タトゥーを入れる人の心理とは?刺青との違いやリスクについても解説

タトゥーを入れる人の心理とは?刺青との違いやリスクについても解説

「街中でタトゥーを入れた人を見かけるようになってきたけれど、どんな心理でタトゥーを入れるのだろう?」と疑問に思ったことはないでしょうか。この記事では、タトゥーを入れる人の心理や理由について詳しく迫ってみました。タトゥーに興味がある人はチェックしてみてくださいね!


タトゥーを入れる人の心理が知りたい!

芸能人や海外のアスリートの影響もあってか、街中でタトゥーを入れている人を見かけるようになったと思いませんか?一昔前は怖い人たちしか入れていなかったイメージのタトゥーも、近年ではファッション感覚で楽しむ人が増えています。

しかし、タトゥーに馴染みがない人から見ると、どうしてわざわざ痛い思いをしたり、不便な思いをしそうなのにタトゥーを入れるのか、入れる人はどんな心理なのかと不思議に思うのではないでしょうか。

そこで、今回はタトゥーを入れる人の心理について詳しく調べてみました。また、「タトゥーと刺青(入れ墨、いれずみ)は違うの?」という疑問にもお答えします。タトゥーに関して疑問を抱いている人や、いつか自分も入れてみたいと思っている人は、参考にしてみてくださいね。

心理の前に!タトゥーについて解説

タトゥーを入れる人の心理にはどんなものがあるのかをご紹介する前に、そもそもタトゥーとは何なのかを解説しておきましょう。

タトゥーがどんなものなのかをわかった上で心理を知ると、入れる意味や理由も深みが増して感じられるかもしれませんね。

刺青との違いは?


タトゥーは英語の「Tattoo」のことで、皮膚に針などで傷をつけて、着色料を入れることによって文字や絵を描いたものを指します。つまり、タトゥーと刺青は同じものだと言えるでしょう。

厳密に言うと技術的な面で違いがあり、刺青の方が針を深く刺し、タトゥーは浅く針を入れるようですが、本質的には変わらないと考えられます。

場合によっては、デザインが洋風のものや若者の解釈では「タトゥー」、和風デザインや年配者の解釈を「刺青」と分けることもありますが、使い分けは人によるので一概には断言できません。

また、刺青は「入れ墨」と表記することもありますが、どちらも同じものを意味します。ただし、江戸時代に罪人に入れられた墨を指す場合には、「刺青」とは表記せずに「入れ墨」と書くのが正しいようです。

ヘナタトゥーとの違いは?


タトゥーに似たもので「ヘナタトゥー」というものがありますが、こちらは似ているようで全くの別物だと言えるでしょう。

ヘナタトゥーは、「ヘナ」という植物から作られた染料で皮膚を染めるボディアートで、皮膚の新陳代謝によって2週間~1か月ほどで消えるので、気軽にタトゥー気分を味わえるものとして人気があります。

皮膚に傷をつけて染料を入れるタトゥーに対して、ヘナタトゥーは植物由来の染料で皮膚を染めるだけなので、肌トラブルが少ないこともメリットです。しかし、基本的にはヘナの持つ色素である茶色っぽい色にしか染まらないため、カラフルなデザインやリアルな刺青っぽさを求める人には少々物足りなさを感じるとの声も見られます。

温泉に入れないのはなぜ?


かつて、日本では罪人に入れ墨をする刑罰がありました。また、暴力団員が刺青をしているイメージが強くあるため、刺青やタトゥーは周囲に威圧感を与えるネガティブなものという印象がいまだに浸透しています。

温泉施設は人々が心と体を癒す目的の娯楽施設のため、威圧的な人がたくさん来てしまうと、そのほかのお客さんが落ち着いて利用できないという懸念が出てくるのです。

そのため、多くの温泉施設では、利用客からのクレームやトラブル回避のために、刺青やタトゥーを入れている人の利用を断っているのだと考えられます。

タトゥーをファッションで入れている人は、暴力団の刺青とは全く違うと主張したくなるはずですが、タトゥーに馴染みがない人が違いを見極めるのは難しいのではないでしょうか。線引きが曖昧で、収拾がつかないならば禁止にしよう、という結論に至る施設が多いのです。

デザインや入れる場所によって意味は違うの?


タトゥーのデザインや入れる場所によって、意味はあるのでしょうか。結論から言うと、意味を持つかどうかは人それぞれで、単純に気に入ったデザインを選んだり、目立たせたいか、隠したいかによって入れる場所を選ぶ人も多いといいます。

一方で、タトゥーに強いこだわりを持っている人の場合は、意味を込めて彫っている人もいるようです。例えば、肩や腕の部分は他人にアピールしやすい部分であるため、ここに彫られるタトゥーは「自分がこうありたいと願う心理」を表現していると言われています。

また、一見恐ろしく見えるドクロのデザインは、死は誰でも平等にやってくることから「平等」の象徴として使われたり、「魔除け」を意味することもあるモチーフです。ちょっと怖いタトゥーをしている人も、案外ピースフルな思考を持っているのかもしれませんね。

タトゥーを入れる人の心理(1)

タトゥーを入れたことがない人は、タトゥーを入れる人の心理や理由を疑問に思ってしまうものですが、タトゥーを入れている人の中には、自分なりの理由や強いこだわりがある人もいるようです。

それでは、タトゥーを入れる人の心理にはどんなものがあるか、詳しく見ていきましょう。

オシャレだから


タトゥーを入れる心理としてよく挙げられるのが、オシャレだからという理由です。ファッション感覚でタトゥーを入れるのは、主に若い人に見られる傾向があります。

オシャレとしてタトゥーを入れる場合、他人から見える場所にタトゥーを入れる人が多く、ファッションにピリッとスパイスを効かせるような目的があると考えられるでしょう。

誰でもすぐにマネできるものではないので、人とはちょっと違ったオシャレをしているという心理的な特別感も、タトゥーに魅力を感じる理由のひとつです。

自分を変えたい


振り返りたくない過去があったり、今の自分に自信が持てなかったりする場合、自分を変えるためにタトゥーを入れる人もいます。

すぐに消すことができないタトゥーを入れるのには、並々ならぬ覚悟が必要です。大きな決心をして、痛みを乗り越えることができれば、それが自信となって新たな自分をスタートできるのではないかという心理から、タトゥーを入れる決断に至るのだといいます。

つまり、過去の自分と決別するためのツールが、タトゥーだというわけですね。

強い人だと思われたい


大きくて派手なタトゥーや目立つデザインのタトゥーを入れている人は、迫力がありますよね。周りから一目置かれるような強い人だと思われたいという心理から、タトゥーを入れる人もいます。

男性の場合は、闘争心のあるファイターや、刺激的な演奏をしているミュージシャンなどによく見られる傾向ではないでしょうか。女性の場合は、男性に媚びない姿勢や、心理的に自立したいという気持ちの強さがタトゥーに表れている人が多いようです。

いずれの場合も「周りになめられたくない」という心理が大きいと考えられます。

自己表現


タトゥーを入れるのは、自己表現のひとつだと考える人もいます。メッセージ性の強い言葉やデザイン性の高いタトゥーを体に彫ることで、自分はこういう人間なのだと周囲にアピールしたい心理があると考えられるでしょう。

タトゥーをアートだと考えている人も多く、唯一無二のデザインのタトゥーを入れることで、自分だけの世界観を表すことができるのが魅力的だという意見も見られます。

タトゥーを入れる人の心理(2)

タトゥーを入れる人の心理や理由は十人十色で、ポジティブな心理がある一方で、複雑な心理が隠れている場合もあります。

それでは、タトゥーを入れる人の心理の続きを見てみましょう。

愛情表現


愛情表現をするためにタトゥーを入れるという事例も多くあります。家族や恋人、ペットの名前などを体に彫ることで、心はいつでも一緒にいるという心のよりどころとしたり、一生愛し続けるという誓いの気持ちを表したりしているのです。

また、憧れているアーティストやアニメキャラクターのイラストなど、一方的な愛情をタトゥーにして表現するパターンも見られます。こんなにも愛している、または崇拝しているという想いをタトゥーで表現しているのを見ると、強い熱意を感じますね。

周りの影響で


特に理由という理由はないけれど、周りの仲間がタトゥーを入れているので、なんとなく影響されて入れてみる人もいるようです。

何かのチームに所属していたり、グループで活動していたりすると、みんながやっているからやってみようという心理になってしまうのでしょうか。

この場合は、タトゥーに対しては特に強いこだわりがなくても、周りと同じだということで連帯感や結束力を感じて安心するという心理が働いていると考えられます。

自傷行為


タトゥーは自傷行為のひとつだという考え方もあります。辛いことがあった時に、タトゥーを彫ることで精神を安定させようとする心理が働いているというのです。

体を傷付けることによって、その痛みで生きている実感を得て、痛みを乗り越えることで達成感や満足感を得ているというのは、リストカットをすることとも似ています。

このケースでは、タトゥーの数はどんどん増えていくことが考えられるでしょう。タトゥーを入れる人には複雑な心理が隠されていることもあるのですね。

傷痕を隠したい


日本ではあまりないケースですが、海外では傷痕を隠すためにタトゥーを入れる人もいるようです。目立ってしまう傷痕や手術痕の上からお気に入りのタトゥーを入れることで、コンプレックスをカバーするというわけです。

ネガティブな印象になりがちな傷痕も、タトゥーを入れることでポジティブになることもあるのですね。

タトゥーを入れた人の心理&エピソード

タトゥーを入れる人の心理や理由にはどんなものがあるのかわかってきたところで、実際にタトゥーを入れている人の意見を見てみましょう。

タトゥーへの思い入れやその後の心境の変化など、さまざまなエピソードをご紹介していきます。

母への思いを込めて命日に…


「母親が外国人で、自分はいわゆるハーフなんですが、昔は周りに馴染めなくて、グレて母親にたくさん迷惑をかけてしまった。それでも信頼できる人に出会って、夢を叶えることができた。

でもしばらく会わないでいる間に、母親は病気になって亡くなってしまった。胸のタトゥーは感謝と懺悔の気持ちを込めて、いつまでも忘れないために母さんの命日に彫りました」(32歳/男性/ショップ経営)

単なるオシャレ感覚ではなく、亡くなった人への思いを込めてタトゥーを彫る人もいるのですね。大好きな家族への感謝の気持ちを込め、いつまでも忘れない、これからも心はいつも一緒にいる、という心理がタトゥーに表れています。

若気の至りでタトゥーを入れて後悔


「オシャレかなって思って、若気の至りで足首にタトゥーを入れたけど、今となっては後悔している。自分の子供を持ってから、周りと違うという現実を感じるようになった。

子供とプールにも行けないし、園ママにタトゥーがバレて、元ヤンって噂を流されたりして、ちょっと肩身が狭い」(28歳/女性/主婦)

独身でいる時には問題がなくても、結婚したり子供が生まれてからタトゥーによる問題を感じるようになり、後悔しているという話はよくあります。タトゥーを入れる時には、今後の人生に影響がないかどうか充分に考慮する必要がありそうですね。

特に不便は感じない


「音楽をやっていて、自己表現の一種で肩にタトゥーを入れているけど、特に不便に感じたことはないですね。

よく温泉とかプールに行けなくなるって脅されるけど、わざわざ知らない人が入った風呂に入りたいと思わないし、泳げないからプールに行きたいとも思わない。

バレちゃまずいような状況では人前で服を脱がなきゃいいだけの話だから、生活に影響もないですよ」(22歳/男性/ショップ店員)

日常生活において、タトゥーによる不便さは特に感じないという意見もあります。本人のライフスタイルや、タトゥーを入れている箇所が洋服などで隠れるかどうかも、重要なようですね。

海外で入れたけど失敗作だった


「アメリカにしばらく住んでいたことがあって、現地ではタトゥーはポピュラーなので記念に入れたけど、彫師がハズレでクオリティーが低い失敗作になってしまった。

まぁこれも思い出かなと思ってそのままにしてあるけど、ショップや彫師は慎重に選んだ方がいいと思う」(29歳/女性/美容関係)

海外では、日本よりもタトゥー文化が浸透していて値段も安い場合がありますが、お店の様子や仕上がりには差があるので、慎重に吟味する必要がありそうですね。場合によっては失敗した時のことも考えておく必要があるでしょう。

タトゥーを入れることのリスクとは?

タトゥーを入れている人の心理や理由に共感できるものがあり、もし自分もこれから入れてみたいと考えるのであれば、きちんとリスクを知っておく必要があるでしょう。

最後に、タトゥーを入れることのリスクについてご紹介します。

偏見を持たれてしまうことも


タトゥーをしている人が増えてきたと言っても、日本ではまだまだ少数派です。タトゥーや刺青に対してマイナスなイメージがあり、タトゥー嫌いな人もいるということは心得ておく必要があるでしょう。

たとえ、どんなにポジティブな意味や理由がタトゥーにあったとしても、タトゥー嫌いな人には「タトゥーをしている」というだけで偏見を持たれてしまうことがあるというのは、覚悟しておいた方が良いと言えます。

もちろん偏見は良くないことなのですが、周囲の人を不安にさせてしまう可能性があるのも事実です。仕事中や公共の場では隠す配慮が必要になりそうですね。

温泉旅行をしにくくなる


前述しましたが、タトゥーを入れている人は温泉施設などの娯楽施設で、入館を断られることが多くあります。そうなると、温泉旅行をしにくくなってしまうことでしょう。自分は行かないつもりでいても、この先パートナーや子供ができた時、行きたいと思っても行けずに困ってしまうことが考えられます。

中には、タトゥーを絆創膏やラッシュガードなどで隠す処置をすればOKだったり、時代の流れや外国人観光客のニーズに合わせてタトゥー自体をOKとする施設もありますが、いずれにしても現状では選択肢が限られてしまう可能性は高いでしょう。

就職活動で不利になることも


タトゥーをしていると、就職活動で苦労することも考えられます。希望する職種や、タトゥーが他人から見える場所にあるかどうかによっても変わってくるのですが、目立つ場所にタトゥーがある場合は、仕事の選択肢が減ってしまうこともあるでしょう。

近年では、一般企業でもタトゥーに対して多少は寛容な雰囲気になってきたようですが、面接官や社長がタトゥー嫌いだった場合、それだけで心象が悪くなってしまうのは避けられません。

たとえ、現在の職場ではタトゥーが問題ないとしても、新しい道に進もうと思った時に、タトゥーが原因で不利になってしまうことも考えられるのではないでしょうか。

消すのが大変


タトゥーは基本的には一生身体に残るもので、それが魅力的だという理由で彫る人も多いです。しかし、それは裏を返すと「消したくなった時になかなか消せない」ということになります。タトゥーを入れた人の中には、後悔して消したくなる人も少なくありません。

近年では医療技術が発達して、皮膚移植やレーザー治療などでタトゥーを除去する方法がいくつかありますが、いずれの場合も一回できれいさっぱり消えるというケースはほぼなく、時間をかけて何度も施術をする必要があるといいます。

また、タトゥーを入れる時よりも除去する時の方がはるかに費用がかかったという声や、痛みが強かったり、傷跡が残ってしまうこともあるそうです。タトゥーを入れる時よりも、消す時の方が覚悟が必要になるかもしれません。

病気に感染する可能性がある


タトゥーを入れる上で一番注意しなくてはならないのが、病気に感染する可能性があるということです。具体的には、血液を介して感染する肝炎ウィルスや、エイズなどの心配があります。

日本のタトゥースタジオは、タトゥーを彫る時に使う針は使い捨ての物を使うように徹底しているとは言われていますが、管理がずさんで針の使い回しをしている可能性がある場合には、感染の危険性が高いと言えるでしょう。

また、こういった病気のリスクがあることから、タトゥーをいれている人は生命保険に入れない場合もあるようです。きちんと検査して問題がなければ良いのですが、リスクがあるという危機感は持っておく必要がありそうですね。

タトゥーを入れる人の心理は千差万別

タトゥーを入れたいと思う人の心理はさまざまで、単純にオシャレ感覚で入れている人もいれば、深い意味やこだわりを持っている人もいました。時にはタトゥー嫌いの人に偏見の目で見られてしまうこともありますが、タトゥーを入れたいと思うこと自体は個人の自由です。

ただし、これからタトゥーを入れてみたいと思っている人は、リスクも大きいので、未来のことまで充分に考えなくてはならないと肝に銘じておく必要があるでしょう。タトゥーを入れている人の中には、さまざまな苦労や周りへの配慮をしている人も多く見られました。

日本ではまだまだ少数派ですが、この先、海外からの旅行者の増加や時代の流れによって、タトゥーへの意識が変化してくることも考えられます。多様化の時代で、タトゥーをしている人もしていない人も、双方が嫌な気持ちにならない社会になっていくといいですね。

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