができることも求められます。

最近では社会に出ても、大人とは思えない態度を取る人が増えてきています。そのため大人の対応ができる人材は、どこに行っても必要とされるでしょう。そんな人物になるために、ビジネスで役立つ大人の対応の例をチェックしておきましょう。

話の内容をメモして1つずつ解決する

社会人になり上司から仕事を教わるときに「メモを取れ」と言われた経験はありませんか？実はこのメモを取るという行為は、大人の対応をする上で重要なことなのです。なぜなら人は誰しも些細な内容まで事細かに覚えていることはできないので、聞いたことをうっかり忘れてミスに繋がってしまうからです。「私は絶対に覚えている」というのは過信でしかありません。

また、もしも本当に全てを覚えていることができるとしても、メモを取ることで相手が話している内容の本質が見えてくるというメリットもあります。後から見直してみると、「この人が伝えたかったのはこのことだったんだ」というように問題点がわかり、解決に繋がることもあるのです。

相手の話を最後まで黙って聞く

相手が話し終わるのを待たずに口を挟んでしまうのは、我慢ができない子供っぽい対応です。この行動は特に言い訳が多い人や、自分に非があることを認めたがらない人によく見られますが、ビジネスにおいてはやってはいけない行為です。自分の話を最後まで聞いてくれない相手に、安心して仕事を任せることはできませんよね。

また上司がそのような行動をしていれば、部下はついていきたいとは到底思えません。大人の対応力を身につけるのであれば、まずは相手の話には最後まで耳を傾けて、相手が伝えたいことを全て聞きましょう。意見を述べるのはそれからです。

腑に落ちないことがあっても耐え忍ぶ

仕事をしていると、取引先やお客様から無理難題を言われたり、上司から納得のいかないことを指示されることもあるでしょう。むしろほとんどの人が、仕事上こういった腑に落ちないことに悩まされています。

そして自分が納得のいかないことにも耐えることが、大人の対応だと言われる場合もあります。辛いことかもしれませんが、これも社会人になれば必要となるスキルです。時には忍耐が大人の対応に繋がるということを覚えておきましょう。

余計なことは言わない

「口は災いのもと」という言葉がありますが、余計な一言を口にしないということも大人の対応だと言えます。こちらは冗談のつもりで言ったとしても、相手にとっては言われたくない一言かもしれませんよね。大人の対応ができる人は、滅多に失言をしません。余計なことを言ってしまって相手を怒らせてしまう恐れもあるので、発言には十分注意が必要です。

家族や友人、恋人など、心を許した相手だからといって、どんな接し方をしてもいいわけではありません。気心の知れた相手にも大人の対応ができれば、人間関係が良好になるでしょう。それではプライベートにおける大人の対応にはどのようなものが考えられるのか、例を挙げてみましょう。

釘を刺すときは言葉を選びながら

大人になると、仲の良い間柄でも相手の欠点を指摘するのには勇気がいりますよね。わざわざ釘を刺して悪者になるぐらいなら、自分が伝える必要はないのではないかと思ってしまう人もいるでしょう。ですが仲の良い相手だからこそ、「それはよくないんじゃない？」と悪いところを教えてあげるのが大人の対応です。

相手のことを思うのであれば、指摘するべきところは指摘してあげましょう。そのときに相手が言われて不快な思いをしないように言葉を選ぶようにすれば、あなたの気持ちも伝わって関係が悪化することもないはずです。

ときには見て見ぬフリをする

相手が隠していることを偶然知ってしまったり、うっかり失敗して恥ずかしい思いをしている姿を見てしまったときには、見て見ぬフリをするのも優しさです。「大丈夫？」などと心配されると余計に恥ずかしさが増してしまうでしょう。

そういうときは、あえて声をかけずにスルーするのも大人の対応と言えます。気づいていないかのように、別の話題を振って話を逸らしたりしてあげましょう。スマートな気遣いができるかどうかで対応力に差がつきます。

理不尽なことを言われても上手にかわす

友人や知人からいきなり理不尽で無茶なお願い事をされたときにも大人の対応力が必要になります。例えば急に厄介な頼み事をされたら困ることが多いと思いますが、そんなときに上手にかわすスキルも大切です。

こういうときは嘘も方便で、「外せない予定がある」などと断ってしまうのもありではないでしょうか。その後も相手と良好な関係を続けたいならばフォローが必要ですが、相手と距離を置きたいのであれば、かわし続けていれば自然と離れることができるでしょう。

言いたいことを我慢しすぎない

大人になると相手の気持ちを考えて言いたいことを我慢してしまう傾向がありますが、ときには気持ちを伝えることも大切です。相手を不快にさせないことが大人だとはいえ、上っ面だけの付き合いばかりではお互いのためにはなりません。

「気を悪くさせたらごめんなさい」などと言い方に気をつけて誠心誠意思いを伝えれば、きっと相手にも伝わるはずです。衝突を恐れずに相手と向き合うのも大人の対応と言えるのではないでしょうか。

周りを見渡すと、大人の対応ができている人とできない人がいるでしょう。その差は一体何なのでしょうか？自分が大人の対応ができない人にならないためにも、その違いを確認しておきましょう。

想像力があるかどうか

この場合の想像力とは、「これをすればこの先何が起きるか」「自分がこうすることで相手がどう思うか」というふうに、自分の行動が周囲に与える影響を先読みする力のことを指します。これがあるかないかで、大人の対応ができるかどうかに差が出てくるでしょう。

想像力がない人は、自分の軽率な言動が原因でトラブルが起きることなど考えもしないので、責任感がないようにも捉えられます。対して想像力がある人は、自分の行いが周りにどのような影響をもたらすか先のことまで考えられるので、軽はずみなことはせず、さらに問題が起こってもスマートに対応できるのです。

もしもあなたが自分自身の対応力に自信がないのなら、まずは想像力を身につけることです。

言葉を選ぶ力があるかどうか

大人になっても「ヤバい」「マジで」などの若者言葉を多用する人がいますが、そういった人は注意が必要です。大人の対応には言葉を選ぶ力が必要になってくるので、場所や相手に合わせた言葉を使えない人は白い目で見られてしまいます。

また、語彙力がある人は対応力に優れているようです。何か頼み事や指摘をする際にも、たくさんの言葉を知っていることで適切な言い回しをチョイスできるので、相手に不快な思いをさせることが少ないのでしょう。

言葉を選ぶためには知識が必要ですが、大人になってからでも吸収することはできます。テレビやYouTubeを見る時間を少し減らして、本や新聞を読むことで言葉を学んでみてはいかがでしょうか。

自分本位になっていないかどうか

自分本位でわがままなのは大人の対応以前の問題で、これは子供っぽい人の特徴として挙げられます。それ以外にも、気が付かないうちに自分本位になってしまっているということも考えられます。

特に年齢を重ねると様々な経験を積んでいるので、「この場合はこうしたほうがいい」という自分なりの経験則ができてしまいがちです。ですがそれはあくまでもその人の経験則であり、他人には当てはまらない場合もあるでしょう。

相手を思って指摘したのに思い通りに行動してくれなかったからといって、「あなたのためなのに」と怒るようなら、それは自分本位の考えです。相手には相手の考え方があると理解することも、大人の対応と言えるでしょう。

感情のコントロールができるかどうか

人間には喜怒哀楽がありますが、「怒り」と「哀しみ」の感情が湧いた時は注意が必要です。気をつけて行動しなければ、周囲の人に不快な思いを抱かせてしまう恐れがあります。

まずは「怒り」についてですが、怒りに身を任せて動いても相手には何も伝わらないことがほとんどです。何かに憤りを感じたとしても、一旦クールダウンする時間を作るべきでしょう。

次に「哀しみ」ですが、例えば上司から注意されて悲しくなって泣き出してしまう部下を見たことがありませんか？こうなってしまうと上司はこれから先、部下に何も言えなくなってしまいますよね。感情豊かなことはいいことですが、コントロールできるかが大切なのです。

ここからは、より具体的に大人の対応力を身につけるための方法を挙げていきます。まずは話し方の注意点からみていきましょう。

話を聞いて相手の問題を理解する

大人の対応をする上でまず気をつけたいのが、話をするときの姿勢です。相手が話している途中で口を挟んだり、別のことを考えてしまうなんてことをしていませんか？どんな内容であれ、相手が話す内容には最後まで耳を傾けることが大切です。

一言一言聞き逃さないようにしていれば、おのずと相手が何を伝えたいのかがみえてくるでしょう。アドバイスや指摘をするにしても、話を聞いて相手が抱えている問題を見つけることで、より相手の心に響く言葉をかけることができるはずです。

口を開く前に一呼吸おく

思ったことをストレートに相手に伝えることができる人は魅力的ではありますが、そういった物言いがトラブルを招くこともあります。これを防ぐには、発言する前に1度自分の中で「これを言えば相手がどう思うかな？」と考えることです。

口を開く前に一呼吸おくようにすれば、自然と思いを巡らせる時間ができるでしょう。もしも怒りがこみ上げてきたときでも、こうすることによって気持ちが落ち着くこともあります。「いつも口が災いしてしまうので大人の対応を身につけたい」と思っている人は、この方法を試してみてください。

言葉遣いに気をつける

言葉遣いや言葉の選び方は、人とコミュニケーションを取る上で気をつけてほしいポイントです。例えば敬語の使い方を少し間違えるだけで「あの人は敬語もわからない子供だな」と取られてしまいます。

敬語以外にも、言葉が違えば相手に伝わるニュアンスも変わってくるので、アドバイスと取られるか嫌みと取られるかなど、相手に与えるあなた自身の印象すら左右されるでしょう。

言い訳をしない

トラブルが起きたときにスマートな大人の対応ができる人は、たとえ自分のミスが招いた失敗でも言い訳をしません。真摯に謝り、何故トラブルが起きてしまったのか、今後それを防ぐためにはどうすればいいのかを冷静に判断して行動に移すことができます。

できることならそんな人になりたいですよね。そのためにも、言い訳したい気持ちはぐっと堪えて自分の非を認めることからはじめましょう。そうすれば、これから自分がどう行動すればいいのかを考えることにも繋がるはずです。

大人の対応ができている人は、言葉だけでなく行動にも大人らしさが表れています。大人だなと思われる行動も確認してみましょう。

怒りの感情をコントロールする

どんなときでも怒りをコントロールできなければ、大人の対応はできないでしょう。社会に出ると上司に訳もわからず怒られたり、冷たい態度を取られることもあるでしょう。だからといって感情に任せて相手に気持ちをぶつけても、結局のところ事態は悪くなるばかりですよね。

ここで言いたいのは、怒ってはいけないということではなく、怒りの感情が湧いてきたときにコントロールすることが大事だということです。人間なので相手に対してイライラしてしまうこともありますが、それをそのまま出さないのが大人の対応なのです。

責任感のある行動を心がける

「大人なんだから自分の行動に責任は持っている」と思うかもしれませんが、はたして本当にできているでしょうか？時間や約束を守る、やるべきことは最後までやり遂げるなど、確かにできている人は多いでしょう。

ですがイレギュラーなことが起こると、途端に投げやりになってしまう人もいるのが事実です。問題をどう対処するかで大人の対応力は見極められます。トラブルが起きたときにこそ、責任を持って自分で対応できるところまでやり遂げる必要があるのです。

先を見据えて行動する

大人の対応力を身につけたければ、短絡的で目先のことしか考えない言動はやめましょう。「これくらいやらなくても大丈夫だろう」というような考え方をしていると、いつかトラブルになりかねません。大人の対応というのは問題が起こったときの対応の仕方だけではなく、トラブルを未然に防ぐことも含みます。常に先を見据えた行動を心がけてみましょう。

八方美人をやめる

周りの人に気を使うことは多くの人と関わり生活する上で欠かせないことですが、八方美人な振る舞いをすることとは少し違います。八方美人とは、悪い言い方をすれば誰に対してもいい顔をして嫌われないようにすることです。

人に嫌われないようにすることが大人の対応ではありませんよね。ときには自分が相手に嫌われても、相手のために助言することが大事なのです。相手によって態度を変えるのはやめましょう。

自分は気をつけていても、相手に子供っぽい対応をされて困ってしまうこともあるでしょう。そんなときに上手に対処する方法を知っておくと、人間関係でのトラブルを避けられるかもしれません。そこで、大人の対応ができない人への対処法をご紹介します。

頭ごなしに叱らない

大人の対応ができない人は、一般論や常識ではなく自分の考えに従って行動します。そして自分なりの善悪の基準を持っているので、こちらが頭ごなしに叱っても理解されないことがほとんどです。

そういうときには「何がいけないのか」「なぜダメなのか」「本来ならどうすべきなのか」を順序立てて冷静に説明する必要があります。かなり根気がいりますが、こちらの常識が通用しない子供だと思って接しましょう。

中途半端になだめることはしない

感情任せに怒りをぶつけてくる相手に対して、とにかくその場をやり過ごそうとなだめようとするのはNGです。根本的な問題がわからないまま中途半端なことを言ってしまうと、火に油を注ぐようなもので余計に怒らせてしまう可能性があります。いわゆるクレーマーなどがそうです。

怖いから早く落ち着かせたいと思うかもしれませんが、相手が気にしているポイントを確実に理解するまでは余計なことは言わない方がいいでしょう。

無闇に反論しない

相手が間違って認識していたり自分と違う考えを持っていたとしても、話の途中で無闇に反論してしまうのは危険です。大人の対応ができない人は比較的プライドが高い人が多く、プライドの高さゆえに傲慢な振る舞いをしがちです。

ここで反論してしまうと、相手は自分の間違いを認めたくないと思うため、話がこじれてしまう恐れがあります。受け流せるところは無視して言い返さないというのも対処法のひとつです。

相手にしない

どんなにこちらが気を配っていてもどうにもならない相手とは距離を置いてしまいましょう。そういった人たちは、自分で欠点に気づくまではなかなか変わることができません。相手にしてもこちらが疲弊してしまうだけでしょう。

ただし、いきなり避けるような行動を取れば相手は不審に思ってしまうので、ふたりきりになることを避けたり会話を少しずつ減らすなど、さりげなく距離を置くようにしましょう。