人生設計を立てて今後の人生に生かそう！立て方について詳しく解説

「人生設計」は、その名の通り、自分の人生のプランを立てることです。「ライフプラン」や「ライフデザイン」といわれることもあります。

人生は有限です。可能性は無限にあるとしても、ひとつひとつの可能性を実行できる時間は無限ではありません。本当に自分がしたいことはなにか、いま何をすべきなのかを明確にすること、それが「人生設計を立てる」ということになります。

では、人生設計を立てることにはどんな意味があるのでしょうか？

人生設計を立てる意味とは？

人生設計とは、今後どのような人生を歩んでいきたいのかを明らかにし、実現のために必要な計画を具体的に立てていくことです。就職、結婚、子育てなど大きなターニングポイントだけでなく、住居や健康などの日常生活に至るまで、設計する範囲を自由に定めることができます。

人生設計を立てたいと考える人は、生活を安定させたい人、自分の人生このままでいいのかな…と悩んでいる人、大きな目標があるので達成に向けて着実に歩みたい人など、さまざまです。

人生設計を立てることによって、不確定な未来に道筋をつけることが可能になる上、少しずつ実行に移していくことで安心感を得ることもできます。

人生設計にはシミュレーションが大切

未来はこうなる、と断言することは誰にもできません。あくまでも人生設計は、思い描く未来になることを想定して計画を立てることであって、未来を確定させることではないのです。

とはいえ、100％は無理でも、人生設計の精度を上げていくことはできます。そのために必要なことが、シミュレーションをすることです。

シミュレーションの方法はさまざまですが、ファイナンシャルプランナーなどの専門家などにお願いすることもできますし、手軽なものであれば、世帯構成や年収などを入力することで簡単なシミュレーションができるアプリなどもあります。

人生設計ではお金が欠かせない

生きていくために、お金は必要不可欠です。どんな人生を歩みたいかによって必要なお金は変わってきますが、お金に余裕があればあるほど人生の選択肢は増えるでしょう。

では、生きていくために必要なお金にはどのようなものがあるのでしょうか。「三大資金」といわれるのが、「住宅資金」「教育資金」「老後資金」です。これらは人生の柱になる大きな資金で、当然この他にもお金が必要になる場面は出てくるはずです。

「いま何をすべきか」を明らかにすることが大事

「人生設計を立てる」という言葉を聞くと、遠い未来のことを決めるだけだと思うかもしれません。ですが、未来を決めるということは、「いま何をすべきなのか」を導くことになるのです。

逆に言えば、「計画は立てたけど、いま何をすればいいのかわからない」という人生設計にはあまり意味がありません。未来は私たちの前に突然現れるものではなく、「いまこの時」の積み重ねによって形成されるものです。

では、「いますべきこと」を明らかしてくれるような人生設計を立てるためには、どうすればいいのでしょうか。まずは、自分のライフプランを作るためのパーツ集めをしていきましょう。

人生設計を立てる上で、もちろんお金などの現実的な部分は大切です。ですが、そもそも人生設計は「人生に満足するための計画」でもあります。そのために必要なのは、自分がどのように生きていきたいのかを明らかにすることです。

具体的に人生設計を立てていく前に、まず考えておきたいことがあります。いま人生設計を立てる予定のない人にとっても、自分を見つめ直す良い機会になりますので、ぜひ自分自身に問いかけながら読んでみてください。

これから先やってみたいこと

これからの人生のなかで、あなたはどんなことをやってみたいですか？小さなことでも大きなことでも構いません。「死ぬまでにやってみたいこと」と考えても良いでしょう。

この時点では、実現可能性についてはあまり考える必要がありません。「できるかどうか」ではなく「やりたいかどうか」を念頭において考えてみてください。

自分が幸せを感じられる瞬間、達成感を得られる瞬間、「生きていてよかった」と感じた瞬間…そんな過去の経験から紐解くことも方法のひとつです。

どんな仕事をしたいか

社会に出た後には、仕事をしている時間が人生の大部分を占めることも多いです。自分の限られた人生を注ぎ込むのにふさわしい仕事、自分がやりがいを感じられる仕事とはいったいどんな仕事なのか、改めて考えてみましょう。

やりたい仕事を考えるときには、「自分が望む仕事」と「自分に合っている仕事」に差が生じることもあります。そんな時には、望む仕事をすることと、ストレスを感じずに仕事をすることのどちらが自分にとって重要なのかを考えてみてください。

どんな人間になりたいのか

生き方は、人柄に反映されるものです。「どんな人間になりたいのか」という問いは、「どんな人生を歩みたいのか」という問いでもあります。

たとえば、人から愛されるような人間になりたいと思う場合、人から愛される人に「いつも笑顔」「相手を否定しない」「人の悪口を言わない」という要素が必要だとしたら、そんな心の余裕が持てるような人生を送ることも方法のひとつです。

結婚や子供について

結婚をするかどうかや、子供が欲しいかどうかは、人によって違います。結婚を人生のターニングポイントや重要な出来事と考える人もいれば、「できればしたい」と最優先にしない人もいます。「結婚願望はない」「独身生活を謳歌したい」という人もいるはずです。

結婚や子供について考えるときは、まずは現時点で考えていることの逆を検討してみてください。結婚がしたい人は「本当に結婚がしたいのか？」、結婚願望がない人は「本当に結婚したくないのか？」と問いかけてみるのです。

結婚や子供に対する価値観は、年齢とともに変化していきやすいものです。現時点では必要ないと感じていても、選択肢として残しておく方がベターかもしれません。

どんな環境にいたいか

人生設計について考えていく上で、プライベートでの自分の居場所や職場環境なども大切な要素になってきます。コミュニティとしての居場所だけでなく、住む場所などの居住環境もあてはまります。

自分がどのような環境にいるときに居心地が良いと感じるのか、幸せだと感じるのかを、ぜひ考えてみてください。

「人生設計」で考えておきたい事《後編》に続きます。前編では、人生設計を立てる上での構成要素となるパーツについて考えました。後編では、それぞれのパーツをどのように人生設計に組み入れていくのかを考えていきましょう。

情報収集をする

自分がどうしていきたいかが定まってきたあとは、具体的な道筋を立てていくために情報収集をしていきましょう。

たとえば、挑戦してみたい職業について考えた場合、その職業に就くためにはどうすればよいのか、必要な資格やキャリアはあるのか、などの情報を集めて、自分の思い描く未来で実現するためにはどうすればよいのかを考えます。

情報が少ないと、計画の精度は低くなりますし、当然ながら実現可能性は下がってしまいます。想定外の事態を避けるために、情報収集はとても大切な行程です。

自問自答する

やってみたいことや挑戦したいことが、外的要因や自分自身のタイミングによって変化していくこともあるでしょう。一度たてた計画を見直す機会を失うと、実現したあとに現実と理想のギャップに苦しめられることもあります。

時には、計画を見直したり修正していくことも必要です。「本当に自分はこの未来を望んでいるのか？」と自問自答する癖をつけましょう。

実現可能性と達成期間を明確にする

計画を立てるのは物事を達成するためです。やりたいことや達成したいことを考えた後には、それらの実現可能性や達成期間についても慎重に検討していく必要があります。

実現可能性が低いと感じる物事に対しては、より長期的な計画を立てていく必要があるでしょう。可能性が低いからといって切り捨てる必要はありません。実現するために何が必要で、どのくらいの期間を要するのかを明らかにすることが、何より重要です。

「今日何をするべきか」が明確になることが重要

人生設計を立てることで、未来に対するビジョンを明確にすることができます。ですが、人生設計を立てただけで満足することなく、実行していくことが大切です。

意味のある人生設計とは、「今日何をすればよいのか」が明確になるような人生設計です。壮大な目標を立てたけれど、いま何をすればよいかわからない…というのは、しっかり計画されたものとは言えません。

目標から逆算して「この期間にやるべきこと」が明確になっていることが、人生設計を立てていく上では重要になります。

では、さっそく人生設計の立て方について具体的に解説していきましょう。やるべきことを押さえたあとは、実際に人生設計を立てるための土台づくりをしていく必要があります。

やりたい事をリストにする

人生設計を考えるときには、自分がやりたい事をリストアップするところからはじめます。リスト化することで考えを目視で確認することができ、頭の中を整理することができます。

リストを作る時には、なるべく簡潔にやりたいことを挙げていきましょう。重要度別にリストアップする際には、色を変えてみたり、付箋に貼ってそれぞれの関係性をみながら作業をするのも効果的です。

リストをもとに表を作成する

やりたいことのリストアップが終わったら、次は書き上げたリストを表にまとめていきます。表のまとめ方にはいくつかの方法がありますが、最も簡単なのは「重要度・優先度」と「時系列」に分けて考える方法です。

「時系列」を横軸に、「重要度・優先度」を縦軸にして表を作ります。時系列は、1年後から数年区切りで作りましょう。そしてそれぞれの時期に達成したいことを、上から重要度・優先度が高くなるように書き込んでいきます。

ライフイベントと必要経費を探る

表が完成したら、自分の表にあるライフイベントに必要な情報を調べていきます。絶対に達成したいものに関しては、わかりやすいように赤丸で囲みましょう。必要経費なども調べておくことで、より綿密な人生設計を立てることが可能です。

ライフイベントに応じて、自分がやるべきことも決まってくるでしょう。注意する点としては、キャパオーバーにならないようにすること。達成のために必要な努力期間についても、念頭において設計するとよいです。

困ったら人生設計に関連する本などを参考にする

リストを作り、それを表にする。このプロセスだけ聞くと「人生設計をつくるのって案外簡単かも」と思うかもしれません。ですが、実際にこの作業を続けていくと「本当にこれでいいのかな…」「実現可能性がうまく測れない」などの悩みが出てくるはずです。

そんな時には、人生設計に関連する本などを読んでアドバイスを得るようにしましょう。基本的な人生設計の立て方はこの記事でご紹介した通りですが、お金に関する情報は、専門の本などで学ぶことでより明確な計画を立てることができます。

人生設計を立てた後には、計画の内容を少しずつ実行していきましょう。ここから先こそが本番です。会社や学校などとは異なり、ライフプランは自分自身を律することで実行していかなくてはいけません。

そのため、人生設計を作りおえた後は、どのように自分がモチベーションを保っていくかを考えていくことが大切です。

シートを持ち歩いて意識する

人生設計をシートにして作成した場合には、できるかぎり持ち歩くようにしましょう。手帳に挟んでおいたり、写真に撮っていつでも見られるようにしておくことで、自然と意識することができます。

余裕のある人は、日単位や週単位で「やることリスト」を作っておくのもおすすめです。計画に縛られて息苦しくならないように、自分のペースで意識づけするようにしましょう。

人生に必要なキーワードを探る

人生に必要なキーワードとは、自分が生きていく上で欠かせないものを端的に表現した言葉のことです。文章ではなく、シンプルなキーワードで表すことによって、複雑に見える人生設計をよりシンプルに感じることができます。

例として挙げるならば、「時間・自由・成功」のような形です。「安定・信頼・平和」などのキーワードが大切な人もいるでしょう。３つでなくても構いません。自分がリストアップしたライフイベントがどのキーワードに結びつくか考えるのも良い方法です。

アプリなどを利用してモチベーションを保つ

人生設計を普段の生活の中で意識づけるには、スマホなどのアプリを使うのも有効な手段です。目標達成のためにやるべきことさえ決めていれば、その達成率や進捗状況などをアプリで確認することもできます。

資格勉強や貯金などを目標にする場合には、より具体的な「やることリスト」を作りましょう。「いつまでに終える」「いくら貯める」などを決めておくことが大切です。

不確定な未来に対しても柔軟に対応することが大事

人生設計は、あくまでも計画です。思い通りにならないこともたくさん起きるでしょう。「自分で計画したのにきちんと実行できない」と落ち込む日も来るかもしれません。

ですが、そもそも未来は誰にも予測できないもの。人生設計の通りにならなかったからといって、落ち込んだり諦めたりするのはもったいないことです。

人生設計の内容を書き換えなければいけない時がきたら、自分の納得がいくように柔軟に対応しましょう。

人生設計は、自分自身がどのように生きたいかや、生きていくのに何が必要かを明らかにしたものです。大きな目標を持っている人だけでなく、将来が不安…と悩みを感じている人にこそ必要だとも言えるでしょう。

人生設計を立てる時には、「目指す未来」だけでなく「いまこの瞬間」にも繋がるような計画を立てましょう。設定したライフイベントから逆算して、いま何をやるべきか明確にわかるのが、作る価値のある人生設計です。